JPH0515339A - タンパク質様組成物および高度侵襲用栄養剤ならびに肝疾患用栄養剤 - Google Patents

タンパク質様組成物および高度侵襲用栄養剤ならびに肝疾患用栄養剤

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JPH0515339A
JPH0515339A JP3197089A JP19708991A JPH0515339A JP H0515339 A JPH0515339 A JP H0515339A JP 3197089 A JP3197089 A JP 3197089A JP 19708991 A JP19708991 A JP 19708991A JP H0515339 A JPH0515339 A JP H0515339A
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amino acid
protein
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chain amino
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JP3197089A
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English (en)
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Nobuhiro Ishibashi
伸浩 石橋
Hanayo Shinoda
華代 信田
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 十分な量の分枝鎖アミノ酸が原料タンパク質
中に導入されており、かつ、風味、溶解性も良好なタン
パク質様組成物およびそれを主成分として含有する高度
侵襲用栄養剤ならびに肝疾患用栄養剤を提供する。 【構成】 原料タンパク質に分枝鎖アミノ酸が導入され
たタンパク質様組成物であり、該タンパク質様組成物中
の全遊離アミノ酸の重量%が20重量%以下であり、前
記タンパク質様組成物のアミノ酸組成中に、分枝鎖アミ
ノ酸が占める重量%は、30〜60重量%であるタンパ
ク質様組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、肝疾患患者、また重症
な熱症、外傷などの筋タンパク質が分解しやすい状態の
際に有効な分枝鎖アミノ酸が豊富なタンパク質様組成物
およびそれを含有した高度侵襲用栄養剤ならびに肝疾患
用栄養剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、静脈栄養法、経管栄養法などの発
展に伴って、栄養面でのコントロールを治療に応用しよ
うという試みがなされるようになった。特に、窒素源の
供給に際して、ある特定のアミノ酸の欠乏状態あるいは
過剰な状態を作り、それによる栄養的な特異性を応用す
るいわゆるアミノ酸インバランスの効果について、種々
の検討が行われている。例えば、フェニルケトン尿症の
患者に対しては、フェニルアラニン含量を著しく減らし
た窒素源を供給することが病態の予防および治療に役立
つとされ、低フェニルアラニンミルクなどが市販されて
効果を上げている。
【0003】また、分枝鎖アミノ酸(バリン、ロイシ
ン、イソロイシン)の高度侵襲期における筋タンパク質
分解抑制作用や合成促進作用などの代謝特性も注目され
ており、重症な熱症、外傷などの筋タンパク質が分解し
やすい状態の際に有効であると考えられている。
【0004】さらに、肝性脳症、肝不全などの肝障害時
には、血漿中の分枝鎖アミノ酸が減少することが知られ
ている。ほとんどのアミノ酸は、主に肝臓で脱アミノ化
され、炭素骨格が糖新生に使われエネルギーとなるのに
対して、分枝鎖アミノ酸は、あまり代謝されず、主とし
て筋肉で代謝され、エネルギーを供給することなどか
ら、このような肝障害に対して、分枝鎖アミノ酸含量の
高い窒素源を供給することによって改善を図る試みがな
されている。こうした中で、分枝鎖アミノ酸を多く含ん
だ栄養剤の研究が進められており、そのようなアミノ酸
を配合した栄養剤が市販されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】市販されている経口栄
養剤は、肝疾患時、特に肝硬変症に併発する肝性脳症発
症時に投与されており、分枝鎖アミノ酸を遊離アミノ酸
の形態で、多量に含有している。この栄養剤では必要な
分枝鎖アミノ酸を自由に配合できるという利点を有して
いる。
【0006】しかし、このようなアミノ酸配合型の栄養
剤には、以下のような問題点があった。第1に、多量の
