JPH0515697A - 衣類乾燥機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 リントを捕獲するのみならず、花粉，ダニ等
の吸着もできるフィルタの、使用部品点数の削減、並び
に加工工数の削減を図って、コストの低廉化を達成し、
併せて、掃除も簡単に行ない得るようにする。 【構成】 フィルタ３２を、被乾燥衣類の乾燥に供した
温風からリントを捕獲するフィルタシート３３と、同温
風から花粉，ダニ等の微小異物を吸着する静電フィルタ
シート３５とを重ね合わせて、内枠３８及び外枠３９の
型成形により一体に結合して構成することにより、従来
の吸着フィルタのカバーネット及び取付枠を不要ならし
めると共に、従来の吸着フィルタの超音波溶着による結
着をも不要ならしめ、そして、フィルタ３２全体とし
て、従来の捕獲フィルタ及び吸着フィルタの別をなく
し、一つのフィルタを扱って掃除できるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、リントを捕獲する機能
と共に、花粉，ダニ等を吸着する機能をも有する衣類乾
燥機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、衣類乾燥機においては、温風
を、被乾燥衣類を収容する乾燥室内に供給して、該乾燥
室内からフィルタを通し排出するようにしている。しか
して、そのフィルタでは、一般に、被乾燥衣類から出る
リントを捕獲するのが一般的であったが、近年、それと
共に、花粉，ダニ等の吸着をもするようにしたものが供
されている。

【０００３】図８は、このものの構成を示しており、捕
獲フィルタ１と吸着フィルタ２とでフィルタ３が構成さ
れ、それに対してフィルタガード４が設けられている。

【０００４】捕獲フィルタ１は、網目状で円形状のフィ
ルタシート５の内周部に内枠６を、外周部に外枠７をそ
れぞれ型成形して一体に設けたものであり、そのフィル
タシート５にリントが引掛かって捕獲されるようになっ
ている。

【０００５】一方、吸着フィルタ２は、詳細には図９に
示すように、静電フィルタシート８を中心に構成された
もので、この静電フィルタシート８は上記捕獲フィルタ
１のフィルタシート５より目の細かい例えばポリプロピ
レン不織布から成り、コロナ放電による静電気処理が施
されている。この静電フィルタシート８を、同様にポリ
プロピレン不織布から成るカバーシート９，１０で挟
み、更にそれをポリプロピレン製のカバーネット１１，
１２で挟んで、その内周部及び外周部を超音波溶着して
結着し、そして又、内周部に二つ割りの取付枠１３，１
４を両側から嵌着させて取付けている。この構成で、上
記捕獲フィルタ１を通過した花粉，ダニ等の数〜数十ミ
クロンの微小異物を帯電吸着するようになっている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記構成のものの場
合、フィルタ３全体として、使用する部品点数が多く、
加工工数も多くて、コスト高になるという問題点を有し
ていた。又、捕獲したリントや吸着した花粉，ダニ等を
除去する掃除も、捕獲フィルタ１と吸着フィルタ２とに
ついて個別に行なわなければならず、面倒であった。

【０００７】本発明は上述の事情に鑑みてなされたもの
であり、従ってその目的は、リントを捕獲するのみなら
ず、花粉，ダニ等の吸着もできるフィルタについて、使
用部品点数の削減、並びに加工工数の削減を図って、コ
ストの低廉化を達成し、併せて、掃除も簡単に行なうこ
とのできる優れた衣類乾燥機を提供するにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の衣類乾燥機においては、温風を、被乾燥衣
類を収容する乾燥室内に供給して、該乾燥室内からフィ
ルタを通し排出するようにしたものにあって、そのフィ
ルタを、リントを捕獲するフィルタシートと、花粉，ダ
ニ等の微小異物を吸着する静電フィルタシートとを重ね
合わせて、枠の型成形により一体に結合して構成したと
ころに特徴を有する。

