JPH05158085A - 光変調装置及びその製造方法 - Google Patents

光変調装置及びその製造方法

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JPH05158085A
JPH05158085A JP32195791A JP32195791A JPH05158085A JP H05158085 A JPH05158085 A JP H05158085A JP 32195791 A JP32195791 A JP 32195791A JP 32195791 A JP32195791 A JP 32195791A JP H05158085 A JPH05158085 A JP H05158085A
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conductivity type
quantum well
light
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JP32195791A
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Tatsuro Ikeda
達郎 池田
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】MQW層の面方向に電界を印加する構造を有す
る横電界型の光変調装置に関し、横モード制御を容易に
行うことを目的とする。 【構成】量子井戸層3の面に沿った横方向にpinip
接合、またはnipin接合を形成し、それぞれのpi
n接合部分に逆バイアス電圧を印加するようにするか、
または、一導電型領域27と反対導電型領域28にある
量子井戸層24を、それらの間の真正領域にある量子井
戸層24に対して段違いに形成することを含み構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光変調装置及びその製
造方法に関し、より詳しくは、MQW層の面方向に電界
を印加する構造を有する横電界型の光変調装置及びその
製造方法に関する。
【0002】近年、通信の分野においては高度情報化社
会を構築するために通信の大容量化が要求されており、
これに対応するためには高速の変調を加えることが可能
なデバイスを開発する必要がある。
【0003】
【従来の技術】半導体レーザを使って光変調を行う方法
としては、半導体レーザに注入する電流を変えることに
よって半導体レーザの発する光を変化させる直接変調方
式と、外部に光変調器を設けることによって光強度や屈
折率を変化させる外部変調方式とがある。
【0004】このうち、直接変調方式は、高速の変調を
行うときに半導体レーザの緩和振動による発振波長のゆ
らぎ、即ち波長チャーピングが起こる。従って、高速変
調用の素子としては、外部変調方式を用いたものが望ま
しく、そのために高速変調をかけることができる変調器
が必要となる。
【0005】これまで、変調器として、フランツ・ケル
ディシュ効果を用いた電界吸収型のものが開発されてき
た。しかし、将来実現が予測される10Gb/sの伝送
容量を持ったシステムに対してはこの変調器でもまだ対
応できず、さらに高速変調が期待されている変調器とし
て多重量子井戸による量子閉じ込めシュタルク効果を使
った装置の研究がなされているが、この装置を使っても
なお十分な特性が得られていない。
【0006】ところで、高速変調を可能にするには、変
調器の容量の低減、駆動電圧の低減の2点を満たす必要
がある。このような要請に応じた光変調器の一つとし
て、短波長帯で用いるエキシトン・ブリーチング型光変
調器が特願平2−132415号公報において提案され
ている。
【0007】この装置は、図11に示すように、半絶縁
性基板101 上に第一のクラッド層102 を設け、その平坦
な上面に多重量子井戸層(MQW層)103 、第二のクラ
ッド層104 を順に積層したもので、変調器長の両側に
は、第二のクラッド層104 の表面から第一のクラッド層
102 の上部に達する深さのn型領域106 とp型領域107
が形成され、その間に挟まれるi型領域108 を導波路と
している。
【0008】そして、i型領域108 のMQW層103 にエ
キシトンピーク波長λepの光を照射し、p型領域107 と
n型領域106 に逆バイアス電圧を印加してMQW層103
の面方向に電界をかけることにより、MQW層103 のエ
キシトンを壊して波長λepの光吸収量を減らす一方、無
電圧時にはMQW層103 におけるエキシトン吸収によっ
てその光を吸収し、これにより光強度変調を行う。
【0009】なお、図中符号109 は、キャップ層、110
はn電極、111 はp電極、112 は電源を示している。と
ころで、通信用に用いられる1.55μm付近の波長で
その変調器を使用するためには、MQW層103 の材料と
して4元材料(InGaAsP)を使用する必要がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この材料系に
よれば、p型領域107 やn型領域106 をイオン打ち込み
によって形成する際に、その領域のMQW層103 が混晶
化によって破壊されずにそのまま残ってしまう。この結
果として、変調器のMQW層103 のn型領域106からp
型領域107 に到る横方向に屈折率の差がつかずに広がっ
てしまい、横モードによる制御が難しいといったきらい
がある。
【0011】本発明はこのような問題に鑑みてなされた
ものであって、横モード制御を容易に行える光変調装置
