JPH0515356U - コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガイドピンにより嵌合ガイドさせるコネクタ
に関し、必要により容易且つ安全確実にＦＧ又はＳＧの
優先接地接続が行え、又、同軸コネクタの外部導体もＳ
Ｇ接地接続することができるコネクタを提供することを
目的とする。 【構成】 ガイドピン１又は挿入ガイド穴２を絶縁して
設け、且つコネクタコンタクトの機能を付与させるよう
に構成し、２個のガイドピン１又は挿入ガイド穴２を有
し、１個を回路接地用のＳＧ端子３、他方をフレーム接
地用のＦＧ端子４に使用したり、同軸コネクタ5,51の外
部導体6,61を、ガイドピン１又は挿入ガイド穴２に直接
固着させ且つ外部と絶縁させた金属体７に導通固定させ
るように構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はガイドピンにより嵌合ガイドさせるコネクタに関する。 電子装置の回路接続には殆どコネクタが使用される。

【０００２】 回路の使用周波数及び速度により、通常のコンタクト、遮蔽コンタクト、同軸 コンタクト、光ファイバコンタクト等の各種のコンタクト端子が用いられ、通常 のコンタクト以外はこれと一緒に集合させた複合型のコネクタが用いられる。

【０００３】 コネクタは小形化、高信頼性の要求から、寸法精度は益々高精度化の傾向にあ り、特に嵌合ガイド機構が重要となって来る。

【０００４】

【従来の技術】

図２は従来の一例の複合型のコネクタを示す。 従来例として同軸コネクタを備えた、図２に示す複合型のコネクタの一例につ いて説明する。

【０００５】 電子装置は、架筐体に複数個の電子ユニット92がプラグイン実装されて構成さ れ、その構造は、架筐体の構成品であるサブフレーム９に、実装位置に合わせて ガイド枠と架側のコネクタ86が取付けてあり、電子ユニット92がガイド枠にガイ ドされて装着されて来て、そのコネクタ85がコネクタ86と嵌合接続して、回路接 続がなされる。

【０００６】 この嵌合ガイド機構は、架側のコネクタ86の長手方向の両端部にガイドピン15 が突設され、電子ユニット92のコネクタ85には対応位置に挿入ガイド穴25が備え てあり、更に、各コンタクト同士にもテーパ面によるガイド機構が設けてあり、 装着する電子ユニット92がガイド枠に導かれて近づくと、ガイドピン15に挿入ガ イド穴25が拾われてコネクタ85,86 同士が所定精度に対向し、更に挿入されて各 コンタクト同士がテーパ面で導かれ確実に嵌合接続する。

【０００７】 更に、架筐体には、フレーム等の構造体と随所でつながるフレーム接地（以下 ＦＧと略す）用の銅帯体のＦＧバー49と、回路の片線接地（以下ＳＧと略す）用 の筐体内では絶縁取付けしてある銅帯体のＳＧバー39と、二種類の接地バーがサ ブフレーム９に沿って固定してある。

【０００８】 同軸線は、内部導体に同軸に外部導体を全周に形成させたものであり、本来外 部との干渉が無く、回路保護の点から外部導体はアース電位を与えるだけの使用 で済む理想的線路である。

【０００９】 同軸コード99は、外周を成す外部導体の保護と絶縁とを行う外部被覆が施して あり、この外部導体を接地させるのは、同軸コード99の途中では行わず、両端の 接続端子やその先の同軸回路部にて接地することが一般に行われている。

【００１０】 同軸コネクタ55,56 は何れも、嵌合接続方向と直角方向に端部で同軸コード99 を接続しており、同軸コネクタ55,56 の外部導体65,66 も、絶縁体から成るコネ クタハウジング87,88 に装着され絶縁してある。

【００１１】 従って、同軸回路のＳＧは、電子ユニット92のバックボード93からコネクタ85 の通常のコンタクト端子35,36 を経て、配線37により架側のＳＧバー39に接続さ れて接地されることとなるため、接地インピーダンスが高くなる傾向があった。

