JPH05139744A - 易焼結性チタン酸バリウム微細粒子粉末およびその製法 - Google Patents

易焼結性チタン酸バリウム微細粒子粉末およびその製法

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JPH05139744A JP3306373A JP30637391A JPH05139744A JP H05139744 A JPH05139744 A JP H05139744A JP 3306373 A JP3306373 A JP 3306373A JP 30637391 A JP30637391 A JP 30637391A JP H05139744 A JPH05139744 A JP H05139744A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新規なチタン酸バリウム粉末およびその製造
方法の提供。 【構成】 平均粒径が0.05〜0.2μm、BaO/
TiO2(モル比)で0.997〜1.003の組成を
持ち、且つ粒子表面が炭酸バリウムで被覆されたことを
特徴とする易焼結性チタン酸バリウム微細粒子粉末。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】産業上の利用分野 本発明は、易焼結性のチタン酸バリウム微細粒子粉末お
よびその製造方法に関する。更に詳しくは、従来にない
高比誘電率の焼結体が低い温度で得られることを特徴と
する易焼結性チタン酸バリウム微細粒子粉末およびその
製法に関する。
【0002】従来の技術 近年、電子材料は益々小型高性能化しているが、TiO
2系ペロブスカイト型化合物を用いた強誘電体セラミッ
クスもまた同様であり、小型高性能化を目的として配合
技術、成形技術、焼結技術等の面で種々検討が行われて
きた。しかしながら、このような技術の改善だけではい
まや小型高性能化は限界に達しており、現状よりも更に
小型高性能化するにはその素材自体の特性を改善する必
要があるとされている。即ち、1μm以下好ましくは
0.5μm以下の直径を有し、粒度分布が狭くかつ球形
状のTiO2系ペロブスカイト型化合物粉末の開発が切
望されている。このような性状のペロブスカイト型化合
物の微細粒子粉末の開発が切望されているのは以下のよ
うな理由によるものである。即ち、粒径が小さければ表
面エネルギーが高くなり、粒子の大きさが揃っていれば
成形時のパッキングがよくなって、焼結性が著しく改善
され、より低い温度で緻密で高強度なセラミックスが得
られるだけでなく、強誘電体としては最も高い比誘電率
の得られる0.5〜1μmのグレインサイズからなる焼
結体が得られると考えられているからである。
【0003】上記のような観点から、微粒子のTiO2
系ペロブスカイト型化合物粉末あるいはその製法が盛ん
に開発されているが、チタン酸バリウムについても同様
な試みが種々なされている。例えば、公開特許公報昭5
9−39726号公報には、チタン化合物の加水分解生
成物と水溶性バリウム塩とを強アルカリ水溶液中で反応
させてチタン酸バリウム微粒子を得る方法が開示されて
いる。しかしながら該製法では合成時に添加されるアル
カリを洗浄工程で除去し難く、該添加アルカリ成分が不
純物として合成粉末中へ混入するとの問題点だけではな
く、非平衡格子欠陥を含む為焼結体の誘電率が低いとの
問題点を有している。(山村博、白崎信一、高橋絃一
郎、高木実、日本化学会誌、7、1155〜1159、
(1974))。
【0004】公開特許公報昭60−81023号公報は
低温で焼結可能なチタン酸バリウム粉末として、平均粒
径が0.07〜0.5μm、比表面積が2〜15m2
g、粉末X線回折像のピークの半値幅から計算される結
晶子径が0.05μm以上0.5μm以下で、その形状
が球形状であるチタン酸バリウム粉末を開示しており、
該チタン酸バリウム粉末は、含水酸化チタン、水酸化バ
リウムおよび水を窒素雰囲気下で撹拌混合しつつ60℃
以上110℃未満に加熱することにより合成され、該粉
末を形成して焼結した場合、1200℃で焼結させるこ
とにより、相対密度が90%以上の焼結体が得られるし
ている。しかしながら、例えば、チタン酸バリウムを積
層コンデンサーに使用する場合、焼結に1200℃以上
を要することは、電極の焼付け温度を高め、電極コスト
を引き上げる原因になること、あるいは焼結性や温度特
性の関係で鉛を混入する場合に鉛の一部が蒸発して均一
な特性のものが得られない等の観点から、更に低い温度
で焼結可能なチタン酸バリウム粉末の開発が強く望まれ
ていた。
【0005】更に、上記のように、含水酸化チタンを水
酸化バリウム水溶液中で加熱する、いわゆる湿式法でチ
タン酸バリウムを合成する場合の最大の問題点は、固相
反応に比べて反応率が低い為化学量論組成のチタン酸バ
リウムを得がたいことである。化学量論組成のチタン酸
バリウムを再現性をよく得ようとすると合成時の反応率
をできるだけ高める必要があるが、この反応率を高くす
る手段として、含水酸化チタンと水酸化バリウムの混合
時の水を最小限に限定する、反応時の水酸化バリウムと
含水酸化チタンとの混合割合をBaO/TiO2(モル
比)で1よりも大きくする、あるいは高温高圧下で反応
させる等のいずれかの方法が講じられる。しかしなが
ら、このような手段を講じてもチタン酸バリウムの生成
反応は100%まで進行ぜす、反応終了後、未反応のB
aを除去する目的で該チタン酸バリウムを酢酸で洗浄し
ても、未反応のTiは酢酸に溶解し難く、酢酸処理後も
チタン酸バリウム粉末中に固体の状態で残存するため、
得られるチタン酸バリウム粉末の組成はTi過剰なもの
である。また、反応終了後未反応のBaを水または温水
洗浄で除去しようとしても未反応Baを反応生成物から
完全に除去することが難しく、この為、得られるチタン
酸バリウムの組成が各ロット毎に変動し焼結体のBaO
/TiO2(モル比)を自由に制御できず、従って、誘
電体セラミックスの原料として不適なチタン酸バリウム
粉末しか得られない。
【0006】公開特許公報昭60−90825号公報は
反応を完結する手段として、湿式反応生成物を1000
℃以下の温度でか焼する方法を開示している(公開特許
公報昭60−90825号公報実施例1参照)が、この
方法は化学量組成等の特定組成を有するチタン酸バリウ
ムを再現性をよく得るという目的に対しては有効な手段
とはなりえない。
【0007】公開特許公報昭61−31345号公報は
上記問題点を、水溶液中に溶存しているBa2+を水不溶
性の形にした後に濾過、水洗、乾燥する方法で解決でき
たと報告している。しかし、該公報により得られるチタ
ン酸バリウム粉末は見掛け上化学量組成を有しているも
のの、チタン酸バリウムの単一相ではなく、反応により
生成したチタン酸バリウム、未反応のチタン化合物およ
び水不溶化されたバリウム化合物の3相混合物である。
従って、該チタン酸バリウム粉末を焼結して得られるセ
ラミックスは、組成が不均一なものになり、このため異
常成長粒子を含む焼結体に成りやすく、物理的特性や電
気的特性のバラツキが多いという欠点があった。更に、
該チタン酸バリウムを合成する時の反応容器に高価な圧
力容器を使用しているので製造コストが高くなるのとの
問題点も有していた。
【0008】また、常圧湿式法で得られるチタン酸バリ
ウムは、固相反応で得られるチタン酸バリウムに比べ
て、反応が充分に進行しておらず、また結晶構造上、構
造水を多量に含んでいて、結晶性の悪いものしか得られ
ない。従って、常圧湿式法で得られたチタン酸バリウム
粒成長の起こらない温度でか焼して、薄膜セラミックス
原料として使用する時に、水系で分散、バインダーなど
の配合を行うと、該チタン酸バリウム中に混在している
水可溶性Baが水中に溶出する。この為チタン酸バリウ
ムを焼結させて得られるセラミックスは組成が不均一な
ものとなり、物理的特性や電気的特性のバラツキが多い
という欠点があった(公開特許公報WO91/0269
7号公報参照)。
【0009】公開特許公報WO91/02697号公報
は、常圧湿式法で得られた結晶性の悪いチタン酸バリウ
ムを結晶性の良好なチタン酸バリウム変換する方法とし
て、湿式法によりBaO/TiO2(モル比)が1.0
1〜1.40の組成のチタン酸バリウム粉末を合成後、
1000〜1100℃に加熱し、この後過剰のBaを酸
で溶解除去する方法を開示している。しかしながら、該
製法は特定組成、例えば化学量論組成のチタン酸バリウ
ムを再現性よく合成する手段としては好ましい方法では
ない。すなわち、BaO/TiO2(モル比)が1.0
1〜1.40の組成のチタン酸バリウムを1000〜1
100℃に加熱すると、反応生成物がチタン酸バリウム
(BaTiO3)とBa2TiO4との2相混合物に変化
し、次の酸処理工程でBa2TiO4中のBaは酸に溶解
し易く、Ba2TiO4中のTiは酸に溶解せず含水酸化
チタンとしてチタン酸バリウム中に残存するために、化
学量論組成のチタン酸バリウム粉末の組成を再現性よく
合成し難い。
【0010】尚、常圧下湿式反応法により得られるチタ
ン酸バリウムは立方晶のペロブスカイト構造を持ち、1
000℃以上に加熱処理しなければ室温で正方晶系の回
折図形を示さないとされている(久保輝一郎、加藤誠
軌、藤田恭、工業化学雑誌、71、114〜118(1
968))。また、湿式法によりチタン酸バリウムを合
成する場合のTiO2原料としては、その反応性の高さ
からオルトチタン酸が好ましいとされており(例えば、
特許公報平2−39541号公報久保輝一郎、神力喜
一、工業化学雑誌、59、891〜894、(195
6))、TiO2原料としてメタチタン酸を用いてチタ
ン酸バリウムを合成する場合には、メタチタン酸の反応
性が悪いため、チタン酸バリウム合成反応時の原料混合
割合を、オルトチタン酸源からチタン酸バリウムを合成
する場合よりも、よりBa過剰にする必要があると報告
されている(久保輝一郎、神力喜一、工業化学雑誌、5
9、891〜894、(1956))。また、金子正治
等は、メタチタン酸をTiO2原料に用いて水熱法によ
りチタン酸バリウムを合成した場合の300℃X2時間
における反応率は、原料の混合割合がBaO/TiO2
(モル比)で1.2の時に80%、同1.4の時に90
%であり、反応率に対する合成温度の影響が大きく、合
成温度が高くなる程反応率が高くなると報告している。
(金子正治、井本文夫、日本化学会誌、6、985〜9
90、(1975))。
【0011】発明が解決しようとする課題 以上のように、従来は、できるだけ低温で、高密度かつ
均一な焼結体を得るための原料粉末は、微細で分散性が
よく、粒径および形状が均一であることが重要であると
考えられており、この考えのもとに平均粒径が0.07
〜0.5μm、比表面積が2〜15m2/g、粉末X線
回折像のピークの半値幅から計算される結晶子径が0.
