JPH05149278A - 回転圧縮機のロータ及びその製造方法 - Google Patents

回転圧縮機のロータ及びその製造方法

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JPH05149278A
JPH05149278A JP33963691A JP33963691A JPH05149278A JP H05149278 A JPH05149278 A JP H05149278A JP 33963691 A JP33963691 A JP 33963691A JP 33963691 A JP33963691 A JP 33963691A JP H05149278 A JPH05149278 A JP H05149278A
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rotor
foam
resin
reinforced resin
housing
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JP33963691A
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Inventor
Yoshio Tanida
芳夫 谷田
Katsuya Ouchi
勝哉 大内
Nobuo Sakate
宣夫 坂手
Tatsuto Fukushima
立人 福島
Yoshifumi Yamamoto
義史 山本
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Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発泡金属体と繊維強化樹脂を用いて、軽量で
熱膨張率の小さい回転圧縮機のロータを得る。また、繊
維強化樹脂を発泡金属に充填するとき、過大な射出圧力
を用いることなく完全に充填するとともに、ロータの一
層の耐熱性を確保する。 【構成】 回転軸に固定された発泡金属体と、この発泡
金属体に充填された繊維強化樹脂とからなる圧縮機のロ
ータ。また、このロータを製造するとき、空隙率の異な
る発泡金属体を回転軸に2層以上順次固定し、空隙率の
小さい側を射出成形型の射出口に向けて収容し、空隙率
が小さい側から該発泡金属体に繊維強化樹脂を射出充填
する。このとき、空隙率の小さい側をロータの吐出口側
とすれば、高温になる吐出口側の剛性が高く耐熱性の高
いロータとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、エンジンの過給機等
に好適な例えばスクリュー式回転圧縮機のロータ及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、エンジンの高出力、低燃費化を実
現する手段の一つとして、高圧縮比エンジンが多く提案
されている。そこで、エンジンへの空気の充填量を大き
くするため過給機が用いられるが、中でも雄・雌の両ス
クリュー形ロータの回転で空気を圧縮するスクリュー式
回転圧縮機(例えば、実開昭58ー4788号公報、実
開平1ー93338号公報参照)が、特に過給圧が高め
られる点でターボ式、ルーツ式、及びベーン式など他の
方式の過給機より優れている。
【0003】このようなスクリュー式過給機のロータ
は、高速回転による慣性力を低減するため軽量材が従来
より選ばれ、特に急冷凝固アルミニウム合金材がその主
流となっている。しかしながら、アルミニウム合金材は
熱膨張率が大きいので、2つのスクリュー形ロータ間の
過大なクリアランス発生や相互干渉が生ずるという問題
があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、過給機によ
り圧縮される空気は150℃程度の熱を持ち、ロータは
この熱を受けて使用中熱膨張することが避けられない
が、熱膨張した高温時でも両ロータが相互干渉しないよ
う、あらかじめ両ロータ間にクリアランスを持たせてい
る。しかし、このクリアランスを大きくとれば低温時