【０００９】

【作用】上記手段によれば、リントを捕獲するフィルタ
シートが従来の吸着フィルタのカバーネットを兼ね、成
形枠が従来の吸着フィルタの取付枠を兼ねることにな
り、更にその枠の成形が従来の吸着フィルタの超音波溶
着による結着を兼ねることになる。又、フィルタ全体と
しても、一つになり、従って、掃除はこの一つのフィル
タについてのみ行なえば良くなる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の一実施例につき、図１ないし
図６を参照して説明する。

【００１１】まず図２には、衣類乾燥機全体の外箱２１
を示しており、前面部に、ドア２２によって開閉される
衣類出入口２３を有していて、内部に、その衣類出入口
２３が通じる乾燥室を構成するところのドラム２４を回
転可能に支承して配設している。

【００１２】又、外箱２１内の奥部には温風供給装置２
５を配設している。この温風供給装置２５は、この場
合、熱交換ファン２６を中心に構成したもので、その熱
交換ファン２６により、ドラム２４内の空気を吸入する
と共に外箱２１外の空気を吸入して熱交換（ドラム２４
内空気の除湿）をし、この熱交換したドラム２４内の空
気を図示しないヒータの熱で温風化し、この温風をドラ
ム２４内に供給するようになっている。

【００１３】熱交換ファン２６は外箱２１内の底部に配
設したモータ２７によりベルト２８を介して回転させる
ようにしており、同時に、ドラム２４も外箱２１内の底
部に配設したモータ２９によりベルト３０を介して回転
させるようにしている。

【００１４】しかして、ドラム２４の奥部には上記温風
のドラム２４内からの出口である排気口３１を多数の孔
によって形成しており、この排気口３１のドラム２４内
側部分にフィルタ３２を配設している。このフィルタ３
２は、詳細には図１に示すように、リントを捕獲するに
適した網目の円形状フィルタシート３３と、これより目
の細かい例えばポリプロピレン不織布から成るカバーシ
ート３４、同じくポリプロピレン不織布から成りコロナ
放電による静電気処理を施した静電フィルタシート３
５、カバーシート３４同様のカバーシート３６、並びに
ポリプロピレン製のカバーネット３７から成っており、
これらを重ね合わせて図示しない成形型内に置き、図３
に示す内枠３８と外枠３９とを例えばポリプロピレン樹
脂で成形することにより、一体に結合している。

【００１５】なお、上記フィルタ３２に対しては、図４
に示すフィルタガード４０を図２に示すように更にドラ
ム２４内側に位置させて設けている。

【００１６】又、フィルタ３２のフィルタシート３３側
のカバーシート３４には、フィルタの掃除の時期を判別
するための、例えばリント並びにカバーシート３４と反
対の色相を持つ図５に示す規則的な例えば水玉の模様４
１を、図６に示す原反４２状態からの印刷によって施し
ており、これから型抜きをしてカバーシート３４を作製
している。

【００１７】さて、上述のように構成したものの場合、
乾燥機の運転を開始させれば、ドラム２４が回転され、
衣類出入口２３からその内部に収容した被乾燥衣類の撹
拌をする状況で、該ドラム２４内に温風供給装置２５に
よって温風が供給され、この供給された温風が、ドラム
２４内の上記被乾燥衣類と接触して後、フィルタガード
４０を通り、更にフィルタ３２のフィルタシート３３，
カバーシート３４，静電フィルタシート３５，カバーシ
ート３６，並びにカバーネット３７を順に通って、排気
口３１から排出され温風供給装置２５に吸入されるとい
うことが繰返される。

【００１８】そしてその過程で、被乾燥衣類から出たリ
ントがフィルタ３２のフィルタシート３３に引掛かって
捕獲され、このフィルタシート３３を通った花粉，ダニ
等の数〜数十ミクロンの微小異物が静電フィルタシート
３５やその前後のカバーシート３４，３６に帯電吸着さ
れる。