05μm以上0.5μm以下で、その形状が球形状であ
るチタン酸バリウム粉末が開発されていたが、この粉末
の焼結に1200℃以上の高い温度を必要とし、低温焼
結性が重要視される積層コンデンサー用原料粉末として
は好ましいものではなかった。また、常圧湿式法は微粒
子のチタン酸バリウム粉末を合成する方法としてはすぐ
れてはいるものの、特定組成、特に化学量論組成のチタ
ン酸バリウムを再現性よく合成する方法としては好まし
いものではなかった。更に、常圧湿式法で合成されたチ
タン酸バリウムは反応が充分に進行していない為、水系
で分散、バインダーなどの配合を行う時に該チタン酸バ
リウム中に存在する水可溶性Baが水中に溶出する。こ
の為該チタン酸バリウムから得られるセラミックスは、
組成が不均一なものとなり、物理的特性や電気的特性の
バラツキが多いという欠点をもつものであった。
【0012】課題を解決する手段 本発明者らは上記の課題を解決する為鋭意検討した結
果、結晶子径40〜60オングストロームのメタチタン
酸の水性スラリーに、水酸化バリウムBaOとして0.
35〜0.70モル/リットル、BaO/TiO2(モ
ル比)で1.3〜1.5の割合になるように添加混合し
た後、該スラリーを撹拌しながら沸点まで昇温した後、
該温度に0.5〜3時間保持し、次いで洗浄水の電気伝
導度が200〜150μS/cm▲▼まで洗浄すること
により、組成がBaO/TiO2(モル比)で0.99
7〜1.003、平均径が0.05〜0.2μmのチタ
ン酸バリウムが再現性よく得られ、該チタン酸バリウム
を形成して焼結した場合、相対密度が1100℃で90
%以上1130℃で95%以上になり、相対密度が95
%以上のセラミックスは室温において6000以上の高
い比誘電率を有すること、更に、該チタン酸バリウムを
炭酸ガス含有気体と接触させて該粒子表面に炭酸バリウ
ムを生成させたチタン酸バリウム粉末は、成形して焼結
した場合、相対密度が1100℃で90%以上1130
℃で95%以上になり、相対密度が95%以上のセラミ
ックスは室温において6000以上の高い比誘電率を有
するだけでなく、該チタン酸バリウム粉末を薄膜セラミ
ックス原料として使用する時に、水系で分散、バインダ
ーなどの配合を行っても、物理的特性や電気的特性のバ
ラツキが小さいセラミックスが得られること等の新たな
知見を見出し本発明を完成させたものである。
【0013】本発明は、平均粒径0.05〜0.2μ
m、組成がBaO/TiO2(モル比)で0.997〜
1.003、且つ粒子表面化炭酸バリウムで被覆されて
おり、易焼結性であり、且つ高比誘電率のセラミックス
が得られるチタン酸バリウム粉末およびその製造方法を
提供するものである。
【0014】本発明のチタン酸バリウムの平均粒径は
0.05〜0.2μmの範囲にある。即ち、平均径が
0.05μmよりも小さい場合には粉体が嵩高くなり焼
結向上に結びつかない。また、平均径が0.2μmより
も大きいときには焼結性に劣るだけでなく、室温におい
て6000以上の比誘電率を有するセラミックスを得る
ことが難しい。
【0015】本発明のチタン酸バリウムの組成はBaO
/TiO2(モル比)で0.997〜1.003の範囲
である。すなわち、チタン酸バリウムの組成が上記範囲
外にあるときは1100℃で90%以上の相対密度を有
するセラミックスを得ることができず、更に、室温にお
ける焼結体の比誘電率が6000以上にはならない。特
に、チタン酸バリウムの組成がBaO/TiO2(モル
比)で1.003よりも大きい場合には、セラミックス
中に生成するBa2TiO4の量が多くなり、このためセ
ラミックスが空気中の水分を吸収して崩れ易くなるとの
問題がある。
【0016】前述のように常圧下湿式法で合成されたチ
タン酸バリウムは、反応が充分に進行しておらず、更に
チタン酸バリウム自体の結晶性が悪い。従って、水系で
分散、バインダーなどの配合を行うと、該チタン酸バリ
ウム粉体中に水可溶性成分として混在しているBa分が
水に溶出して、該溶出Baが成形乾燥工程で析出するの
で、得られるセラミックスは、組成が不均一なものにな
り、物理的特性や電気的特性のバラツキが大きい。この
欠点を解消するため、本発明においては常圧下湿式法で
合成されたチタン酸バリウム粒子表面に存在する水可溶
性Ba成分を水への溶解度が小さい炭酸バリウムに変換
する。従って、本発明においてはチタン酸バリウム粒子
表面のすべてが炭酸バリウムで被覆されるのではなく、
水可溶性Ba成分の部分のみが炭酸バリウムに変換さ
れ、粒子表面に存在するのである。一般に、チタン酸バ
リウム中への炭酸塩の混在はチタン酸バリウムの焼結性
を阻害するとされているが、本発明のチタン酸バリウム
の場合には炭酸塩の量が少ないので表面に炭酸バリウム
を生成させることが焼結性を阻害することには繁がらな
いし、また、得られるセラミックスの電気的特性にも何
ら影響を与えないだけではなく、6000以上の比誘電
率を有するセラミックスを得るための焼成温度領域が広
くなり工業的な実施が有利になる。
【0017】本発明のチタン酸バリウム粉末は、結晶子
径40〜60オングストロームのメタチタン酸の水性ス
ラリーに、BaOとして0.35〜0.70モル/リッ
トル、BaO/TiO2(モル比)で1.3〜1.5に
なる量の水酸化バリウムを添加混合後、該スラリーを撹
拌しながら沸点まで昇温した後、該温度に0.5〜3時
間保持し、次いで洗浄水の電気伝導度が200〜150
μS/cmまで洗浄後、濾過乾燥し、この後炭酸ガス含
有気体中で炭酸ガスを吸着させることを特徴とする製造
方法により合成される。
【0018】本発明において、TiO2原料としては、
アナターゼの(101)面に該当する回折線から計算さ
れる結晶子径が40〜60オングストロームのメタチタ
ン酸が有効に使用される。即ち、オルトチタン酸や該結
晶子径が30μmよりも小さい含水酸化チタンをTiO
2原料に使用すると、反応生成物の組成がBaO/Ti
2(モル比)で1.003よりも大きくなり易く、好
ましい組成領域、即ち、BaO/TiO2(モル比)で
0.997〜1.003の組成範囲の反応生成物を再現
性よく得ることが難しい。反応温度および反応時間を調
節することにより上記範囲の反応生成物を得ることも可
能であるが、ロット毎の反応生成物の組成のバラツキが
大きく工業的製法として問題がある。BaO/TiO2
(モル比)で1.003よりも大きい組成を有する反応
生成物を、次の洗浄工程で水や酸を使用して繰り返し洗
浄することにより上記範囲の組成を持つ反応生成物とす
ることも出来るが、操作の再現性に乏しいだけではな
く、この様な操作により得られたチタン酸バリウム粉末
は焼結性が悪く、焼結体の相対密度を90%以上にする
ために1200℃以上の高温を必要とする。更に、この
ような操作を施すことにより得られたチタン酸バリウム
粉末の焼結体の室温における比誘電率の値は、その焼結
体の相対密度が95%以上であっても4000を越える
ことはない。
【0019】60オングストロームを越える結晶子径を
持つメタチタン酸をTiO2原料に使用した場合には、
該メタチタン酸の反応性が悪いため反応生成物をBaO
/TiO2(モル比)で0.997以上に調整するに
は、原料混合物のBaO/TiO2(モル比)を大きく
し、且つ長時間の反応を必要とするだけではなく、反応
生成物中に存在する水可溶性のBaが次の洗浄工程で離
脱しやすいためにBaO/TiO2(モル比)で0.9
97以上の組成を持つ反応生成物を再現性よく得難い。
【0020】本発明において、TiO2原料として用い
られるアナターゼの(101)面に該当する回折線から
計算される結晶子径が40〜60オングストロームのメ
タチタン酸は、公知の方法で得られたオルトチタン酸や
メタチタン酸のスラリーを室温に放置したり、あるいは
加熱熟成することにより容易に得られる。メタチタン酸
の結晶子径は、アナターゼの(101)面回折線の半価
幅を測定し、石英の回折線の半価幅でWarrenの補
正をしたScherrerの式により算出する。メタチ
タン酸の半価幅の測定はメタチタン酸スラリーを濾過し
てケーキ状にし、乾燥せずに測定する。この理由は、乾
燥すると結晶子径が大きくなり反応に使用するメタチタ
ン酸原料本来の結晶子径が測定できないからである。
【0021】本発明で用いられる水酸化バリウムは、一
般に結晶水を含む白色固体であるが、これらはそのまま
使用してもよく、また、あらかじめ水に溶かして用いて
もよい。水酸化バリウムは空気中の二酸化炭素と容易に
反応して炭酸バリウムとなるが、炭酸バリウムは水に対
する溶解度が小さいためチタン酸バリウムの生成反応の
系外に存在する形となるので好ましくない。また、洗浄
後も反応生成物中に残存するため反応生成物の組成を前
記組成範囲に調整することが難しくなる。更に、水酸化
バリウム水溶液中で生成する炭酸バリウムは、チタン酸
バリウム粒子とは別の炭酸バリウム単独の粒子として成
長するためチタン酸バリウム粉末の組成の不均一性に繋
がるので好ましくない。従って、水酸化バリウムは、反
応に供する前に充分精製して炭酸バリウムを除去するだ
けではなく、チタン酸バリウム生成反応中および反応後
の洗浄工程においても水酸化バリウム水溶液が二酸化炭
素と接触しないように注意する必要がある。尚、水酸化
バリウムの精製は公知の方法でおこなえば充分であり、
チタン酸バリウムの合成反応および洗浄は窒素雰囲気下
で操作すればよい。
【0022】メタチタン酸と水酸化バリウムの混合割合
はBaO/TiO2(モル比)で1.3〜1.5であ
る。即ち、該混合割合がBaO/TiO2(モル比)で
1.3よりも小さい場合にはBaO/TiO2(モル
比)で0.997以上の組成を持つ反応生成物を得る為
に長い反応時間を必要とするのみならず、得られる反応
生成物のロット毎の組成のバラツキが大きくなるので好
ましくない。また、該混合割合がBaO/TiO2(モ
ル比)で1.5よりも大きい場合には反応生成物の組成
がBaO/TiO2(モル比)で1.003よりも大き
くなり易く、BaO/TiO2(モル比)で0.997
〜1.003の組成範囲の反応生成物を安定して得るこ
とが難しい。また、BaO/TiO2(モル比)で1.