を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、図1に例示するように、半絶縁性基板1の上に
積層された第一のクラッド層2と、前記第一のクラッド
層2の上に形成された量子井戸層3と、前記量子井戸層
3の上に積層された第二のクラッド層4と、前記第二の
クラッド層4表面から第一のクラッド層2に到る深さに
形成された一導電型領域5と、前記一導電型領域5の両
側に真性領域をおいて形成され、かつ前記第一のクラッ
ド層4表面から第二のクラッド層2に到る深さの反対導
電型領域8,9と、前記一導電型領域5と前記反対導電
型領域8,9の間に逆バイアス電圧を印加可能な電源と
を有することを特徴とする光変調装置を適用する。
【0013】さらに、前記の光変調装置の構造におい
て、一導電型領域5と反対導電型領域8とその間に挟ま
れた真性領域ならびに、一導電型領域5と反対導電型領
域9とその間に挟まれた真性領域それぞれに形成される
pin接合に対して逆バイアス電圧を印加することによ
り一導電型領域5とその両側に接する真性領域との間の
屈折率差を制御することによって、一導電型領域5を導
波する量子井戸のエキシトン吸収波長より長波長の光の
導波部への閉じ込めを制御することによって光変調をお
こなうことを特徴とする光変調装置を適用する。
【0014】また、上記した課題を解決するために、図
2、5に例示するように、半絶縁性基板21,41の上に積
層され、かつ上部に凹状の溝22又はメサトライプ状の突
起40が形成された第一のクラッド層23,42と、前記第一
のクラッド層23,42の上に積層された量子井戸層24,43
と、前記量子井戸層24,43の上に形成された第二のクラ
ッド層25,44と、前記溝22又は前記突起40の一側にある
前記第二のクラッド層25,44表層から第一のクラッド層
23,42に到る部分に形成された一導電型領域27,46と、
前記溝22又は前記突起40の他側にある前記第二のクラッ
ド層25,44表層から第一のクラッド層23,42に到る深さ
に形成された反対導電型領域28,47と、前記一導電型領
域27,46と前記反対導電型領域28,47の間に逆バイアス
電圧を印加可能な電源とを有することを特徴とする光変
調装置を適用する。
【0015】さらに、前記光変調層の構造において前記
溝22または、突起40の真性領域にある量子井戸層部を光
導波路とし、該真性領域とこれを挟む前記一導電型領域
27,46と前記反対導電型領域28,47とでつくられるpi
n接合に逆バイアス電圧を印加することによって量子井
戸のエキシトン吸収付近に対応する波長の光に対して光
強度変調をおこなうことを特徴とする光変調層を適用す
る。
【0016】しかも、前記光変調層において、前記pi
n接合に逆バイアス電圧を印加することによって量子井
戸のエキシトン吸収波長より長波長の光に対して光位相
変調をおこなうことを特徴とする光変調装置を適用す
る。
【0017】また、上記した課題を解決するために、光
変調装置は、半絶縁性基板上に凹状の溝22、またはメサ
ストライプ状の突起40をもったクラッド層23,42を形成
する工程、該クラッド層23,42上に量子井戸層24,43を
形成する工程、該量子井戸層24,43上に第二のクラッド
層25,44を形成する工程、前記溝22または前記突起40の
一側にある前記第二のクラッド層25,44表層から第一の
クラッド層23,42に到る部分に一導電型領域を形成する
工程、前記溝22または前記突起40の他側にある前記第二
のクラッド層25,44表層から前記第一のクラッド層23,
42に到る部分に反対導電型領域を形成する工程、前記一
導電型領域ならびに前記反対導電型領域上に電極を形成
する工程を少なくとも含む製造方法によって形成され
る。
【0018】
【作 用】
(1) 第1、2の発明によれば、量子井戸層3の面に沿っ
た横方向にpinip接合、またはnipin接合を形
成し、それぞれのpin接合部分に逆バイアス電圧を印
加するようにしている。
【0019】このため、一導電型領域5と、その両側方
の反対導電型領域8,9と、これらに挟まれる2つの真
性領域においては、無電圧時にエキシトンが生じ、屈折
率はそれらの領域において均等である(図1(b))。
【0020】そして、横方向に連続した2つのpin接
合に逆バイアス電圧を印加すると、2つの真性領域にお
いてのみエキシトン準位が壊される。この場合、量子井
戸層3の真性領域の部分の入射光波長λopに対する屈折
率の関係をみると図10(a) に示すようになり、無電圧
時には実線で示す状態にあったものがエキシトン準位の
壊れにより破線のように変化して屈折率が低下する。
【0021】そこで、エキシトンピーク波長よりも長波
長の波長λopの光を一導電型領域5の量子井戸層3に照
射し、さらに真性領域のエキシトン準位を壊す電圧を横
方向に印加すると、真性領域の屈折率が減少し、その他
の一導電型領域5、反対導電型領域8,9ではエキシト
ンが存在してその屈折率は高いままであるために横方向
に屈折率の差が生じ(図1(c))、波長λopの光は、一導
電型領域5の量子井戸層3内に閉じ込められて進行す
る。この場合、横方向の屈折率の差によって光を閉じ込
めているので、横モードの制御は容易となる。
【0022】一方、pin接合に電圧を印加しない状態
では、真性領域でエキシトン準位が生じて横方向の屈折
率差がなくなり(図1(b))、量子井戸層3内の光は横方
向に広がって散乱し易くなり、光は伝播しなくなる。
【0023】このように、エキシトンを電界により壊し
て屈折率を変化させた状態でも、一導電型領域5には電
圧がかからないので、一導電型領域5での光吸収対波長
の関係は図10(b) の実線のようになり、波長λopの光
は殆ど吸収されない。
