JPH05159286A - 塗膜体の製造装置及び製造方法 - Google Patents

塗膜体の製造装置及び製造方法

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JPH05159286A
JPH05159286A JP32589191A JP32589191A JPH05159286A JP H05159286 A JPH05159286 A JP H05159286A JP 32589191 A JP32589191 A JP 32589191A JP 32589191 A JP32589191 A JP 32589191A JP H05159286 A JPH05159286 A JP H05159286A
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JP
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coating film
drying
light
magnetic
coating
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JP32589191A
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English (en)
Inventor
Yuzo Matsuo
祐三 松尾
Yasutake Miura
泰毅 三浦
Mikio Toyoura
幹雄 豊浦
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 支持体上に塗布された塗膜の乾燥具合の判定
が極めて簡単に行え、塗膜体、特に磁気記録媒体の製造
に極めて効果的な技術を提供することである。 【構成】 支持体上に塗料が塗布されて塗膜が構成され
る塗膜体の製造装置であって、塗膜を乾燥させる乾燥手
段と、塗膜に対して光を照射する照射手段と、この照射
手段からの光の反射光(及び/又は透過光)量の経時変
化の特性から塗膜の乾燥具合を判定する判定手段とを具
備する塗膜体の製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば磁気記録媒体な
どの塗膜が構成された製品の製造装置及び製造方法に関
するものである。
【0002】
【発明の背景】例えば、磁気テープ等の塗布型の磁気記
録媒体は、一般に、磁性粉末、バインダ、その他各種の
添加剤及び溶剤を混練して得た磁性塗料を、ポリエステ
ルフィルム等のベースフィルム(支持体)上に塗布、乾
燥し、そして必要に応じて配向処理が行われている。
尚、この配向処理は、連続移送される支持体表面に塗布
された塗布液(塗膜)が乾燥、固化する前に該塗膜に対
して外部磁界を印加し、磁性粉末の磁化容易軸を特定方
向に配向させることにより、この塗膜が固化してなる磁
性塗膜の角型比を高めるものであり、これによって記録
再生特性の向上が目論まれている。ところで、この磁場
配向処理は、一般に、塗膜が乾燥、固化する直前に行う
と効果的であると言われている。すなわち、塗膜の乾燥
度が低く、粘度が低い状態で磁場配向処理をしても、塗
膜中の磁性粉末は乾燥するまでに動いてしまい、配向が
崩れてしまうからである。逆に、塗膜の乾燥が進んでし
まってから磁場配向処理すると、磁性粉末は動けないの
で、配向処理も意味がなくなる。従って、連続移送され
る非磁性支持体に磁性塗料を塗布して磁気記録媒体を製
造するに際しては、塗膜が乾燥、固化する直前のポイン
トを求め、該ポイントで磁性粉末の配向処理を施すこと
が望ましい。
【0003】このような観点から、非磁性支持体に磁性
塗料を塗布して磁気記録媒体を製造するに際して、塗膜
に対して測定光を照射すると共に照射光の塗膜からの反
射光量を測定し、該反射光量の測定結果に応じて乾燥手
段を制御することにより、磁場配向手段近傍において前
記反射光量が最大値をとるようにしたことを特徴とする
磁気記録媒体の製造方法が提案(特公平3−41893
号公報)されている。すなわち、磁性塗膜に光を照射
し、該塗膜からの反射光量を塗膜未乾燥状態から乾燥完
了状態までにわたって測定すると、未乾燥状態下では反