(始動時)の過給圧の低下を招き、逆にクリアランスを
小さくとれば高温時の熱膨張による両ロータの相互干渉
の恐れが増し、場合によっては両ロータのカジリ摩耗や
焼き付きといった問題に至る。したがって、スクリュー
ロータの熱膨張率が大きい場合、高温時の相互干渉を防
止するためには、やむをえず低温時のクリアランスを大
きくとらざるを得ないという状況にあり、熱膨張率の小
さいロータ材料が望まれている。
【0005】また、スクリューロータの高速回転による
慣性力を低減し、応答性の向上と燃費低減を図るため、
アルミニウム合金よりさらに軽量なロータ材が望まれて
いる。
【0006】本発明は上記の課題を解決するためになさ
れたもので、熱膨張率が小さく、しかも軽量な回転式圧
縮機のロータを提供し、併せて、その製造方法を提供す
ることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため本発明に関わる
回転圧縮機のロータは、吸入口及び吐出口が設けられた
ハウジングと、該ハウジングに回転自在に支持された回
転軸と、ハウジング内に配設され、回転軸に固定された
ロータとを備える回転圧縮機のロータにおいて、該ロー
タが、回転軸に固定され、ロータ形状に形成された発泡
金属体と、この発泡金属体に充填された繊維強化樹脂と
からなることを特徴とし、またその一実施例として、上
記吸入口及び吐出口が回転軸方向に間隔を設けて配置さ
れている回転圧縮機のロータにおいて、ロータの発泡金
属体の空隙率が、吐出口側が吸込口側に比べて小さいこ
とを特徴とするものである。さらに本発明に関わる回転
圧縮機のロータの製造方法は、発泡金属体の空隙率が、
吐出口側が吸込口側に比べて小さいロータの製造方法に
関するもので、回転軸に固定された発泡金属を射出成形
型内に収容し、該発泡金属体に繊維強化樹脂を射出充填
する際、吐出口側から射出充填することを特徴とするも
のである。
【0008】
【作用】本発明に関わるロータは、熱膨張率がアルミニ
ウム合金材より小さくしかも軽量な繊維強化樹脂材と、
その熱疲労と剛性を補うための発泡金属材を骨材とした
複合材ロータである。したがって、従来のアルミニウム
合金材ロータに比べ軽量であるので高速回転による慣性
力を低減することができ、応答性が向上し燃費も低減さ
れる。また熱膨張率が小さいので、ロータ間のクリアラ
ンスを小さくしても高温時のロータ間相互干渉が起きに
くくなるという効果を有するものである。
【0009】ところで、過給機の吸込口から導入された
空気は雄・雌両ロータ間で圧縮され、吐出口付近では1
50℃程度の高温になる。この熱を受けるため、ロータ
の吐出口付近は吸込口付近より高温となり、より一層の
耐熱性が求められることになる。本発明に関わるロータ
において、発泡金属体の空隙率を、吐出口側が吸込口側
に比べて小さくなるようにしたのはこの要請に対応した
ものであり、吐出口側の空隙率を小さくすることにより
剛性を高め、耐熱性をより高めることができるという作
用がある。 加えて、空隙率につき、かかる構成をとる
ことは、以下に述べるように製造上の利点をも有するも
のである。
【0010】すなわち、本発明に関わるロータを製造す
る際は、回転軸に固定された発泡金属体を射出成形型内
に収容し、該発泡金属体に繊維強化樹脂を射出充填する
のであるが、本発明に好適に使用される発泡金属体は、
空洞の大きさがだいたい0.3〜3mmの複雑な3次元
網目構造体であり、しかもロータの幅すなわち充填方向
の厚みがかなりあること、及び繊維を含有する樹脂の流
動性が低いこと等の理由から、射出口部から遠い成形型
の奥の方まで発泡金属体の空隙に完全に樹脂を充填する
のは容易ではない。加えて、発泡金属体の強度にも限界
があり、射出圧力を過剰に高く設定することができない
という事情もある。
【0011】そこで、本発明に関わる方法では、繊維強
化樹脂の射出口に近い方の発泡金属の空隙率が小さくな
るように、すなわち遠い方の空隙率を相対的に大きくす
ることにより圧力損失を減らし、過大な射出圧力を用い
ずとも繊維強化樹脂の射出充填を完全に行うことができ
