JPH0515584A - 白血球除去フイルター - Google Patents

白血球除去フイルター

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JPH0515584A
JPH0515584A JP3192587A JP19258791A JPH0515584A JP H0515584 A JPH0515584 A JP H0515584A JP 3192587 A JP3192587 A JP 3192587A JP 19258791 A JP19258791 A JP 19258791A JP H0515584 A JPH0515584 A JP H0515584A
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JP
Japan
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layer
fiber
layers
diameter
filter
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Application number
JP3192587A
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English (en)
Inventor
Shinji Ono
真二 大野
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Nissho Corp
Original Assignee
Nissho Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 極細繊維を充填した白血球除去フイルターで
あり、全血及び濃厚赤血球中の白血球を、目詰まりを少
なくして効率よく除去するフイルターを提供する。 【構成】 合成繊維で2層からなる繊維媒体であり、全
繊維媒体の平均空隙径は5〜6μm・全繊維媒体の空隙
率は0.65〜0.75であり、前記2層のうち第1層
は繊維径が10〜20μm・平均孔径が20〜40μm
であり、第2層は繊維径が1〜5μm・平均孔径が5〜
20μmであり、かつ、前記2層の重量比として第1層
が5〜25%・第2層が75〜95%である白血球除去
フイルター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、全血及び濃厚赤血球中
の白血球を除去するフイルターに関するものである。
【0002】輸血に際して、患者の血清中に供血者の血
液に対応する抗白血球抗体が存在すると、非溶血性副作
用として主に悪寒・発熱の症状の起こることが知られて
いる。本抗体には、抗顆粒球特異抗体とリンパ球細胞毒
性試験(LCT)で検出される抗HLA抗体があり、発
熱症状においては前者がより強く関与しているとされて
いる。抗原抗体反応により、白血球から出てくる発熱性
物質が一定量以上になると副作用が現れるとされ、およ
そ白血球が0.2〜1×109 個以上になると発熱症状
が起こるといわれている。全血400cc中には白血球
が2〜3×109 個存在しており、これは非溶血性副作
用の発現には十分な量である。患者の免疫応答性、輸血
量、輸血頻度などの要因が関与するが、一般に、輸血時
の副作用による、発熱症状の防止のためには白血球を1
×108 個以下に、抗HLA抗体の産生防止のためには
5×106 個以下にする必要がある。
【0003】
【従来の技術】全血及び濃厚赤血球中の白血球を除去す
る方法として、以下のものが知られている。
【0004】第1に自動血球処理装置を用い遠心・攪拌
し3回洗浄して白血球を除去する方法がある。しかし、
この方法は白血球除去率が70%前後で白血球が108
個以上残存する。このように洗浄操作で白血球除去率を
高めることは難しい。
【0005】第2に採取血液を収納されたバツグを遠心
し白血球層を除去する方法がある。これは血液成分の比
重差を利用した方法である。しかし、この方法も、生理
食塩液を加え3回洗浄する試みもなされているが、白血
球除去率が80%前後で白血球が108 個以上残存す
る。このように遠心分離法でも白血球除去率を高めるこ
とは期待できない。
【0006】第3にグリセロールによる冷凍赤血球を解
凍し、脱グリセールとともに白血球を除去する方法があ
る。この方法は赤血球の冷凍−解凍操作を経て自動血球
処理装置を用い洗浄する方法であり、白血球除去率が9
0〜99%に達する。しかし、この方法は操作が煩雑で
あるという理由により、白血球除去方法として使用され
ていない。
【0007】第4に白血球除去フイルターを使用する方
法がある。これは綿状繊維塊や極細繊維からなる不織布
を充填したフイルターに血液を通して濾過する方法であ
り、この操作は簡便であり、かつ、白血球除去率も高く
広く使用されている。
【0008】綿状繊維塊フイルターは繊維塊を所定の密
度に充填し、白血球除去を可能にしたもので、白血球除
去率が95%、残存白血球数が5×107個であり、こ
の方法によって初めて輸血による副作用を防止できた。
しかし、繊維塊の容量が大きいために赤血球の損失も多
くなり、また、プライミング時間が長いという欠点があ
る。
【0009】極細繊維からなる不織布フイルターは近年