射光量は比較的小さなほぼ一定値をとり、乾燥完了直前
において急激に増大し、乾燥完了すると低下してほぼ一
定値を保つという現象を発見したことに基ずいて上記の
提案がなされたと記載されている。そして、これにより
磁場配向が効果的に行えると謳われている。
【0004】しかしながら、この提案のものでも満足出
来るものではなかった。例えば、図4、図5及び図6に
示す如く、磁性塗料が異なると塗膜未乾燥状態から乾燥
完了状態までにわたっての反射光量の挙動も異なるもの
となり、従って磁性塗料毎に反射光量の挙動特徴を予め
求めておかねばならず、磁性塗料の成分変更にもそれだ
け制約が加わることになる。又、磁性塗料によっては前
記反射光量の変動が小さい場合も有り、塗膜が乾燥、固
化する直前のポイントの判定が困難な場合も有る。
【0005】
【発明の開示】本発明の目的は、支持体上に塗布された
塗膜の乾燥具合の判定が極めて簡単に行え、塗膜体、特
に磁気記録媒体の製造に極めて効果的な技術を提供する
ことである。この本発明の目的は、支持体上に塗料が塗
布されて塗膜が構成される塗膜体の製造装置であって、
塗膜を乾燥させる乾燥手段と、塗膜に対して光を照射す
る照射手段と、この照射手段からの光の反射光(及び/
又は透過光)量の経時変化の特性から塗膜の乾燥具合を
判定する判定手段とを具備することを特徴とする塗膜体
の製造装置によって達成される。
【0006】又、支持体上に塗料が塗布されて塗膜が構
成される塗膜体の製造装置であって、塗膜を乾燥させる
乾燥手段と、塗膜に対して光を照射する照射手段と、こ
の照射手段からの光の反射光(及び/又は透過光)量の
経時変化の特性から前記乾燥手段を制御する制御手段と
を具備することを特徴とする塗膜体の製造装置によって
達成される。
【0007】又、支持体上に磁性粉を含有する塗料が塗
布されて塗膜が構成される塗膜体の製造装置であって、
塗膜を乾燥させる乾燥手段と、磁性粉を配向させる配向
手段と、塗膜に対して光を照射する照射手段と、この照
射手段からの光の反射光(及び/又は透過光)量の経時
変化の特性から前記乾燥手段を制御する制御手段とを具
備することを特徴とする塗膜体の製造装置によって達成
される。
【0008】又、支持体上に磁性粉を含有する塗料が塗
布されて塗膜が構成される塗膜体の製造装置であって、
塗膜を乾燥させる乾燥手段と、磁性粉を配向させる配向
手段と、塗膜に対して光を照射する照射手段と、この照
射手段からの光の反射光(及び/又は透過光)量の経時
変化の特性から前記配向手段を制御する制御手段とを具
備することを特徴とする塗膜体の製造装置によって達成
される。
【0009】又、支持体上に塗料が塗布されて塗膜が構
成される塗膜体の製造方法であって、塗膜に対して光を
照射する工程と、照射された光の反射光(及び/又は透
過光)量の経時変化の特性から塗膜の乾燥具合を判定す
る判定工程とを具備することを特徴とする塗膜体の製造
方法によって達成される。又、支持体上に塗料が塗布さ
れて塗膜が構成される塗膜体の製造方法であって、塗膜
に対して光を照射する工程と、照射された光の反射光
(及び/又は透過光)量の経時変化の特性から塗膜の乾
燥具合を制御する制御工程とを具備することを特徴とす
る塗膜体の製造方法によって達成される。
【0010】又、支持体上に磁性粉を含有する塗料が塗
布されて塗膜が構成される塗膜体の製造方法であって、
塗膜を乾燥させる乾燥処理工程と、磁性粉を配向させる
配向処理工程と、塗膜に対して光を照射する照射工程
と、照射された光の反射光(及び/又は透過光)量の経
時変化の特性から塗膜の乾燥処理を制御する制御工程と
を具備することを特徴とする塗膜体の製造方法によって
達成される。
【0011】又、支持体上に磁性粉を含有する塗料が塗
布されて塗膜が構成される塗膜体の製造方法であって、
塗膜を乾燥させる乾燥処理工程と、磁性粉を配向させる
配向処理工程と、塗膜に対して光を照射する照射工程
と、照射された光の反射光(及び/又は透過光)量の経
時変化の特性から配向処理を制御する制御工程とを具備
することを特徴とする塗膜体の製造方法によって達成さ
れる。
【0012】すなわち、本発明者は、反射光量の挙動
は、図4、図5及び図6に示された如く、磁性塗料の組
成によって異なることから、さらなる研究を鋭意押し進