【0024】これに対して、従来の装置(図11)の場
合は電圧を印加することによりエキシトンを消去し波長
λepの光に対して強度変調をかけるが、この場合、光透
過時(エキシトン消去時)にも図10(b)の破線に示
すように波長λepの光はかなり吸収され消光比を低下さ
せる。それに対して本発明の場合は、上に述べたように
光透過時において殆ど光吸収が生じないから消光比の低
下が抑制される。 (1) 第3〜6の発明によれば、一導電型領域27, 46と反
対導電型領域28, 47にある量子井戸層24, 43を、それら
の間の真性領域の量子井戸層24, 43に対して段違いに形
成している。
【0025】このため、図2(b) 、図5(b) に示すよう
に、真性領域における量子井戸層24,43は、その両
横方向にある第一のクラッド層24, 43又は空気よりも屈
折率が高くなる。この結果、真性領域の量子井戸層24,
43を導波路としてエキシトンピーク波長λepの光を照射
すると、その中に光が閉じ込められ、横モード制御が容
易になる。
【0026】この場合、一導電型領域27, 46及び反対導
電型領域28, 47における井戸領域層24, 43は、真性領域
26、45のそれと段違いに存在するので、横モード制御を
妨げることはなく、量子井戸層24, 43がそれらの領域2
7, 46、28, 47に存在しても問題はない。
【0027】そして、無電圧時には、エキシトン吸収が
生じ、また電圧印加時にはエキシトンが壊れて光が透過
され、光変調することになる。ところで、この動作は光
強度変調についての説明であるが、同じ光変調器を用い
て位相変調をかけることもできる。
【0028】即ち、入射波長に対する屈折率の関係をエ
キシトン消滅電圧印加時と無電圧時について調べると、
図10(a) に示す関係があり、エキシトンビーク波長λ
epよりも長波長側には、無電圧時に屈折率のピークを有
し、かつ電圧印加時にそのピークが消失するような波長
λopが存在する。
【0029】従って、この波長λopでは電圧印加時と無
印加時で屈折率が変化し、それに伴って光の位相が変化
するので、図2(c) に示すように、光の波は位相の異な
る二つの期間を持つことになる。そこで期間T1
「0」の信号とし、期間T2 を「1」の信号となせば、
これによって情報を伝達することが可能になる。
【0030】しかも、入射波長に対する光吸収係数の変
化を調べると、電圧印加時、無印加時で屈折率の変化の
大きな波長λopでは、図10(b) に示すように、光吸収
が殆どないので、損失も少なく位相変調型の変調器とし
て使うのに都合がよい。
【0031】
【実施例】そこで、以下に本発明の実施例を図面に基づ
いて説明する。 (a)本発明の第1実施例の説明 図1は、本発明の第1実施例の光変調装置を示す断面図
及びその屈折率分布図である。
【0032】図1(a) において符号1は、InP よりなる
半絶縁性基板で、その上にはアンドープInP よりなる第
一のクラッド層2、多重量子井戸(MQW)層3及びア
ンドープInP よりなる第二のクラッド層4が厚さ方向に
順に積層されている。第一及び第二のクラッド層2、4
の層厚を例えば1000Åとする。
【0033】MQW層3は、第一のクラッド層2の上
に、例えばアンドープInP とアンドープIn1-x Gax Asy
P1-y(x=0.438 、y=0.940 )をそれぞれ100Åづ
つ交互に20周期繰り返し積層してなるもので、そのう
ちInGaAsP が井戸層、InP が障壁層となり、そのエキシ
トンピーク波長λepは1.526μm程度である。その
変調器の光導波方向の長さは例えば200μm程度にす
る。
【0034】また、第二のクラッド層4から第一のクラ
ッド層2内部に到る部分のうち、光の導波方向に沿って
n型領域5が設けられ、その両側には幅2μm程度のi
(真性)型領域6、7を介してp型領域8,9が形成さ
れており、n型領域5内のMQW層3が光導波路となる
ように構成されている。
【0035】それらのp型領域8,9及びn型領域5
は、不純物拡散或いは収束イオンビーム装置による不純
物の打ち込み等により形成されており、4元材のInGaAs
P 井戸層を有するMQW層3は不純物拡散等によっても
壊れることなくそれらの領域に残存している。p型不純
物としてはZn、n型不純物としてはSn、Siなどがある。
【0036】なお、図中符号10 は、p型領域8,9及
びn型領域5の上に形成されたInGaAsよりなるキャップ
層、12は、p型領域8,9の上にキャップ層10 を介
して形成されるTi/Ptよりなるp電極、13は、n型領
域5の上にキャップ層10 を介して設けられたAuGe/Au
よりなるn電極、14は、p型領域8,9とn型領域5
に例えば0Vと2Vの交流電圧を印加する電源を示して
いる。
【0037】次に、上記した実施例装置の動作について
説明する。上述した実施例において、p型領域8,9、
i型領域6,7及びn型領域5によって横方向(MQW
層3の面に沿ったpin方向)に2つのpin接合が形
成され、無電圧(0V)時には各領域5〜9にエキシト
ンが生じ、屈折率はそれらの領域において均等である
(図1(b))。
【0038】そして、i型領域6,7に幅1μm当たり
1V程度となる逆バイアス電圧を2つのpin接合に印
加すると、2つのi型領域6、7にのみ電圧が印加しエ
キシトン準位が壊される。
【0039】この場合、二つのi型領域6、7のMQW
層3の入射光波長に対する屈折率の関係をみると、図1
0(a) に示すようになり、無電圧時には実線で示す状態
にあったものがエキシトン準位の壊れにより破線のよう
に変化して屈折率が低下する。
【0040】そして、エキシトンピーク波長λepを1.
