JPH05140747A - 膜形成装置およびこの装置を用いた膜形成方法 - Google Patents

膜形成装置およびこの装置を用いた膜形成方法

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JPH05140747A
JPH05140747A JP32966591A JP32966591A JPH05140747A JP H05140747 A JPH05140747 A JP H05140747A JP 32966591 A JP32966591 A JP 32966591A JP 32966591 A JP32966591 A JP 32966591A JP H05140747 A JPH05140747 A JP H05140747A
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JP
Japan
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film
film forming
reaction chamber
forming material
sample
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JP32966591A
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Taichi Miyazaki
太一 宮崎
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Citizen Watch Co Ltd
Original Assignee
Citizen Watch Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 膜形成材料を収納するための試料溜101
と、膜形成を行うための反応室119と、試料溜101
から反応室119に膜形成材料を導くための試料導入管
103と、反応室119内に設ける試料台105と、反
応室119内を減圧にするための真空手段109と、エ
ネルギー発生源113とを備える膜形成装置およびこの
膜形成装置を用いた膜形成方法。 【効果】 表面平坦化形状を容易に形成することが可能
となり、さらにパーティクルの発生がなくなり、半導体
装置の信頼性が向上し、半導体装置の製造歩留りが向上
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体集積回路装置
(以下ICと記載する)の層間膜形成を行うための膜形
成装置、およびこの装置を用いた膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ICの高集積化にともない、素子間を配
線するための配線膜を多層に形成する多層配線技術が、
一般的な技術として定着してきた。多層配線の信頼性を
得るための一手段として、上層配線と下層配線との間を
絶縁する層間膜表面の平坦化技術がある。この層間膜の
平坦化手段としては、各種の方法が試みられている。
【0003】従来の化学気相成長(以下CVDと記載す
る)法によって形成した層間膜を、用いた多層配線構造
の断面形状を、図9と図10とを用いて説明する。
【0004】アルミ配線11を形成後、従来のCVD法
により形成した層間膜13は、図9に示すように、アル
ミ配線11の上面部と側面部とで層間膜13の膜厚が大
きく異なる。このために、層間膜13の表面段差がさら
に大きくなるばかりでなく、層間膜13の断面形状は、
オーバーハング形状を示す。
【0005】図9に示すように層間膜13がオーバーハ
ング形状になるのは、従来のCVD法による膜形成で
は、気体状態にした膜形成材料を熱,プラズマ,光等の
エネルギー源により、気体状態で活性化するためであ
る。活性化された膜形成材料は、被膜形成基板に吸着し
て膜形成を行う。
【0006】膜形成の際、活性化した膜形成材料のうち
膜形成に関与するもの(以下活性種と記載する)は、図
9に示すように、表面エネルギーの高いアルミ配線11
の角部分19に数多く吸着する。このために、活性種が
多量に吸着する角部分19は他の部分に比べ、より厚い
膜が形成される。よって、層間膜13の断面形状は、オ
ーバーハング形状になる。
【0007】またさらに、図10に示すように、アルミ