めて行った結果、反射光量の経時変化は磁性塗料の組成
によらず同様な挙動を示すことを見出した。つまり、図
1に示される如くの磁気記録媒体の製造工程において、
各乾燥位置A,B,C,D,E,F,Gにおいて非磁性
支持体上の磁性塗膜に光を照射し、磁性塗膜からの反射
光量の挙動ではなく、反射光量の経時変化の挙動を調べ
た処、これは図2及び図3に示されるようなものであっ
た。しかも、この反射光量の経時変化の挙動は、磁性塗
料の種類によらず同様なものであった。例えば、図4、
図5及び図6に示されたいずれの磁性塗料にあっても、
反射光量の経時変化の挙動は図2及び図3に示されるよ
うに同様なものであった。尚、図1中、1は磁性塗料が
非磁性支持体上に塗布された長尺状の磁気記録媒体、2
c,2d,2e,2f,2gは各乾燥ブロックC,D,
E,F,Gに熱風を供給するブロワー、3はブロワー制
御装置、4c,4d,4e,4f,4gは各乾燥ブロッ
クC,D,E,F,Gに設けられた磁場配向用の電磁
石、5a,5b,5c,5d,5e,5f,5gは位置
A,B,C,D,E,F,Gにおいて配設された発光
(赤外LED)受光素子、6a,6b,6c,6d,6
e,6f,6gは発光受光素子5a,5b,5c,5
d,5e,5f,5gからの反射光量の経時変化の信号
が記録される記憶装置、7は記憶装置6a,6b,6
c,6d,6e,6f,6gからの信号が入力され、こ
れらの信号が比較される比較回路、8は比較回路7から
の信号が入力されて、前記ブロワー制御装置3及び/又
は電磁石4c,4d,4e,4f,4gへの通電のオン
・オフが制御される制御回路である。従って、比較回路
7により、図2に示される挙動のうちFで示されるよう
な挙動(図3において真中の振幅の大きな挙動)を示す
ものが検知されると、このような挙動を示す位置では塗
布された塗料の乾燥が終了する直前の状態であるから、
この近傍の位置で磁場配向処理を行えば配向処理が効果
的に行えるものであり、又、乾燥処理も無駄なく行える
ようになる。例えば、図3中、振幅が大きな挙動を示す
ものがDの位置で表れたとすると、電磁石4dに電流を
流して配向処理すると共に、その後位置におけるブロワ
ー2e,2f,2gに供給する熱風の量を削減しても良
いことから、そのコスト低減にも効果的なものとなる。
又、磁場配向処理の段階を遅らせたい場合にあっては、
ブロワー制御装置3を制御してブロワー2c,2d,2
e,2f,2gに供給する熱風量あるいは熱風温度を制
御することで可能となり、磁気記録媒体の製造が効率良
く行える。尚、磁場配向処理を必要としない塗料の場合
であっても、乾燥処理が効果的に制御できるから、エネ
ルギーの無駄を抑えることが出来る。
【0013】以下、本発明について磁気記録媒体を例に
挙げて詳細に説明する。磁気記録媒体に使用される磁性
粉末としては、強磁性酸化鉄、強磁性二酸化クロム、強
磁性合金粉末などを使用できる。強磁性酸化鉄には2価
の金属が添加されていても良い。2価の金属としてはC
r,Mn,Co,Ni,Cu,Znなどがあり、上記酸
化鉄に対して例えば1〜10原子%の範囲で添加され得
る。強磁性二酸化クロムはCr02 及びこれにNa,
K,Ti,V,Mn,Fe,Co,Ni,Tc,Ru,
Sn,Ce,Pbなどの金属、P,Sb,Teどの半導
体、又はこれらの金属の酸化物を0〜20重量%添加し
たCr02 が使用できる。特に、上記の強磁性酸化鉄及
び強磁性二酸化クロムにおいて、その針状比は2/1〜
20/1程度、好ましくは5/1以上、平均長が0.1
〜2.0μのものを用いることができる。上記の強磁性
合金粉末は金属分が75重量%以上であり、金属分の8
0重量%又はそれ以上が少なくとも一種の強磁性金属
(例えば、Fe,Co,Ni,Fe−Co,Fe−N
i,Co−Ni,Fe−Co−Ni) であり、金属分の
20重量%又はそれ以下、好ましくは0.5〜5重量%
がAl,Si,S,Sc,Ti,V,Cr,Mn,C
u,Zn,Y,Mo,Rh,Pd,Ag,Sn,Sb,
Te,Ba,Ta,W,Re,Au,Hy,Pb,B
i,La,Ce,Pr,Nd,B,Pなどの組成を有す
るものであっても良い。尚、この強磁性合金粉末は長径
が0.5μm以下の粒子であることが好ましい。又、微
小平板状のバリウムフェライト及びそのFe原子の一部