526μm程度として、それよりも長い波長をみると、
屈折率にピークがあり、しかもエキシトン消去時の屈折
率との差が大きな波長λopが存在する。この波長λopは
1.54μm程度である。
【0041】そこで、n型領域5のMQW層3に波長λ
opの光を入射し、さらにi型領域6、7のエキシトン準
位を壊す電圧を横方向に印加すると、i型領域6、7の
屈折率が減少し、その他のn型領域5、p型領域8,9
ではエキシトンが存在してその屈折率は高いままである
ために横方向に屈折率の差が生じ(図1(c))、波長λop
の光は、n型領域5のMQW層3内に閉じ込められて進
行する。
【0042】これに対して、pin接合に電圧を印加し
ない状態では、i型領域6、7でエキシトン準位が生じ
て横方向の屈折率差がなくなり(図1(b))、MQW層3
内の光は横方向に広がって散乱し易くなり、光は伝播し
なくなる。
【0043】ところで、i型領域6,7のエキシトンを
電界により壊して屈折率を変化させた状態では、波長λ
opの光が伝播するn型領域5には電圧がかからないの
で、波長λopの吸収は図10(b) の実線のようになり、
光の減衰は殆ど生じない。
【0044】このため、同じようにエキシトンを利用し
て波長λepの光を強度変調する従来の装置(図11) に
比べて、光透過時の光吸収量が少なくなり、消光比の低
下が抑制される。
【0045】なお、上記した数値は、これまで製造され
てきた変調器や半導体レーザに合わせるためにとった値
であり、これに限定されるものではない。また、MQW
層の組成や幅については、使用する波長帯や電圧によっ
て変えることになり、さらに垂直方向の光閉じ込めを良
くするためには井戸層と障壁層の層数をさらに増やして
もよく、この場合、横方向に電圧をかけているので層数
を増やしてもMQW層にかかる電界が減ることはない。
【0046】また、上記した実施例では、n型領域の両
側方にp型領域を設けてpinip接合としたが、p型
領域の両側方にi型領域を挟んでn型領域を設けてni
pin接合となし、p型領域を光導波路としても同じ作
用が得られる。 (b)本発明の第2実施例の説明 図2は、本発明の第2実施例の光変調器を示す断面図及
びその屈折率分布図である。
【0047】図において符号21は、InP よりなる半絶
縁性基板で、その上には、断面がすり鉢状(凹状)の溝
22を光が導波する方向に設けたアンドープInP よりな
る第一のクラッド層23が形成され、このクラッド層2
3の上面には多重量子井戸(MQW)層24及びアンド
ープInP よりなる第二のクラッド層25が厚さ方向に順
に積層されている。
【0048】上記したMQW層24は、例えばアンドー
プInP とアンドープInGaAsP をそれぞれ100Åづつ交
互に10周期繰り返し積層してなるもので、そのうちIn
GaAsP が井戸層、InP が障壁層となる。
【0049】また、第二のクラッド層25から第一のク
ラッド層23の上層部に到る部分のうち、溝22の底部
のi型(真性)領域を挟む両側の***部にはそれぞれ不
純物導入によりn型領域27とp型領域28が形成され
ており、i型領域26内のMQW層24が光導波路とな
るように構成されている。
【0050】それらのn型領域27及びp型領域28内
のMQW層は、InGaAsP 井戸層を有しているので不純物
導入によっても壊れずに残っている。なお、図中符号2
9は、n型領域27及びp型領域28の上に形成された
InGaAsよりなるキャップ層、30は、p型領域28の上
にキャップ層29を介して形成されたTi/Ptよりなるp
電極、31は、n型領域27の上にキャップ層29を介
して設けられたAuGe/Auよりなるn電極、32は、n型
領域27とp型領域28に例えば0V、2Vの交流電圧
を印加する電源を示している。
【0051】次に、上記した実施例の動作について説明
する。上述した実施例において、i型領域26の両脇に
n型領域27とp型領域28が配置されているので、p
in接合が横方向に形成されることになり、n型領域2
7とp型領域28の間に電圧を印加してi型領域26内
のMQW層24に面方向の電界をかけると、その内部で
エキシトンを形成する電子・正孔対が容易に壊れる。
【0052】このため、入射光波長をエキシトンピーク
波長λepに合わせておけば、図10(b) に示すように、
無電圧時には光がエキシトン吸収され、電圧印加時には
エキシトンが壊れて光が透過することになり、これによ
り光強度変調が行われる。
【0053】また、i型領域26におけるMQW層24
とその両横方向にある第一のクラッド層23との間に
は、図2(b) に示すような屈折率差が生じるので、屈折
率の高いi型領域26のMQW層24を導波路としてこ
れに光を照射すると、その中に光が閉じ込められて横モ
ード制御が容易になる。
【0054】また、n型領域27及びp型領域28にお
けるMQW層24は、i型領域26のそれよりも高い位
置に存在するので、横モード制御を妨げることはなく、
MQW層24を4元材料により形成しても問題はない。
【0055】ところで、この動作は光強度変調について
の説明であるが、同じ光変調器を用いて屈折率変化によ
る光変調をかけることもでき、次にその動作を説明す
る。上記した実施例装置において、入射波長に対する屈
折率の関係をエキシトン消滅電圧印加時と無電圧時につ
いて調べると、第1実施例で既に述べたように図10に
示す関係があり、エキシトンビーク波長λepよりも長波
長側には、無電圧時に屈折率のピークを有し、かつ電圧
印加時にそのピークが消失するような波長λopが存在す
る。そして、この屈折率変調を利用して位相変調器を作
ることができる。
【0056】つまり、屈折率の変化によって光の波長が