003よりも大きい組成を有する反応生成物を、次の洗
浄工程で水や酸を使用して繰り返し洗浄することにより
上記範囲の組成を持つ反応生成物とすることも出来る
が、操作の再現性に乏しいだけではなく、この様な操作
により得られたチタン酸バリウム粉末は焼結性が悪く、
焼結体の相対密度を90%以上にするために1200℃
以上の高温を必要とする。更に、このような操作をほど
こすことにより得られたチタン酸バリウム粉末の焼結体
の室温における比誘電率の値は、その焼結体の相対密度
が95%以上であっても4000を越えることはない。
【0023】水酸化バリウムの濃度は、BaOとして
0.35〜0.70モル/リットルの範囲が好ましい。
即ち、該濃度が0.35モル/リットルよりも小さい場
合にはBaO/TiO2(モル比)で0.997以上の
組成を持つ反応生成物を得る為に長い反応時間を必要と
するのみならず、得られる反応生成物のロット毎の組成
のバラツキが大きくなるので好ましくない。更に、合成
されるチタン酸バリウムの粒径が0.2μmよりも大き
くなり、このような粒径を持つチタンバリウム粉末は、
例えその組成がBaO/TiO2(モル比)で0.99
7〜1.003の組成範囲にあっても、1100℃で9
0%以上の相対密度を有する焼結体とすることができな
い。また、該濃度が0.70モル/リットルよりも大き
い場合には反応生成物の組成がBaO/TiO2(モル
比)で1.003よりも大きくなり易く、BaO/Ti
2(モル比)で0.997〜1.003の組成範囲の
反応生成物を安定して得ることが難しい。また、BaO
/TiO2(モル比)で1.003よりも大きい組成を
有する反応生成物を、次の洗浄工程で水や酸を使用して
繰り返し洗浄することにより上記範囲の組成を持つ反応
生成物とすることも出来るが、操作の再現性に乏しいだ
けではなく、この様な操作により得られたチタン酸バリ
ウム粉末は焼結性が悪く、焼結体の相対密度を90%以
上にするために1200℃以上の高温を必要とする。更
に、このような操作をほどこすことにより得られたチタ
ン酸バリウム粉末の焼結体の室温における比誘電率の値
は、その焼結体の相対密度が95%以上であっても40
00を越えることはない。
【0024】本発明により合成されるチタン酸バリウム
粉末の大きさは、メタチタン酸スラリーの濃度およびメ
タチタン酸スラリーに水酸化バリウムを添加混合後のス
ラリーの昇温速度等により変化し、大きい粒子径のチタ
ン酸バリウムを得ようとすると、メタチタン酸スラリー
の濃度を薄く、かつメタチタン酸スラリーに水酸化バリ
ウムを添加混合後のスラリーの昇温速度を遅くすること
で目的を達成できる。また、メタチタン酸スラリーの液
温を60℃よりも高くして、所定量の水酸化バリウムを
分割添加する方法でも合成されるチタン酸バリウムの粒
子径を大きくすることができる。
【0025】反応生成物の洗浄の程度は得られる生成物
の組成と密接に関係する。即ち、洗浄水の電気伝導度が
200μS/cm▲▼以上の領域で洗浄を止めると得ら
れる生成物の組成がBaO/TiO2(モル比)で1.
003よりも大きくなり、洗浄水の電気伝導度が150
μS/cm▲▼よりも小さい領域まで洗浄すると生成物
の組成はBaO/TiO2(モル比)で0.997より
も小さくなる。洗浄には水または温水を使用しうるが、
酸は使用できない。即ち、洗浄に酸を使用すると、チタ
ン酸バリウム中のBaが離脱しすぎる為BaO/TiO
2(モル比)で0.997以下の組成物しか得られな
い。また、洗浄操作は、濾過器を使用する方法ではな
く、デカンテーションを繰り返し行う操作が望ましい。
【0026】以上のような条件下で合成されたチタン酸
バリウムの結晶構造は立方晶であり、X線回折では立方
晶チタン酸バリウムの単一相しか同定されないが、反応
が充分進行してはおらず、チタン酸バリウム自体の結晶
性が悪いので、水に対するチタン酸バリウム粉末中のB
aの溶解度が大きい。従って、該チタン酸バリウム粉末
セラミックス原料として使用する時に、水系で分散、バ
インダー等の配合を行うと、該チタン酸バリウムから水
に溶解したBa成分が、成形乾燥工程で析出し、セラミ
ックス中に偏析する。従って、得られるセラミックスは
組成が不均一なものになり、物理的特性や電気的特性の
バラツキが多いという欠点をもつ。この欠点を持たない
セラミックスが得られるように、該チタン酸バリウムへ
の炭酸ガスの吸着処理を施す。この炭酸ガス吸着処理
は、該チタン酸バリウムを炭酸ガス含有気体、例えば空
気、炭酸ガス等と接触させることで容易になされる。こ
の際に、湿度の高い炭酸ガス含有気体を用いた方がより
短時間で効果的に処理を施すことができる。従って、乾
燥時の水分のキャリアーガスとして炭酸ガス含有気体を
使用することも効果的な処理法である。しかしながら、
水溶液中に溶解しているBa2+量が多い時、例えば反応
終了時のスラリー、あるいは洗浄の初期段階のスラリー
等と炭酸ガス含有気体を接触させると、チタン酸バリウ
ム粒子表面以外の場所に炭酸バリウムの単一粒子が生成
し、組成の不均一化の原因になるだけではなく、反応生
成物の組成の制御が難しくなるので好ましくない。尚、
この炭酸ガス処理により、チタン酸バリウム粒子表面に
炭酸バリウムが形成され、炭酸ガス含有量0.1〜0.
4%程度となる。
【0027】本発明で得られるチタン酸バリウムは、8
00℃に加熱することにより、正方晶のチタン酸バリウ
ムに変換することができ、この変換温度は、従来、常圧
下湿式合成法でえられたチタン酸バリウムで報告されて
いる変換温度1000℃よりも200℃低く、また、こ
の変換温度は炭酸ガス処理の前後で特に変化しない。
【0028】尚、常圧下湿式合成法で得られたチタン酸
バリウムは、立方晶ペロブスカイト構造を持ち、その格
子定数の値は反応体(TiO2)の履歴や製造条件によ
ってa0=4.02〜4.05オングストローム程度の
変動が認められると報告されている(久保輝一郎、加藤
誠軌、藤田恭、工業化学雑誌、71、114〜118
(1968))が、本発明で合成されるチタン酸バリウ
ムの格子定数の値は、200℃での乾燥品a0=4.0
25〜4.030オングストローム、700℃加熱品で
0=4.004〜4.008オングストロームであ
る。また、(111)面の回折線の半値幅を測定し、石
英の回折線の半値幅でWarrenの補正をしたSch
errerの式により算出されるチタン酸バリウムの結
晶子径は0.04〜0.06μmである。
【0029】以下に実施例をあげて本発明を更に詳細に
説明する。以下の実施例は単に例示の為に記すものであ
り、発明の範囲がこれらによって制限されるものではな
い。なお、以下の例において、BaTiO3換算として
示されている水酸化バリウムの値に、BaO/TiO2
(モル比)の値を乗ずれば、BaOとしての水酸化バリ
ウムの量となる。
【0030】実施例1 硫酸チタニル水溶液にアンモニア水を室温で滴下後、水
洗してオルトチタン酸を得た。該オルトチタン酸スラリ
ーを60℃で50時間加熱熟成してアナターゼ(10
1)面に該等するX線の回折線から計算される結晶子径
が50オングストローム、含水率が91%のメタチタン
酸を得た。該メタチタン酸533g(0.6mol)を
SUS製反応容器に入れ、窒素ガスを吹き込み20分間
放置し反応容器中を窒素ガス置換した。Ba(OH)
・8HO(純度97.88%)251g(0.78m
ol)を加え、更に蒸留水を加えて0.3mol/リッ
トル(BaTiO換算)、BaO/TiO(モル
比)1.30のスラリーに調整した。窒素雰囲気中で該
スラリーを沸点まで昇温速度100℃/Hで昇温し、沸
点で3時間反応を行った。反応後30℃まで冷却し、窒
素雰囲気下において上澄み液の電気伝導度が180μS
/cmになるまでデカンテーションにより洗浄した後、
濾過した。得られたケーキを110℃で5時間真空乾燥
した。該生成物をX線回折により調べたところ、チタン
酸バリウムの単一相であることがわかった。また電子顕
微鏡下での観察でもチタン酸バリウム以外の粒子は特に
認められなかった。該粉末を相対湿度100%の炭酸ガ
ス雰囲気中に5時間放置後、X線回折により調べたとこ
ろ、チタン酸バリウム以外に炭酸バリウムが同定され
た。しかし電子顕微鏡下ではチタン酸バリウム以外の粒
子は特に観察されなかった。得られたチタン酸バリウム
微粉末のBaO/TiO(モル比)は0.998であ
り、電子顕微鏡写真より測定される平均粒径は0.09
8μmであった。またX線回折によりこのチタン酸バリ
ウムは立方晶であることが判明した。該チタン酸バリウ
ム微粉末にポリビニルブチラール固形分1.0wt%と
なる様にポリビニルブチラールのエタノール溶液を添加
し、造粒した。この造粒物を1t/cmの圧力で加圧
成形してグリーン成形体とした。該グリーン成形体を電
気炉中500℃で4時間保ってポリビニルブチラールを
熱分解させ、その後昇温速度100℃/Hで1150℃
まで昇温し2時間焼成した。該焼結体の相対密度は97
%であり、比誘電率は6300であった。また、同様の
操作で焼成温度を変えて焼結体を作製したところ、11
20℃〜1200℃の広範囲で該焼結体の比誘電率は6
000以上(6100〜6500)を示した。 実施例2 実施例1と同様の方法で得たアナターゼ(101)面に
該等するX線の回折線から計算される結晶子径が48オ
ングストロームの含水率91%メタチタン酸710g
(0.8mol)をSUS製反応容器に入れ、窒素ガス
を吹き込み20分間放置し反応容器中を窒素ガス置換し
た。Ba(OH)・8HO(純度97.88%)3
35g(1.04mol)を加え、更に蒸留水を加えて
0.4mol/リットル(BaTiO換算)、BaO
/TiO(モル比)1.30のスラリーに調整した。
窒素雰囲気中で該スラリーを沸点まで昇温速度93℃/
Hで昇温し、沸点で3時間反応を行った。反応後30℃
まで冷却し、窒素雰囲気下において上澄み液の電気伝導
度が185μS/cmになるまでデカンテーションによ
り洗浄した後、濾過した。得られたケーキを110℃で
5時間真空乾燥した。該生成物をX線回折により調べた
ところ、チタン酸バリウムの単一相であることがわかっ
た。また電子顕微鏡下での観察でもチタン酸バリウム以
外の粒子は特に認められなかった。該粉末を相対湿度1
00%の炭酸ガス雰囲気中に5時間放置後、X線回折に
より調べたところ、チタン酸バリウム以外に炭酸バリウ
ムが同定された。しかし電子顕微鏡下での観察ではチタ
ン酸バリウム以外の粒子は特に観察されなかった。得ら
れたチタン酸バリウム微粉末のBaO/TiO(モル
比)は0.999であり、電子顕微鏡写真より測定され
る平均粒径は0.087μmであった。実施例1と同様
にしてグリーン成形体を作製し、1130℃で2時間焼
成した。該焼結体の相対密度は96%であり、比誘電率
は6200であった。
【0031】実施例3 アナターゼ(101)面に該等するX線の回折線から計
算される結晶子径が54オングストロームの含水率93
%メタチタン酸685g(0.6mol)をSUS製反
応容器に入れ、窒素ガスを吹き込み20分間放置し反応
