JPH0513894B2 - - Google Patents

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JPH0513894B2
JPH0513894B2 JP7176585A JP7176585A JPH0513894B2 JP H0513894 B2 JPH0513894 B2 JP H0513894B2 JP 7176585 A JP7176585 A JP 7176585A JP 7176585 A JP7176585 A JP 7176585A JP H0513894 B2 JPH0513894 B2 JP H0513894B2
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magnetite
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Keizo Mori
Masaru Kawabata
Masao Kunishige
Nanao Horiishi
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Toda Kogyo Corp
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Toda Kogyo Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、粒子形状が球型を呈しており、且
つ、カサ密度が0.40〜1.25g/cm3であつて、Siを
Feに対し0.1〜5.0原子%含有しており、しかも、
分散性に優れている球型を呈したヘマタイト粒子
からなる球型を呈したヘマタイト粒子粉末及びそ
の製造法に関するものである。
その主な用途は、塗料用赤色顔料粉末である。
〔従来技術〕
従来、ヘマタイト粒子は、赤色顔料として広く
一般に使用されており、省エネルギー時代におけ
る作業能率の向上並びに塗膜物性の改良という観
点から、塗料の製造に際して、ヘマタイト粒子粉
末のビヒクル中への分散性の改良が、益々、要望
されている。
塗料の製造に際して、顔料粉末のビヒクル中へ
の分散性が良好であるか否かは、塗料の製造工程
における作業能率を左右するとともに、塗膜の諸
物性を決定する極めて重要な因子となる。
このことは、例えば、色材協会誌49巻第1号
(1976年)の第8頁の次のような記載からも明ら
かである。
「……塗膜の具備すべき諸特性は一口にいつ
て、同一顔料であれば塗膜中における顔料の分散
性により、その大部分が決定されるといつても過
言ではないように思われる。塗膜中の顔料の分散
性が良好であれば、色調は鮮明となり、着色力、
いんぺい力等顔料本来の基本的性質も向上するこ
とは理論の教えるところである。また塗膜の光
沢、鮮映性、機械的性質、塗膜の耐透気性などが
良好となり、これは塗膜の耐久性を向上させる結
果となる。このように塗膜中の顔料の分散性は塗
膜の諸物性を決定するきわめて大事な要因である
ことが理解できる。」 従来、ヘマタイト粒子粉末の製造法としては、
第一鉄塩水溶液とアルカリとを反応させて得られ
た水酸化第一鉄を含む反応水溶液に酸素含有ガス
を通気することにより、水溶液中から出発原料粒
子としてのマグネタイト粒子を生成させ、次い
で、該マグネタイト粒子粉末を空気中で加熱する
方法が知られている。
上記ヘマタイト粒子粉末の製造にあたり、水溶
液中から生成するマグネタイト粒子の粒子形状
は、反応水溶液中のPHにより種々異なることが知
られている。
即ち、この事実は、粉体粉末冶金協会昭和46年
度秋季大会講演概要集第112頁等14〜19行の「硫
酸第一鉄水溶液(139g/0.7)に空気を吹き込
み、攪拌しながら水酸化ナトリウム水溶液(40〜
44g/0.3)を加え、50℃に昇温して5時間保つ
て微粒子を得た。粒子の外形を変えるためPHを変
化させた。PHは水酸化ナトリウムの量をコントロ
ールし、酸性側(NaOH40〜41g/0.3)で凝六
面体粒子を、アルカリ性側(43g以上/0.3)で
八面体粒子を、中性附近(NaOH42g/0.3)で
は多面体化した球状に近い粒子を得た。」なる記
載及び特公昭44−668号公報の特許請求の範囲の
「……Fe(OH)2コロイドを含むPH10以上の水溶液
を45℃以上70℃以下の温度に保持し、攪拌により
液中に存在する沈澱粒子が充分に運動している状
態で酸化反応を行うことにより、……粒状または
立方状(六面体)を呈した……黒色強磁性粒子
(マグネタイト粒子)より成る沈澱を製造……」
なる記載から明らかである。
〔発明が解決しようとする問題点〕
分散性が優れたヘマタイト粒子は現在最も要求
されているところであるが、ヘマタイト粒子を製
造する前述の公知方法により得られる粒子粉末
は、未だ分散性の優れたものであるとは言い難
い。
本発明者は、優れた分散性を有するヘマタイト
粒子を得ようとすれば、カサ密度が大きい球型を
呈した粒子であつて粒度が均斉であることが必要
であり、そのようなヘマタイト粒子を得ようとす
れば、出発原料粒子であるマグネタイト粒子がカ
サ密度が大きい球型を呈した粒子であつて粒度が