開発されたもので、綿状繊維塊フイルターの欠点を改良
すると共に、白血球除去率が99.9%、残存白血球数
が1×106 個であり、白血球をよく除去できるので抗
体産生の予防効果を期待され広く使用されている。唯一
の欠点は目詰まりを起こし易いという点である。これを
防止するためにメインフイルターである極細繊維からな
る不織布の他に、目の粗いフイルターを併設し、目詰ま
りを防止しようとする試みがなされているが、未だ技術
的に完成されていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、極細
繊維を充填した白血球除去フイルターを使用する方法に
おける問題点に着目し、全血及び濃厚赤血球中の白血球
を、目詰まりを少なくして効率よく除去するフイルター
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究の
結果、2層の繊維媒体の平均空隙径及び空隙率に着目
し、これらを規定することにより、全血及び濃厚赤血球
中の白血球を、目詰まりなく効率的に除去できることを
見出し、本発明を完成した。
【0012】本発明は、合成繊維で2層からなる繊維媒
体であり、全繊維媒体の平均空隙径は5〜6μm・全繊
維媒体の空隙率は0.65〜0.75であり、前記2層
のうち第1層は繊維径が10〜20μm・平均孔径が2
0〜40μmであり、第2層は繊維径が1〜5μm・平
均孔径が5〜20μmであり、かつ、前記2層の重量比
として第1層が5〜25%・第2層が75〜95%であ
ることを特徴とする白血球除去フイルターを要旨とす
る。
【0013】本発明において合成繊維とは特に限定しな
いが、例えば、ナイロン・ポリエチレンテレフタレート
などのポリエステル・ポリプロピレンなどのポリオレフ
インなどである。
【0014】本発明のフイルターは総容量が20〜80
cc、好ましくは40〜60ccのハウジングに収容し
て用いればよい。濾過面積は容量を媒体の厚みで割れば
よいが、通常35〜55cm2 である。この容量が小さ
ければ白血球を除去できないし、大きすぎれば赤血球の
損失が大となる。
【0015】本発明のフイルターは上記ハウジングに収
めるために、2層の繊維媒体を熱処理することが多い。
【0016】本発明において平均空隙径とはハウジング
内の空隙総体積をハウジング内に存在する繊維の総表面
積で除した価である。ハウジング内の空隙総体積は繊維
媒体で構成する空隙であり、繊維を収納したハウジング
内にアルコールなどの液体を注入し置換した容量を測定
して求める。また、繊維の総表面積はハウジング内の繊
維重量とその繊維の繊度から計算する。
【0017】本発明において空隙率とは濾材の濾過性を
示す特性であり、濾材の見かけの総体積からその濾材内
に存在する繊維の総体積を差し引いた空隙の割合を表す
ものである。すなわちこの空隙量を濾材の見かけの総体
積で除した価である。
【0018】本発明において繊維径とはフイラメントの
断面を顕微鏡で観察し、測定した価である。フイラメン
トの断面が円形でない場合はその断面の外接円の直径か
ら求める。
【0019】極細の繊維媒体で繊維径を細くすると、繊
維間の隙間が狭くなり通過抵抗が大きくなる。繊維間の
隙間は繊維媒体の所有する空間であり、この空間を単位
容積当たりに換算し平均孔径として表す。平均孔径は繊
維媒体の目の大きさを表すものである。
【0020】本発明の平均孔径とは容積が20ccの容
器に2.1グラムの繊維を充填し、この容器内の空隙総
体積をこの容器内に存在する繊維の総表面積で除した価
である。容器内の空隙総体積は繊維媒体で構成する空隙
であり、繊維を収納した容器内にアルコールなどの液体
を注入し置換した容量を測定して求める。また、繊維の
総表面積は容器内の繊維重量とその繊維の繊度から計算
する。
【0021】
【作用】白血球は繊維媒体を通過する際に、繊維表面に
接触し吸着されるから繊維媒体の空隙の度合いを把握す
る必要がある。そこで本発明では平均空隙径を取り上げ
る。これは繊維媒体の構成する空隙であり、濾過の透過
性と白血球除去率に関係するものである。
【0022】白血球を効率的に除去するために本発明に
おいて全媒体の平均空隙径が5〜6μmである。この平
均隙径が6μmを超える場合、良好な濾過の透過性を示
すが効率的に白血球を除去できず、5μm未満では白血
球を良く除去できるが、濾過の透過性は低下し好ましく
ない。
【0023】本発明フイルターにおいて、2層の全繊維
媒体の空隙率は0.65〜0.75である。この空隙率
が0.65未満の場合、繊維媒体の充填密度が大きく、
濾過時間が長くなり、0.75を超える空隙率では充填
密度が小さく、繊維媒体の形態として好ましくない。
【0024】本発明の白血球除去フイルターは、血液保
存中に白血球・血小板・フイブリンから生成する微小凝
集物を除去するプレフイルターの第1層と白血球を除去
するメインフイルター(極細の繊維媒体)の第2層とで
構成される。そのために各層の各々の平均孔径・繊維径
が異なる。
【0025】本発明フイルターの第1層は20μm以上
の微小凝集物を除去するもので、繊維径が10〜20μ
m、平均孔径が20〜40μmの繊維媒体である。第1
層の平均孔径が40μmを超えると微小凝集物除去の効
果が得られなず、これが20μm未満では第1層で目詰
まりを起こし閉塞するため好ましくない。