変化して位相が変化する。そのため図2(c) に示すよう
に、光の波は位相の異なる二つの期間を持つことにな
る。そこで期間T1 を「0」の信号とし、期間T2
「1」の信号となせば、これによって情報を伝達するこ
とが可能になる。
【0057】しかも、この装置における入射波長に対す
る光吸収係数の変化を調べると、電圧印加時、無印加時
で屈折率の変化の大きな波長λopでは、光吸収が殆どな
いので、損失も少なく位相変調型の変調器として使うの
に都合がよい。
【0058】このため、同じようにエキシトンを利用し
て波長λepの光を強度変調する従来の装置(図11)に
比べて、変調時の光吸収量が少なくなり、消光比の低下
が抑制される。
【0059】なお、光変調器の駆動電圧は2V以下にす
ることが要求されているが、そのためには、溝22の底
部の幅を2μm程度以下にする必要がある。これは、エ
キシトンの半径は100Å程度と考えられ、これを消滅
させるために必要な電界は104 V/cmだからである。
【0060】また、本実施例では、平坦部(溝22底
面)の上のMQW層24に沿って光導波路が形成される
ために、一般的な半導体レーザ(不図示)との位置合わ
せが容易になる。このため、埋め込み型半導体レーザや
メサ型レーザ、横電流注入型レーザ(特開昭62-130581)
などに比べて集積化が容易になる。
【0061】次に、上記した実施例装置の製造工程を図
3に基づいて説明する。まず、図3(a) に示すように、
InP よりなる半絶縁性基板21の上にアンドープInP よ
りなる第一のクラッド層23をエピタキシャル成長した
後に、このクラッド層23の上にフォトレジスト33を
塗布し、これを露光、現像して変調器の長さに合わせた
窓34を形成する。
【0062】この後に、フォトレジスト33の窓34を
通してエッチング液を第一のクラッド層23に供給し、
そのクラッド層23に断面すり鉢形の溝22を形成する
(図3(b))。この場合、InP 基板21にまでエッチング
が進まないようにエッチング時間を調整する。なお、こ
のエッチングは、ガスを使用したドライエッチングによ
り行ってもよい。
【0063】次に、フォトレジスト33を溶剤により除
去してから、MOCVD法、MOVPE法等によってIn
GaAsP 、InP をぞれぞれ膜厚100Åずつ10周期繰り
返して全体に積層し、これによりMQW層24を形成す
る。さらに続けて、アンドープInP を1000Å程度積層
し、これを第二のクラッド層25とする(図3(c))。
【0064】この後に、フォトレジストよりなるマスク
35により、溝22の底部から一方の***部23aにか
けた領域を覆い、露出した他方の***部23bのテラス
傾斜部から上面にイオン打ち込み法でSn、Si等の不純物
を打ち込み、拡散させてn型領域27を形成する(図3
(d))。そして、マスク35を除去してから、残りの***
部23aにも同様にしてZn等の不純物を拡散させてp型
領域28を形成する(図4(e))。
【0065】次に、全体にInGaAs層36を積層した後
に、***部23a,23bの平坦面の上をフォトレジス
トのマスク37によって覆い(図4(f))、マスク37か
ら露出した溝22の底面と***部23a,23bのテラ
ス斜面の上にあるInGaAs層36をエッチングにより除去
し、ついでマスク37を除去する。そして、***部23
a,23bの平坦面に残ったInGaAs層36をキャップ層
29とする。
【0066】この後に、さらにフォトレジスト37を塗
布し、これを露光、現像してn型領域27の上にあるキ
ャップ層29だけを露出し、この状態で蒸着法によりAu
Ge/Auを堆積する。そして、フォトレジスト37を除去
すると、n型領域27のキャップ層29の上にのみAuGe
/Auが残存し、これをn電極31とする。ついで、p型
領域28の上のキャップ層29にも同様にしてTi/Ptを
堆積し、これをp電極30とする(図4(h))。これによ
り、上記した光変調器が完成する。
【0067】(c)本発明の第3実施例の説明 上記した第2実施例では、第一のクラッド層23に溝2
2を形成し、その溝22の底面に形成されるMQW層2
4を導波路としたが、第一のクラッド層にメサストライ
プ状の突起を設け、その領域に形成されるMQW層を導
波路としてもよい。その第3の実施例を図5に基づいて
説明する。
【0068】図5(a) において符号41は、InP よりな
る半絶縁性基板で、その上にはメサストライプ状の突起
40を光が導波する方向に設けたアンドープInP よりな
る第一のクラッド層42が形成され、このクラッド層4
2の上面には多重量子井戸(MQW)層43及びアンド
ープInP よりなる第二のクラッド層44が順に積層され
ている。
【0069】上記したMQW層43は、アンドープInP
とアンドープInGaAsP をそれぞれ100Åづつ交互に1
0周期繰り返し積層してなるもので、そのうちInGaAsP
が井戸層、InP が障壁層となるように構成されている。
【0070】また、第二のクラッド層44から第一のク
ラッド層42内に到る部分のうち、メサストライプ状突
起の頂面の上下はi型(真性)領域45となり、その両
側のテラス傾斜部から凹部にかけた領域にはそれぞれ不
純物が導入されてn型領域46とp型領域47が形成さ
れており、i型領域45内のMQW層43が光導波路と
なるように構成されている。
【0071】それらのn型領域46及びp型領域47に
おいてInGaAsP井戸層を有するMQW層43は不純物導
入によっても壊れずに残存している。なお、図中符号4
8は、n型領域46及びp型領域47の上に形成された
InGaAsよりなるキャップ層、49は、p型領域47の上