アミノ酸の摂取による窒素源の補給は、日常の食生活と
かけ離れ生理的ではない。第2に、アミノ酸を配合した
栄養剤は、浸透圧が高く、腸管内での水の貯留が多くな
り下痢を発生しやすい。第3に、腸管での吸収におい
て、アミノ酸同士の拮抗阻害により、含有されているア
ミノ酸が万遍なく吸収されず、吸収後のアミノ酸パター
ンと、投与アミノ酸パターンが類似しない場合が多い。
第4に、このような分枝鎖アミノ酸を遊離したアミノ酸
として含有する栄養剤にあっては、風味および溶解性、
消化吸収の面において問題があった。従って、このよう
なアミノ酸混合型の栄養剤は、生理的に問題があり、さ
らに、風味、溶解性が悪いことより経口による投与が困
難であった。
【0007】本発明は、上記の問題点を解決し、十分な
量の分枝鎖アミノ酸が原料タンパク質中に導入されてお
り、かつ、風味、溶解性も良好なタンパク質様組成物お
よびそれを主成分として含有する高度侵襲用栄養剤なら
びに肝疾患用栄養剤を提供する事を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するもの
は、原料タンパク質に分枝鎖アミノ酸が導入されたタン
パク質様組成物であり、かつタンパク質様組成物中の全
遊離アミノ酸の重量%が20重量%以下であり、かつタ
ンパク質様組成物のアミノ酸組成中に、分枝鎖アミノ酸
が占める重量%は、30〜60重量%であるタンパク質
様組成物である。
【0009】前記分枝鎖アミノ酸は、ロイシン、バリ
ン、イソロイシンのいずれかまたはそれらの組み合わせ
であることが好ましい。また、前記分枝鎖アミノ酸は、
ロイシン、バリンおよび/またはイソロイシンであり、
かつ、ロイシンのバリンおよびイソロイシンに対する重
量比率が1.5〜3.0である事が好ましい。そして、
前記原料タンパク質は、乳タンパク質である。また、上
記目的を達成するものは、前記タンパク質様組成物のア
ミノ酸組成中における分枝鎖アミノ酸が占める重量%が
30〜48重量%であるタンパク質様組成物を含有する
高度侵襲用栄養剤である。また、上記目的を達成するも
のは、前記タンパク質様組成物のアミノ酸組成中におけ
る分枝鎖アミノ酸が占める重量%が45〜60重量%で
あるタンパク質様組成物を含有する肝疾患用栄養剤であ
る。
【0010】そこで、本発明のタンパク質様組成物につ
いて説明する。本発明のタンパク質様組成物は、原料タ
ンパク質に分枝鎖アミノ酸が導入されたタンパク質様組
成物であり、導入された分枝鎖アミノ酸の重量は、タン
パク質様組成物中に導入された分枝鎖アミノ酸および原
料タンパク質が有していた同じ分枝鎖アミノ酸の総量の
60重量%以上であり、かつタンパク質様組成物中の全
遊離アミノ酸の重量%が20重量%以下である。
【0011】本発明のタンパク質様組成物では、全遊離
アミノ酸の重量%が20%以下であるので、苦みが少な
く、経口摂取に支障がない。さらに、本発明のタンパク
質様組成物では、導入された分枝鎖アミノ酸の重量は、
タンパク質様組成物中に導入された分枝鎖アミノ酸およ
び原料タンパク質が有していた同じ分枝鎖アミノ酸の総
量の60重量%以上であり、十分な量の分枝鎖アミノ酸
を有しているので、肝疾患患者、また重症な熱症、外傷
などの筋タンパク質が分解しやすい状態の症状改善に有
効である。さらに、本発明のタンパク質様組成物では、
アミノ酸の大部分が、遊離の状態ではなく、ペプチド状
に結合した状態となっているため、従来のアミノ酸配合
型の栄養剤のような、吸収における拮抗阻害、高浸透
圧、味、においの不快などの問題点がなく、生体的にも
良好であり、また経口摂取も容易である。
【0012】そして、導入された分枝鎖アミノ酸の重量
は、タンパク質様組成物中に導入された前記分枝鎖アミ
ノ酸および原料タンパク質が有していた同じ分枝鎖アミ
ノ酸の総量の60重量%以上であることが好ましい。タ
ンパク質様組成物中に導入された分枝鎖アミノ酸および
原料タンパク質が有していた同じ分枝鎖アミノ酸の総量
に対する導入された分枝鎖アミノ酸の重量とは、導入さ
れた分枝鎖アミノ酸の重量をB、原料タンパク質が有し
ていた同じ分枝鎖アミノ酸の重量をA、原料タンパク質
が有していた同じ分枝鎖アミノ酸でありアミノ酸導入反
応後のも残っていた同じ分枝鎖アミノ酸の重量をA’
(原料タンパク質が有していた同じ分枝鎖アミノ酸であ
りアミノ酸導入反応により遊離した同じ分枝鎖アミノ酸
の重量をC)、としたとき、B/(A’+B)、言い換
えれば、B/(A−C+B)より算出される重量比を示
している。ただし、本反応ではアミノ酸はほとんど原料
タンパク質より遊離してこないため、Cはほとんど0で
AとA′はほぼ等しい。
【0013】本発明のタンパク質様組成物に使用される
原料タンパク質としては、食品として使用できるもので
