JPH05164293A - 保護テープおよびこれを用いたパイプ保温構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 保護テープは、硬化性配合物を含有した配合
物保持層と、アルミニウム箔または合成樹脂製フィルム
からなる配合物移行阻止層とが積層されてなるものであ
る。また、パイプ保温構造は、パイプに外装された保温
材の上に、上記保護テープが、配合物移行阻止層を内側
にして巻装されたものである。 【効果】 この発明による保護テープを、パイプに外装
された保温材の上に配合物移行阻止層が内側になるよう
に巻装することにより、パイプ被覆作業を簡略化するこ
とができ、その結果、施工費の削減、工期の短縮を達成
し、さらには施工後の外観仕上りを良好ならしめること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、工場内の蒸気配管
や、石油コンビナートの屋外蒸気配管などにおけるパイ
プ保温構造、および同保温構造に使用する保護テープに
関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、工場内の蒸気配管には、熱の逃
げを防止するために、シリカやグラスウールなどの保温
材が外装されている。また、石油コンビナートの屋外蒸
気配管など屋外配管の場合は、保温材表面に鉄板ないし
はブリキ板などからなる表面保護材が被せられている。
しかし、この構造では、雨水や波しぶきなどが表面保護
材の隙間を通過して内部に浸入し、保温材に吸水され、
その結果熱効率が著しく落ちる難点がある。

【０００３】そこで、こうした表面保護材に代わるもの
として、硬化性配合物で保温材を被覆することが行われ
ている。これは、保温材を被覆する時は柔らかく、放置
後表面から硬化するものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、この硬化性配
合物をパイプ上の保温材に被覆すると、保温材を構成す
るシリカなどに硬化性配合物が未硬化のうちに吸収さ
れ、保温材を保護する作用が失われる。

【０００５】この発明は、上記の点に鑑み、保温材保護
機能を失うことなく、パイプ被覆作業の簡略化、施工費
の削減、工期の短縮などの改善を行うことのできる保護
テープおよびこれを用いたパイプ保温構造を提供するこ
とを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明は、硬化性配合
物を含有した配合物保持層と、アルミニウム箔または合
成樹脂製フィルムからなる配合物移行阻止層とを一体に
張り合わせすることにより、上記目的が達成できること
を見出して完成されたものである。

【０００７】すなわち、この発明による保護テープは、
硬化性配合物を不織布等の基材に含浸させてなる配合物
保持層と、アルミニウム箔または合成樹脂製フィルムか
らなる配合物移行阻止層とが積層されてなるものであ
る。

【０００８】また、この発明によるパイプ保温構造は、
パイプに外装された保温材の上に、上記構成の保護テー
プが、配合物移行阻止層を内側にして巻装されているも
のである。

【０００９】この発明による保護テープにおいて、配合
物保持層の硬化性配合物の代表例は、石油系スルホネー
トと溶剤（テルペン油）とからなるペーストにステアリ
ン酸カルシウムを配合してなるグリース状物９７重量％
と、アルミニウムペースト３重量％（着色剤）とからな
り、溶剤の蒸発により硬化するものである。配合物保持
層は、このような配合物を基材に含浸させたものであ
る。この含浸は好ましくは両層の積層の後に行われる。
配合物保持層の基材としては不織布が好ましい。

【００１０】他方、配合物移行阻止層としてはアルミニ
ウム箔が好ましい。配合物移行阻止層が合成樹脂製フィ
ルムからなる場合、適用できる合成樹脂としてはポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレ
ンテレフタレートなどが例示される。

【００１１】配合物保持層と配合物移行阻止層との積層
は、たとえば、接着剤を介してまたは介さずに、熱ラミ
ネーション法、押出しラミネーション法などにより常法
に従ってなされる。

【００１２】保護テープの幅は好ましくは１０ｃｍ〜１
００ｃｍであり、その長さは好ましくは１０ｍ〜２０ｍ
であり、その厚みは好ましくは０．８ｍｍ〜１．３ｍｍ
である。配合物保持層の非積層面には剥離紙を貼付する
ことが好ましい。

【００１３】

【作用】この発明による保護テープは、硬化性配合物を
含有した配合物保持層と、アルミニウム箔または合成樹
脂製フィルムからなる配合物移行阻止層とが積層されて
なるものであるので、これを、パイプに外装された保温
材の上に配合物移行阻止層が内側になるように巻装する
ことにより、本書冒頭で述べた従来技術に比べ、パイプ
被覆作業を簡略化し、その結果、施工費の減少、施工費
の削減、工期の短縮などを達成できる。