がTi,Co,Zn,V,Nb等の一種又は二種以上で
置換された磁性粉なども用いることができる。
【0014】磁気記録媒体の磁性塗膜に用いられるバイ
ンダ(結合剤)としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂
または反応型樹脂やこれらの混合物を併用することがで
きる。例えば、熱可塑性樹脂としては、ポリ塩化ビニ
ル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩
化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル
共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重
合体、アクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、
アクリル酸エステル−スチレン共重合体、メタクリル酸
エステル−アクリロニトリル共重合体、メタクリル酸エ
ステル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステ
ル−スチレン共重合体、ウレタンエラストマー、ポリ弗
化ビニル、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合
体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミ
ド樹脂、ポリビニルブチラール、セルース誘導体( セル
ロースアセテートブチレート、セルロースジアセテー
ト、セルローストリアセテート、セルロースプロピオネ
ート、ニトロセルロース等) 、スチレン−ブタジエン共
重合体、ポリエステル樹脂、各種の合成ゴム系の熱可塑
性樹脂( ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリイソ
プレン、スチレン−ブタジエン共重合体等) 及びこれら
の混合物が挙げられる。熱硬化性樹脂または反応性樹脂
としては、フェノール・ホルマリン−ノボラツック樹
脂、フェノール・ホルマリン−レゾール樹脂、フェノー
ル・フルフラール樹脂、キシレン・ホルムアルデヒド樹
脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、乾性油変性アルキッド樹
脂、石炭酸樹脂変性アルキッド樹脂、マレイン酸樹脂変
性アルキッド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ
樹脂と硬化剤(ポリアミン、酸無水物、ポリアミド樹
脂、その他)、末端イソシアネートポリエステル湿気硬
化型樹脂、末端イソシアネートポリエーテル湿気硬化型
樹脂、ポリイソシアネートプレポリマー(ジイソシアネ
ートと低分子量トリオールとを反応させて得た1分子内
に3個以上のイソシアネート基を有する化合物、ジイソ
シアネートのトリマーおよびテトラマー)、ポリイソシ
アネートプレポリマーと活性水素を有する樹脂(ポリエ
ステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリル
酸共重合体、マレイン酸共重合体、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート共重合体、パラヒドロキシスチレン共
重合体など)、及びこれらの混合物等が挙げられる。こ
れらバインダ樹脂成分は、磁性粉末100重量部に対し
て約10〜100重量部、好ましくは5〜30重量部の
範囲で使用される。
【0015】磁気記録媒体の磁性塗膜には上記の成分の
他、この分野で通常使用される添加剤として分散剤、潤
滑剤、研磨剤、帯電防止剤、防錆剤、防黴剤等が加えら
れても良い。分散剤としては、炭素数12〜18個の脂
肪酸(R1 COOH、R1 は炭素数11〜17個のアル
キルまたはアルケニル基)、前記の脂肪酸のアルカリ金
属(Li,Na,K等)又はアルカリ土類金属(Mg,
Ca,Ba等)からなる金属石鹸、前記の脂肪酸エステ
ルのフッ素を含有した化合物、前記の脂肪酸のアミド、
ポリアルキレンオキサイドアルキルリン酸エステル、レ
シチン、トリアルキルポリオレフィンオキシ第四アンモ
ニウム塩(アルキルは炭素数1〜5個、オレフィンはエ