【0026】また、第1層の繊維径が10μm未満では
目詰まりを起こす問題があり、20μmを超える場合は
微小凝集物を除去できない問題がある。
【0027】本発明フイルターの第2層は、第1層で除
去されない20μm未満の微小凝集物と白血球を除去す
るもので、繊維径が1〜5μm(好ましくは1〜3μ
m)、平均孔径が5〜20μmの繊維媒体である。第2
層の平均孔径が20μm以上であれば20μm未満の微
小凝集物を除去できないし、5μm未満では白血球は吸
着されるが、径が10μm前後の微小凝集物によりフイ
ルターが閉塞されるから好ましくない。
【0028】また、第2層の繊維径が1μm未満では繊
維の強力が低くなりすぎてフイルターを製造しにくくな
り、5μmを超える場合は白血球除去率が低くなる。
【0029】顕微鏡写真で容易に観察され広く認められ
ているところによれば、白血球除去フイルターにおい
て、白血球は濾過により除去されるよりも、主として吸
着により除去される。従って、繊維総表面積が白血球除
去に関与し、細い繊維ほど繊維表面積が大となるのであ
るから、5μmを超える場合に白血球除去率が低くなる
わけである。
【0030】本発明において上記2層の重量比として第
1層が5〜25%・第2層が75〜95%である。この
重量比において、第1層が5〜25%より多く、第2層
が75〜95%より少ないと白血球除去率が低くなると
いう問題があり、第1層が5〜25%より少なく、第2
層が75〜95%より多いと微小凝集物がメインフイル
ターの空隙を閉塞し目詰まりの問題が発生する。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明の効果を示す。 〔実施例1〕第1層に繊維径10μm、平均孔径35μ
mのポリエステル不織布を、第2層に繊維径3.5μ
m、平均孔径10μmのポリエステル不織布を用い、こ
れらを熱処理した後、容量60cc、濾過面積47cm
2 のハウジングに充填した。2層とも、すなわち、ポリ
エステル不織布全体の平均空隙径は5.6μm、空隙率
は0.70であった。第1層・第2層の重量比は第1層
が15%・第2層が85%であった。このようなフイル
ターを用いて、採血単位400ccで、血液保存液を添
加された濃厚赤血球1単位を1mの落差を利用して濾過
し、白血球の除去性能の評価をした。その結果、白血球
除去率99.9%、赤血球回収率92%、濾過時間10
分と良好であった。
【0032】〔実施例2〕実施例1と同様のポリエステ
ル不織布をハウジングに充填し、2層とも、すなわち、
ポリエステル不織布全体の平均空隙径は5.2μm、空
隙率0.68に設定した。実施例1と同様の評価を行
い、白血球除去率99.9%、赤血球回収率90%、濾
過時間10分と良好な結果であった。
【0033】〔比較例1〕実施例1と同様のポリエステ
ル不織布をハウジングに充填し、2層とも、すなわち、
ポリエステル不織布全体の平均空隙径は4.2μm、空
隙率0.62に設定した。実施例1と同様の評価を行
い、白血球除去率99.9%であるが、赤血球回収率8
3%、濾過時間35分であり、濾過時間は長く赤血球の
回収率は悪かった。
【0034】〔比較例2〕実施例1と同様のポリエステ
ル不織布をハウジングに充填し、2層とも、すなわち、
ポリエステル不織布全体の平均空隙径は7.5μm、空
隙率0.76に設定した。実施例1と同様の評価を行
い、白血球除去率99.4%とやや低く、赤血球回収率
92%、濾過時間10分でった。
【0035】
【発明の効果】本発明は合成繊維で2層からなる繊維媒
体の平均空隙径・空隙率・繊維径・平均孔径・繊維径が
異なる2層の重量比を規定することにより、全血及び濃
厚赤血球中の白血球を目詰まりなく効率的に除去できる
フイルターを提供するものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 合成繊維で2層からなる繊維媒体であ
    り、全繊維媒体の平均空隙径は5〜6μm・全繊維媒体
    の空隙率は0.65〜0.75であり、前記2層のうち
    第1層は繊維径が10〜20μm・平均孔径が20〜4
    0μmであり、第2層は繊維径が1〜5μm・平均孔径
    が5〜20μmであり、かつ、前記2層の重量比として
    第1層が5〜25%・第2層が75〜95%であること
    を特徴とする白血球除去フイルター。
JP3192587A 1991-07-05 1991-07-05 白血球除去フイルター Pending JPH0515584A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997023266A1 (fr) * 1995-12-26 1997-07-03 Asahi Medical Co., Ltd. Milieu filtrant d'extraction des leucocytes
WO2001007143A1 (en) * 1999-07-22 2001-02-01 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Filtration media and articles incorporating the same

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