あれば、どのようなものでよい。例えば、ホエー、カゼ
インなどの乳タンパク質、卵白、ゼラチン、コラーゲ
ン、大豆タンパクなど、さらにはそれらの分解物などが
使用できる。
【0014】タンパク質様組成物の製造上の点より、プ
ラステイン反応(分枝鎖アミノ酸の導入)が、ややアル
カリ側で、かつ高濃度な原料タンパク質溶液中にて行わ
れることを考慮すると、反応液中において、変性しハー
ドゲル化しないものが好ましく、具体的には、ホエー、
カゼインおよびそれらの分解物などが好ましい。また、
作成されたタンパク質様組成物のアミノ酸構成より考え
ると、原料タンパク質としては、そのアミノ酸組成にお
ける分枝鎖アミノ酸の割合が高いタンパク質原料を選択
することが好ましく、この点においても、ホエー、カゼ
インおよびそれらの分解物などが好ましい。
【0015】さらに、タンパク質様組成物を肝疾患用の
栄養剤の主成分として用いる場合には、ゼラチンおよび
その分解物が好ましい。肝疾患発症時には、血液中の分
枝鎖アミノ酸が減少するとともに、芳香族アミノ酸(チ
ロシン、トリプトファン、フェニルアラニン)が増加す
ると言われている。ゼラチンおよびその分解物中には、
他の原料タンパク質に比べて、比較的芳香族アミノ酸が
少なく、上述のように、分枝鎖アミノ酸が多いので、原
料タンパク質として、特に好ましい。
【0016】本発明のタンパク質様組成物に導入されて
いる分枝鎖アミノ酸としては、ロイシン、バリン、イソ
ロイシンのいずれかまたはそれらの組み合わせであるこ
とが好ましい。そして、本発明のタンパク質様組成物の
アミノ酸組成中、分枝鎖アミノ酸の占める割合として
は、タンパク質様組成物のアミノ酸組成中に、分枝鎖ア
ミノ酸が占める重量%が、30〜60重量%である。特
に、本発明のタンパク質様組成物を、高度侵襲用栄養剤
に適用する場合には、アミノ酸全組成中における分枝状
アミノ酸が占める割合は30〜48重量%であることが
好ましい。分枝状アミノ酸が占める割合がこの範囲であ
れば十分な筋タンパク質分解抑制作用を有し、しかも窒
素バランスを低下させないので好ましい。 また、本発
明のタンパク質様組成物を肝疾患栄養剤に適用する場合
には、アミノ酸全組成中における分枝状アミノ酸が占め
る割合は、45〜60重量%であることが好ましい。4
5重量%以上であれば十分な肝障害改善効果を有し、ま
た、60重量%を越える割合とすることは実際上不可能
であるためである。
【0017】さらに、分枝鎖アミノ酸として、ロイシン
とバリンおよび/またはイソロイシンを用いる場合、そ
れらの比率としては、ロイシンのバリンおよびイソロイ
シンに対する重量比率が1.5〜3.0であることが好
ましい。これは、ロイシンあるいは、ロイシンの代謝産
物が筋タンパク質の合成促進作用や分解抑制作用があ
り、分枝鎖アミノ酸の中でも、ロイシンが中心的役割を
果していること、また、一般的な食品タンパク質中にお
けるそれぞれの比率などの点より好適であると考えた。
【0018】そして、本発明のタンパク質様組成物は、
溶液状として、必要に応じ調味料香辛料等を添加して、
窒素源、特に分枝鎖アミノ酸の補給飲料の主成分に用い
ることができる。また、粉末化して、一般の食事に添加
することもでき、さらに、糖質、脂質、ビタミンおよび
ミネラルを適量配合して、総合的な経管・経口栄養剤と
して使用することができる。
【0019】次に、本発明のタンパク質様組成物の製造
方法について説明する。原料タンパク質をプラステイン
反応に適したpHに調整した緩衝液(反応溶液)中に添
加し、そして、この液中に、少なくとも一種の分枝鎖ア
ミノ酸エステルと、タンパク質分解酵素とを添加して、
原料タンパク質に、分枝鎖アミノ酸エステル中のアミノ
酸をプラステイン反応より導入することにより得ること
ができる。原料タンパク質への分枝鎖アミノ酸の導入
は、上記のようにプラステイン反応を利用して、分枝鎖
アミノ酸を原料タンパク質にペプチド状に結合させるこ
とにより行うことが好ましい。
【0020】原料タンパク質への分枝鎖アミノ酸の導入
に当たっては、タンパク質を加水分解させる場合より
も、反応溶液(水に、原料タンパク質が添加された溶
液)中の原料タンパク質濃度を高くすることが好まし
く、具体的には、溶液中の原料タンパク質濃度が、20
〜60重量%程度とすることが好ましい。また、反応溶
液中に添加される酵素としては、エンドペプチターゼを
使用することが好ましく、具体的には、パパイン、トリ
プシン、ブロメライン、サーモリシン、キモトリプシン
等が好適である。反応溶液のpHは、添加された酵素の
加水分解時における最適値よりもややアルカリ側とする
ことが好ましい。
【0021】また、導入対象となる分枝鎖アミノ酸は、
アルコールエステル(例えば、メチルエステル、エチル
エステル)等の透導体として、反応溶液中に添加するこ