容器中を窒素ガス置換した。Ba(OH)・8H
(純度97.88%)271g(0.84mol)を加
え、更に蒸留水を加えて0.3mol/リットル(Ba
TiO換算)、BaO/TiO(モル比)1.40
のスラリーに調整した。窒素雰囲気中で該スラリーを沸
点まで昇温速度95℃/Hで昇温し、沸点で2時間反応
を行った。反応後30℃まで冷却し、窒素雰囲気下にお
いて上澄み液の電気伝導度が175μS/cmになるま
でデカンテーションにより洗浄した後、濾過した。得ら
れたケーキを110℃で5時間真空乾燥した。該生成物
をX線回折により調べたところ、チタン酸バリウムの単
一相であることがわかった。該粉末を相対湿度100%
の炭酸ガス雰囲気中に6時間放置後、X線回折により調
べたところ、チタン酸バリウム以外に炭酸バリウムが同
定された。しかし電子顕微鏡下での観察では、チタン酸
バリウム以外の粒子は特に観察されなかった。得られた
チタン酸バリウム微粉末のBaO/TiO(モル比)
は1.001であり、電子顕微鏡写真より測定される平
均粒径は0.095μmであった。実施例2と同様にし
て焼結体を作製した。該焼結体の相対密度は95%であ
り、比誘電率は6000であった。
【0032】実施例4 アナターゼ(101)面に該等するX線の回折線から計
算される結晶子径が52オングストロームの含水率92
%メタチタン酸999g(1.0mol)をSUS製反
応容器に入れ、窒素ガスを吹き込み20分間放置し反応
容器中を窒素ガス置換した。Ba(OH)・8H
(純度97.88%)419g(1.30mol)を加
え、更に蒸留水を加えて0.5mol/リットル(Ba
TiO換算)、BaO/TiO(モル比)1.30
のスラリーに調整した。窒素雰囲気中で該スラリーを沸
点まで昇温速度90℃/Hで昇温し、沸点で2時間反応
を行った。反応後30℃まで冷却し、窒素雰囲気下にお
いて上澄み液の電気伝導度が170μS/cmになるま
でデカンテーションにより洗浄した後、濾過した。得ら
れたケーキを110℃で5時間真空乾燥した。該生成物
をX線回折により調べたところ、チタン酸バリウムの単
一相であることがわかった。また電子顕微鏡下での観察
でもチタン酸バリウム以外の粒子は特に観察されなかっ
た。該粉末を相対湿度100%の炭酸ガス雰囲気中に4
時間放置後、X線回折により調べたところ、チタン酸バ
リウム以外に炭酸バリウムが同定された。しかし電子顕
微鏡下での観察ではチタン酸バリウム以外の粒子は特に
観察されなかった。得られたチタン酸バリウム微粉末の
BaO/TiO(モル比)は0.997であり、電子
顕微鏡写真より測定される平均粒径は0.074μmで
あった。実施例1と同様にしてグリーン成形体を作製
し、1200℃で2時間焼成した。該焼結体の相対密度
は93%であり、比誘電率は6200であった。
【0033】実施例5 アナターゼ(101)面に該等するX線の回折線から計
算される結晶子径が49オングストロームの含水率91
%メタチタン酸533g(0.6mol)をSUS製反
応容器に入れ、窒素ガスを吹き込み20分間放置し反応
容器中を窒素ガス置換した。Ba(OH)・8H
(純度97.88%)251g(0.78mol)を加
え、更に蒸留水を加えて0.3mol/リットル(Ba
TiO換算)、BaO/TiO(モル比)1.30
のスラリーに調整した。窒素雰囲気中で該スラリーを沸
点まで昇温速度63℃/Hで昇温し、沸点で2時間反応
を行った。反応後30℃まで冷却し、窒素雰囲気下にお
いて上澄み液の電気伝導度が180μS/cmになるま
でデカンテーションにより洗浄した後、濾過した。得ら
れたケーキを110℃で5時間真空乾燥した。該生成物
をX線回折により調べたところ、チタン酸バリウムの単
一相であることがわかった。また電子顕微鏡下での観察
でもチタン酸バリウム以外の粒子は特に観察されなかっ
た。該粉末を相対湿度100%の炭酸ガス雰囲気中に1
0時間放置後、X線回折により調べたところ、チタン酸
バリウム以外に炭酸バリウムが同定された。しかし電子
顕微鏡下での観察ではチタン酸バリウム以外の粒子は特
に観察されなかった。得られたチタン酸バリウム微粉末
のBaO/TiO(モル比)は0.999であり、電
子顕微鏡写真より測定される平均粒径は0.162μm
であった。実施例2と同様な条件で焼結体を作製した。
該焼結体の相対密度は93%であり、比誘電率は600
0であった。
【0034】実施例6 アナターゼ(101)面に該等するX線の回折線から計
算される結晶子径が51オングストロームの含水率91
%メタチタン酸533g(0.6mol)をSUS製反
応容器に入れ、窒素ガスを吹き込み20分間放置し反応
容器中を窒素ガス置換した。Ba(OH)・8H
(純度97.88%)251g(0.78mol)を加
え、更に蒸留水を加えて0.3mol/リットル(Ba
TiO換算)、BaO/TiO(モル比)1.30
のスラリーに調整した。窒素雰囲気中で該スラリーを沸
点まで昇温速度81℃/Hで昇温し、沸点で2時間反応
を行った。反応後30℃まで冷却し、窒素雰囲気下にお
いて上澄み液の電気伝導度が175μS/cmになるま
でデカンテーションにより洗浄した後、濾過した。得ら
れたケーキを110℃で5時間真空乾燥した。該生成物
をX線回折により調べたところ、チタン酸バリウムの単
一相であることがわかった。また電子顕微鏡下での観察
でもチタン酸バリウム以外の粒子は特に観察されなかっ
た。該粉末を相対湿度100%の炭酸ガス雰囲気中に3
時間放置後、X線回折により調べたところ、チタン酸バ
リウム以外に炭酸バリウムが同定された。しかし電子顕
微鏡下での観察ではチタン酸バリウム以外の粒子は特に
観察されなかった。得られたチタン酸バリウム微粉末の
BaO/TiO(モル比)は1.000であり電子顕
微鏡写真より測定される平均粒径は0.135μmであ
った。実施例2と同様な条件で焼結体を作製した。該焼
結体の相対密度は94%であり、比誘電率は6100で
あった。
【0035】比較例1 四塩化チタン水溶液にアンモニア水を室温で滴下後水洗
して含水率89%のオルトチタン酸を得た。このオルト
チタン酸0.6molをSUS製反応容器に入れ、窒素
ガスを吹き込み20分間放置し反応容器中を窒素ガス置
換した。Ba(OH)・8HO(純度97.88
%)251g(0.78mol)を加え、更に蒸留水を
加えて0.3mol/リットル(BaTiO換算)、
BaO/TiO(モル比)1.30のスラリーに調整
した。窒素雰囲気中で該スラリーを沸点まで昇温速度9
7℃/Hで昇温し、沸点で2時間反応を行った。反応後
30℃まで冷却し、窒素雰囲気下において上澄み液の電
気伝導度が135μS/cmになるまでデカンテーショ
ンにより洗浄した後、濾過した。得られたケーキを11
0℃で5時間真空乾燥した。該生成物をX線回折により
調べたところ、チタン酸バリウムの単一相であることが
わかった。また電子顕微鏡下での観察でもチタン酸バリ
ウム以外の粒子は特に観察されなかった。該粉末を相対
湿度100%の炭酸ガス雰囲気中に10時間放置後、X
線回折により調べたところ、チタン酸バリウム以外に炭
酸バリウムが同定された。しかし電子顕微鏡下での観察
ではチタン酸バリウム以外の粒子は特に観察されなかっ
た。得られたチタン酸バリウム微粉末のBaO/TiO
(モル比)は1.009であり、電子顕微鏡写真より
測定される平均粒径は0.157μmであった。実施例
1と同様な方法でグリーン成形体を作製し、1100℃
で2時間焼成した。該焼結体の相対密度は91%であっ
た。比誘電率は研磨時に焼結体が崩れたため測定できな
かった。
【0036】比較例2 硫酸チタニル水溶液にアンモニア水を室温で滴下後水洗
して含水率86%のオルトチタン酸を得た。このオルト
チタン酸0.6molをSUS製反応容器に入れ、窒素
ガスを吹き込み20分間放置し反応容器中を窒素ガス置
換した。Ba(OH)・8HO(純度97.88
%)251g(0.78mol)を加え、更に蒸留水を
加えて0.3mol/リットル(BaTiO換算)、
BaO/TiO(モル比)1.30のスラリーに調整
した。窒素雰囲気中で該スラリーを沸点まで昇温速度9
0℃/Hで昇温し、沸点で2時間反応を行った。反応後
30℃まで冷却し、窒素雰囲気下において上澄み液の電
気伝導度が165μS/cmになるまでデカンテーショ
ンにより洗浄した後、濾過した。得られたケーキを11
0℃で5時間真空乾燥した。該生成物をX線回折により
調べたところ、チタン酸バリウムの単一相であることが
わかった。また電子顕微鏡下での観察でもチタン酸バリ
ウム以外の粒子は特に観察されなかった。該粉末を相対
湿度100%の炭酸ガス雰囲気中に5時間放置後、X線
回折により調べたところ、チタン酸バリウムのピーク以
外に炭酸バリウムのピークが認められた。しかし電子顕
微鏡下での観察ではチタン酸バリウム以外の粒子は特に
観察されなかった。得られたチタン酸バリウム微粉末の
BaO/TiO(モル比)は1.011であり、電子
顕微鏡写真より測定される平均粒径は0.145μmで
あった。比較例1と同様な条件で焼結体を作製した。該
焼結体の相対密度は91%であった。比誘電率は研磨時
に焼結体が崩れたため測定できなかった。
【0037】比較例3 比較例2で得られたオルトチタン酸に水を加え60℃で
2時間加熱熟成し、結晶子径35オングストローム、含
水率92%のメタチタン酸を得た。このメタチタン酸5
99g(0.6mol)をSUS製反応容器に入れ、窒
素ガスを吹き込み20分間放置し反応容器中を窒素ガス
置換した。Ba(OH)・8HO(純度97.88
%)251g(0.78mol)を加え、更に蒸留水を
加えて0.3mol/リットル(BaTiO換算)、
BaO/TiO(モル比)1.30のスラリーに調整
した。窒素雰囲気中で該スラリーを沸点まで昇温速度8
8℃/Hで昇温し、沸点で2時間反応を行った。反応後
30℃まで冷却し、窒素雰囲気下において上澄み液の電
気伝導度が160μS/cmになるまでデカンテーショ
ンにより洗浄した後、濾過した。得られたケーキを11
0℃で5時間真空乾燥した。該生成物をX線回折により
調べたところ、チタン酸バリウムの単一相であることが
わかった。また電子顕微鏡下での観察でもチタン酸バリ
ウム以外の粒子は特に観察されなかった。該粉末を相対
湿度100%の炭酸ガス雰囲気中に5時間放置後、X線
回折により調べたところ、チタン酸バリウム以外に炭酸
バリウムが同定された。しかし電子顕微鏡下での観察で
はチタン酸バリウム以外の粒子は特に観察されなかっ
た。得られたチタン酸バリウム微粉末のBaO/TiO
(モル比)は1.001であり、電子顕微鏡写真より
測定される平均粒径は0.112μmであった。比較例
1と同様な条件で焼結体を作製した。該焼結体の相対密
度は94%であり、比誘電率は4500であった。
【0038】比較例4 含水率93%オルトチタン酸0.5molを水1リット
ルと共にSUS製反応容器に入れ、窒素ガスを吹き込み
20分間放置し反応容器中を窒素ガス置換した。更に窒
素ガスを流しながら24時間放置した。一方、Ba(O
H)・8HO(純度97.88%)331g(1.