るようにしたものである。
【0012】なお本発明において、ロータの構成材料と
して繊維強化樹脂を用いた理由は、単なる耐熱性樹脂で
は使用最高温度付近での剛性及び強度が不足し、しかも
アルミニウム合金材と比較して熱膨張率を必ずしも大き
く下げることができないことが分かったからである。繊
維強化樹脂を用いることにより、ロータに要求される強
度及び剛性を確保することができ、また熱膨張率の小さ
いガラス繊維その他の短繊維やウイスカーを使用するの
で、ロータの熱膨張率を全体として小さく抑えることが
できるのである。
【0013】
【実施例】はじめに図1、図2を参照して、本発明に関
わるスクリュー式回転圧縮機についてその概略を説明す
る。図1、図2はエンジンの過給機と、そのロータの噛
み合い状態を示す。エンジン本体より取り出されたプー
リ(図示せず)と過給機1の入力プーリ2がベルトで結
ばれることによって、ハウジング3内の増速ホイル、増
速ピニオン(いずれも図示せず)を介して雌ロータ4を
回転させる。さらにまた、ハウジング3に回転自在に支
持された雌ロータ回転軸5及び雄ロータ回転軸6に固定
されたタイミングギア(図示せず)が噛み合うことによ
り、雄ロータ7が同期回転する。雄雌両ロータの回転に
よりハウジング3に設けられた吸込口8から空気が吸入
され、高速回転する両ロータ間で圧縮されながらハウジ
ング3に設けられた吐出口9へ向かう。そして、この吐
出口9はエンジンの吸気マニホールドへ結ばれる構造と
なっている。なお、図1に示すように、吸入口8と吐出
口9は、回転軸5の軸方向に間隔を設けて配置されてい
る。
【0014】以下、添付図面に基づいて、本発明に関わ
るロータ及びその製造方法について詳細に説明する。 (実施例1)図3は、本発明に関わるロータの一部断面
図である。ロータは、回転軸10と、回転軸10にろう
接層11を介して接合され、ロータ形状に形成された発
泡金属体12、及び発泡金属体12の空隙中に充填され
た繊維強化樹脂13とからなる。
【0015】発泡金属体は、ロータの耐熱疲労性及び剛
性を確保するための骨材としての役割を持ち、空隙率8
8〜98%のものが現実的である。すなわち、空隙率を
88%未満とすると、発泡金属材の密度が上がって強度
が向上する反面、重量低減効果が減少するとともに樹脂
の流動性が低下し、一方、空隙率が98%を越えると強
度が不足するようになるからである。
【0016】本実施例で使用した発泡金属体12は、だ
いたい0.3〜3mmの大きさの空洞が無数にあき、そ
れらが複雑に絡み合った3次元網目構造を持ち、空隙率
96%のNiーCr合金材である。これは、細かく発泡
した発泡ウレタン樹脂の気泡内表面に導電製物質を付着
し導電性とし、NiーCr合金をメッキし、次いでウレ
タン樹脂を焼失させて製造した市販のものであり、全て
の空洞は閉塞せず外部に通じている。
【0017】発泡金属体の空隙部に充填する樹脂は、ロ
ータの最高温度150℃にて変形せず、熱膨張率が小さ
く、しかも引っ張り強度の高い材料が望ましく、本実施
例では、ポリエーテルケトンとポリエーテルイミドを用
いた。
【0018】樹脂に混入する強化繊維は、ロータの熱膨
張率を小さくし、樹脂の強度を高めるという役割を持
つ。したがって、樹脂中には、熱膨張率の小さい短繊維
やウイスカーを25重量%以上混入することが望ましい
が、あまり多いと樹脂の流動性が減少するので、40重
量%以下が望ましい。そこで本実施例では、ガラス短繊
維を樹脂中に30重量%混入した。
【0019】しかして、本実施例に関わるロータの製造
方法を以下説明すると、まず上記Ni−Cr発泡金属体
をロータ形状に成形するとともに、回転軸用の穴を加工
する。ロータ形状は、雄ロータが外径89.4mm、雌
ロータが外形71.6mmのスクリュー形で、長さはい
ずれも200mmである。次ぎに、鋼製の回転軸を発泡
金属体の穴に圧入するとともに、ろう材にて接合一体化
した。ろう接に用いたろう材は、35Agー25Niー
16.5Cdー2.2NiーZnであり、真空炉にて7
50℃×10minの処理を行った。
【0020】発泡金属体に繊維強化樹脂を充填するため