とが好ましい。特に、生体安全性の点より、エチルエス
テルの状態で添加することが好ましい。添加した全ての
分枝鎖アミノ酸が、プラステイン反応により、原料タン
パク質にペプチド状に導入されることが理想であるが、
ほとんどの場合、未反応のものが遊離のアミノ酸の状態
で残存する。分枝鎖アミノ酸のうちでも、バリン、イソ
ロイシンは、エチルエステルとして添加した場合に、そ
の立体障害のために導入率があまり良くない。本発明者
が行った実験においても、バリン、イソロイシンの導入
率は、ロイシンの導入率よりも低かった。また、最終的
に作成されたタンパク質様組成物中に、遊離の分枝鎖ア
ミノ酸が多いと、苦みが強く、経口摂取が困難である。
【0022】しかし、本発明のタンパク質様組成物で
は、全遊離アミノ酸の重量%が20%以下であるので、
苦みが少なく、経口摂取に支障がない。さらに、本発明
のタンパク質様組成物では、導入された分枝鎖アミノ酸
の重量は、タンパク質様組成物中に導入された分枝鎖ア
ミノ酸および原料タンパク質が有していた同じ分枝鎖ア
ミノ酸の総量の60重量%以上でれば、十分な量の分枝
鎖アミノ酸を有しているので、肝疾患患者、また重症な
熱症、外傷などの筋タンパク質が分解しやすい状態の症
状改善に特に有効である。
【0023】そして、上記のように分枝鎖アミノ酸が導
入されたタンパク質様組成物の反応溶液中には、未反応
の分枝鎖アミノ酸エステル、また中和により形成された
無機塩が含まれているので、それらの不純物を除去す
る。この除去作業は、反応溶液を遠心分離、濾過あるい
は透析することにより行うことができる。そして、得ら
れたタンパク質様組成物を乾燥させて、粉末状あるいは
粒状としてもよく、さらには、乾燥させずに、水に添加
して懸濁液としてもよい。
【0024】次に、本発明の肝疾患用栄養剤について説
明する。本発明の肝疾患用栄養剤は、原料タンパク質に
分枝鎖アミノ酸が導入されたタンパク質様組成物であっ
て、タンパク質様塑性物のアミノ酸組成中に分枝鎖アミ
ノ酸が占める割合が45〜60重量%であり、かつタン
パク質様組成物中の全遊離アミノ酸の重量%が20重量
%以下であるタンパク質様組成物をタンパク質源として
含有している。
【0025】以下、本発明の肝疾患用栄養剤について、
具体的に説明する。本発明の肝疾患用栄養剤に用いるタ
ンパク質源は、上述のように、原料タンパク質に、分枝
鎖アミノ酸が導入されたタンパク質様組成物を用いてい
る。タンパク質様組成物の原料タンパク質、分枝鎖アミ
ノ酸の種類、導入割合などは上述の通りである。
【0026】そして、本発明の肝疾患用栄養剤に用いら
れるタンパク質源は、そのアミノ酸構成中の分枝鎖アミ
ノ酸の量が多く、芳香族アミノ酸の量が少ないことが好
ましい。また、具体的にはゼラチンまたはその加水分解
ぶつが好適である。具体的には、使用するタンパク質様
組成物中の分枝鎖アミノ酸/全アミノ酸の重量比は45
〜60重量%トスることにより、分枝鎖アミノ酸/芳香
族アミノ酸のモル比(フィシャー比)が、40〜70程
度とする。また、タンパク質様組成物の製造に使用され
る原料タンパク質中の芳香族アミノ酸含量により、導入
される分枝鎖アミノ酸の量は調整され、分枝鎖アミノ酸
であるバリン、イソロイシン、ロイシンの比率も適宜設
定される。この肝疾患用栄養剤は、上述のようなタンパ
ク質様組成物をタンパク質源としているので、フィシャ
ー比が高く、風味が良好で、溶解性に優れているため、
肝疾患患者に効果的に投与できる。
【0027】また、栄養剤中に添付されるタンパク源以
外のものとしては、糖質、脂質、ビタミン、ミネラル、
調味料、香料などが考えられる。糖質としては、デキス
トリン、乳糖、マルトース、ショ糖、あるいはこれらの
混合物である。脂質としては、米油、椰子油、大豆油、
コーン油あるいはこれらの混合物等が好適に用いられ
る。
【0028】ビタミンとしては、ビタミンA、ビタミン
B1(塩酸チアミン)、ビタミンB2(リボフラミ
ン)、ニコチン酸アミド、ビタミンB6(塩酸ピリドキ
シン)、パントテン酸カルシウム、葉酸、ビタミンC
(L−アスコルビン酸)、ビタミンD、ビタミンE(酢
酸トコフェロール)などが考えられ、それらのすべてを
添加してもよく、また任意のものを選択して添加しても
よい。また、添加量は、それぞれのビタミンに合致した
量を選択することが好ましい。ミネラルとしては、鉄
分、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム
などが考えられ、それらのすべてを添加してもよく、ま
た任意のものを選択して添加してもよい。
【0029】上記のようにビタミン、ミネラルさらには
その両者を配合することにより、優れた栄養バランスを
有する肝疾患栄養剤とすることができる。また、患者の