【００１２】 この接地インピーダンスを低減するには、電子ユニット92側か架側の同軸コネ クタ55,56 の何れかの外部導体65,66 を、架側のＳＧバー39に直接接続する必要 が生じた。

【００１３】 このため、架側の同軸コネクタ56の外部導体66の端部のキャップ67に、端子片 68を固着させ、これより配線37にて架のＳＧバー39に接続している。

【００１４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、 この同軸コネクタ56の外部導体66をＳＧバー39に接続するために、キャップ 67に端子片68を設けるのでコストアップとなり、配線37は高周波特性的に低イン ピーダンスの線材でなければならず、通常の単芯線や撚り線では足りず複数本を 用いたり、多数の銅細線からなる編組線を用いて、個々に半田付け接続しなけれ ばならず作業工数を要する。 更に、配線37を端子片68に半田付けするのに時間を要し、キャップ67を通じ て外部導体66が加熱され、接続した同軸コード99の内部絶縁体を溶かし、中心導 体が応力により移動し中心位置がずれて伝送特性に悪影響を与えたり、最悪は外 部導体66に接触して短絡してしまう恐れがあり、更に、キャップ67を取外した状 態でない限り作業中にこれを発見することはできず作業順番から発見不可能とな り、後刻の架装置の特性試験時でないと判らず、且つやり直しは同軸コード99の 再接続から行わねばならず、極めて工数を要する。 又、この配線37の半田付けによりキャップ67の上方に接続部が出張って延長 され、作業によるばらつきも有り、コネクタ86を取付ける架のサブフレーム９と の隙間が少ない場合には、サブフレーム９に接触してＦＧ接続する恐れもある。 一般に、電子ユニット92の構成回路は、ＦＧ及びＳＧの接地が他の回路接続 より優先して行われることが望ましいが、特殊なコンタクトとなり且つコンタク トの用途別配置が規制される等で好ましくなく、一般に使用するコネクタでは実 現してない。 等の問題点があった。

【００１５】 本考案は、かかる問題点に鑑みて、必要により容易且つ安全確実にＦＧ又はＳ Ｇの優先接地接続が行え、又、同軸コネクタの外部導体もＳＧ接地接続すること ができるコネクタを提供することを目的とする。

【００１６】

【課題を解決するための手段】 上記目的は、図１に示す如く、 [1] ガイドピンにより嵌合ガイドさせるコネクタにおいて、ガイドピン１又は挿 入ガイド穴２を絶縁して設け、且つコネクタコンタクトの機能を付与させた、本 考案のコネクタ8,81により達成される。 [2] 又、前記コネクタ8,81で２個のガイドピン１又は挿入ガイド穴２を有し、１ 個を回路接地用のＳＧ端子３、他方をフレーム接地用のＦＧ端子４に使用する、 本考案のコネクタ8,81によっても適えられる。 [3] 又、同軸コネクタ5,51の外部導体6,61を、ガイドピン１又は挿入ガイド穴２ に直接固着させ且つ外部と絶縁させた金属体７に導通固定させた、本考案の同軸 コネクタ5,51を有する前記コネクタ8,81によっても達成される。

【００１７】

【作用】

即ち、ガイドピン１と挿入ガイド穴２とは必ず嵌合し、十分な強度を有する大 きな形状のものとなるので、これにコネクタコンタクト機能を絶縁して設けるこ とは可能となる。

【００１８】 この場合、普通のコネクタコンタクトより大きく、従って、高周波的に低イン ピーダンスとなり、ＳＧやＦＧの接地接続に好都合となる。 又、同軸コネクタ5,51の外部導体6,61をＳＧ接地接続する場合には、何れかの コネクタ8,81に、ＳＧ側のガイドピン１又は挿入ガイド穴２に直接固着した金属 体７を設け、これに外部導体6,61を導通固定させるので、前述従来例のように、 個々のキャップ67の端子片68に配線37を半田付け接続することはなくなり、架側 のコネクタ81のＳＧ側のガイドピン１又は挿入ガイド穴２の端子31から共通にＳ Ｇまで配線接続すればよく、これにより、外部導体6,61がキャップ67の後方に延 長されることも無くなり、架筐体の取付け面に同軸コネクタ5,51の背面が接触す る恐れは皆無となる。