03mol)を100℃の水1リットルに溶解して加
え、炭酸バリウム除去のため濾過し、濾液を窒素ガス中
で先の反応容器に入れた。窒素雰囲気中で該スラリーを
オイルバスで100℃、4時間加熱して反応を行った。
反応終了後、約5分間放置し、上澄み液を除去し、更に
熱水2リットルを加えて撹拌洗浄後濾過した。この洗
浄、濾過の操作を3回繰り返し、合計6リットルの熱水
で洗浄後、空気中100℃で20時間乾燥して白色粉末
を得た。この粉末を空気中、800℃で2時間焼成した
後、1N酢酸0.5リットルで洗浄し、濾過して更に純
水で洗浄、濾過を3回繰り返した。得られたチタン酸バ
リウム微粉末のBaO/TiO(モル比)1.018
であり、電子顕微鏡写真より測定される平均粒径は0.
156μmであった。またX線回折により該チタン酸バ
リウムは立方晶であることが判明した。実施例1と同様
な条件で焼結体を作製した。該焼結体の相対密度は78
%であり、比誘電率は研磨時に焼結体が崩れたため測定
できなかった。
【0039】比較例5 アナターゼ(101)面に該等するX線の回折線から計
算される結晶子径が68オングストロームの含水率91
%メタチタン酸533g(0.6mol)をSUS製反
応容器に入れ、窒素ガスを吹き込み20分間放置し反応
容器中を窒素ガス置換した。Ba(OH)・8H
(純度97.88%)251g(0.78mol)を加
え、更に蒸留水を加えて0.3mol/リットル(Ba
TiO換算)、BaO/TiO(モル比)1.30
のスラリーに調整した。窒素雰囲気中で該スラリーを沸
点まで昇温速度96℃/Hで昇温し、沸点で3時間反応
を行った。反応後30℃まで冷却し、窒素雰囲気下にお
いて上澄み液の電気伝導度が180μS/cmになるま
でデカンテーションにより洗浄した後、濾過した。得ら
れたケーキを110℃で5時間真空乾燥した。該生成物
をX線回折により調べたところ、チタン酸バリウムの単
一相であることがわかった。また電子顕微鏡下での観察
でもチタン酸バリウム以外の粒子は特に観察されなかっ
た。該粉末を相対湿度100%の炭酸ガス雰囲気中に5
時間放置後、X線回折により調べたところ、チタン酸バ
リウム以外に炭酸バリウムが同定された。しかし電子顕
微鏡下での観察ではチタン酸バリウム以外の粒子は特に
観察されなかった。得られたチタン酸バリウム微粉末の
BaO/TiO(モル比)は0.983であり、電子
顕微鏡写真より測定される平均粒径は0.170μmで
あった。実施例1と同様な条件で焼結体を作製した。該
焼結体の相対密度は85%であり、比誘電率は3500
であった。
【0040】比較例6 アナターゼ(101)面に該等するX線の回折線から計
算される結晶子径が68オングストロームの含水率91
%メタチタン酸533g(0.6mol)をSUS製反
応容器に入れ、窒素ガスを吹き込み20分間放置し反応
容器中を窒素ガス置換した。Ba(OH)・8H
(純度97.88%)387g(1.20mol)を加
え、更に蒸留水を加えて0.3mol/リットル(Ba
TiO換算)、BaO/TiO(モル比)2.00
のスラリーに調整した。窒素雰囲気中で該スラリーを沸
点まで昇温速度94℃/Hで昇温し、沸点で3時間反応
を行った。反応後30℃まで冷却し、窒素雰囲気下にお
いて上澄み液の電気伝導度が170μS/cmになるま
でデカンテーションにより洗浄した後、濾過した。得ら
れたケーキを110℃で5時間真空乾燥した。該生成物
をX線回折により調べたところ、チタン酸バリウムの単
一相であることがわかった。また電子顕微鏡下での観察
でもチタン酸バリウム以外の粒子は特に観察されなかっ
た。該粉末を相対湿度100%の炭酸ガス雰囲気中に5
時間放置後、X線回折により調べたところ、チタン酸バ
リウム以外に炭酸バリウムが同定された。しかし電子顕
微鏡下での観察ではチタン酸バリウム以外の粒子は特に
観察されなかった。得られたチタン酸バリウム微粉末の
BiO/TiO(モル比)は1.001であり、電子
顕微鏡写真より測定される平均粒径は0.188μmで
あった。実施例1と同様な条件で焼結体を作製した。該
焼結体の相対密度は91%であり、比誘電率は3500
であった。また、同様の方法で合成反応を行ったとこ
ろ、得られたチタン酸バリウム微粉末のBaO/TiO
(モル比)は1.006,0.994,0.998と
バラツキが大きく、再現性に乏しかった。
【0041】比較例7 アナターゼ(101)面に該等するX線の回折線から計
算される結晶子径が55オングストロームの含水率93
%メタチタン酸685g(0.6mol)をSUS製反
応容器に入れ、窒素ガスを吹き込み20分間放置し反応
容器中を窒素ガス置換した。Ba(OH)・8H
(純度97.88%)193g(0.60mol)を加
え、更に蒸留水を加えて0.3mol/リットル(Ba
TiO換算)、BaO/TiO(モル比)1.00
のスラリーに調整した。窒素雰囲気中で該スラリーを沸
点まで昇温速度89℃/Hで昇温し、沸点で5時間反応
を行った。反応後30℃まで冷却し、窒素雰囲気下にお
いて上澄み液の電気伝導度が160μS/cmになるま
でデカンテーションにより洗浄した後、濾過した。得ら
れたケーキを110℃で5時間真空乾燥した。該生成物
をX線回折により調べたところ、チタン酸バリウムの単
一相であることがわかった。また電子顕微鏡下での観察
でもチタン酸バリウム以外の粒子は特に観察されなかっ
た。該粉末を相対湿度100%の炭酸ガス雰囲気中に5
時間放置後、X線回折により調べたところ、チタン酸バ
リウム以外に炭酸バリウムが同定された。しかし電子顕
微鏡下での観察ではチタン酸バリウム以外の粒子は特に
観察されなかった。得られたチタン酸バリウム微粉末の
BaO/TiO(モル比)は0.981であり、電子
顕微鏡写真より測定される平均粒径は0.121μmで
あった。実施例1と同様な条件で焼結体を作製した。該
焼結体の相対密度は83%であり、比誘電率は2500
であった。
【0042】比較例8 アナターゼ(101)面に該等するX線の回折線から計
算される結晶子径が55オングストロームの含水率91
%メタチタン酸533g(0.6mol)をSUS製反
応容器に入れ、窒素ガスを吹き込み20分間放置し反応
容器中を窒素ガス置換した。Ba(OH)・8H
(純度97.88%)348g(1.08mol)を加
え、更に蒸留水を加えて0.3mol/リットル(Ba
TiO換算)、BaO/TiO(モル比)1.80
のスラリーに調整した。窒素雰囲気中で該スラリーを沸
点まで昇温速度93℃/Hで昇温し、沸点で3時間反応
を行った。反応後30℃まで冷却し、窒素雰囲気下にお
いて上澄み液の電気伝導度が190μS/cmになるま
でデカンテーションにより洗浄した後、濾過した。得ら
れたケーキを110℃で5時間真空乾燥した。該生成物
をX線回折により調べたところ、チタン酸バリウムの単
一相であることがわかった。また電子顕微鏡写真での観
察でもチタン酸バリウム以外の粒子は特に観察されなか
った。該粉末を相対湿度100%の炭酸ガス雰囲気中に
5時間放置後、X線回折により調べたところ、チタン酸
バリウム以外に炭酸バリウムが同定された。しかし電子
顕微鏡下での観察ではチタン酸バリウム以外の粒子は特
に観察されなかった。得られたチタン酸バリウム微粉末
のBaO/TiO(モル比)は1.011であり、電
子顕微鏡写真より測定される平均粒径は0.099μm
であった。実施例1と同様な方法で焼結体を作製した。
該焼結体の相対密度は89%であった。比誘電率は研磨
時に焼結体が崩れたため測定できなかった。
【0043】比較例9 アナターゼ(101)面に該等するX線の回折線から計
算される結晶子径が50オングストロームの含水率91
%メタチタン酸178g(0.2mol)をSUS製反
応容器に入れ、窒素ガスを吹き込み20分間放置し反応
容器中を窒素ガス置換した。Ba(OH)・8H
(純度97.88%)84g(0.26mol)を加
え、更に蒸留水を加えて0.1mol/リットル(Ba
TiO換算)、BaO/TiO(モル比)1.30
のスラリーに調整した。窒素雰囲気中で該スラリーを沸
点まで昇温速度89℃/Hで昇温し、沸点で3時間反応
を行った。反応後30℃まで冷却し、窒素雰囲気下にお
いて上澄み液の電気伝導度が175μS/cmになるま
でデカンテーションにより洗浄した後、濾過した。得ら
れたケーキを110℃で5時間真空乾燥した。該生成物
をX線回折により調べたところ、チタン酸バリウムの単
