JPH051397Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の利用分野と目的 本考案は枚葉印刷機におけるナンバー打ち込み
用のナンバー凸胴の軸（以下ナンバー軸という）
を機台に容易に着脱するための装置に関するもの
であり、且つナンバー軸を機台に取り付けた後、
或は運転途中でナンバー軸上に装着されたナンバ
ーリング機の位置を、軸方向、回転円周方向にそ
の儘で微調整できる機構とを兼ね備えた装置に関
する。

従来技術と考案が解決しようとする問題点 第１図の枚葉印刷機概略説明図において、ブラ
ンケツト胴１圧胴２間で印刷され、ミシン圧胴
３、縦横ミシン４，５間で、ミシン入れされた印
刷紙は、ナンバー圧胴６とナンバー凸胴７，７ａ
間でナンバーが打ち込まれる。８は印刷された用
紙の排紙装置、９は排紙パイルである。ナンバー
凸胴とは左右の機枠に軸受けされたナンバー軸上
に多数個のナンバリング機を取り付けたものであ
り、印刷物の種類が変る毎に多数のナンバリング
機を取り外ずし取り付けねばならなかつた。この
取替作業は各ナンバリング機の位置調整作業を伴
い多大の時間と労力を必要とし、能率を低下させ
る原因となつていた。この時間、労力のロスを防
ぐため印刷物の種類に応じたナンバー機取付け済
みのナンバー凸胴を予め用意しておき、印刷物の
切替り時、ナンバー凸胴の軸をその軸受けから外
して別のナンバー凸胴に取り替えて作業能率を上
げる方法が用いられているが、尚機枠の両軸受け
からのナンバー凸胴脱着は面倒であり、又軸受に
装着時ナンバー凸胴の軸方向、回転円周方向の位
置、即ち前後左右のナンバー打ち込み位置の微調
整手作業が大変厄介であつた。本考案はこれらの
問題点を一挙に解決すべく考案されたものであつ
て、ナンバー軸を三分して、両端のナンバー軸端
部と中央のナンバー軸中間部とに分け、中間部を
容易に軸端部から離脱可能にし、中間部だけを交
換すると同時に、装着後両軸受けから軸端部分を
僅かにスライドできる様な構成となし、更にナン
バー凸胴の前後左右の位置微調整を行える公知機
構を付加して組み合わせたものである。

実施例 第２図は本考案実施例のナンバー軸断面図を示
し１０は中央部分を省略したナンバー軸中間部で
あつて、その両軸端は凸型のテーパ形状をなし、
キー１１，１１ａが取り付けられ、又締付けボル
ト１２，１２ａの軸方向ネジ孔１３，１３ａを有
している。１４，１４ａは上記ナンバー軸中間部
１０の両側に夫々嵌合されるナンバー軸端部であ
つて、両機枠１５，１５ａに固定された軸受け１
６，１６ａにより枢支されている。前記１２，１
２ａの締付けボルトは夫々ナンバー軸端部の段付
貫通孔に挿入され、ナンバー軸中間部のネジ孔に
螺合されて、ナンバー軸端部とナンバー軸中間部
を締め付けて前記キー１１，１１ａを介して両者
を固着している。またナンバー軸端部１４は軸受
け１６に対して摺動自在に枢支され、ナンバー軸
端部１４ａは軸受１６ａに対して左右微小距離ａ
＋ｂだけ摺動可能である。１７，１７ａは後述す
る所の軸方向位置調整機構と回転方向位置調整機
構であつて、何れもナンバー軸端部に固定された
円板状の位置調整デイスク１８，１８ａ（以下デ
イスクという）を挾持するガイドローラを左右微
小移動させることによつてナンバー軸端部を固定
軸受けに対し、微小摺動させる機構である。即ち
ナンバー軸端部１４の微小摺動移動によりナンバ
ー凸胴上のナンバー機の軸方向位置微調整が行わ
れ、ナンバー軸端部１４ａの微小摺動移動によつ
て、該軸にキーを介して固定されたヘリカル歯車
１９と駆動原からのヘリカルギヤ２０の噛合位置
がずれて、ナンバー凸軸の回転方向位置微調整が
行われる。２１は他の部分に運動を伝達する歯車
である。