配線11が非常に狭い間隔で隣接して形成した場合、こ
のアルミ配線11の上部に層間膜13を介して上層アル
ミ配線15を形成すると、層間膜13のオーバーハング
形状になった領域で、この上層アルミ配線15に断線1
7が発生する。この上層アルミ配線15における断線1
7の発生は、ICの信頼性や、製造歩留りの低下を招い
ている。
【0008】したがって、アルミ配線11上に形成する
層間膜13は、隣接するアルミ配線11パターン間の溝
を埋め込み、かつ層間膜13の表面は、平坦な形状であ
る必要がある。
【0009】隣接するアルミ配線11パターン間の溝部
分に絶縁膜を埋め込み、層間膜13の表面平坦化を実現
するための従来方法を、図4から図8の断面図を用いて
説明する。
【0010】まず図4に示すように、パターニングした
アルミ配線11上にCVD法で、層間膜13を形成す
る。
【0011】次に図5に示すように、このCVD法で形
成した層間膜13では、充分な段差被覆性が得られず、
層間膜13の表面平坦性が悪い。このため、層間膜13
の凹部を埋め込み、この層間膜13の表面を平坦化する
ために、塗布絶縁膜であるスピンオングラス(以下SO
Gと記載する)膜23を、塗布法により形成する。この
SOG膜23は、塗布法により形成後、400℃前後の
温度でガラス化を目的とする加熱処理を行う。
【0012】次に図6に示すように、SOG膜23と層
間膜13とのエッチング速度を同じにして、SOG膜2
3と層間膜13とを反応性イオンエッチング装置を用い
てドライエッチングする、いわゆるエッチングバックを
行う。このエッチングバックにより層間膜13の凹部に
SOG膜23を埋め込み、表面が平坦な形状を有する層
間膜を得る。
【0013】さらにその後、図7に示すように、層間膜
としての信頼性を向上させるため、CVD法で上層層間
膜21を形成し、表面平坦化工程は完了する。
【0014】次に平坦化表面を有する上層層間膜21の
上部に上層アルミ配線15を形成する。この結果、図1
0に示すような断線17は、上層アルミ配線15には発
生しない。
【0015】上記のように、従来の製造方法では、層間
膜の表面平坦化構造を実現させようとすると、IC製造
工程が複雑になる。このIC製造工程の複雑化は、IC
の歩留り低下の原因になる。
【0016】またさらに、CVD法では、膜形成材料の
活性化を気体状態で行っている。このために、活性化し
た膜形成材料が気相中で衝突を起こし、粒子状の生成物
(以下パーティクルと記載する)となり、CVD装置の
内部や、被膜形成基板である半導体基板上に付着する。
【0017】半導体基板に付着したパーティクルは、I
Cの信頼性を損ね、さらに歩留りの低下の原因となって
いる。
【0018】さらにCVD装置の内部に付着したパーテ
ィクルは、膜形成装置の本来の性能にも悪影響を及ぼ
す。このため従来のCVD装置では、装置性能を回復さ
せるために、定期的にパーティクル除去を行う、保守点
検をしている。しかしながら、CVD装置の構造が複雑
化しており、簡単にパーティクル除去はできず、パーテ
ィクル除去のために、膨大な時間が掛かっている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、層間膜
の段差被覆性の向上と表面平坦化とは、多層配線技術を
用いたICの信頼性の向上と、特性を維持するためには
重要不可欠な技術的課題である。
【0020】さらに、層間膜の表面平坦化を実現するた
めに、図4から図8を用いて説明したように、複数の製
造工程を通過させなければならない現状では、半導体製
造工程における不安定要素が増加することになる。
【0021】またさらに、CVD法により層間膜を形成
するときに、多量に発生するパーティクルは、ICの信
頼性や歩留りを低下させるだけではなく、膜形成装置の
信頼性をも低下させることにつながる。
【0022】本発明の目的は、上記課題を解決して、被
膜表面の平坦化形状を容易に形成することが可能で、さ
らにパーティクルの発生が無い膜形成装置と、この膜形
成装置を用いた膜形成方法とを提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明においては、下記記載の構成と方法とを採用す
る。
【0024】本発明における膜形成装置は、膜形成材料
を収納する試料溜と、膜形成を行う反応室と、膜形成材