一相であることがわかった。また電子顕微鏡下での観察
でもチタン酸バリウム以外の粒子は特に観察されなかっ
た。該粉末を相対湿度100%の炭酸ガス雰囲気中に5
時間放置後、X線回折により調べたところ、チタン酸バ
リウム以外に炭酸バリウムが同定された。しかし電子顕
微鏡下での観察ではチタン酸バリウム以外の粒子は特に
観察されなかった。得られたチタン酸バリウム微粉末の
BaO/TiO(モル比)は0.992であり、電子
顕微鏡写真より測定される平均粒径は0.305μmで
あった。比較例1と同様な条件で焼結体を作製した。該
焼結体の相対密度は86%であり、比誘電率は3300
であった。
【0044】比較例10 アナターゼ(101)面に該等するX線の回折線から計
算される結晶子径が55オングストロームの含水率91
%メタチタン酸905g(1.02mol)をSUS製
反応容器に入れ、窒素ガスを吹き込み20分間放置し反
応容器中を窒素ガス置換した。Ba(OH)・8H
O(純度97.88%)428g(1.33mol)を
加え、更に蒸留水を加えて0.51mol/リットル
(BaTiO換算)、BaO/TiO(モル比)
1.30のスラリーに調整した。窒素雰囲気中で該スラ
リーを沸点まで昇温速度91℃/Hで昇温し、沸点で5
時間反応を行った。反応後30℃まで冷却し、窒素雰囲
気下において上澄み液の電気伝導度が180μS/cm
になるまでデカンテーションにより洗浄した後、濾過し
た。得られたケーキを110℃で5時間真空乾燥した。
該生成物をX線回折により調べたところ、チタン酸バリ
ウムの単一相であることがわかった。また電子顕微鏡下
での観察でもチタン酸バリウム以外の粒子は特に観察さ
れなかった。該粉末を相対湿度100%の炭酸ガス雰囲
気中に5時間放置後、X線回折により調べたところ、チ
タン酸バリウム以外に炭酸バリウムが同定された。しか
し電子顕微鏡下での観察ではチタン酸バリウム以外の粒
子は特に観察されなかった。得られたチタン酸バリウム
微粉末のBaO/TiO(モル比)は1.004であ
り、電子顕微鏡写真より測定される平均粒径は0.07
3μmであった。比較例1と同様な条件で焼結体を作製
した。該焼結体の相対密度は93%であり、比誘電率は
4100であった。
【0045】比較例11 アナターゼ(101)面に該等するX線の回折線から計
算される結晶子径が55オングストロームの含水率92
%メタチタン酸600g(0.6mol)をSUS製反
応容器に入れ、窒素ガスを吹き込み20分間放置し反応
容器中を窒素ガス置換した。Ba(OH)・8H
(純度97.88%)251g(0.78mol)を加
え、更に蒸留水を加えて0.3mol/リットル(Ba
TiO換算)、BaO/TiO(モル比)1.30
のスラリーに調整した。窒素雰囲気中で該スラリーを沸
点まで昇温速度101℃/Hで昇温し、沸点で3時間反
応を行った。反応後30℃まで冷却し、窒素雰囲気下に
おいて上澄み液の電気伝導度が255μS/cmになる
までデカンテーションにより洗浄した後、濾過した。得
られたケーキを110℃で5時間真空乾燥した。該生成
物をX線回折により調べたところ、チタン酸バリウムの
単一相であることがわかった。また電子顕微鏡写真での
観察でもチタン酸バリウム以外の粒子は特に観察されな
かった。該粉末を相対湿度100%の炭酸ガス雰囲気中
に5時間放置後、X線回折により調べたところ、チタン
酸バリウム以外に炭酸バリウムが同定された。しかし電
子顕微鏡下での観察ではチタン酸バリウム以外の粒子は
特に観察されなかった。得られたチタン酸バリウム微粉
末のBaO/TiO(モル比)は1.006であり、
電子顕微鏡写真より測定される平均粒径は0.111μ
mであった。実施例1と同様な条件で焼結体を作製し
た。該焼結体の相対密度は94%であり、比誘電率は研
磨時に焼結体が崩れたため測定できなかった。
【0046】比較例12 アナターゼ(101)面に該等するX線の回折線から計
算される結晶子径が55オングストロームの含水率91
%メタチタン酸533g(0.6mol)をSUS製反
応容器に入れ、窒素ガスを吹き込み20分間放置し反応
容器中を窒素ガス置換した。Ba(OH)・8H
(純度97.88%)251g(0.78mol)を加
え、更に蒸留水を加えて0.3mol/リットル(Ba
TiO換算)、BaO/TiO(モル比)1.30
のスラリーに調整した。窒素雰囲気中で該スラリーを沸
点まで昇温速度98℃/Hで昇温し、沸点で3時間反応
を行った。反応後30℃まで冷却し、窒素雰囲気下にお
いて上澄み液の電気伝導度が95μS/cmになるまで
デカンテーションにより洗浄した後、濾過した。得られ
たケーキを110℃で5時間真空乾燥した。該生成物を
X線回折により調べたところ、チタン酸バリウムの単一
相であることがわかった。また電子顕微鏡下での観察で
もチタン酸バリウム以外の粒子は特に観察されなかっ
た。該粉末を相対湿度100%の炭酸ガス雰囲気中に5
時間放置後、X線回折により調べたところ、チタン酸バ
リウム以外に炭酸バリウムが同定された。しかし電子顕
微鏡下での観察ではチタン酸バリウム以外の粒子は特に
観察されなかった。得られたチタン酸バリウム微粉末の
BaO/TiO(モル比)は0.991であり、電子
顕微鏡写真より測定される平均粒径は0.123μmで
あった。実施例1と同様な条件で焼結体を作製した。該
焼結体の相対密度は86%であり、比誘電率は3100
であった。
【0047】比較例13 実施例6で得られたチタン酸バリウム微粉末を1N酢酸
で洗浄した後、濾過した。得られたケーキを110℃で
5時間真空乾燥した。該粉末のBaO/TiO(モル
比)は0.961であり、電子顕微鏡写真より測定され
る平均粒径は0.139μmであった。X線回折により
立方晶であることが判明した。実施例4と同様な条件で
焼結体を作製した。該焼結体の相対密度は78%であ
り、比誘電率は2500であった。
【0048】比較例14 実施例1で得られた合成粉末を炭酸ガス雰囲気中に置か
ず大気中に置いた粉末のグリーン成形体を実施例1と同
様な方法で作製し、1120℃〜1200℃の所定温度
で2時間焼成した該焼結体の比誘電率が6000以上で
あったのは1150℃〜1180℃で焼成したものだけ
であった。
【0049】比較例15 室温に保った塩化チタン水溶液139.3g(Ti=
0.48mol)に水1250▲▼を加えこの溶液に
5.0wt%のアンモニア水483▲▼を30分かけて
添加し水酸化チタンスラリーを得た。得られた水酸化チ
タンに窒素雰囲気中でBa(OH)・8HO 15
1.4g(Ba=0.48mol)を加え、更に蒸留水
を加えて0.8mol/リットル(BaTiO換算)
のスラリーに調整した。1リットルのオートクレーブに
このスラリー600ミリリットルを仕込んで550〜6
00rpmで撹拌しながら90分で150℃まで昇温
し、150℃で5時間水熱処理した。反応後スラリーを
水洗ろ別し110℃で固形物を再びろ液に分散してpH
=6.5までCOを吹き込んだ後、Clが検出されな
くなるまで水洗した後、濾過、乾燥した。X線回折によ
り調べたところ、チタン酸バリウムのピーク以外に炭酸
バリウムのピークが認められた。また電子顕微鏡下での
観察でもチタン酸バリウム以外に炭酸バリウムが観察さ
れた。得られた微粉末のBaO/TiO(モル比)は
0.993であり、電子顕微鏡写真より測定される平均
粒径は0.063μmであった。実施例1と同様な条件
で焼結体を作製した。該焼結体の相対密度は85%であ
り、比誘電率は3100であった。
【0050】比較例16 含水率88%オルトチタン酸0.5molをSUS製反
応容器に入れ、窒素ガスを吹込み、20分間放置し、反
応容器中を窒素ガス置換した。Ba(OH)・8H
O(純度97.88%)331グラム(1.03mo
l)を加え、更に蒸留水を加えて0.25mol/リッ
トル(BaTiO換算)、BaO/TiO(モル
比)2.06のスラリーに調整した。窒素雰囲気中で該
スラリーを沸点まで昇温速度90℃/Hで昇温し、沸点
で4時間反応を行った。反応後30℃まで冷却した後、
約20分間放置し、上澄み液を除去した後、更に80℃
の熱水2▲▼を加えて撹拌洗浄後、濾過した。この洗
浄、濾過の操作を3回繰り返し、合計6▲▼の熱水で洗
浄した後、110℃で5時間乾燥を行った。得られたチ
タン酸バリウム微粉末のBaO/TiO(モル比)は
0.991であり、電子顕微鏡写真より0.05〜0.