チレン、プロピレン等)等が挙げられる。この他に炭素
数12以上の高級アルコール、硫酸エステル等もある。
これらの分散剤は磁性粉100重量部に対して10重量
部以下の範囲で添加され得る。
【0016】潤滑剤としては、上記分散剤も効果がある
が、ジアルキルポリシロキサン(アルキル基は炭素数1
〜5個)、ジアルコキシポリシロキサン(アルコシ基は
炭素数1〜4個)、モノアルキルモノアルコキシポリシ
ロキサン(アルキル基は炭素数1〜5個、アルコキシ基
は炭素数1〜4個)、フェニルポリシロキサン、フロロ
アルキルポリシロキサン(アルキル基は炭素数1〜5
個)等のシリコーンオイル、グラファイト等の導電性微
粉末、二硫化モリブデン、二硫化タングステン等の無機
微粉末、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン
−塩化ビニル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン等
のプラスチック微粉末、α−オレフィン重合物、常温で
液状の不飽和脂肪族炭化水素、炭素数12〜20個の一
塩基性脂肪族と炭素数3〜12個の一価のアルコールか
ら成る脂肪酸エステル類、フルオロカーボン類などが挙
げられる。これらの潤滑剤は、磁性粉100重量部に対
して0.1〜15重量部の範囲で添加される。
【0017】研磨剤としては溶融アルミナ、炭化ケイ
素、酸化クロム(Cr23)、コランダム、人造コラン
ダム、ダイアモンド、人造ダイアモンド、ザクロ石、エ
メリー( 主成分:コンラダムと磁鉄鉱)等が挙げられ
る。これらの研磨剤は、モース硬度が5以上であり、平
均粒子径が0.05〜5μmの大きさのものが使用さ
れ、特に好ましくは0.1〜2μmである。そして、こ
れらの研磨剤は、磁性粉100重量部に対し0.5〜1
5重量部の範囲で添加される。
【0018】帯電防止剤としてはカーボンブラック等の
導電性微粉末、サポニンなどの天然界面活性剤、アルキ
レンオキサイド系、グリセリン系、グリシドール系など
のノニオン界面活性剤、高級アルキルアミン類、第4級
アンモニウム塩類、ピリジンその他の複素環類、ホスホ
ニウム又はスルホニウム等のカチオン界面活性剤、カル
ボン酸、スルホン酸、燐酸、硫酸エステル基、燐酸エス
テル基等の酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸
類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸また
は燐酸エステル類等の両性活性剤などが挙げられる。こ
のような導電性微粉末は磁性粉100重量部に対して
0.01〜10重量部の範囲で添加される。上記の界面
活性剤は単独または混合して添加してもよい。これらは
帯電防止剤として用いられるものがあるが、時としてそ
の他の目的、例えば分散、磁気特性の改良、潤滑性の改
良、塗布助剤として適用される場合もある。
【0019】防錆剤としてはリン酸、スルファミド、グ
アニジン、ピリジン、アミン、尿素、ジンククロメー
ト、カルシウムクロメート、ストロンチウムクロメート
等が使用できるが、特にジシクロヘキシルアミンナイト
ライト、シクロヘキシルアミンクロメート、ジイソプロ
ピルアミンナイトライト、ジエタノールアミンホスフェ
ート、シクロヘキシルアンモニウムカーボネート、ヘキ
サメチレンジアミンカーボネート、プロピレンジアミン
ステアレート、グアニジンカーボネート、トリエタノー
ルアミンナイトライト、モルフォリンステアレート等の
気化性防錆剤(アミン、アミド又はイミドの無機酸塩ま
たは有機酸塩)を使用すると防錆効果が向上する。これ
らの防錆剤は強磁性微粉末100重量部に対して0.0
1〜20重量部の範囲で使用される。
【0020】防黴剤としてはサルチルアニライド、酸化
ビス(トリブチルスズ)、フェニルオレイン酸水銀、ナ
フテン酸銅、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸水銀、ペンタ
クロロフェノール、トリクロロフェノール、p−ジニト
ロフェノール、ソルビン酸、p−オキシ安息香酸ブチ
ル、ジヒドロアセト酸などがあり、結合剤100重量部
に対して0.01〜5重量部の範囲で使用される。