料を試料溜から反応室に導入するための試料導入管と、
試料溜と試料導入管と反応室との温度調整を行う温度コ
ントローラと、反応室内に設ける試料台と、この試料台
を加熱あるいは冷却するための温度調整手段と、反応室
内を減圧にするための真空手段と、エネルギー発生源と
を備えることを特徴とする。
【0025】本発明における膜形成方法は、試料溜に収
納した膜形成材料を加熱し気体状態にして試料導入管を
介して反応室に導入し、温度調整した試料台上に配置し
た被膜形成基板に気体状態の膜形成材料を吸着させ、そ
の後エネルギー発生源によって被膜形成基板にエネルギ
ーを与え膜形成を行うことを特徴とする。
【0026】
【作用】従来のCVD法における膜形成方法の問題点
は、膜形成に関与する活性種が気相中で反応しており、
この活性種が気相中で反応することによって、パーティ
クルが発生する。
【0027】またさらに、活性種は、被膜形成基板に到
達すると化学反応により吸着するために、一度吸着した
活性種の脱離が起こりにくい。
【0028】このため、活性種は、被膜形成基板の表面
を充分に自由に動ける距離(以下平均自由行程と記載す
る)が充分に得られない。このため、アルミ配線の比較
的表面エネルギーの高い、図9に示す、角部分19に、
選択的な活性種の吸着が起こり、層間膜の断面形状はオ
ーバーハング形状を示すようになる。
【0029】つまり、従来技術における諸問題は、膜形
成材料を気体状態で活性化するために起こる。
【0030】そこで、これらの問題点を解決するため
に、本発明においては、膜形成反応に各種膜形成材料の
基板表面において発生する表面反応を積極的に利用する
膜形成装置と、この膜形成装置を用いた膜形成方法とを
提案する。
【0031】気体状態になった膜形成材料を、あらかじ
め膜形成材料の融点温度近傍、もしくは融点温度以下の
温度制御しておいた被膜形成基板に接触させる。このこ
とにより被膜形成基板表面に、気体状態の膜形成材料を
単分子層または複数分子層吸着させることができる。
【0032】気体状態の膜形成材料を被膜形成基板に吸
着させることにより、被膜形成基板の表面で化学反応な
どを自発的に起こすような、反応性に富んだ膜形成材料
の場合は、充分な膜形成が可能である。
【0033】しかし比較的安定で反応性に乏しい膜形成
材料を用いた場合、被膜形成基板に吸着した膜形成材料
を、様々なエネルギー源で成膜化反応を起こさせる。
【0034】さらにこの膜の上に膜形成材料の流動性を
失うことなく膜形成材料の吸着を続けて、目的膜厚まで
成長させる。
【0035】本装置を用いて膜形成した膜は、段差被覆
性に優れ、良好な表面平坦性を備えている。これは、本
発明においては、膜形成材料の吸着は、物理的な吸着が
支配的であるため、減圧雰囲気の反応室内では、被膜形
成基板上で吸着と脱離が繰り返される。
【0036】前述の理由により、気体状態の膜形成材料
は、被膜形成基板上での充分な平均自由行程が得られ、
段差被覆性が良好で、表面平坦性に優れた層間膜を形成
することができる。
【0037】この膜をさらに物理的もしくは化学的手法
により、半導体集積装置に適用可能な被膜として充分な
性質を持った膜にする。
【0038】またさらに、膜形成反応に用いる反応室の
内部を高温、もしくは膜形成材料の融点以下に保つ。こ
のために、反応室の壁面に到達した膜形成材料は、膜形
成反応、もしくは液化反応および固化反応を起こし、気
相での反応が発生しない。このためパーティクルの発生
は、抑えられる。
【0039】また、反応室の内壁は、取り外し可能なカ
バーで覆われている。このため反応に関与しなかった膜
形成材料は、このカバーの表面で膜形成が行われるか、
もしくは反応室の内壁に配置するカバーに付着する。本
発明の膜形成装置の保守点検は、このカバーを交換する
ことで容易に行うことができる。
【0040】本装置により作成した膜は、膜形成材料の
表面の流動性と充分な平均自由行程とが得られることに
より、被膜形成基板の表面形状によらず段差被覆性が良
く、膜表面の平坦化形状が得られる。
【0041】さらにそのうえ、被膜形成基板に対して高
いエネルギーを持った膜形成材料の活性種が、直接、被
膜形成基板を攻撃しないために、損傷が発生せず低ダメ
ージである。したがって、被膜形成基板の損傷に起因す
る、半導体集積回路装置の特性劣化は発生しない。
【0042】一方、膜形成材料の供給量を輸送ガス等に
