JPH0515689A - ドラム式洗濯機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ドラム回転に伴う水槽の振動を水槽と水槽支
持部材との相対運動から検出するセンサと、センサの出
力を受けて水槽の振動の大きさと基準値とを比較する比
較手段と、脱水開始時に水槽の振動が所定値より大きい
ときにはドラム内の衣類をほぐすためにドラムを一旦停
止して水槽に対して給排水を行う制御手段を備えたこと
を特徴とする。 【効果】 歪センサを応用した振動センサを用いること
により、水槽の振動があればドラム内の衣類を攪拌させ
る様ドラムを回転させ、振動が小さくなるまで攪拌運転
を行い、ドラムの回転をスムーズに高速回転まで立上げ
る事ができるため、騒音が少なく軽量で使い勝手のよい
ドラム式洗濯機が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、洗濯から脱水までを
自動運転するドラム式洗濯機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のドラム式洗濯機においては、脱水
時に発生する振動に対して、コンクリート等の重量物に
より水槽を固定して振動を押え込み、水槽を支えている
スプリングやダンパー等で振動を吸収するようにしたも
のが知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ドラム式洗濯機は、本体の重量が重くなり、一般家屋で
は床の補強等を行わねばならないと共に、脱水運転時の
ドラム高速回転の際に発生する振動によって床が共振
し、騒音が発生する場合がある。

【０００４】又、この種の全自動洗濯機においては、脱
水運転時あるいは脱水開始時に衣類のかたよりによって
脱水槽が揺動して水槽に接触した場合、安全装置により
脱水運転を停止させ、使用者が衣類を手で攪拌して脱水
槽内のバランスを取り再運転を行っていた。これは使用
者の手を煩わす事となり、使用者が洗濯機のそばに居な
い場合は脱水運転が停止したままとなり、洗濯が完了し
ないという問題点があった。

【０００５】この発明はこのような事情を考慮してなさ
れたもので、脱水時の振動をセンサによって検出し、振
動が大きい場合には自動的に衣類をほぐして再度脱水工
程を行なうようにしたドラム式洗濯機を提供するもので
ある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明は、衣類を収容
するドラムを内部に回転可能に支持する水槽と、水槽を
弾性的に支持する支持部材と、水槽に対し給排水する給
排水手段を備え給水工程、選択工程、排水工程および脱
水工程を行なうように構成したドラム式洗濯機におい
て、ドラム回転に伴う水槽の振動を水槽と支持部材との
相対運動から検出するセンサと、センサの出力を受けて
水槽の振動の大きさと基準値とを比較する比較手段と、
脱水開始時に水槽の振動が所定値より大きいときにはド
ラム内の衣類をほぐすためにドラムを一旦停止して水槽
に対して給排水を行なう制御手段を備えたことを特徴と
するドラム式洗濯機を提供するものである。

【０００７】

【作用】脱水運転の開始時において、ドラム内の衣類の
状態により（衣類が絡み合って一固まりになっているた
めに）水槽に振動が生じた場合、振動センサがその振動
を検出し、振動が大きいときには、ドラムを一旦停止し
て水槽に対して給排水を行い、それによって衣類をほぐ
した後、再度脱水を開始する。衣類がドラム内にバラン
スして振動が小さくなるまでこの動作をくり返すので、
振動のない脱水が可能となる。

【０００８】

【実施例】以下、図面に示す実施例に基づいて発明を詳
述する。これによって発明が限定されるものではない

【０００９】図１はこの発明の実施例を示すドラム式洗
濯機の構成説明図であり、１は本体ケース、２は水槽、
３は水槽２の内部に回転可能に支持され衣類を収容する
ドラム、４はモータプーリ５とベルト６とドラムプーリ
７を介してドラムを回転させるドラムモータ、８および
９は水槽２を本体ケース内に吊下げるスプリング、１０
および１１は水槽２の振動や揺動を減衰させるダンパ
ー、１１はドラムモータ４や水槽２の給排水装置（図示
しない）を制御する制御回路、１２は水槽の振動を検出
する振動センサである。

【００１０】図２は図１の要部拡大図、図３は図２の要
部側面図、図４は図２の要部上面図である。これらの図
において、１３は水槽２から突出したダンパー支持具で
ありボルト１４によってダンパー１０を支持する。

【００１１】１５はダンパー１０から突出し、弾性板１
７に接触するアクチュエータ、１６は水槽２に固定され
た支持板であり、歪ゲージ１８を付着した弾性板１７と
歪ゲージ１８の検出増幅回路１９を支持する。そして、
水槽２が揺動又は振動を起こすと、アクチュエータ１５
がボルト１４の回りに回動して弾性板１７の歪の程度が
変化するようになっている。