【0021】磁気記録媒体に用いられる非磁性の支持体
の素材としてはポリエレチンテフタレート、ポリエチレ
ン−2,6−ナフタレート等のポリエステル類、ポリエ
チレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セルロ
ーストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロ
ースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロ
ピオネート等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリカーボネー
ト、ポリイミド、ポリアミドイミド等のプラスチックの
他、アルミニウム、銅、スズ、亜鉛又はこれらを含む非
磁性合金などの非磁性金属類、ガラス、陶器、磁気など
のセラミック類、紙、バライタまたはポリエチレン、ポ
レプロピレン、エチレン−ブテン共重合体などの炭素数
2〜10のα−ポリオレフィン類を塗布またはラミネー
トした紙などの紙類も使用できる。これらの非磁性支持
体は使用目的に応じて透明あるいは不透明であっても良
い。又、非磁性支持体の形態は、テープ、シート、ディ
スク、カード、ドラム等いずれでも良く、形態に応じて
種々の材料に応じて選択される。これらの非磁性支持体
の厚みはフィルム、テープ、シート状の場合は約1〜5
0μm程度、好ましくは1〜30μmである。又、ディ
スク、カード状の場合は、0.05〜5mm程度であ
り、ドラムの場合は円筒状とし、使用するレコーダーに
応じてその型は決められる。
【0022】磁性塗料の製造に用いられる溶剤としては
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、シクロヘキサノン等のケトン系の溶剤、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸グリコ
ールモノエチルエーテル等のエステル系の溶剤、エーテ
ル、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチ
ルエーテル、ジオキサン等のグリコールエーテル系の溶
剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等のタール系(芳香
族炭化水素系)の溶剤、メチレンクロライド、エチレン
クロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロ
ルヒドリン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化水素系の
溶剤を適宜選択して使用できる。
【0023】磁性粉、結合剤等が混練されて磁性塗料と
される訳であるが、混練に際しては、磁性粉末及び上述
の各成分が全て同時に、あるいは個々順次に混練機に投
入される。この磁性塗料の混練分散にあたっては各種の
混練機、例えば二本ロールミル、三本ロールミル、ボー
ルミル、ペブルミル、トロンミル、サンドグライダー、
Szegvariアトライター、高速インペラー分散
機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、ディスパー、
ニーダー、高速ミキサー、ホモジナイザー、超音波分散
機などで行われる。
【0024】非磁性の支持体上に磁性塗料を塗布する方
法としては、例えばエアードクターコート、ブレードコ
ート、エアナイフコート、押し出しコート、スクイズコ
ート、含浸コート、リバースロールコート、トランスフ
ァーロールコート、グラビアコート、キスコート、キャ
スコート、スプレイコート、スピンコート等を利用で
き、その他の方法も可能である。
【0025】そして、上記のような磁性粉末、結合剤、
各種の添加剤を溶剤に混練分散した磁性塗料を、非磁性
の支持体上に塗布、乾燥、必要に応じて配向させること
によって塗布型の磁気記録媒体が得られる。磁性塗膜の
乾燥は、例えば熱風の供給によって行われる。磁性塗膜
の乾燥具合の制御は、温度の制御、供給量の制御によっ
て行われる。配向処理は、例えば永久磁石や電磁石を用
いて行われる。配向磁場は約500〜10000Oe程