嗜好に合わせ、甘味料、各種フレーバー、例えば、コー
ヒー、フルーツ、スープ等を添加することができ、摂取
をより容易なものとすることができる。そして、本発明
の肝疾患栄養剤の形態としては、粒状、粉末状、液状、
固形物などの形態が考えられ、好ましくは、粒状、粉末
状である。
【0030】次に、本発明の高度侵襲用栄養剤について
説明する。本発明の高度侵襲用栄養剤は、原料タンパク
質に分枝鎖アミノ酸が導入されたタンパク質様組成物で
あって、タンパク質様塑性物のアミノ酸組成中に分枝鎖
アミノ酸が占める割合が30〜48重量%であり、かつ
タンパク質様組成物中の全遊離アミノ酸の重量%が20
重量%以下であるタンパク質様組成物をタンパク質源と
して含有している。
【0031】以下、本発明の高度侵襲用栄養剤につい
て、具体的に説明する。本発明の高度侵襲用栄養剤に用
いるタンパク質源は、上述のように、原料タンパク質
に、分枝鎖アミノ酸が導入されたタンパク質様組成物を
用いている。タンパク質様組成物の原料タンパク質、分
枝鎖アミノ酸の種類、導入割合などは上述の通りであ
る。
【0032】そして、本発明の高度侵襲用栄養剤に用い
られるタンパク質源は、そのアミノ酸構成中の分枝鎖ア
ミノ酸の量が多く、芳香族アミノ酸の量が少ないことが
好ましい。また、具体的にはゼラチンまたはその加水分
解ぶつが好適である。具体的には、使用するタンパク質
様組成物中の分枝鎖アミノ酸/全アミノ酸の重量比は3
0〜48重量%とすることにより、分枝鎖アミノ酸/芳
香族アミノ酸のモル比(フィシャー比)が、25〜50
程度とする。また、タンパク質様組成物の製造に使用さ
れる原料タンパク質中の芳香族アミノ酸含量により、導
入される分枝鎖アミノ酸の量は調整され、分枝鎖アミノ
酸であるバリン、イソロイシン、ロイシンの比率も適宜
設定される。この高度侵襲用栄養剤は、上述のようなタ
ンパク質様組成物をタンパク質源としているので、適当
なフィシャー比を有し、風味が良好で、溶解性に優れて
いるため、重症な熱症、外傷などの筋タンパク質が分解
しやすい状態の患者に効果的に投与できる。
【0033】また、栄養剤中に添付されるタンパク源以
外のものとしては、糖質、脂質、ビタミン、ミネラル、
調味料、香料などが考えられる。糖質としては、デキス
トリン、乳糖、マルトース、ショ糖、あるいはこれらの
混合物である。脂質としては、米油、椰子油、大豆油、
コーン油あるいはこれらの混合物等が好適に用いられ
る。
【0034】ビタミンとしては、ビタミンA、ビタミン
B1(塩酸チアミン)、ビタミンB2(リボフラミ
ン)、ニコチン酸アミド、ビタミンB6(塩酸ピリドキ
シン)、パントテン酸カルシウム、葉酸、ビタミンC
(L−アスコルビン酸)、ビタミンD、ビタミンE(酢
酸トコフェロール)などが考えられ、それらのすべてを
添加してもよく、また任意のものを選択して添加しても
よい。また、添加量は、それぞれのビタミンに合致した
量を選択することが好ましい。ミネラルとしては、鉄
分、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム
などが考えられ、それらのすべてを添加してもよく、ま
た任意のものを選択して添加してもよい。
【0035】上記のようにビタミン、ミネラルさらには
その両者を配合することにより、優れた栄養バランスを
有する肝疾患栄養剤とすることができる。また、患者の
嗜好に合わせ、甘味料、各種フレーバー、例えば、コー
ヒー、フルーツ、スープ等を添加することができ、摂取
をより容易なものとすることができる。そして、本発明
の高度侵襲用栄養剤の形態としては、粒状、粉末状、液
状、固形物などの形態が考えられ、好ましくは、粒状、
粉末状である。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する。 (実施例1) [分枝鎖アミノ酸エチルエステルの作成]L−バリン6
0g、L−ロイシン60g、L−イソロイシン60gを
それぞれ濃硫酸40mlに溶解させ、エチルアルコール
190mlを加え、それぞれを独立に90℃で4時間加
熱還流し、エステル化反応を行った。反応終了後、炭酸
ナトリウムを反応液のpHが6.5〜7.5となるまで
添加、溶解させ、中和を行った。その後、形成された芒
硝の沈殿を遠心分離により除去し、それぞれのアミノ酸
エチルエステル溶液を得た。アルカリ処理による脱エス
テルしたものと比較することにより算出されたエステル
化率は、L−バリンエチルエステル94%、L−ロイシ
ンエチルエステル93%、L−イソロイシンエチルエス
テル91%であった。以下にに示す実施例では、これら
アミノ酸エステルを、記載した量のアミノ酸が含まれる
ように溶液を計量し、エチルアルコールをできるかぎり
エバポレーターで除去したものを用いた。