【００１２】図５は、この発明の一実施例の制御回路の
ブロック図であり、家庭のＡＣコンセントから供給され
るＡＣ電源を整流回路ＲＦにより整流して定電圧回路Ｖ
Ｒへ供給する。そこでマイクロコンピュータ（以下マイ
コンという）ＭＣ、負荷制御部ＬＤに見合った電圧が定
電圧化されてそれぞれに供給される。そして、操作部Ｋ
Ｂから洗濯・すすぎ・脱水・乾燥の運転設定が使用者に
より行われる。

【００１３】設定された各運転モードはマイコンＭＣに
入力され、マイコンＭＣはそれぞれの運転モードに応じ
た制御を行なう様にドラムモータ４および、負荷制御部
ＬＤへ命令を出力する。表示部ＤＰは各運転モード内
容、時間等を表示し、ドラムモータ４はそれぞれのモー
ドに対応してドラム３を回転させ、負荷制御部７はそれ
ぞれの運転モードに適した負荷（給排水装置やヒータ
等）を動作させる。

【００１４】ところで、これら運転モードの一行程であ
る脱水運転において、すすぎ運転を終了し、衣類の攪拌
を行い脱水運転高速回転立上げ時（ドラム３の回転数を
低速の５０ｒｐｍから中速の１５０ｒｐｍまで除々に上
げていき、そこから高速の１０００ｒｐｍまで立上げる
運転工程を言う）において、ドラム３内の衣類の状態に
より、ドラム３回転時にアンバランス（衣類の攪拌具合
が悪く一固まりに絡み合っている時、ドラム３の一部が
重くなりドラム３の回転時のバランスが悪くなり水槽に
振動が生じる）が発生し、振動によって水槽２が本体ケ
ース１の内部の機構部分に接触するという不都合が生じ
ることがある。

【００１５】このような振動による水槽２と本体ケース
１の内部との接触を防ぐ為、この実施例では、水槽２と
ダンパー１０の接続部に歪センサ１８と検出増幅回路１
９で構成された振動センサ１２を取り付け、脱水運転時
における水槽の振動を検出し、揺動の大小によりドラム
の回転制御を行なう。

【００１６】歪センサ１８はセンサ自体が変形する（歪
む）事により内部のインピーダンスが変化し、電圧を加
えておけば変形時に出力電圧が変化する特性を持つた
め、弾性板１７に歪センサ１８を張り付けておくと、水
槽２の振動発生時、ダンパー１０に設けられたアクチュ
エータ１５により弾性板１７が押されて変形し、歪セン
サ１８から信号が出力される。歪センサ１８から出力さ
れた信号は検出増幅回路１９により増幅されマイコンＭ
Ｃに入力され所定値と比較される。

【００１７】このとき、ドラム３の回転により発生する
振動はドラム３の回転と同期しており、出力信号は図６
のような信号となり、ドラム回転数が速ければ周期（Ｔ
ｓ）は小さくなりドラム回転数が遅ければ周期（Ｔｓ）
は大きくなる。又、水槽２の振動が大きく、アクチュエ
ータ１５による弾性板１７の変形が大きければ、出力信
号電圧（Ｖ_M ）は大きくなり、弾性板１７の変形が小さ
ければ、出力信号電圧も小さくなる。但し、ドラム３が
回転していない時及び振動が全くないときは出力信号は
図７のように平坦になる。マイコンＭＣは、電圧Ｖ_M が
所定値を越えると水槽２の振動が大きいと判断し、所定
値以下であると振動が小さいと判断する。

【００１８】このような構成における主要動作を図８に
示すフローチャートを用いて説明する。

【００１９】すすぎ運転終了とマイコンＭＣが判断する
と（ステップＳ１）、運転モードは脱水運転へ移行する
が（ステップＳ２）、その前にすすぎ運転の際、衣類が
絡み合っている場合があるため、ドラム３をある一定時
間正転／逆転を行い布絡みを少なくする攪拌運転を行っ
てから脱水運転モードに移行する（ステップＳ３、Ｓ
４）。

【００２０】脱水運転は、ドラム３を一方向に低速回転
（５０ｒｐｍ）から除々に中速回転（１５０ｒｐｍ）ま
で立上げ（ステップＳ５）、その後高速回転（１０００
ｒｐｍ）まで一気に立上げ脱水運転状態となる。しか
し、前述のように、ドラム内の衣類の状態によってアン
バランスが生じる事がある。従って、低速から中速へド
ラム回転数を上げて行く間、アンバランスが生じ水槽が
振動が発生した場合、水槽と本体内部の機構物との接
触、破損を防ぐため、振動センサ１２が振動を検出して
絶えずマイコンＭＣへ入力する。マイコンＭＣは振動が
小さければ（ステップＳ６）、ドラム回転数を中速回転
（１５０ｒｐｍ）へ除々に上げていき（ステップＳ
７）、振動が大きいと判断した時点で（ステップＳ６、
Ｓ８）ドラムの回転を一度停止させ（ステップＳ１
５）、ドラム内の衣類の絡みを取るべく攪拌運転を行な
う（ステップＳ１４）。そして衣類の絡みが取れたと思
われる頃（ステップＳ１３）、再び低速運転から脱水運
転モードを開始し、上記内容を繰り返し行なう。