【００１９】 この配線37には高周波的に低インピーダンスの編組線を用い、これが半田付け 接続できるように端子31を設けることは容易であり、且つその半田付け時の加熱 で他の接続固着部分に影響を与えないようにすることもできる。

【００２０】 更に、このガイドピン１と挿入ガイド穴２との嵌合は、コネクタ8,81に設けた どのコネクタコンタクトより先にコンタクトするので、ＳＧ又はＦＧの優先接地 接続を行わすことができる。

【００２１】 かくして、本考案により、必要により容易且つ安全確実にＦＧ又はＳＧの優先 接地接続が行え、又、同軸コネクタの外部導体もＳＧ接地接続することができる コネクタを提供することが可能となる。

【００２２】

【実施例】

以下図面に示す実施例によって本考案を具体的に説明する。全図を通し同一符 号は同一対象物を示す。図１は本考案の一実施例を示す。

【００２３】 本実施例は、前述の従来例と同じ電子装置に適用したもので、架筐体に複数個 の電子ユニットをプラグイン実装してなる装置で、プラグイン接続用の普通のコ ネクタと同軸コネクタとの複合型のコネクタであって、電子ユニット内部のＳＧ 及びＦＧの接地接続を、如何に高周波インピーダンスを低く、効果的且つ安全に 架側のＳＧバー及びＦＧバーに接続させるかのために考案したものである。

【００２４】 図１に示す如く、架筐体を構成するサブフレーム９に取付けるコネクタ81は、 複数個のナイフ型の雌コンタクトを有する普通のコネクタ53と、最大３個の同軸 コネクタ51とがポリプチレンテレフタレート（略称ＰＢＴ）絶縁樹脂をモールド 成型したコネクタハウジング83に絶縁して取付けられ、更に、コネクタハウジン グ83の両端部には鉄の２個のガイドピン１がインサーションモールドされて立設 してある。

【００２５】 このガイドピン１は内部端に黄銅の端子片71の一端が鑞付け固着してあり、端 子片71の他端は外側に露出して配線接続用の端子31を形成している。 又、電子ユニット92に取付けこのコネクタ81と嵌合接続するるコネクタ８は、 同材の絶縁樹脂を成型したコネクタハウジング82に、雄コンタクトの普通のコネ クタ52と、２個の黄銅筒の挿入ガイド穴２とが一緒にモールドしてあり、更に、 同軸コネクタ５の取付け位置には孔あけしてあり、奥面には、一方の挿入ガイド 穴２に内部で外嵌して鑞付け固着し一緒にモールドインした黄銅板の金属体７が 位置しており、この金属体７にあけた孔に同軸コネクタ５を差込み、外部導体６ をリングねじにて締着し導通固着させている。

【００２６】 この金属体７は、この他に挿入ガイド穴２との固着部の近くを外側に露出させ て接続用の端子31を形成させており、電子ユニット92のＳＧ回路と編組線の配線 37で短く接続して、ＳＧ端子３を構成している。

【００２７】 又、他方の挿入ガイド穴２には、黄銅の端子片72の一端が内部で外嵌して鑞付 け固着してあり、この端子片72の他端が外側に露出して接続用の端子31を形成さ せており、電子ユニット92のＦＧ回路と編組線の配線37で短く接続して、ＦＧ端 子４を構成している。

【００２８】 各挿入ガイド穴２の穴奥部には燐青銅薄板を円筒状に成形してラジアル方向に 圧縮弾性を有するコンタクトばね21を嵌め込んであり、完全な嵌合状態にてガイ ドピン１と確実、安定にコンタクトするようにしてある。