【0037】[タンパク質様組成物の合成]上述のよう
にして合成したロイシンエチルエステル、イソロイシン
エチルエステル、バリンエチルエステルをそれぞれ各ア
ミノ酸量として、16.1g、7.4g、10.2gを
1l容量のビーカーにとり、さらに、システイン塩酸塩
1.5g、炭酸ナトリウム26gを加えて、すべてを水
に溶解した後、水酸化ナトリウムにて、PHを8に調整
した。次に、ホエー粉末(商品名 セイポプロ75、ゴ
ールデンカリフォルニア社製)100gを添加、混合し
て全体を500mlとした。反応時間0時間のサンプル
として1ml分取した。そして、上記のビーカーに、少
量の水に溶解させたパパイン(天野製薬株式会社)2g
を添加、混合して攪拌しながら、40℃で20時間、プ
ラステイン反応を行った。反応20時間のサンプルとし
て1ml分取しておき、反応0時間のサンプルとともに
アルカリ脱エステルを行い、その減少量から導入率を求
めたところ、バリン51%、イソロイシン54%、ロイ
シン81%であった。以上より、ペプチドとなっている
アミノ酸はそれぞれのアミノ酸中において、バリン66
%、イソロイシン72%、ロイシン88%である。
【0038】次に、反応終了後、約500mlの溶液
に、1N水酸化ナトリウムを1500ml加え、攪拌し
ながら40℃で1時間脱エステル反応を行った後、2N
塩酸をPHが6となるまで加えた。こうして得た約3l
の溶液を、イオン交換膜透析装置(TS−2−10型,
徳山曹達株式会社製)にかけ、脱塩処理を行って電導度
が2ms/cm(当初は、59ms/cm)となったと
ころで終了させた。脱塩処理後の溶液を、凍結乾燥する
ことにより、約110gのタンパク質様組成物の粉末を
得た。この粉末は、ほとんど無味無臭であり、全窒素量
より求めたタンパク質含量は78%、また、アミノ酸分
析計により調べた遊離アミノ酸量はそのうちの10%で
あった。本発明の粉末5mgを6N塩酸により、完全加
水分解をし、アミノ酸分析計により、アミノ酸組成を調
べたところ、表1のような結果を得た。合わせて、原料
タンパク質であるホエーのアミノ酸組成を表2、原料タ
ンパク質であるホエーを上述のアミノ酸エステルの添加
を行わずに、上記酵素反応を行わせた結果のものは、表
2のアミノ酸組成と同じである。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】表1に示す通り、実施例1のタンパク質様
組成物は、アミノ酸組成中の分枝鎖アミノ酸の量(バリ
ン、ロイシン、イソロイシンの総量)は、43重量%で
あり、全遊離アミノ酸は10%であった。
【0042】(比較例1)実施例1のタンパク質様組成
物(表1)と同一のアミノ酸組成を有するアミノ酸配合
型組成物を、ホエー(商品名 セイポプロ75、ゴール
デンカリフォルニア社製)10g、L−ロイシン1.6
1g、L−イソロイシン0.74g、L−バリン1.0
2gを、乳鉢、乳棒でよく混合することにより作製し
た。このアミノ酸配合物は、かなりの苦味を有してお
り、さらに、実施例1のタンパク質様組成物粉末と比
べ、溶解性も悪かった。
【0043】(比較例2)実施例1のタンパク質様組成
物(表1)と同一のアミノ酸組成を有するアミノ酸配合
型組成物を、すべてアミノ酸を混合することにより調合
した。この粉末は、強い苦味を有し、さらに、臭いも独
特なアミノ酸臭を持っていた。さらに、実施例1のタン
パク質様組成物に比べ、溶解性もかなり悪かった。
【0044】(実施例2)本発明の高度侵襲用栄養剤の
実施例について説明する。タンパク質様組成物としては
実施例1で得られたものを使用した。そして、タンパク
質様物質 26g、粉末油脂 4g、デキストリン 6
4g、塩化ナトリウム 441mg、塩化カリウム 5
72mg、クエン酸ナトリウム 1611mg、グリセ
ロリン酸カルシウム 1572mg、硫酸マグネシウム
七水和物 872mg、硫酸マンガン四〜五水和物
2.5mg、硫酸亜鉛七水和物 6.6mg、グルコン
酸鉄三水和物 26mg、硫酸銅 0.5mg、ビタミ
ンADミックス 10.5mg、塩酸チアミン 1.0
mg、リボフラヒン 1.0mg、塩酸ピリトキシン
1.0mg、シアノコバラミン 0.002mg、アス
コルビン酸 200mg、酢酸トコフェロール 30m
g、フィトナジオン 0.5mg、ニコチン酸アミド
10mg、パントテン酸カルシウム2.0mg、葉酸
0.2mg、ビオチン 0.05mg、塩化コリン 2
0mg、イノシトール 20mgの粉末を粉体混合し、
粉末状の高度侵襲用栄養剤を調製した。得られた高度侵
襲用栄養剤の粉末100gのエネルギーは390kca
lであった。
【0045】(実施例3)本発明の肝疾患用栄養剤の実
施例について具体的に説明する。[分枝鎖アミノ酸エチ