【００２１】ドラム低速回転から中速回転へ回転数が除
々に上がって行く間、マイコンＭＣにより振動が小さい
と判断され中速回転（１５０ｒｐｍ）まで達した時点
で、振動が小さければ、高速（１０００ｒｐｍ）でドラ
ムを回転させる（ステップＳ９）。ステップＳ８におい
て、振動が大きいときには、再度ドラム回転を停止させ
攪拌運転を行い（ステップＳ１５，１４）、再び低速回
転から脱水運転を開始し、振動が小さくなるまでこれを
繰り返し行い、マイコンＭＣが振動が小さいと判断すれ
ば高速回転（１０００ｒｐｍ）までドラム回転を立上げ
る（ステップＳ９）。

【００２２】この時も、振動センサ１２は振動を検出し
絶えずマイコンＭＣへ入力し続けており、水槽２の振動
が大きい場合は（ステップＳ１０）、ドラム３の回転を
停止させ攪拌運転を行い、ドラム内の衣類の絡みを取
り、再び低速回転から脱水運転を行なう。そして、振動
が小さいとマイコンが判断すれば、高速回転（１０００
ｒｐｍ）まで立上げて所定期間だけの脱水運転を行なう
と（ステップＳ１１）、脱水運転を終了する（ステップ
１２）。

【００２３】このようにして、歪センサを応用した振動
をセンサを用いることにより、脱水運転時の水槽の振動
の発生を押え、一連の洗濯から脱水までの連続運転を行
なうことができる。

【００２４】この実施例では、振動センサー１２を水槽
１１とダンパー１０との接続部に設置したが、水槽２を
吊り下げているスプリング９など水槽２の振動を検出す
る事が可能な位置であればどこに設置してもよい。

【００２５】また、ステップ１４における衣類攪拌運転
とは (1) ドラム３の正転／逆転をくり返す。 (2) 水槽２内に給水しドラム３を低速回転させる。 などの動作を行なうことであるが、最初に上記(1) の動
作を行い、それでも振動が小さくならないときには上記
(2) の動作を行なうようにしてもよいし、振動センサ１
２の出力の程度によって上記(1) 又は(2)の動作を選択
するようにしてもよい。

【００２６】

【発明の効果】従来のドラム式洗濯乾燥機がコンクリー
ト等の重量物で水槽の振動を押さえていたのに対し、こ
の発明では、歪センサを応用した振動センサを用いるこ
とにより、水槽の振動があればドラム内の衣類を攪拌さ
せる様ドラムを回転させ、振動が小さくなるまで攪拌運
転を行い、ドラムの回転をスムーズに高速回転まで立上
げる事ができるため、騒音が少なく軽量で使い勝手のよ
いドラム式洗濯機が提供される。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例を示す構成説明図である。

【図２】図１の要部拡大図である。

【図３】図２の要部側面図である。

【図４】図２の要部上面図である。

【図５】図１に示す実施例の制御回路のブロック図であ
る。

【図６】振動センサの出力波形図である。

【図７】振動センサの出力波形図である。

【図８】図１に示す実施例の動作の要部を示すフローチ
ャートである。

【符号の説明】

１ 本体ケース ２ 水槽 ３ ドラム ４ ドラムモータ ５ モータプーリ ６ ベルト ７ ドラムプーリ ８ スプリング ９ スプリング １０ ダンパー １１ ダンパー １２ 振動センサ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 衣類を収容するドラムを内部に回転可能
   に支持する水槽と、 水槽を弾性的に支持する支持部材と、水槽に対し給排水
   する給排水手段を備え給水工程、選択工程、排水工程お
   よび脱水工程を行なうように構成したドラム式洗濯機に
   おいて、ドラム回転に伴う水槽の振動を水槽と支持部材
   との相対運動から検出するセンサと、センサの出力を受
   けて水槽の振動の大きさと基準値とを比較する比較手段
   と、脱水開始時に水槽の振動が所定値より大きいときに
   はドラム内の衣類をほぐすためにドラムを一旦停止して
   水槽に対して給排水を行なう制御手段を備えたことを特
   徴とするドラム式洗濯機。