に、図4に示す射出成形機20を用いた。射出成形機2
0の型側Aは、成形用の金型キャビティを構成する固定
金型21と可動金型22、可動金型22を固定金型21
の方向に加圧し型締めする油圧シリンダ(図示せず)か
らなる。射出側Bは、先端にノズル23を有しヒータ2
4により加熱される射出シリンダ25、射出シリンダ2
5内に収容されたスクリュー26、スクリュー26を回
転させる油圧モータ27と前方に押し出す油圧シリンダ
28、及びシリンダ内に材料を供給する材料投入ホッパ
29から構成される。
【0021】かかる射出成形機20は、一般的に次のよ
うに使用される。すなわち、樹脂材料を材料投入ホッパ
29から射出シリンダ25に供給し、スクリュー26を
回転すると、樹脂材料は前方(ノズル23の方向)へ押
し出されるとともに、主として樹脂材料とスクリュー2
6外周及び射出シリンダ25内周との摩擦熱及びヒータ
24による加熱により流動化する。次ぎに、油圧シリン
ダ28によりスクリュー26を前方に押し出すと、流動
化した樹脂材料はノズル23を通って型キャビティ内へ
高圧で射出され、型キャビティ内に充満しそこで固化す
るというものである。
【0022】しかして、本実施例では、回転軸10と一
体化した発泡金属体12を、固定金型21と可動金型2
2で構成されるスクリュー形キャビティ内にセットし、
繊維強化樹脂原料を材料投入ホッパ29に供給する。そ
して、流動化した繊維強化樹脂原料をノズル23から前
記キャビティ内に高圧で射出すると、図3にみられるよ
うに、発泡金属体12の空隙部へ繊維強化樹脂13が充
填したロータが得られるのである。
【0023】このようにして得られたロータの特性を表
1に示す。表1において、従来例は、急冷凝固アルミニ
ウム合金粉末を押出加工して成形したものに鋼製の回転
軸を圧入して製造したロータ、実施例は、樹脂として
ポリエーテルケトン(PEK)を用いたロータ、実施例
は、樹脂としてポリエーテルイミド(PEI)を用い
たロータ、そして実施例の樹脂はともにガラス短繊
維を30重量%含有している。なお、表1において、
「ロータ重量」には回転軸重量は含まれず、「ロータ間
クリアランス」とは室温時の雄・雌両ロータ間のクリア
ランスである。
【0024】表1から明らかなように、実施例とも
30%以上のロータ重量軽減効果があり、加えて実施例
では熱膨張率が小さく、雄・雌ロータ間のクリアラン
スを25%小さくすることができた。
【0025】
【表1】
【0026】(実施例2)本発明における発泡金属体
は、ロータの耐熱疲労性及び剛性を確保するための骨材
としての役割を持つものであるが、このためには発泡金
属体の網目構造が極力細かく複雑に結ばれていることが
望ましい。しかしながら、ロータの幅すなわち充填方向
の厚みがかなりあるので、網目構造が細かく複雑になれ
ばなるほど、射出部から遠い成形型の奥の方では圧力損
失が多くなり、射出圧力を高く設定しなくてはならず、
また樹脂を空隙部に完全に充填するのが困難となってく
る。
【0027】(実施例2ー)本実施例は、第一義的に
はこのような問題を解決するためのものであり、空隙率
の異なる発泡金属体を回転軸に2層以上順次積層固定
し、繊維強化樹脂充填時は、空隙率の小さい方を成形型
の射出口に近い側にセットし樹脂を圧入するものであ
る。
【0028】すなわち、図5は、空隙率がそれぞれ9
2、94、96、98%の発泡金属体12a、12b、
12c、12dを回転軸10に順次積層固定し、空隙率
の小さい発泡金属体12aの側を、固定金型21に形成
された射出口35に向けてセットしたものである。この
状態で射出口35から繊維強化樹脂を圧入すると、樹脂
は発泡金属体12aから順次奥へ充填されていく。そし
て、充填が進むにつれ成形型の奥の方では圧力損失が大
きくなるが、奥の方の発泡金属体の方が空隙率が大きく
設定されているため樹脂が圧入されやすく、結局発泡金
属体12dまで完全に繊維強化樹脂を充填することがで
きる。なお、空隙率の高い発泡金属体は、剛性を確保す
るため網目構造の厚みを大きくしてこれを補っている。
【0029】ところで、さきに述べたように、過給機の