度である。配向方向は用途により定められる。又、必要
により表面平滑化処理を施したり、所望の形状にカッテ
ィングして磁気記録媒体を製造する。磁性塗膜の乾燥後
の塗膜表面のカレンダリング処理は、メタルロールとコ
ットンロール、又は合成樹脂(例えばナイロン、ポリウ
レタン等)ロール、メタルロールとメタルロール等の2
本のロールの間を通すスーパーカレンダー法等が用いら
れる。
【0026】以下、実施例により具体的に説明する。
【0027】
【実施例】
〔実施例1〕 α−Fe(比表面積55m2 /g) 100重量部 スルホン酸金属塩基含有ポリウレタン 7重量部 スルホン酸金属塩基含有塩化ビニル系共重合体 10重量部 カーボンブラック 5重量部 酸化クロム 8重量部 トリデシルステアレート 2重量部 ステアリン酸 1重量部 メチルエチルケトン 200重量部 トルエン 100重量部 シクロヘキサノン 100重量部 上記の組成物100重量部にコロネートL(日本ポリウ
レタン工業社製のポリイソシアネート化合物)3.5重
量部を添加し、混合攪拌して磁性塗料を作製した。
【0028】この磁性塗料を塗布ヘッドに供給し、32
μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムの一面に
乾燥膜厚が4μmになるように塗布し、その後図1に示
されるような乾燥、磁場配向処理工程に送られる。ここ
で、発光(赤外LED)素子から塗布された磁性塗膜に
向けて光が照射されており、そしてその反射光が受光素
子により検知されており、発光受光素子5a,5b,5
c,5d,5e,5f,5gからの反射光量の経時変化
の信号が光電変換素子を経て記憶装置6a,6b,6
c,6d,6e,6f,6gに記録される。そして、記
憶装置6a,6b,6c,6d,6e,6f,6gから
の信号が比較回路7に入力され、これらの信号がどのよ
うなタイプのものであるかの識別が行われる。そして、
この比較回路7において、振幅値が図3に示す如く大き
なものが検出されると、制御回路8によりこの位置の電
磁石に電流が流され、磁場配向処理が行われる。
【0029】その後、通常の磁気テープ製造工程と同様
な工程を経て磁気テープが作製された。そして、この磁
気テープの角型比を調べると、0.85であった。 〔実施例2〕実施例1では、振幅値が図3に示す如く大
きなものが検出された位置の電磁石に電流が流され、磁
場配向処理が行われたのであるが、例えばDの位置にお
ける振幅値が図3に示す如く大きなものが検出されるよ
うに制御回路8からの信号によってブロワー2cを制御
し、そして電磁石4dに通電し、その他は実施例1と同
様にして磁気テープを作製した。この磁気テープの角型
比を調べると、0.84であった。
【0030】〔実施例3〕実施例1の磁性塗料の組成
を、 α−Fe(比表面積50m2 /g) 100重量部 ポリウレタン(日本ポリウレタン工業社のN−2304) 10重量部 塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂(UCC社のVAGH) 9重量部 カーボンブラック 2重量部 酸化クロム 10重量部 リン酸エステル(ポリオキシエチレン付加ノニルフェノールのセスキリン酸 エステル) 5重量部 トリデシルステアレート 1重量部 ステアリン酸 1重量部 メチルエチルケトン 200重量部 トルエン 100重量部 シクロヘキサノン 100重量部 とした外は、全く同様に行った。この磁気テープの角型
比を調べると、0.83であった。
【0031】〔実施例4〕実施例1の磁性塗料の組成
を、 Co−γフェライト(比表面積20m2 /g) 100重量部 ポリウレタン(日本ポリウレタン工業社のN−2304) 15重量部 塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂(UCC社のVAGH) 15重量部 カーボンブラック 9重量部 導電性カーボン 7重量部 アルミナ(平均粒径0.3〜0.5μm) 10重量部 トリデシルステアレート 10重量部 ステアリン酸 1重量部 メチルエチルケトン 200重量部 トルエン 100重量部 シクロヘキサノン 100重量部 とし、又、コロネートLを6重量部とした外は、全く同
様に行った。この磁気テープの角型比を調べると、0.
75であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気記録媒体の製造装置の概略図である。
【図2】磁性塗膜に光を照射し、その反射光量の経時変
化を示すグラフである。
【図3】磁性塗膜に光を照射し、その反射光量の経時変
化を示すグラフである。
【図4】磁性塗膜に光を照射し、その反射光量を示すグ
ラフである。
【図5】磁性塗膜に光を照射し、その反射光量を示すグ
ラフである。
【図6】磁性塗膜に光を照射し、その反射光量を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
1 磁気記録
媒体 2c,2d,2e,2f,2g ブロワー 3 ブロワー
制御装置 4c,4d,4e,4f,4g 電磁石 5a,5b,5c,5d,5e,5f,5g 発光(赤
外LED)受光素子 6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g 記憶装置 7 比較回路 8 制御回路

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に塗料が塗布されて塗膜が構成
    される塗膜体の製造装置であって、塗膜を乾燥させる乾
    燥手段と、塗膜に対して光を照射する照射手段と、この
    照射手段からの光の反射光(及び/又は透過光)量の経
    時変化の特性から塗膜の乾燥具合を判定する判定手段と
    を具備することを特徴とする塗膜体の製造装置。
  2. 【請求項2】 支持体上に塗料が塗布されて塗膜が構成
    される塗膜体の製造装置であって、塗膜を乾燥させる乾
    燥手段と、塗膜に対して光を照射する照射手段と、この
    照射手段からの光の反射光(及び/又は透過光)量の経
    時変化の特性から前記乾燥手段を制御する制御手段とを
    具備することを特徴とする塗膜体の製造装置。
  3. 【請求項3】 支持体上に磁性粉を含有する塗料が塗布
    されて塗膜が構成される塗膜体の製造装置であって、塗
    膜を乾燥させる乾燥手段と、磁性粉を配向させる配向手
    段と、塗膜に対して光を照射する照射手段と、この照射
    手段からの光の反射光(及び/又は透過光)量の経時変
    化の特性から前記乾燥手段を制御する制御手段とを具備
    することを特徴とする塗膜体の製造装置。
  4. 【請求項4】 支持体上に磁性粉を含有する塗料が塗布
    されて塗膜が構成される塗膜体の製造装置であって、塗
    膜を乾燥させる乾燥手段と、磁性粉を配向させる配向手
    段と、塗膜に対して光を照射する照射手段と、この照射
    手段からの光の反射光(及び/又は透過光)量の経時変
    化の特性から前記配向手段を制御する制御手段とを具備
    することを特徴とする塗膜体の製造装置。
  5. 【請求項5】 支持体上に塗料が塗布されて塗膜が構成
    される塗膜体の製造方法であって、塗膜に対して光を照
    射する工程と、照射された光の反射光(及び/又は透過
    光)量の経時変化の特性から塗膜の乾燥具合を判定する
    判定工程とを具備することを特徴とする塗膜体の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 支持体上に塗料が塗布されて塗膜が構成
    される塗膜体の製造方法であって、塗膜に対して光を照
    射する工程と、照射された光の反射光(及び/又は透過
    光)量の経時変化の特性から塗膜の乾燥具合を制御する
    制御工程とを具備することを特徴とする塗膜体の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 支持体上に磁性粉を含有する塗料が塗布
    されて塗膜が構成される塗膜体の製造方法であって、塗
    膜を乾燥させる乾燥処理工程と、磁性粉を配向させる配
    向処理工程と、塗膜に対して光を照射する照射工程と、
    照射された光の反射光(及び/又は透過光)量の経時変
    化の特性から塗膜の乾燥処理を制御する制御工程とを具
    備することを特徴とする塗膜体の製造方法。
  8. 【請求項8】 支持体上に磁性粉を含有する塗料が塗布
    されて塗膜が構成される塗膜体の製造方法であって、塗
    膜を乾燥させる乾燥処理工程と、磁性粉を配向させる配
    向処理工程と、塗膜に対して光を照射する照射工程と、
    照射された光の反射光(及び/又は透過光)量の経時変
    化の特性から配向処理を制御する制御工程とを具備する
    ことを特徴とする塗膜体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009032364A (ja) * 2007-07-30 2009-02-12 Hitachi Maxell Ltd 磁気記録媒体およびその製造方法

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