ルエステルの作成]L−バリン60g、L−ロイシン6
0g、L−イソロイシン60gをそれぞれ濃硫酸40m
lに溶解させ、エチルアルコール190mlを加え、そ
れぞれを独立に90℃で4時間加熱還流し、エステル化
反応を行った。反応終了後、炭酸ナトリウムを反応液の
pHが6.5〜7.5となるまで添加、溶解させ、中和
を行った。その後、形成された芒硝の沈殿を遠心分離に
より除去し、それぞれのアミノ酸エチルエステル溶液を
得た。アルカリ処理による脱エステルしたものと比較す
ることにより算出されたエステル化率は、L−バリンエ
チルエステル94%、L−ロイシンエチルエステル93
%、L−イソロイシンエチルエステル91%であった。
以下にに示す実施例では、これらアミノ酸エステルを、
記載した量のアミノ酸が含まれるように溶液を計量し、
エチルアルコールをできるかぎりエバポレーターで除去
したものを用いた。
【0046】[タンパク質様組成物の合成]1lの三角
フラスコに低分子ゼラチン(新田ゼラチン製)75g、
炭酸ナトリウム14gおよび炭酸水素ナトリウム4g、
システイン−塩酸塩1.5g、L−イソロイシンエステ
ルをアミノ酸量として18.9g、L−ロイシンエステ
ルをアミノ酸量として34.2g、L−バリンエステル
をアミノ酸量として17.7g、水350gを加え、溶
解し、パパイン(アマノ製薬)8.1gを水に溶解させ
たものを少量ずつ序々に添加後、全量を600gにし、
37℃で20時間酵素反応を行った。生成したタンパク
質様物質に組み入れられた分枝鎖アミノ酸は、L−イソ
ロイシン13.1g、L−ロイシン26.1g、L−バ
リン14.0gであり、導入率(添加量に対する組み入
れられた量の比率)は各々、69%、76%、79%で
あった。
【0047】次に、反応終了後、約450mlの溶液
に、1N水酸化ナトリウムを1350ml加え、攪拌し
ながら40℃で1時間脱エステル反応を行った後、2N
塩酸をPHが6となるまで加えた。こうして得た約2.
5lの溶液を、イオン交換膜透析装置(TS−2−10
型,徳山曹達株式会社製)にかけ、脱塩処理を行って電
導度が2ms/cm(当初は、59ms/cm)となっ
たところで終了させた。脱塩処理後の溶液を、凍結乾燥
することにより、約170gのタンパク質様組成物の粉
末を得た。この粉末は、ほとんど無味無臭であった。こ
のタンパク質様組成物の粉末5mgを6N塩酸により、
完全加水分解をし、アミノ酸分析計により、アミノ酸組
成を調べたところ、表4のような結果を得た。
【0048】
【表3】
【0049】表3に示す通り、この実施例のタンパク質
様組成物は、アミノ酸組成中の分枝鎖アミノ酸の量(バ
リン、ロイシン、イソロイシンの総量)は、48重量%
であり、全遊離アミノ酸は10%であった。
【0050】上記のように製造したタンパク質様物質の
粉末を用いて、タンパク質様物質26g、粉末油脂 6
g、デキストリン 62g、塩化ナトリウム 441m
g、塩化カリウム 572mg、クエン酸ナトリウム
1611mg、グリセロリン酸カルシウム 1572m
g、硫酸マグネシウム七水和物 872mg、硫酸マン
ガン四〜五水和物 2.5mg、硫酸亜鉛七水和物
6.6mg、グルコン酸鉄三水和物 26mg、硫酸銅
0.5mg、ビタミンADミックス10.5mg、塩
酸チアミン 1.0mg、リボフラヒン 1.0mg、
塩酸ピリトキシン 1.0mg、シアノコバラミン
0.002mg、アスコルビン酸200mg、酢酸トコ
フェロール 30mg、フィトナジオン 0.5mg、
ニコチン酸アミド 10mg、パントテン酸カルシウム
2.0mg、葉酸 0.2mg、ビオチン 0.05
mg、塩化コリン 20mg、イノシトール 20mg
の粉末を粉体混合し、粉末状の肝疾患用栄養剤を調製し
た。得られた肝疾患用栄養剤の乾燥重量中のタンパク質
含量は26%、また、L−バリン2.7%、L−イソロ
イシン2.8%、L−ロイシン6.3%であり、ペプチ
ド状の分枝鎖アミノ酸は、3つの合計で12%でタンパ
ク質中の47%であった。また、フィッシャー比は50
であり、この粉末100gのエネルギーは420kca
lであった。
【0051】(比較例3)上記実施例2のタンパク質様
組成物の代わりに、表4に示したアミノ酸組成と同一の
アミノ酸組成を有するゼラチン・遊離アミノ酸の混合物
を用いた以外は、実施例2と同様にして、肝疾患用栄養
剤を作成した。
【0052】(実験1:風味試験)実施例3および比較
例3の肝疾患用栄養剤を用いて以下の実験を行った。実
施例2の肝疾患用栄養剤および比較例3の肝疾患用栄養
剤のそれぞれを、1mlあたり1kcalとなるよう微
温湯に溶解し、男女5名からなる被験者を用いて2点試
験法で風味について試験した。結果は表4に示す通りで
あり、実施例2の栄養剤は、明らかに風味の点で比較例