印刷物の種類が変つて他のナンバー凸胴に取り
替えるときは、先づ図の右側の締付ボルト１２を
緩めてナンバー軸端部１４をナンバー軸中間部１
０より離して右方へ寄せてこれを支え、次いで締
付ボルト１２ａを緩めてナンバー軸中間部をナン
バー軸端部１４ａより離し、右へ寄せて上方に取
り出してから他のナンバー軸と交換し、逆の順序
にこれを取り付ければ簡単にナンバー軸の取り替
えができる。ナンバー軸を取り替えた後、印刷紙
上における打ち込みナンバーの位置微調整機構の
概略を次ぎに説明する。

前記の軸方向及び回転方向の微調整機構は公知
の装置を利用したものであるが、これを本考案の
両ナンバー軸端部に附加し組み合わすことによ
り、ナンバー軸操作上著しい効果をあげることが
できた。第３〜５図はこの微調整機構要部の概略
を示す正面図、側面図、断面図であつて、１４は
前記ナンバー軸端部、１８はこれに固定された円
板状の微調整デイスク、３０，３１，３２，３３
（図示せず）はこのデイスクの両面を挾んで取り
付けられたガイドローラ、３４はこの４個のガイ
ドローラを保持する円環状レバーであつて、その
一端３５は固定軸３６に枢着され、円環状レバー
３４は前記デイスク１８の面に対して垂直方向に
揺動することができる。又円環状レバー３４の他
端３５ａは回動支持部材３７、調整ネジ３８、回
動支持部材３９を介して固定ブラツケツト４０に
対してナンバー軸方向位置微調整自在に保持され
ている。即ち調整つまみ４１を廻わすことによつ
て、調整ネジ３８を介して、回動支持部材３７は
固定ブラツケツト４０に対して、第５図に於て左
右に移動し、円環状レバー３４を揺動させる。デ
イスク１８はこれに装着された４個のガイドロー
ラに案内されて、ナンバー軸端と共に軸方向に軸
受け１６内で微小移動する。従つてナンバー機の
軸方向位置微調整をナンバー凸胴を機台に取りつ
けた位で直ぐ行うことができる。又、ナンバー凸
胴を機台に取り付けた儘で、その回転方向位置の
微調整を行うには、第２図に於ける軸方向位置調
整機構１７ａとこれに連結するヘリカリギヤ１９
を利用する。前記の調整機構１７と同様に調整つ
まみ（図示はせず）を廻わすことによつて、デス
ク１８ａを微小移動させ、これに固着されたヘリ
カルギヤ１９を軸方向に微小移動させて駆動側の
ヘリカルギヤ２０との噛み合い位置を僅かにスラ
イドさせ、ナンバー軸回転方向の位置の微調整を
行う。

考案の効果 本考案によれば簡単な操作により、従来厄介で
時間と労力を費すナンバー軸取り替え作業を迅速
容易に遂行できるのみならず、ナンバー軸取り替
え後のナンバー機の前後左右方向の位置微調整
も、又極めて容易迅速確実に行うことのできる効
果を得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は枚葉印刷機の概略説明図、第２図は本
考案実施例の断面図、第３図は微調整機構要部の
正面図、第４図は同側面図、第５図は同Ａ，Ａ部
断面図である。 １０……ナンバー軸中間部、１６，１６ａ……
軸受け、１４，１４ａ……ナンバー軸端部、１７
……軸方向位置調整機構、１７ａ……回転方向位
置調整機構、１２，１２ａ……締付けボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ナンバーリング機が中間部分に取り付けられ、
   両軸端部がテーパ形状をなすナンバー軸中間部
   と、両機枠の軸受けに対し軸方向微摺動調整自在
   に枢支され、各内側端に内面テーパ形状の孔を有
   する左右のナンバー軸端部と、片方のナンバー軸
   端部に装着された軸方向位置調整機構と他方のナ
   ンバー軸端部に装着された回転方向位置調整機構
   と、前記ナンバー軸中間部の両端テーパ形状部を
   両ナンバー軸端部の内面テーパ形状孔に嵌合し、
   ナンバー軸端部を貫通して左右のナンバー軸端部
   を前記ナンバー軸中間部に締め付ける両締付けボ
   ルトとより構成され、該両締付けボルトを緩めて
   一方のナンバー軸端部及びナンバー軸中間部とを
   軸方向に移動させることにより、ナンバー軸中間
   部を機体より着脱自在とした印刷機のナンバー軸
   位置調整機構付着脱装置。