【００１９】このように、本構成のものでは、フィルタ
３２により被乾燥衣類から出たリントの捕獲ができるの
みならず、花粉，ダニ等の吸着もできるもので、その構
成にあっては、リントの捕獲をするフィルタシート３３
が従来の吸着フィルタ２のカバーネット１１を兼ね、内
枠３８が従来の吸着フィルタ２の取付枠１３，１４を兼
ねることになるものであり、かくして、それら従来のカ
バーネット１１及び取付枠１３，１４の使用を省き得る
から、使用部品点数の削減を図り得る。又、本構成のも
ののフィルタ３２の内枠３８及び外枠３９の成形は、従
来の吸着フィルタ２の超音波溶着による結着を兼ねるこ
とになるもので、それにより、その従来の超音波溶着の
工程を省き得るから、加工工数の削減を図り得、総じて
コストの低廉化を所望に達成することができる。そし
て、フィルタ全体としても、従来の捕獲フィルタ１と吸
着フィルタ２とのようには分かれず、一つになるから、
捕獲したリントや吸着した花粉，ダニ等を除去する掃除
も、その一つのフィルタについてのみ行なえば良くな
り、簡単に行なうことができる。

【００２０】なお、以上に加えて特に上記構成のものの
場合、静電フィルタシート３５やカバーシート３４，３
６にフィルタシート３３を通ったリントが付着するよう
になると、カバーシート３４の模様４１が見えにくくあ
るいは見えなくなるから、それによって、フィルタの掃
除の必要時期を判断することができる。

【００２１】これについて、図７は本発明の異なる実施
例を示しており、カバーシート３４にフィルタの目詰ま
りを表わす文字による模様４３を施したものであり、こ
のようにすることによって、フィルタの掃除の必要時期
の判断をしやすくすることができる。

【００２２】このほか、本発明は上記し且つ図面に示し
た実施例にのみ限定されるものではなく、特に乾燥室は
ドラムによってでなくキャビネットによって構成される
ものであっても良く、又、温風供給装置も熱交換タイプ
でなく外気を導入して熱するタイプであっても良いもの
で、更に温風は循環させず機外に排出するタイプであっ
ても良く、フィルタの各部品も具体的材質等は前述のよ
うには限られず、カバーシート並びにカバーネットは具
えられていなくても良いなど、要旨を逸脱しない範囲内
で適宜変更して実施し得る。

【００２３】

【発明の効果】以上の記述で明らかなように、本発明の
衣類乾燥機は、温風を、被乾燥衣類を収容する乾燥室内
に供給して、該乾燥室内からフィルタを通し排出するよ
うにしたものにあって、そのフィルタを、リントを捕獲
するフィルタシートと、花粉，ダニ等の微小異物を吸着
する静電フィルタシートとを重ね合わせて、枠の型成形
により一体に結合して構成したことを特徴とするもので
あり、それによって、リントを捕獲するのみならず、花
粉，ダニ等の吸着もできるフィルタについて、使用部品
点数の削減、並びに加工工数の削減を図り得て、コスト
の低廉化を達成でき、併せて、掃除も簡単に行なうこと
ができるという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示すフィルタの分解斜視図

【図２】衣類乾燥機全体の縦断側面図

【図３】フィルタの拡大縦断側面図

【図４】フィルタとフィルタガードの斜視図

【図５】カバーシート単体の斜視図

【図６】カバーシート原反の斜視図

【図７】本発明の異なる実施例を示すカバーシート単体
の正面図

【図８】従来例を示す図４相当図

【図９】吸着フィルタの分解斜視図

【符号の説明】

２４はドラム（乾燥室）、２５は温風供給装置、３２は
フィルタ、３３はフィルタシート、３５は静電フィルタ
シート、３８は内枠、３９は外枠を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 温風を、被乾燥衣類を収容する乾燥室内
   に供給して、該乾燥室内からフィルタを通し排出するよ
   うにしたものであって、そのフィルタを、リントを捕獲
   するフィルタシートと、花粉，ダニ等の微小異物を吸着
   する静電フィルタシートとを重ね合わせて、枠の型成形
   により一体に結合して構成したことを特徴とする衣類乾
   燥機。