にキャップ層48を介して形成されるTi/Ptよりなるp
電極、50は、n型領域46の上にキャップ層48を介
して設けられたAuGe/Auよりなるn電極を示している。
【0072】次に、上記した実施例の動作について説明
する。上述した実施例において、MQW層43のうちi
型層45の両側にはInP よりなるn型領域46とp型領
域47が配置されているので、pin接合がMQW層4
3の面方向である横方向に形成されることになり、n型
領域46及びp型領域47の上に設けられた電極49、
50に電圧をかけてi型領域45のMQW層43の面方
向に電界をかけると、第2実施例と同様にエキシトンを
形成する電子・正孔対が容易に壊れる。
【0073】このため、入力波長をエキシトンピーク波
長λepに合わせておけば、第2実施例と同様に、無電圧
時には入力光がエキシトン吸収され、電圧印加時にはエ
キシトンが壊れて光が透過することになり、これにより
光強度変調が可能になる。
【0074】この変調器では、i型領域45の平坦なM
QW層43とその両側方にある空気の屈折率には図5
(b) に示すような差があり、屈折率の高いi型領域45
MQW層43を導波路として光を照射すると、その中に
光が閉じ込められて横モード制御が容易になる。
【0075】したがって、第2実施例と同様に、MQW
層43を4元材料によって形成しても横モード制御に影
響しなくなる。しかも、導波路となるMQW層43の両
側が空気となって同一の屈折率によって閉じ込められて
いるので、高次モードの光の伝播を抑制できる。ちなみ
に、テラス傾斜部のMQW層43を導波路とする構造の
変調器によれば、テラス傾斜部のMQW層43を導波す
る光は一方が空気、他方は第一のクラッド層42によっ
て閉じ込められ、導波路左右の屈折率に差が生じるた
め、その差が大きい場合には高次モードの光が伝播し易
くなる。
【0076】また、この変調器によれば、第2実施例と
同じように屈折率変化による光変調をかけて位相変調さ
せることが可能になる。しかも、この位相変調に使用す
る光の波長は、第2実施例のようにエキシトンピーク波
長λepよりも長い波長を用いるから光吸収量が小さくな
り、位相変調型の変調器として使うのに適している。
【0077】なお、光変調器の駆動電圧は2V以下にす
ることが要求されているが、第2実施例で述べたように
メサストライプ状突起の幅を2μm程度以下にする必要
がある。
【0078】また、本実施例によっても、平坦部(i型
領域45)のMQW層43が光導波路となるので、一般
的な半導体レーザとの位置合わせが容易である。次に、
上記した実施例装置の製造工程を図6、7に基づいて説
明する。
【0079】まず、図6(a) に示すように、InP よりな
る半絶縁性基板41の上にアンドープInP よりなる第一
のクラッド層42をエピタキシャル成長した後に、この
クラッド層42の上にフォトレジスト51を塗布し、こ
れを露光、現像して変調器の長さに合わせたパターンを
形成する。
【0080】この後に、フォトレジスト51周囲の第一
のクラッド層42にエッチング液を供給し、そのクラッ
ド層42の上部にメサストライプ状の突起40を形成す
る(図6(b))。この場合、InP 基板41にまでエッチン
グが進まないようにエッチング時間を調節する。
【0081】次に、フォトレジスト51を溶剤により除
去してから、MOCVD法、MOVPE法等によってIn
GaAsP 、InP をぞれぞれ膜厚100Åずつ10周期繰り
返して積層し、これによりMQW層43を構成する。さ
らに続けて、アンドープInP層を1000Å程度積層
し、これを第二のクラッド層44とする(図6(c))。
【0082】この後に、フォトレジスト52よりなるマ
スクにより、メサストライプ状突起40の頂面から一方
の凹部にかけた領域を覆ってから、露出した他方の凹部
のテラス傾斜部からその底面に向けてイオン打ち込み法
によりSn、Si等の不純物を打ち込み、拡散させてn型領
域46を形成する(図6(d))。
【0083】そして、フォトレジスト52を除去してか
ら、他方のテラス傾斜部及び凹部にも同様にしてZn等の
不純物を拡散させてp型領域47を形成する(図7
(e))。
【0084】次に、全体にInGaAs層53を積層した後
に、突起40の両側の底面の上をフォトレジスト54に
よって覆い(図7(f))、それから露出した突起40の頂
面とそのテラス傾斜部の上にあるInGaAs層53をエッチ
ングにより除去し、ついでフォトレジスト54を除去す
る。そして、凹部の底面に残ったInGaAsをキャップ層4
8とする。
【0085】この後に、さらにフォトレジスト55を塗
布し、これを露光、現像してn型領域46の上にあるキ
ャップ層48だけを露出し(図7(g))、この状態で蒸着
法によりAuGe/Auを堆積する。そして、フォトレジスト
55を除去すると、n型領域46のキャップ層48の上
にのみAuGe/Auが残存し、これをn電極50とする。
【0086】ついで、p型領域47上のキャップ層48
にも同様にしてTi/Ptを体積し、これをp電極49とす
れば、上記した光変調器が完成する(図7(h))。 (d)本発明の第4の実施例の説明 第2、第3実施例では、第1のInP クラッド層23、4
2をエッチングして溝22や突起40を形成したが、そ
の底面や頂面の平坦性をさらに高めようとする場合に
は、第一のクラッド層23、42と半絶縁性基板21、
41の間にエッチングストップ層を挿入すればよい。そ
こで次に、第2実施例の構造の変調器を例に上げて説明
する。
【0087】まず、図8(a) に示すように、InP 半絶縁
性基板21の上にMOCVD法等によってInGaAsエッチ