21μmの非常に分布のよい粒子であり、平均粒径は、
0.128μmであることがわかった。また、X線回折
より立方晶であることが判明した。この粉末の比表面積
は、10.8m/gであった。この粉末を空気中、8
00℃で1時間焼成した後、1N酢酸0.5リットルで
洗浄、濾過し、更に2リットルの純水で洗浄、濾過を3
回繰り返した。このようにして得られた粉末のBaO/
TiO(モル比)は0.971であり、電子顕微鏡写
真より測定される平均粒径は、0.191μmであっ
た。比表面積は7.2m/gであった。この粉末は、
粒子同士の焼結により、0.05〜0.28μmと分布
が悪くなっていた。該チタン酸バリウム微粉末を用い
て、実施例4と同様な条件で焼結体を作製した。該焼結
体の相対密度は91%であり、比誘電率は3600であ
った。
【0051】比較例17 比較例16と同様の操作で反応を行い、反応後30℃ま
で冷却した後、約20分間放置した。上澄み液を除去し
た後、更に80℃の熱水2リットルを加えて撹拌洗浄
後、濾過した。この洗浄、濾過の操作を3回繰り返し、
合計6リットルの熱水で洗浄した後、1N酢酸0.5リ
ットルで洗浄、濾過を行った。更に2リットルの純水で
洗浄、濾過を3回繰り返した後、110℃で5時間乾燥
を行った。得られたチタン酸バリウム微粉末のBaO/
TiO(モル比)は0.958であり、電子顕微鏡写
真より測定される平均粒径は0.121μmであった。
実施例4と同様な条件で焼結体を作製した。該焼結体の
相対密度は78%であった。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年10月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】課題を解決する手段 本発明者らは上記の課題を解決する為鋭意検討した結
果、結晶子径40〜60オングストロームのメタチタン
酸の水性スラリーに、水酸化バリウムBaOとして0.
35〜0.70モル/リットル、BaO/TiO2(モ
ル比)で1.3〜1.5の割合になるように添加混合し
た後、該スラリーを撹拌しながら沸点まで昇温した後、
該温度に0.5〜3時間保持し、次いで洗浄水の電気伝
導度が200〜150μS/cmまで洗浄することによ
り、組成がBaO/TiO2(モル比)で0.997〜
1.003、平均径が0.05〜0.2μmのチタン酸
バリウムが再現性よく得られ、該チタン酸バリウムを形
成して焼結した場合、相対密度が1100℃で90%以
上1130℃で95%以上になり、相対密度が95%以
上のセラミックスは室温において6000以上の高い比
誘電率を有すること、更に、該チタン酸バリウムを炭酸
ガス含有気体と接触させて該粒子表面に炭酸バリウムを
生成させたチタン酸バリウム粉末は、成形して焼結した
場合、相対密度が1100℃で90%以上1130℃で
95%以上になり、相対密度が95%以上のセラミック
スは室温において6000以上の高い比誘電率を有する
だけでなく、該チタン酸バリウム粉末を薄膜セラミック
ス原料として使用する時に、水系で分散、バインダーな
どの配合を行っても、物理的特性や電気的特性のバラツ
キが小さいセラミックスが得られること等の新たな知見
を見出し本発明を完成させたものである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】反応生成物の洗浄の程度は得られる生成物
の組成と密接に関係する。即ち、洗浄水の電気伝導度が
200μS/cm以上の領域で洗浄を止めると得られる
生成物の組成がBaO/TiO2(モル比)で1.00
3よりも大きくなり、洗浄水の電気伝導度が150μS
/cmよりも小さい領域まで洗浄すると生成物の組成は
BaO/TiO2(モル比)で0.997よりも小さく
なる。洗浄には水または温水を使用しうるが、酸は使用
できない。即ち、洗浄に酸を使用すると、チタン酸バリ
ウム中のBaが離脱しすぎる為BaO/TiO2(モル
比)で0.997以下の組成物しか得られない。また、
洗浄操作は、濾過器を使用する方法ではなく、デカンテ
ーションを繰り返し行う操作が望ましい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正内容】
【0049】比較例15 室温に保った塩化チタン水溶液139.3g(Ti=
0.48mol)に水1250ミリリットルを加えこの
溶液に5.0wt%のアンモニア水483ミリリットル
を30分かけて添加し水酸化チタンスラリーを得た。得
られた水酸化チタンに窒素雰囲気中でBa(OH)
8HO 151.4g(Ba=0.48mol)を加
え、更に蒸留水を加えて0.8mol/リットル(Ba
TiO換算)のスラリーに調整した。1リットルのオ
ートクレーブにこのスラリー600ミリリットルを仕込
んで550〜600rpmで撹拌しながら90分で15
0℃まで昇温し、150℃で5時間水熱処理した。反応
後スラリーを水洗ろ別し110℃で固形物を再びろ液に
分散してpH=6.5までCOを吹き込んだ後、Cl
が検出されなくなるまで水洗した後、濾過、乾燥した。
X線回折により調べたところ、チタン酸バリウムのピー
ク以外に炭酸バリウムのピークが認められた。また電子
顕微鏡下での観察でもチタン酸バリウム以外に炭酸バリ
ウムが観察された。得られた微粉末のBaO/TiO
(モル比)は0.993であり、電子顕微鏡写真より測
定される平均粒径は0.063μmであった。実施例1
と同様な条件で焼結体を作製した。該焼結体の相対密度
は85%であり、比誘電率は3100であった。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】比較例16 含水率88%オルトチタン酸0.5molをSUS製反
応容器に入れ、窒素ガスを吹込み、20分間放置し、反
応容器中を窒素ガス置換した。Ba(OH)・8H
O(純度97.88%)331グラム(1.03mo
l)を加え、更に蒸留水を加えて0.25mol/リッ
トル(BaTiO換算)、BaO/TiO(モル
比)2.06のスラリーに調整した。窒素雰囲気中で該
スラリーを沸点まで昇温速度90℃/Hで昇温し、沸点
で4時間反応を行った。反応後30℃まで冷却した後、
約20分間放置し、上澄み液を除去した後、更に80℃
の熱水2リットルを加えて撹拌洗浄後、濾過した。この
洗浄、濾過の操作を3回繰り返し、合計6リットルの熱
水で洗浄した後、110℃で5時間乾燥を行った。得ら
れたチタン酸バリウム微粉末のBaO/TiO(モル
比)は0.991であり、電子顕微鏡写真より0.05
〜0.21μmの非常に分布のよい粒子であり、平均粒
径は、0.128μmであることがわかった。また、X
線回折より立方晶であることが判明した。この粉末の比
表面積は、10.8m/gであった。この粉末を空気
中、800℃で1時間焼成した後、1N酢酸0.5リッ
トルで洗浄、濾過し、更に2リットルの純水で洗浄、濾
過を3回繰り返した。このようにして得られた粉末のB
aO/TiO(モル比)は0.971であり、電子顕
微鏡写真より測定される平均粒径は、0.191μmで
あった。比表面積は7.2m/gであった。この粉末
は、粒子同士の焼結により、0.05〜0.28μmと
分布が悪くなっていた。該チタン酸バリウム微粉末を用
いて、実施例4と同様な条件で焼結体を作製した。該焼
結体の相対密度は91%であり、比誘電率は3600で
あった。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年1月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】公開特許公報昭60−81023号公報は
低温で焼結可能なチタン酸バリウム粉末として、平均粒
径が0.07〜0.5μm、比表面積が2〜15m2
g、粉末X線回折線のピークの半値幅から計算される結
晶子径が0.05μm以上0.5μm以下で、その形状
が球形状であるチタン酸バリウム粉末を開示しており、
該チタン酸バリウム粉末は、含水酸化チタン、水酸化バ
リウムおよび水を窒素雰囲気下で撹拌混合しつつ60℃
以上110℃未満に加熱することにより合成され、該粉
末を成形して焼結した場合、1200℃で焼結させるこ
とにより、相対密度が90%以上の焼結体が得られると
している。しかしながら、例えば、チタン酸バリウムを
積層コンデンサーに使用する場合、焼結に1200℃以
上を要することは、電極の焼付け温度を高め、電極コス
トを引き上げる原因になること、あるいは焼結性や温度
特性の関係で鉛を混入する場合に鉛の一部が蒸発して均
一な特性のものが得られない等の観点から、更に低い温
度で焼結可能なチタン酸バリウム粉末の開発が強く望ま
れていた。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】更に、上記のように、含水酸化チタンを水
酸化バリウム水溶液中で加熱する、いわゆる湿式法でチ
タン酸バリウムを合成する場合の最大の問題点は、固相
反応に比べて反応率が低い為化学量論組成のチタン酸バ
リウムを得がたいことである。化学量論組成のチタン酸
バリウムを再現性よく得ようとすると合成時の反応率を
できるだけ高める必要があるが、この反応率を高くする
手段として、含水酸化チタンと水酸化バリウムの混合時
の水を最小限に限定する、反応時の水酸化バリウムと含
水酸化チタンとの混合割合をBaO/TiO2(モル
比)で1よりも大きくする、あるいは高温高圧下で反応
させる等のいずれかの方法が講じられる。しかしなが
ら、このような手段を講じてもチタン酸バリウムの生成
反応は100%まで進行せず、反応終了後、未反応のB
aを除去する目的で該チタン酸バリウムを酢酸で洗浄し
ても、未反応のTiは酢酸に溶解し難く、酢酸処理後も
チタン酸バリウム粉末中に固体の状態で残存するため、
得られるチタン酸バリウム粉末の組成はTi過剰なもの
である。また、反応終了後未反応のBaを水または温水
洗浄で除去しようとしても未反応Baを反応生成物から
完全に除去することが難しく、この為、得られるチタン
酸バリウムの組成が各ロット毎に変動し焼結体のBaO
/TiO2(モル比)を自由に制御できず、従って、誘
電体セラミックスの原料として不適なチタン酸バリウム
粉末しか得られない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】公開特許公報昭60−90825号公報は
反応を完結する手段として、湿式反応生成物を1000
℃以下の温度でか焼する方法を開示している(公開特許
公報昭60−90825号公報実施例1参照)が、この
方法は化学量組成等の特定組成を有するチタン酸バリウ
ムを再現性よく得るという目的に対しては有効な手段と
はなりえない。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】また、常圧湿式法で得られるチタン酸バリ
ウムは、固相反応で得られるチタン酸バリウムに比べ
て、反応が充分に進行しておらず、また結晶構造上、構
造水を多量に含んでいて、結晶性の悪いものしか得られ
ない。従って、常圧湿式法で得られたチタン酸バリウム
を薄膜セラミックスの原料として使用する時に、水系で
分散、バインダーなどの配合を行うと、該チタン酸バリ
ウム中に混在している水可溶性Baが水中に溶出する。
この為チタン酸バリウムを焼結させて得られるセラミッ
クスは組成が不均一なものとなり、物理的特性や電気的
特性のバラツキが多いという欠点があった(公開特許公
報WO91/02697号公報参照)。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】公開特許公報WO91/02697号公報
は、常圧湿式法で得られた結晶性の悪いチタン酸バリウ
ムを結晶性の良好なチタン酸バリウムに変換する方法と
して、湿式法によりBaO/TiO2(モル比)が1.