より調節したり、膜形成時の圧力を調節することによ
り、被膜形成基板上に形成する膜の膜厚を、分子層単位
でコントロールすることができる。
【0043】また、物理的気相成長法と化学的気相成長
法とが、目的に応じて自由に選択できる。反応室内での
パーティクルの発生がほとんどゼロに抑えられ、保守点
検の回数が少なくなり、手間が掛からない。
【0044】
【実施例】以下図面を用いて本発明の実施例を説明す
る。まずはじめに本発明の膜形成装置、および膜形成方
法を膜形成装置の概略構成を示す図1を用いて説明す
る。図1は本発明の膜形成装置を示す断面図である。
【0045】試料溜101に溜められた膜形成材料を、
温度調節手段121、たとえばヒーターを用いて、膜形
成材料の沸点近傍の温度まで加熱し、膜形成材料を気化
させる。
【0046】気化した膜形成材料は、あらかじめ真空手
段109により減圧状態になっている反応室119に、
試料導入管103を介して、圧力差により導入される。
このとき、膜形成材料の温度が低下して、気体状態の膜
形成材料が液化または固化しないように、試料導入管1
03は、膜形成材料の沸点近傍、または沸点以上の温度
に保つようにすることが必要である。
【0047】気体状態になった膜形成材料の濃度管理
は、化学的に安定なガスを希釈ガス、もしくは輸送用ガ
スとして用いることによって行う。
【0048】反応室119内に配置する試料台105
は、温度調整手段108として、加熱するための加熱手
段107、または冷却するための冷却手段111により
膜形成材料の沸点近傍もしくは沸点以下の温度に保つ。
この試料台105に、被膜形成基板(図示せず)を配置
する。
【0049】反応室119内に導入した気体状態の膜形
成材料は、被膜形成基板の近傍、もしくは被膜形成基板
に接触することで、気体と液体の中間的な状態になり粘
性が生じる。
【0050】一方、被膜形成基板の表面において膜形成
材料は、反応室119内が減圧雰囲気になっていること
により、吸着と脱離とを繰り返し、充分な平均自由行程
が得られる。したがって、被膜形成基板表面における流
動性と、吸着と離脱とを繰り返すことと、充分な平均自
由行程が得られることとにより、膜形成材料成分の濃度
によって単分子層もしくは複数分子層の段差被覆性の優
れ、表面平坦性が良好でしかも均一な膜が形成できる。
【0051】しかし、この状態での膜は、被膜形成基板
表面に物理的に吸着したにすぎず、化学的に不安定であ
る。
【0052】この膜と被膜形成基板との密着性を向上さ
せ膜質を安定にするために、この膜に対しエネルギーを
加えなければならない。このエネルギーはエネルギー発
生源113によって与える。
【0053】このエネルギー発生源113としては、膜
の緻密性の向上と、膜形成材料と被膜形成基板との間で
の反応を起こさせるに充分な能力を持っていることが必
要となる。エネルギー発生源113としては、たとえ
ば、マイクロ波、紫外光、ハロゲンランプなどを用い
る。そしてこのエネルギー発生源113を用いて、膜の
急速加熱を行う。
【0054】エネルギー発生源113は、膜質や製造工
程により自由に選択すことが可能である。たとえば、低
温処理が必要な場合には、マイクロ波、紫外光などを選
択するとよい。
【0055】このように、本発明においては、膜厚を分
子層レベルの厚さで制御することができる。
【0056】また、厚い膜厚を必要とする場合は、膜形
成材料の供給をさらに続ける。このとき、被膜形成基板
上のアルミ配線段差に対して、充分な膜厚まで膜形成材
料の吸着を続けると、被膜形成基板上の段差が埋め込ま
れて、表面平坦化構造を実現することができる。
【0057】しかし、この膜も大変不安定であることか
ら、エネルギー発生源113を用いて、膜にエネルギー
を加えて、膜の安定化を行ない、被膜形成基板との密着
性の向上と、膜の緻密化とを行う。
【0058】膜厚がある程度厚い場合は、形成した膜と
被膜形成基板との密着性を向上させるために、ある一定
の膜厚に達したら膜形成を中断して、膜形成途中でエネ
ルギー発生源113によりエネルギーを加えるとよい。
【0059】ただし、エネルギー発生源113のエネル
ギーを加えている間は、気化した膜形成材料の気相反応
を避けるために、膜形成材料の供給は中止する。
【0060】一方、反応に関与しなかった膜形成材料
は、真空手段109によって、反応室119の外部に排
気される。
