JPH05141814A - 可逆式冷媒乾燥器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】冷媒乾燥器ボディ１の内部を長手方向（冷媒流
れ方向）に二室に分割、各室逆向きに逆止弁４を配設す
ることにより冷媒乾燥器を可逆式とした。 【効果】可逆式冷媒乾燥器を使用することにより、冷凍
サイクルの簡素化が図れる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、空気調和機の冷凍サイ
クルにおける冷媒乾燥器（ドライヤ）の構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、冷媒乾燥器は冷凍機械工学ハンド
ブック（１９６５年、朝倉書店）第６７４頁に図示され
ている様に、一方向にのみ使用可能な構造となってい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、流体
を正方向に流した場合についてのみ考慮され逆方向に流
した場合については考慮されていない。

【０００４】目的は、流体を正逆方向に流しても使用可
能な冷媒乾燥器を用いることにより、冷凍サイクルの簡
素化を図ることにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は冷媒乾燥器本体を長手方向に二室に分割
し、一室にはスプリング，乾燥剤，逆止弁（正方向）を
配設し、他室には逆止弁（逆方向），乾燥剤，スプリン
グを配設した事により冷媒が正逆どちらから流れても使
用可能となる。

【０００６】

【作用】逆止弁を正方向に配設した部位をＡ室，逆方向
に配設した部位をＢ室とする。乾燥器内を流れる冷媒の
経路は正方向から冷媒を流した場合、Ａ室に流入しスプ
リング，乾燥剤，逆止弁の順で通過する。この時、Ｂ室
の逆止弁が動作するため、冷媒がＢ室を流れる事はな
い。逆方向から冷媒を流した場合はＡ室の逆止弁が動作
するため、冷媒はＢ室に流入しスプリング，乾燥剤，逆
止弁の順で通過する。それにより冷媒が正逆どちらから
流れても使用可能となる。

【０００７】

【実施例】図１は本発明実施の冷媒乾燥器の一例であ
る。本冷媒乾燥器構造はボディ１を長手方向（冷媒流れ
方向）に二室に分割し、各室逆向きにカートリッジ式の
乾燥剤２をスプリング３で押さえつけている。またスプ
リング３と反対側に逆止弁４を設け、流れ方向を制限し
ている。このため、冷媒が左から右へ流れる時は下側の
乾燥剤を、右から左へ流れる時は上側の乾燥剤を通過す
ることができる。すなわち、同一配管系上で正逆どちら
側からでも冷媒を流すことができる。

【０００８】図２は従来の冷媒乾燥器を使用した冷凍サ
イクルの一例である。冷媒乾燥器１０は、冷媒流れ方向
が決まっているため、逆止弁４を使用して冷暖房時とも
流れ方向を同一にする必要がある。

【０００９】図３は本発明の冷媒乾燥器を使用した冷凍
サイクルの一例である。冷媒乾燥器は流れ方向を特定し
ないため、図２に比べ冷凍サイクルが簡素化されること
が分かる。

【００１０】図４は本発明による冷媒乾燥器の他の例で
ある。ボディ１を長手方向に二室に分割したうちの一室
に乾燥剤２を配設し、もう一室は逆止弁（逆方向）のみ
配設している。本例では冷媒が左から右に流れる時は下
側の乾燥剤２を通過し、右から左へ流れる時は上側の室
内（乾燥剤なし）を通過する。本構造でも同一配管系上
で正逆どちら側からでも冷媒を流す事ができる。

【００１１】

【発明の効果】本発明によれば、冷媒を正逆方向に流す
事が可能な為、可逆冷凍サイクル中でも逆止弁を分岐配
管を用いずに冷媒乾燥器の使用が可能となり、冷凍サイ
クルの簡素化が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による冷媒乾燥器の断面図。

【図２】従来の冷媒乾燥器を使用した冷凍サイクルの系
統図。

【図３】本発明の冷媒乾燥器を使用した冷凍サイクルの
系統図。

【図４】本発明による冷媒乾燥器の断面図。

【符号の説明】

１…ボディ、２…乾燥剤、３…スプリング、４…逆止
弁。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上倉 正教 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 製作所清水工場内 (72)発明者 西田 修一 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 製作所清水工場内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】空気調和機の冷凍サイクルの補器である冷
   媒乾燥器において、前記冷媒乾燥器の長手方向に二室を
   設け、一室にはスプリング，乾燥剤，逆止弁を配設し、
   他室には逆止弁，乾燥剤，スプリングを配設したことを
   特徴とする可逆式冷媒乾燥器。