ングストップ層20、InP よりなる第一のクラッド層2
3を順に積層し、ついで変調器の長さに合わせて窓34
を有するフォトレジスト33のマスクを形成する。
【0088】この後に、InP を選択的にエッチングする
エッチング液を窓34から供給し、第2実施例と同様に
クラッド層23に溝22を形成することになるが(図8
(b))、InGaAsエッチングストップ層20を露出させる
までに行えば、エッチングストップ層20から下方には
エッチングが進まず、溝22から平坦なエッチングスト
ップ層20が表れるまでエッチングを行えば、その底面
も平坦化される。
【0089】この後に、フォトレジスト33を除去した
状態を示すと、図8(b) に示すような断面状態となり、
この上に第2実施例と同じ方法によってMQW層24、
第2のクラッド層25を形成することになる(図8
(c))。
【0090】そして、溝22の両側の***部23a,2
3bに不純物を導入してn型領域27とp型領域28を
形成し、さらに、***部23a,23bの上にキャップ
層29を形成するとともに、n型領域27の上にn電極
31を、p型領域28の上にp電極30を形成する(図
8(d))。
【0091】このように形成した光変調器によれば、溝
22にあるMQW層24がより平坦になり、その面に沿っ
てかかる電界の強度を強めることができるから、より少
ない電圧で変調をかけることができるようになり有利と
なる。
【0092】なお、エッチングストップ層として、InGa
AsP のような4元系を使用することも可能であり、この
場合には、エッチングストップ層の上にはMQW障壁層
(InP)から成長を始める必要がある。井戸層から成長さ
せたい場合には、エッチングストップ層の組成比を変え
ればよい。
【0093】(e)本発明の第5の実施例の説明 上記した実施例の変調器は、半導体レーザと集積化する
こともでき、その形成工程を図9に基づいて簡単に説明
する。
【0094】例えば、図9(a) に示すように、InP 半絶
縁性基板41の上にメサストライプ状の突起40を有す
る第一のクラッド層42を形成し、その上にMQW層4
3、第二のクラッド層44を積層した後に、第3実施例
と同様にしてp型領域46とn型領域47を形成し、つ
いで全体にキャップ層48を積層する。
【0095】この場合のメサストライプ状の突起40
は、変調器形成領域Xから半導体レーザ形成領域Yに延
在している。この状態で、まず、全体にフォトレジスト
61を塗布し、これを露光、現像して変調器形成領域X
と半導体レーザ形成領域Yとを分離する領域に窓62を
形成する。
【0096】この後に、窓62から露出したキャップ層
48から第一のクラッド層42までを反応性イオンエッ
チング(RIE)法によって垂直にエッチングする。こ
の後に、第3実施例と同様にしてキャップ層48をパタ
ーニングし、変調器形成領域Xと半導体レーザ形成領域
Yの突起40の両側の底面にそのキャップ層48を残存
させ、さらにこの上にp電極49、n電極50を形成す
ると、図9(b) に示すように、同一構造の半導体レーザ
63と変調器64がモノリシックに形成される。
【0097】なお、この構造の変調器により強度変調を
行うことになるが、位相変調を行う場合には、組成のこ
となるMQW層を2度積層、パターニングする。即ち、
既に述べたように半導体レーザの発振波長を変調器のエ
キシトンビーク吸収波長λepよりも長波長側にもってい
く必要があるので、半導体レーザのMQW層と変調器の
MQW層を別々に形成する必要がある。
【0098】そこで、半導体レーザ部の組成のMQW層
を素子全体に積んだ後に、半導体レーザ形成領域をマス
クにより覆い、変調器形成領域のMQW層をエッチング
により除去する。次に、変調器形成領域側のMQW層を
成長させてからレーザ側のマスクを除いて前面にクラッ
ド層を形成し、それ以降は同様な工程を経ることにな
る。
【0099】なお、半導体レーザを駆動する場合には、
pin接合に順バイアス電圧を印加する。
【0100】
【発明の効果】以上述べたように第1の本発明によれ
ば、量子井戸層の面に沿った横方向にpinip接合、
またはnipin接合を形成し、それぞれのpin接合
部分に逆バイアス電圧を印加するようにしている。
【0101】このため、エキシトンピーク波長よりも長
波長の波長λopの光を中央の導電型領域の量子井戸層に
照射し、さらにエキシトン準位を壊す電圧を横方向に印
加すると、真性領域の屈折率がエキシトン生成時よりも
減少し、その他の導電型領域ではエキシトンが存在して
その屈折率は高いままであり、導電型領域内の量子井戸
層の存否に関係なく横方向に屈折率の差を生じさせるこ
とができ、横モードの制御が容易になる。
【0102】しかも、エキシトンを電界により壊して屈
折率を変化させた状態では、波長λopの光を伝播する導
電型領域には電圧がかからないので、その特性によって
光の減衰を低減することができる。
【0103】また、第2の発明によれば、一導電型領域
と反対導電型領域にある量子井戸層を、それらの間の真
性領域の量子井戸層に対して段違いに形成している。こ
のため、真性領域における量子井戸層は、その両横方向
にある第一のクラッド層又は空気よりも屈折率が高くな
り、この結果、その中に光が閉じ込められ、導電型領域
に量子井戸層が存在しても横モード制御が容易になる。
【0104】しかも、入射波長に対する光吸収係数の変
化を調べると、エキシトンピーク波長よりも長波長の光
では吸収率が少なく、しかも、電圧印加時と無電圧時で
屈折率の変化が大きい波長が存在するので、この屈折率
の変化を利用して位相変調を行えば、光損失の小さい位
相変調器を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例装置を示す断面図及びその