ロータの吐出口側は高温となり、より一層の剛性と耐熱
性が求められているが、本実施例にて製造されたロータ
は、この要請に対応することができるものである。すな
わち、本実施例にて得られたロータは、当然ながら空隙
率の小さい発泡金属体12aの側が剛性が高く、耐熱性
が大きいという特性を持っている。したがって、発泡金
属体12a〜12dを回転軸10に固定する際、空隙率
の小さい12aの側が過給機の吐出口側になるようにし
ておくことにより、高温になる吐出口側の剛性が高く耐
熱性の高いロータを得ることができるのである。
【0030】(実施例2ー)本実施例も、上記実施例
2ーと同様の問題を解決するためのもので、成形型に
セットした発泡金属体を加熱する手段を設け、樹脂の温
度低下を防ぎその流動性を確保したものである。
【0031】本実施例においては、図6に示すように、
回転軸として中空回転軸10’を使用し、固定金型21
及び可動金型22のロータ回転軸収容部に蒸気導入口4
0と蒸気排出口41を設け、中空回転軸10’に固定し
た発泡金属体12を成形型内にセットしたとき、中空回
転軸10’の両端開口部が、それぞれ蒸気導入口40と
蒸気排出口41と密に当接連通するように構成する。
【0032】ロータはスクリュー形状を成し、可動金型
22のキャビティも同形状でやや大き目に加工されてい
る。ロータの骨材を成す発泡金属体12としては、実施
例1と同じ空隙率96%のNiーCr合金材を用い、表
面が樹脂で覆われるようにやや小さ目のスクリュー形状
に加工した。したがって、発泡金属体12と可動金型2
2の間にやや大きめのクリアランス(空間部42)が生
ずることになる。ただし、中空回転軸10’との間には
大きいクリアランスは設けない。
【0033】さて、中空回転軸10’に発泡金属体12
をろう接し、この一体品に対し無電解銅メッキし、可動
金型22内に回転させながらセットした。次に型締めす
るとともに、蒸気導入口40から中空回転軸10’内へ
高温蒸気を導入し、中空回転軸10’の温度を100℃
以上に高めた。ここで、発泡金属体12は、網目構造の
全体にわたって内部まで銅メッキされているため、該銅
メッキ層を通じてすみやかに温度が上昇する。しかるの
ち、ガラス短繊維を30重量%含有するポリエーテルケ
トンを、シリンダ温度390℃、射出圧力1600kg
f/cm2の条件で射出口35から射出、充填した。な
お、両金型21及び22の温度は170℃に保った。
【0034】本実施例にて得られたロータは、繊維強化
樹脂が発泡金属体12の空隙部に完全に充填されるとと
もに、発泡金属体を完全に覆って所望の形状が得られ、
しかもボイド等の欠陥はなかった。これに対し、他の条
件は同じとし、中空回転軸10’及び発泡金属体12を
蒸気で加熱せず成形したものは、発泡金属体12の空隙
部に樹脂が充填されていない部分が多く存在した。
【0035】なお、本実施例にて得られたロータは、仕
上げ成形後もその周囲を繊維強化樹脂で覆われているの
で、その繊維強化樹脂が、ロータが相手材と相互干渉し
た場合の緩衝材として働くという効果を有するものであ
る。
【0036】(実施例2ー)本実施例も、射出圧力を
余り高く設定することなく、繊維強化樹脂を発泡金属体
に完全に充填するための方法を開示するものであり、発
泡金属体に適当数の穴を設け、ここを樹脂の主流動部と
して活用するというものである。
【0037】すなわち、図7は成形型にセットした発泡
金属体を軸方向に垂直に切った断面図であり、ロータの
骨材をなす発泡金属体12の凸部に、それぞれ軸方向に
貫通する穴50を設け、ここを樹脂の主流動部とする。
そして本実施例では、回転軸10を固定した発泡金属体
12を、同じスクリュー形キャビティを有する可動金型
22にセットしたとき、発泡金属体12と可動金型22
の間にやや大きめのクリアランス(空間部51)が生ず
るように、可動金型22のキャビティを設定した。
【0038】しかして、射出成形によって繊維強化樹脂
を圧入すると、樹脂は主としてこの穴50と、可動金型
22と発泡金属体12間に設けられた空間部51を通っ