【００１４】

【実施例】つぎに、この発明を具体的に説明するため
に、この発明の実施例を示す。

【００１５】実施例１ 図１において、保護テープ(1) は、硬化性配合物を不織
布に含浸させてなる配合物保持層(2) と、アルミニウム
箔からなる配合物移行阻止層(3) とが積層されてなるも
のである。配合物保持層(2) の非積層面には剥離紙(4)
が貼付されている。

【００１６】配合物保持層(2) と配合物移行阻止層(3)
との積層は、押出しラミネーション法により常法に従っ
て行い、ついで不織布に硬化性配合物を含浸させた。

【００１７】硬化性配合物は、石油系スルホネートと溶
剤（テルペン油）とからなるペーストにステアリン酸カ
ルシウムを配合してなるグリース状物９７重量％と、ア
ルミニウムペースト３重量％（着色剤）とからなるもの
である。こうして、１５ｃｍの幅、１５ｍの長さ、およ
び１．０ｍｍの厚さを有する保護テープ(1) が得られ
た。ついでこれを、配合物移行阻止層(3) が内側になる
ように紙管に巻回し、製品の形態とした。

【００１８】硬化性配合物がペースト状である間は、保
護テープ(1) を巻き戻しても硬化性配合物はアルミニウ
ム箔に殆ど付着しないが、剥離紙(4) は貼着しておくこ
とが好ましい。

【００１９】巻回した保護テープ(1) の製品は、１個ず
つガスバリヤ性の高いフィルム（例えばアルミニウム箔
／ポリエチレン積層フィルムなど）で作製された袋に封
入し、これを真空包装する。こうして製品を保存するこ
とによりテープの硬化が防止される。

【００２０】実施例２ 配合物移行阻止層の材料として、アルミニウム箔の代わ
りにポリエチレン製フィルムを用い、その他の点を実施
例１と同様にして、保護テープを構成した。

【００２１】実施例３ 図２において、パイプ保温構造は、パイプ(5) に外装さ
れた保温材(6) の上に、図１に示す実施例１の保護テー
プ(1) を、配合物移行阻止層(3) が内側になるように巻
装したものである。

【００２２】保護テープ(1) の巻装は、幅の１／２がオ
ーバーラップするように螺旋状に行った。巻装後、オー
バーラップ部がわからなくなるまで、保護テープ(1) の
表面を手で十分になで付けた。

【００２３】実施例４ この例では、図１に示す実施例１の保護テープ(1) にお
いて、テープ幅を１ｍとしたものを用いた。

【００２４】保護テープ(1) の巻装は、図３に示すよう
に、保護テープ(1) の幅をパイプ(5) の長手方向に一致
させてスシ巻きの要領で巻き付けた。大口径パイプには
この施工法が早くて簡単である。

【００２５】実施例５ この例では、実施例２の保護テープ(1) を用い、その他
の点を実施例３と同様にして、パイプ保護構造を構成し
た。

【００２６】配合物移行阻止層(3) を構成するポリエチ
レン製フィルムは、アルミニウム箔に比べ多少の伸びを
生じるため、パイプに巻き付けた時しわが入らず、施工
がしやすい。また、オーバーラップ部にしわが入らない
ため、雨水の浸入がない。そのため施工後の外観が良
く、仕上りも美しい。

【００２７】

【発明の効果】この発明による保護テープは、硬化性配
合物を含有した配合物保持層と、アルミニウム箔または
合成樹脂製フィルムからなる配合物移行阻止層とが積層
されてなるものであるので、これを、パイプに外装され
た保温材の上に配合物移行阻止層が内側になるように巻
装することにより、本書冒頭で述べた従来技術に比べ、
パイプ被覆作業を大幅に簡略化することができ、その結
果、施工費の削減、工期の短縮を達成し、さらには施工
後の外観仕上りを良好ならしめることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明による保護テープの実施例を示す断面
図である。

【図２】この発明によるパイプ保温構造の実施例を示す
断面図である。

【図３】この発明によるパイプ保温構造の実施例を示す
断面図である。

【符号の説明】

１ 保護テープ ２ 配合物保持層 ３ 配合物移行阻止層 ４ 剥離紙 ５ パイプ ６ 保温材

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 硬化性配合物を含有した配合物保持層
   と、アルミニウム箔または合成樹脂製フィルムからなる
   配合物移行阻止層とが積層されてなる保護テープ。
2. 【請求項２】 パイプに外装された保温材の上に、請求
   項１記載の保護テープが、配合物移行阻止層を内側にし
   て巻装されているパイプ保温構造。