3の栄養剤より好ましいことがわかった。
【0053】
【表4】
【0054】(実験2:溶解性試験)実施例2の高度侵
襲用栄養剤、実施例3の肝疾患用栄養剤および比較例3
の肝疾患用栄養剤を用いて以下の実験を行った。実施例
2、実施例3および比較例3の栄養剤のそれぞれを、1
mlあたり1kcalとなるよう、微温湯に溶解させ室
温に12時間放置し、沈澱の生成を試験した。結果は以
下の通りであった。実施例2および実施例3の栄養剤
は、直ちに溶解し、12時間後も沈澱の生成はみられな
かったのに対し、比較例3の栄養剤は溶解しにくく、分
散させた数分後より沈澱を生じた。これより、実施例2
および実施例3の栄養剤は溶解性および溶解安定性にお
いて、明らかに比較例3の栄養剤より優れていることが
わかった。
【0055】
【発明の効果】本発明のタンパク質様組成物は、原料タ
ンパク質に分枝鎖アミノ酸が導入されたタンパク質様組
成物であり、該タンパク質様組成物中の全遊離アミノ酸
の重量%が20重量%以下であり、前記タンパク質様組
成物のアミノ酸組成中に、分枝鎖アミノ酸が占める重量
%は、30〜60重量%であるので、苦みが少なく、経
口摂取に支障がない。さらに、十分な量の分枝鎖アミノ
酸を有しているので、肝疾患患者、また重症な熱症、外
傷などの筋タンパク質が分解しやすい状態の症状改善に
有効である。さらに、本発明のタンパク質様組成物で
は、アミノ酸の大部分が、遊離の状態ではなく、ペプチ
ド状に結合した状態となっているため、従来のアミノ酸
配合型の栄養剤のような、吸収における拮抗阻害、高浸
透圧、味、においの不快などの問題点がなく、生体的に
も良好であり、また経口摂取も容易である。
【0056】また、本発明の高度侵襲用栄養剤は、前記
タンパク質様組成物のアミノ酸組成中における分枝鎖ア
ミノ酸が占める重量%が、30〜48重量%であるタン
パク質様組成物を含有しているので、重症な熱症、外傷
などの筋タンパク質が分解しやすい状態の症状および体
調改善に有効であり、さらに、従来のアミノ酸配合型の
栄養剤のような、吸収における拮抗阻害、高浸透圧、
味、においの不快などの問題点がなく、生体的にも良好
であり、また経口摂取も容易である。する高度侵襲用栄
養剤。
【0057】また、本発明の肝疾患用栄養剤は、前記タ
ンパク質様組成物のアミノ酸組成中における分枝鎖アミ
ノ酸が占める重量%が、45〜60重量%であるタンパ
ク質様組成物を含有しているので、症状および体調改善
に有効であり、さらに、従来のアミノ酸配合型の栄養剤
のような、吸収における拮抗阻害、高浸透圧、味、にお
いの不快などの問題点がなく、生体的にも良好であり、
また経口摂取も容易である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料タンパク質に分枝鎖アミノ酸が導入
    されたタンパク質様組成物であり、該タンパク質様組成
    物中の全遊離アミノ酸の重量%が20重量%以下であ
    り、前記タンパク質様組成物のアミノ酸組成中に、分枝
    鎖アミノ酸が占める重量%は、30〜60重量%である
    ことを特徴とするタンパク質様組成物。
  2. 【請求項2】 前記分枝鎖アミノ酸は、ロイシン、バリ
    ン、イソロイシンのいずれかまたはそれらの組み合わせ
    である請求項1に記載のタンパク質様組成物。
  3. 【請求項3】 前記分枝鎖アミノ酸は、ロイシン、バリ
    ンおよび/またはイソロイシンであり、かつ、ロイシン
    のバリンおよびイソロイシンに対する重量比率が1.5
    〜3.0である請求項2に記載のタンパク質様組成物。
  4. 【請求項4】 前記原料タンパク質は、乳タンパク質で
    ある請求項1ないし3のいずれかに記載のタンパク質様
    組成物。
  5. 【請求項5】 前記タンパク質様組成物のアミノ酸組成
    中における分枝鎖アミノ酸が占める重量%が、30〜4
    8重量%である請求項1ないし4のいずれかに記載のタ
    ンパク質様組成物を含有する高度侵襲用栄養剤。
  6. 【請求項6】 前記タンパク質様組成物のアミノ酸組成
    中における分枝鎖アミノ酸が占める重量%が、45〜6
    0重量%である請求項1ないし4のいずれかに記載のタ
    ンパク質様組成物を含有する肝疾患用栄養剤。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2000043035A1 (fr) * 1999-01-19 2000-07-27 Nissho Corporation Preparations d'albumine a base d'acides amines
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