て、さしたる圧力損失なく可動金型22の奥へ流動し、
さらに発泡金属体12の空隙部を充填するものである。
【0039】なお、上記実施例では、スクリュー式回転
圧縮機のロータについて述べたが、本発明は、ルーツ式
回転圧縮機等の各種の回転圧縮機に適用できる。
【0040】
【発明の効果】本発明は、このように熱膨張率がアルミ
ニウム合金材より小さくしかも軽量な繊維強化樹脂材料
と、その熱疲労と剛性を補うための発泡金属材を骨材と
した複合材ロータであるから、従来のアルミニウム合金
材ロータに比べ軽量であるので高速回転による慣性力を
低減することができ、応答性が向上し燃費も低減され
る。また熱膨張率が小さいので、ロータ間のクリアラン
スを小さくしても高温時のロータ間相互干渉が起きにく
くなるという効果を有するものである。
【0041】また本発明に関わるロータにおいて、発泡
金属体の空隙率を、吐出口側が吸込口側に比べて小さく
なるようにした場合、高温に加熱される吐出口側の剛性
を高め、耐熱性をより高めることができるという効果が
ある。 加えて、空隙率につきかかる構成をとること
は、さきに詳しく述べたような製造上の利点をも有する
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジンの過給機の一部切欠き断面図である。
【図2】過給気のロータの噛み合い状態の説明図であ
る。
【図3】本発明に関わるロータの構造を説明するための
一部拡大断面図である。
【図4】本発明の実施例で用いた射出成形機の断面図で
ある。
【図5】本発明に関わるロータ及びその製造方法を説明
するための図にして、発泡金属体をセットした成形型キ
ャビティ部の断面図である。
【図6】本発明に関わるロータの製造方法を説明するた
めの図にして、発泡金属体をセットした成形型キャビテ
ィ部の断面図である。
【図7】本発明に関わるロータの製造方法を説明するた
めの図にして、発泡金属体をセットした成形型キャビテ
ィ部の断面図である。
【符号の説明】
4 雌ロータ 7 雄ロータ 10 10’回転軸 12 12a 12b 12c 12d 発泡金属体 13 繊維強化樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福島 立人 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 山本 義史 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸入口及び吐出口が設けられたハウジン
    グと、該ハウジングに回転自在に支持された回転軸と、
    ハウジング内に配設され、回転軸に固定されたロータと
    を備える回転圧縮機のロータにおいて、該ロータが、回
    転軸に固定され、ロータ形状に形成された発泡金属体
    と、この発泡金属体に充填された繊維強化樹脂とからな
    ることを特徴とする回転圧縮機のロータ。
  2. 【請求項2】 上記吸入口及び吐出口が回転軸方向に間
    隔を設けて配置されているとともに、ロータの発泡金属
    体の空隙率が、吐出口側が吸込口側に比べて小さいこと
    を特徴とする請求項1に記載のロータ。
  3. 【請求項3】 回転軸に固定された発泡金属を射出成形
    型内に収容し、吐出口側から該発泡金属体に繊維強化樹
    脂を射出充填することを特徴とする請求項2に記載のロ
    ータの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6986652B2 (en) 1999-11-17 2006-01-17 Carrier Corporation Screw machine
JP2011112019A (ja) * 2009-11-30 2011-06-09 Hitachi Industrial Equipment Systems Co Ltd スクリュロータの製造方法、スクリュロータ、及び水注入式スクリュ圧縮機

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