01〜1.40の組成のチタン酸バリウム粉末を合成
後、1000〜1100℃に加熱し、この後過剰のBa
を酸で溶解除去する方法を開示している。しかしなが
ら、該製法は特定組成、例えば化学量論組成のチタン酸
バリウムを再現性よく合成する手段としては好ましい方
法ではない。すなわち、BaO/TiO2(モル比)が
1.01〜1.40の組成のチタン酸バリウムを100
0〜1100℃に加熱すると、反応生成物がチタン酸バ
リウム(BaTiO3)とBa2TiO4との2相混合物
に変化し、次の酸処理工程でBa2TiO4中のBaは酸
に溶解し易く、Ba2TiO4中のTiは酸に溶解せず含
水酸化チタンとしてチタン酸バリウム中に残存するため
に、化学量論組成のチタン酸バリウム粉末の組成を再現
性よく合成し難い。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】尚、常圧下湿式反応法により得られるチタ
ン酸バリウムは立方晶のペロブスカイト構造を持ち、1
000℃以上に加熱処理しなければ室温で正方晶系の回
折図形を示さないとされている(久保輝一郎、加藤誠
軌、藤田恭、工業化学雑誌、71、114〜118(1
968))。また、湿式法によりチタン酸バリウムを合
成する場合のTiO2原料としては、その反応性の高さ
からオルトチタン酸が好ましいとされており(例えば、
特許公報平2−39541号公報)、TiO2原料とし
てメタチタン酸を用いてチタン酸バリウムを合成する場
合には、メタチタン酸の反応性が悪いため、チタン酸バ
リウム合成反応時の原料混合割合を、オルトチタン酸源
からチタン酸バリウムを合成する場合よりも、よりBa
過剰にする必要があると報告されている(久保輝一郎、
神力喜一、工業化学雑誌、59、891〜894、(1
956))。また、金子正治等は、メタチタン酸をTi
2原料に用いて水熱法によりチタン酸バリウムを合成
した場合の300℃X2時間における反応率は、原料の
混合割合がBaO/TiO2(モル比)で1.2の時に
80%、同1.4の時に90%であり、反応率に対する
合成温度の影響が大きく、合成温度が高くなる程反応率
が高くなると報告している。(金子正治、井本文夫、日
本化学会誌、6、985〜990、(1975))。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】発明が解決しようとする課題 以上のように、従来は、できるだけ低温で、高密度かつ
均一な焼結体を得るための原料粉末は、微細で分散性が
よく、粒径および形状が均一であることが重要であると
考えられており、この考えのもとに平均粒径が0.07
〜0.5μm、比表面積が2〜15m2/g、粉末X線
回折線のピークの半値幅から計算される結晶子径が0.
05μm以上0.5μm以下で、その形状が球形状であ
るチタン酸バリウム粉末が開発されていたが、この粉末
の焼結に1200℃以上の高い温度を必要とし、低温焼
結性が重要視される積層コンデンサー用原料粉末として
は好ましいものではなかった。また、常圧湿式法は微粒
子のチタン酸バリウム粉末を合成する方法としてはすぐ
れてはいるものの、特定組成、特に化学量論組成のチタ
ン酸バリウムを再現性よく合成する方法としては好まし
いものではなかった。更に、常圧湿式法で合成されたチ
タン酸バリウムは反応が充分に進行していない為、水系
で分散、バインダーなどの配合を行う時に該チタン酸バ
リウム中に存在する水可溶性Baが水中に溶出する。こ
の為該チタン酸バリウムから得られるセラミックスは、
組成が不均一なものとなり、物理的特性や電気的特性の
バラツキが多いという欠点をもつものであった。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】課題を解決する手段 本発明者らは上記の課題を解決する為鋭意検討した結
果、結晶子径40〜60オングストロームのメタチタン
酸の水性スラリーに、水酸化バリウムBaOとして0.
35〜0.70モル/リットル、BaO/TiO2(モ
ル比)で1.3〜1.5の割合になるように添加混合し
た後、該スラリーを撹拌しながら沸点まで昇温した後、
該温度に0.5〜3時間保持し、次いで洗浄水の電気伝
導度が200〜150μS/cmまで洗浄することによ
り、組成がBaO/TiO2(モル比)で0.997〜
1.003、平均径が0.05〜0.2μmのチタン酸
バリウムが再現性よく得られ、該チタン酸バリウムを成
形して焼結した場合、相対密度が1100℃で90%以
上1130℃で95%以上になり、相対密度が95%以
上のセラミックスは室温において6000以上の高い比
誘電率を有すること、更に、該チタン酸バリウムを炭酸
ガス含有気体と接触させて該粒子表面に炭酸バリウムを
生成させたチタン酸バリウム粉末は、成形して焼結した
場合、相対密度が1100℃で90%以上1130℃で
95%以上になり、相対密度が95%以上のセラミック
スは室温において6000以上の高い比誘電率を有する
だけでなく、該チタン酸バリウム粉末を薄膜セラミック
ス原料として使用する時に、水系で分散、バインダーな
どの配合を行っても、物理的特性や電気的特性のバラツ
キが小さいセラミックスが得られること等の新たな知見
を見出し本発明を完成させたものである。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】実施例1 硫酸チタニル水溶液にアンモニア水を室温で滴下後、水
洗してオルトチタン酸を得た。該オルトチタン酸スラリ
ーを60℃で50時間加熱熟成してアナターゼ(10
1)面に該等するX線の回折線から計算される結晶子径
が50オングストローム、含水率が91%のメタチタン
酸を得た。該メタチタン酸533g(0.6mol)を
SUS製反応容器に入れ、窒素ガスを吹き込み20分間
放置し反応容器中を窒素ガス置換した。Ba(OH)
・8HO(純度97.88%)251g(0.78m
ol)を加え、更に蒸留水を加えて0.3mol/リッ
トル(BaTiO換算)、BaO/TiO(モル
比)1.30のスラリーに調整した。窒素雰囲気中で該
スラリーを沸点まで昇温速度100℃/Hで昇温し、沸
点で3時間反応を行った。反応後30℃まで冷却し、窒
素雰囲気下において上澄み液の電気伝導度が180μS
/cmになるまでデカンテーションにより洗浄した後、
濾過した。得られたケーキを110℃で5時間真空乾燥
した。該生成物をX線回折により調べたところ、チタン
酸バリウムの単一相であることがわかった。また電子顕
微鏡下での観察でもチタン酸バリウム以外の粒子は特に
認められなかった。該粉末を相対湿度100%の炭酸ガ
ス雰囲気中に5時間放置後、X線回折により調べたとこ
ろ、チタン酸バリウム以外に炭酸バリウムが同定され
た。しかし電子顕微鏡下ではチタン酸バリウム以外の粒
子は特に観察されなかった。真空乾燥粉末および炭酸ガ
ス雰囲気中に放置した粉末の水(25℃)に対するバリ
ウム溶出量を下表に示す。また、比較のため大気中で乾
燥した粉末のバリウム溶出量も示す。炭酸ガス雰囲気に
放置した粉末からのバリウム溶出量は少ないことがわか
る。 Ba濃度(モル/リットル) 真空乾燥粉末 2.7x10-3 大気中乾燥粉末 1.2x10-3 炭酸ガス雰囲気中放置粉末 0.8x10-4 得られたチタン酸バリウム微粉末のBaO/TiO
(モル比)は0.998であり、電子顕微鏡写真より
測定される平均粒径は0.098μmであった。またX
線回折によりこのチタン酸バリウムは立方晶であること
が判明した。該チタン酸バリウム微粉末にポリビニルブ
チラール固形分1.0wt%となる様にポリビニルブチ
ラールのエタノール溶液を添加し、造粒した。この造粒
物を1t/cmの圧力で加圧成形してグリーン成形体
とした。該グリーン成形体を電気炉中500℃で4時間
保ってポリビニルブチラールを熱分解させ、その後昇温
速度100℃/Hで1150℃まで昇温し2時間焼成し
た。該焼結体の相対密度は97%であり、比誘電率は6
300であった。また、同様の操作で焼成温度を変えて
焼結体を作製したところ、1120℃〜1200℃の広
範囲で該焼結体の比誘電率は6000以上(6100〜
6500)を示した。 実施例2 実施例1と同様の方法で得たアナターゼ(101)面に
該等するX線の回折線から計算される結晶子径が48オ
ングストロームの含水率91%メタチタン酸710g
(0.8mol)をSUS製反応容器に入れ、窒素ガス
を吹き込み20分間放置し反応容器中を窒素ガス置換し
た。Ba(OH)・8HO(純度97.88%)3
35g(1.04mol)を加え、更に蒸留水を加えて
0.4mol/リットル(BaTiO換算)、BaO
/TiO(モル比)1.30のスラリーに調整した。
窒素雰囲気中で該スラリーを沸点まで昇温速度93℃/
Hで昇温し、沸点で3時間反応を行った。反応後30℃
まで冷却し、窒素雰囲気下において上澄み液の電気伝導
度が185μS/cmになるまでデカンテーションによ
り洗浄した後、濾過した。得られたケーキを110℃で
5時間真空乾燥した。該生成物をX線回折により調べた
ところ、チタン酸バリウムの単一相であることがわかっ
た。また電子顕微鏡下での観察でもチタン酸バリウム以
外の粒子は特に認められなかった。該粉末を相対湿度1
00%の炭酸ガス雰囲気中に5時間放置後、X線回折に
より調べたところ、チタン酸バリウム以外に炭酸バリウ
ムが同定された。しかし電子顕微鏡下での観察ではチタ
ン酸バリウム以外の粒子は特に観察されなかった。得ら
れたチタン酸バリウム微粉末のBaO/TiO(モル
比)は0.999であり、電子顕微鏡写真より測定され
る平均粒径は0.087μmであった。実施例1と同様
にしてグリーン成形体を作製し、1130℃で2時間焼
成した。該焼結体の相対密度は96%であり、比誘電率
は6200であった。
フロントページの続き (72)発明者 刈山 千里 山口県宇部市大字小串1978番地の25 チタ ン工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が0.05〜0.2μm、Ba
    O/TiO2(モル比)で0.997〜1.003の組
    成を持ち、且つ粒子表面が炭酸バリウムで被覆されたこ
    とを特徴とする易焼結性チタン酸バリウム微細粒子粉
    末。
  2. 【請求項2】 結晶子径が40〜60オングストローム
    の含水酸化チタンの水性スラリーに、水酸化バリウム
    を、BaOとして0.35〜0.70モル/リットル、
    BaO/TiO2(モル比)で1.3〜1.5の割合に
    なるように添加混合した後、該スラリーを撹拌しながら
    沸点まで昇温後、該温度に0.5〜3時間保持し、次い
    で洗浄水の電気伝導度が200〜150μS/cmまで
    洗浄後、濾過乾燥した後、炭酸ガス含有気体と接触させ
    ることにより該チタン酸バリウム粒子表面に炭酸バリウ
    ムを生成させることを特徴とする易焼結性チタン酸バリ
    ウム微細粒子粉末の製法。
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