【0061】しかし、気相反応が起きるとパーティクル
が発生してしまう。したがって、反応室119内部の温
度コントロールをする必要性が生じる。そこで、本発明
の膜形成装置では、反応室119内部を温度制御するた
めの温度コントローラ115を設ける。
【0062】反応室119内の温度を膜形成材料の沸点
温度の近傍、もしくは沸点以上の高温に保った場合、膜
形成材料は気体状態で排気されるため、気相中でのパー
ティクルの発生は起こらない。
【0063】また、反応室119の内壁近傍に到達した
膜形成材料は、反応室119を温度コントローラ115
で加熱しているため、熱による膜形成反応により、パー
ティクルの発生はほとんど抑えられる。
【0064】反応室119内壁周辺での膜形成反応は、
あらかじ反応室119内壁に配置したカバー117表面
で起こる。このため、膜形成装置の保守点検は、このカ
バー117を交換するだけで行うことができる。
【0065】カバー117の材質は、膜形成する際の膜
形成材料や、膜形成時の温度などによって選択する必要
がある。このカバー117は、反応室119を構成する
内壁の材料と同じ材料、もしくは同等かそれ以上に化学
的に安定な材質のものを選択するとよい。
【0066】また、反応室119周辺の温度を、被膜形
成基板を配置する試料台105に比べて高くなるように
温度設定する。このことにより、試料台105周辺と反
応室119周辺とにおいて、気化した膜形成材料に気体
密度の勾配を生じさせて、試料台105近傍での膜形成
材料の密度を高め、効率良く膜形成を行うことができる
効果を有する。
【0067】次に、膜形成の具体例に関して説明する。
たとえばTMCTS(TetraMethyl Cyc
olo Tetra Silaxane)を膜形成材料
として、シリコン酸化膜(SiO2 )を膜形成した場合
に関して、その具体的な実施例を説明する。
【0068】このTMCTSは、常温では液体であり、
沸点は135℃,蒸気圧は74℃,20mHgである。
【0069】図2は本発明において膜形成を行った装置
の概略構成を示す断面図である。この図2を用いて、具
体的実施例を説明する。
【0070】試料溜201にTMCTSを適量溜める。
試料溜201を130〜150℃の温度に保ち、液体の
TMCTSを蒸気にする。同時に、試料導入管203、
および反応室205内も、温度130〜150℃に保
つ。
【0071】反応室205内を、真空手段207として
ロータリーポンプを初めとする真空ポンプを用いて、真
空度0.04Torr以下の状態にしておく。
【0072】気体状態になったTMCTSを流量50〜
200cm3 /minと、オゾンの流量100〜300
cm3 /minとを混合し、バルブ209を開放して、
このTMCTSとオゾンとの混合気体を反応室205内
に導く。
【0073】反応室205内の試料台211の温度は、
温度調節手段217を用いて、温度135℃以下に温度
コントロールを行う。
【0074】反応室205内に導入した気体状態のTM
CTSとオゾンとの混合気体は、試料台211近傍に到
達すると、反応室205内より低い温度に設定してある
試料台211の冷却効果により、この混合気体に粘性を
生じて、試料台211上に配置した被膜形成基板に気体
が吸着する。吸着したTMCTSは被膜形成基板表面で
流動性を生じ、被膜形成基板に均一な状態で吸着する。
【0075】しかし、この膜はTMCTSが物理的に吸
着したに過ぎず、シリコン酸化膜としての膜質的には充
分といえない。
【0076】そこで、バルブ209を閉じ、TMCTS
とオゾンとの供給を止めて、さらにガス導入口219か
ら窒素ガスを導入して、反応室205内のTMCTSと
オゾンとの混合ガスを排除する。その後、エネルギー発
生源213として、低圧水銀ランプにより紫外光(波長
185nm,254nm光)を被膜形成基板に照射し
て、シリコン酸化膜の膜質を向上させる。
【0077】また、シリコン酸化膜にマイクロ波発生源
215からのマイクロ波を照射するすると、紫外光照射
時に反応生成物として発生した水を蒸発させると同時
に、シリコン酸化膜の緻密化が行われる。
【0078】本発明の膜形成装置を用い、さらに本発明
の膜形成方法により、アルミ配線の段差部の埋め込み
を、TMCTSで形成したシリコン酸化膜で行なった実
施例の断面を図3に示す。
【0079】本装置により形成したシリコン酸化膜30