【００２９】 架筐体のサブフレーム９には、コネクタ81の取付け面の裏側にＳＧバー39とＦ Ｇバー49が固定してあり、コネクタ81の一方のガイドピン２の端子31を、編組線 の配線37によりＳＧバー39と短く接続し、他方の端子31をＦＧバー49に接続して ある。

【００３０】 かくして、電子ユニット92が装着されコネクタ８がコネクタ81に近づくと、挿 入ガイド穴２にガイドピン１の先端が挿入され、コネクタ8,81同士が嵌合接続可 能領域にガイドされると共に、両者は導通状態となり、ＳＧ端子３及びＦＧ端子 ４の接地接続が低インピーダンスに行われ、更に挿入されて、初めて他のコネク タが接続される。又、電子ユニット92を通電状態のまま取外す場合は、逆に、最 後にＳＧ及びＦＧの接地接続が絶たれるようになり、安全に着脱が行える。

【００３１】 上記実施例は一例を示したものであり、各部の形状、材料、接続又は固着方法 は上記のものに限定するものではない。 又、複合型でなく普通のコネクタ52,53 のみのコネクタの場合であっても、ガ イドピン１と挿入ガイド穴２を絶縁して備えるコネクタであれば、これをコンタ クトに用い、優先接続端子として使用することができる。

【００３２】 又、これらの接続端子を接地接続用以外、例えば信号回路端子や警報回路等の 用途に用いることも差支えなく、更に、一方をコネクタの遮蔽ケースとも導通固 着させることも差支えない。

【００３３】 尚、本実施例は架側のコネクタ81にガイドピン１、電子ユニット側のコネクタ ８に挿入ガイド穴２を設けたが、これは反対配置でも、２個の場合に交互に取付 けても差支えない。又、金属体７をコネクタ８に取付けたが、コネクタの構造上 からこのようになっただけで、コネクタ81の方に取付けても差支えない。

【００３４】

【考案の効果】

以上の如く、本考案の同軸コネクタにより、必要により容易且つ安全確実にＦ Ｇ又はＳＧの優先接地接続が行え、又、同軸コネクタの外部導体もＳＧ接地接続 することができ、且つ総合的にはコストアップすることがなく、実用的効果は大 である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例

【図２】 従来の一例の複合型のコネクタ

【符号の説明】

1,15 ガイドピン 2,25 挿入ガイド穴 ３
ＳＧ端子 ４ ＦＧ端子 5,51,55,56 同軸コネクタ 6,
61,65,66 外部導体 ７ 金属体 8,81,85,86 コネクタ ９
サブフレーム 21 コンタクトばね 31 端子 3
5,36 コンタクト端子 37 配線 39 ＳＧバー 49
ＦＧバー 52,53 普通のコネクタ 67 キャップ 6
8,71,72 端子片 82,83,87,88 コネクタハウジング 92
電子ユニット 93 バックボード 99 同軸コード

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ガイドピンにより嵌合ガイドさせるコネ
   クタにおいて、 ガイドピン(1) 又は挿入ガイド穴(2) を絶縁して設け、
   且つコネクタコンタクトの機能を付与させたことを特徴
   とするコネクタ。
2. 【請求項２】 ２個のガイドピン(1) 又は挿入ガイド穴
   (2) を有し、１個を回路接地用のＳＧ端子(3) 、他方を
   フレーム接地用のＦＧ端子(4) に使用することを特徴と
   する、請求項１記載のコネクタ。
3. 【請求項３】 同軸コネクタ(5,51)の外部導体(6,61)
   を、ガイドピン(1) 又は挿入ガイド穴(2) に直接固着さ
   せ且つ外部と絶縁させた金属体(7) に導通固定させたこ
   とを特徴とする、同軸コネクタ(5,51)を有する請求項１
   記載のコネクタ。