屈折率分布図である。
【図2】本発明の第2実施例装置を示す断面図、その屈
折率分布図、位相変調を示す波形図である。
【図3】本発明の第2実施例装置の形成工程を示す断面
図(その1)である。
【図4】本発明の第2実施例装置の形成工程を示す断面
図(その2)である。
【図5】本発明の第3実施例装置を示す断面図及びその
屈折率分布図である。
【図6】本発明の第3実施例装置の形成工程を示す断面
図(その1)である。
【図7】本発明の第3実施例装置の形成工程を示す断面
図(その2)である
【図8】本発明の第4実施例装置の形成工程を示す断面
図である。
【図9】本発明の第5実施例装置の形成工程を示す斜視
図である。
【図10】エキシトンを利用したMQW層の波長・屈折
率の関係を示す特性図、及び波長・光吸収係数の関係を
示す特性図である。
【図11】従来装置の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1、21、41 半絶縁性基板 2、4、23、25、42、44 クラッド層 3、24、43 MQW層 5、27、46 n型領域 8、9、28、47 p型領域

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半絶縁性基板(1)の上に積層された第一
    のクラッド層(2)と、 前記第一のクラッド層(2)の上に形成された量子井戸
    層(3)と、 前記量子井戸層(3)の上に積層された第二のクラッド
    層(4)と、 前記第二のクラッド層(4)表面から第一のクラッド層
    (2)に到る深さに形成された一導電型領域(5)と、 前記一導電型領域(5)の両側に真性領域をおいて形成
    され、かつ前記第一のクラッド層(4)表面から第二の
    クラッド層(2)に到る深さの反対導電型領域(8,
    9)と、 前記一導電型領域(5)と前記反対導電型領域(8,
    9)の間に逆バイアス電圧を印加可能な電源とを有する
    ことを特徴とする光変調装置。
  2. 【請求項2】請求項1の構造において一導電型領域
    (5)と反対導電型領域(8)とその間に挟まれた真性
    領域ならびに、一導電型領域(5)と反対導電型領域
    (9)とその間に挟まれた真性領域それぞれに形成され
    るpin接合に対して逆バイアス電圧を印加することに
    より一導電型領域(5)とその両側に接する真性領域と
    の間の屈折率差を制御することによって、一導電型領域
    (5)を導波する量子井戸のエキシトン吸収波長より長
    波長の光の導波部への閉じ込めを制御することによって
    光変調をおこなうことを特徴とする光変調装置。
  3. 【請求項3】半絶縁性基板(21,41)の上に積層され、
    かつ上部に凹状の溝(22)又はメサトライプ状の突起
    (40)が形成された第一のクラッド層(23,42)と、 前記第一のクラッド層(23,42)の上に積層された量子
    井戸層(24,43)と、 前記量子井戸層(24,43)の上に形成された第二のクラ
    ッド層(25,44)と、 前記溝(22)又は前記突起(40)の一側にある前記第二
    のクラッド層(25,44)表層から第一のクラッド層(2
    3,42)に到る部分に形成された一導電型領域(27,4
    6)と、 前記溝(22)又は前記突起(40)の他側にある前記第二
    のクラッド層(25,44)表層から第一のクラッド層(2
    3,42)に到る深さに形成された反対導電型領域(28,4
    7)と、 前記一導電型領域(27,46)と前記反対導電型領域(2
    8,47)の間に逆バイアス電圧を印加可能な電源とを有
    することを特徴とする光変調装置。
  4. 【請求項4】請求項2の構造において前記溝(22)また
    は、突起(40)の真性領域にある量子井戸層部を光導波
    路とし、該真性領域とこれを挟む前記一導電型領域(2
    7,46)と前記反対導電型領域(28,47)とでつくられ
    るpin接合に逆バイアス電圧を印加することによって
    量子井戸のエキシトン吸収付近に対応する波長の光に対
    して光強度変調をおこなうことを特徴とする光変調装
    置。
  5. 【請求項5】請求項2において前記pin接合に逆バイ
    アス電圧を印加することによって量子井戸のエキシトン
    吸収波長より長波長の光に対して光位相変調をおこなう
    ことを特徴とする光変調装置。
  6. 【請求項6】半絶縁性基板上に凹状の溝(22)、または
    メサストライプ状の突起(40)をもったクラッド層(2
    3,42)を形成する工程、該クラッド層(23,42)上に
    量子井戸層(24,43)を形成する工程、該量子井戸層
    (24,43)上に第二のクラッド層(25,44)を形成する
    工程、前記溝(22)または前記突起(40)の一側にある
    前記第二のクラッド層(25,44)表層から第一のクラッ
    ド層(23,42)に到る部分に一導電型領域を形成する工
    程、前記溝(22)または前記突起(40)の他側にある前
    記第二のクラッド層(25,44)表層から前記第一のクラ
    ッド層(23,42)に到る部分に反対導電型領域を形成す
    る工程、前記一導電型領域ならびに前記反対導電型領域
    上に電極を形成する工程を少なくとも含む光変調装置の
    製造方法。
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