1は、アルミ配線303の段差を充分に被覆しており、
本発明の膜形成装置のみで、表面平坦化構造が得られる
ことがわかる。
【0080】本発明によって形成したシリコン酸化膜の
膜質は、マイクロ波照射後の屈折率が1.460であ
り、シリコンを熱酸化して形成したシリコン酸化膜と同
等の膜質が得られている。
【0081】またさらに、反応室内の圧力、原料ガスの
分圧、ガスの供給時間等を調節することで、図3に示す
よりも薄いシリコン酸化膜でも、段差被覆性よく表面平
坦性に優れた層間膜形成を行うことが可能である。
【0082】
【発明の効果】以上の説明のように、本発明により単分
子層から薄膜領域にいたる広い膜厚範囲において、希望
する膜の膜厚を容易に制御することが可能となる。その
うえ、吸着作用により被膜形成を行っており、被膜形成
基板に対し低ダメージで膜形成できる。また、膜厚を厚
くすると段差の大きい被膜形成基板に対し、良好な段差
被覆性と表面平坦化とを実現できる。表面平坦化を目的
とする場合、膜形成材料としてシリコン系の液体材料を
用いると有効である。
【0083】またさらに、気相反応を抑えることや、表
面反応を積極的に利用することで粒子状の生成物である
パーティクルの発生を抑えることができる。さらに、反
応室内部に設けたカバーにより装置の保守点検が容易に
なる。その結果、半導体装置の信頼性が向上し、そのう
え半導体装置の製造歩留りも向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の膜形成装置の基本構成を示す断面図で
ある。
【図2】本発明の膜形成装置とこの膜形成装置を用いた
膜形成方法とを説明するための断面図である。
【図3】本発明の実施例を用いて膜形成した状態を示す
断面図である。
【図4】従来の層間膜の平坦化方法を示す断面図であ
る。
【図5】従来の層間膜の平坦化方法を示す断面図であ
る。
【図6】従来の層間膜の平坦化方法を示す断面図であ
る。
【図7】従来の層間膜の平坦化方法を示す断面図であ
る。
【図8】従来の層間膜の平坦化方法を示す断面図であ
る。
【図9】従来の化学気相成長法によって形成した層間膜
を示す断面図である。
【図10】従来の化学気相成長法によって形成した層間
膜上に上層アルミ配線を形成した状態を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
101 試料溜 103 試料導入管 105 試料台 107 温度調節手段 109 真空手段 113 エネルギー発生源 115 温度コントローラ 117 カバー 119 反応室 301 シリコン酸化膜 303 アルミ配線

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膜形成材料を収納する試料溜と、膜形成
    を行う反応室と、この膜形成材料を該試料溜から該反応
    室に導入するための試料導入管と、前記試料溜と試料導
    入管と反応室との温度調整を行う温度調整手段および温
    度コントローラと、前記反応室内に設ける試料台と、該
    試料台を加熱あるいは冷却するための温度調整手段と、
    前記反応室内を減圧にするための真空手段と、エネルギ
    ー発生源とを備えることを特徴とする膜形成装置。
  2. 【請求項2】 反応室内にカバーを設けることを特徴と
    する請求項1に記載の膜形成装置。
  3. 【請求項3】 試料溜に収納した膜形成材料を加熱し気
    体状態にして試料導入管を介して反応室に導入し、温度
    調整した試料台上に配置した被膜形成基板に気体状態の
    膜形成材料を吸着させ、その後エネルギー発生源によっ
    て該被膜形成基板にエネルギーを与え膜形成を行うこと
    を特徴とする膜形成方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009021429A (ja) * 2007-07-12 2009-01-29 Ulvac Japan Ltd 表面処理装置及びこの表面処理装置を備えた半導体製造装置
JP4542641B2 (ja) * 1999-05-24 2010-09-15 株式会社アルバック 半導体製造装置及びこの装置を利用したバリアメタル膜の形成方法

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