均斉であることが必要であると考えた。
更に、本発明者は、ヘマタイト粒子の球型性を
向上させればさせる程粒子と粒子の接触点が小さ
くなる為、粒子相互間の凝集等がなく、カサ密度
が大きくなり、その結果、分散性が優れたものと
なると考え、出発原料であるマグネタイト粒子の
球型性を向上させることが必要であると考えた。
一方、前述した通り、球型を呈したマグネタイ
ト粒子は、中性付近の水溶液中で生成されること
が知られているが、この場合には、第一鉄塩水溶
液中のFe2+の全量をマグネタイト粒子に変換す
ることは困難で未反応のFe2+が残存する為、収
率が低く、その上未反応のFe2+は排水公害の原
因となるのでその対策が必要であつた。
第一鉄塩水溶液中のFe2+の全量からマグネタ
イト粒子を生成し収率を高めようとすれば、第一
鉄塩水溶液と該第一鉄塩水溶液に対し1当量以上
のアルカリとを反応させる必要があり、この場合
にはPH11程度以上のアルカリ反応水溶液となり、
生成マグネタイト粒子は六面体または八面体粒子
となる為、かさ密度が小さいものである。
従来、第一鉄塩水溶液中のFe2+の全量から球
型を呈したマグネタイト粒子を製造する方法とし
て例えば、特開昭49−35900号公報に記載の方法
がある。
即ち、特開昭49−35900号公報に記載の方法は、
第一鉄塩水溶液又は第一鉄塩と2価金属(Co2+
等)の水溶性塩との混合水溶液に、該水溶液中に
含まれる酸根に対し当量以下のアルカリ金属の炭
酸塩を加え、沸騰温度以下の温度で酸化反応を行
い、強磁性粒子母体を生成させる第一工程と、溶
液中に残存する未反応の金属イオンの全てが上記
強磁性微粒子母体上に析出するに充分な量のアル
カリ金属の水酸化物を加えることにより強磁性微
粒子(MO Fe2O3 M:Fe2+又はCo2+)を生成
する第二工程からなるものである。
しかしながら、上記方法により得られた球型を
呈したマグネタイト粒子は、後述する比較例3に
示す通り、得られるマグネタイト粒子の球型性は
不十分であり、従つて、生成粒子は、粒子相互間
で凝集しており、カサ密度も小さいものである。
これは、特開昭49−35900号公報に記載の方法に
より得られるマグネタイト粒子は、第一工程にお
いて硫酸第一鉄とアルカリ金属の炭酸塩とから得
られる炭酸鉄の加水分解反応により生成されるも
のであるから、マグネタイト核粒子が急速に析出
生成される為、形状の十分な制御ができなかつた
ものと考えられる。
上述した通り、〔−〕球型性の向上した球型を
呈したヘマタイト粒子粉末を高い収率で製造する
方法の確立が強く要望されている。
〔問題点を解決する為の手段〕
本発明者は、〔−〕球型性の向上した球型を呈
したヘマタイト粒子粉末を高い収率で製造する方
法について種々検討を重ねた結果、本発明に到達
したのである。
即ち、本発明は、粒子形状が球型を呈してお
り、且つ、カサ密度が0.40〜1.25g/cm3であつて、
SiをFeに対し0.1〜5.0原子%含有していることを
特徴とする球型を呈したヘマタイト粒子からなる
球型を呈したヘマタイト粒子粉末及び第一鉄塩水
溶液と該第一鉄塩水溶液中のFe2+に対し0.80〜
0.99当量の水酸化アルカリとを反応させて得られ
た水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩反応水溶
液に加熱しながら酸素含有ガスを通気して上記水
酸化第一鉄コロイドを酸化するにあたり、前記水
酸化アルカリ又は、前記水酸化第一鉄コロイドを
含む第一鉄塩反応水溶液のいずれかにあらかじめ
水可溶性ケイ酸塩をFeに対しSi換算で0.1〜5.0原
子%添加し、しかる後、70〜100℃の温度範囲で
加熱しながら酸素含有ガスを通気し、次いで、該
加熱酸化条件と同一条件下で、反応母液中に残存
するFe2+に対し1.00当量以上の水酸化アルカリを
添加して球型を呈したマグネタイト粒子を生成さ
せた後、該マグネタイト粒子を空気中500〜800℃
で加熱することにより球型を呈したヘマタイト粒
子を得ることからなる球型を呈したヘマタイト粒
子粉末の製造法である。
〔作用〕
先ず、本発明おいて最も重要な点は、出発原料
粒子であるマグネタイト粒子の生成にあたつて水
可溶性ケイ酸塩を添加しておくことにより生成マ
グネタイト粒子の球型性を向上させることができ
ることに起因して、粒子相互間の凝集等がなく粒
度が均斉であつて、カサ密度が大きく、その結
果、分散性が優れたマグネタイト粒子粉末を高い
収率で得ることができる点にある。
本発明における水可溶性ケイ酸塩の作用は未だ
明らかではないが、本発明者は、水可溶性ケイ酸
塩の添加によつて生成マグネタイト核の成長が緻
密且つ均一に行われた結果、マグネタイト核が等
方的に成長し、次いで該球型性の向上した球型を
呈したマグネタイト粒子表面にマグネタイトがエ
ピタキシヤル成長したためであると考えている。
従来マグネタイト粒子の生成にあたり、水可溶
性ケイ酸塩を添加するものとして、例えば、特公
昭55−28203号公報及び特開昭58−2226号公報に
記載の方法がある。
しかしながら、上記のいずれの方法も球型を呈
したマグネタイト粒子粉末に関するものではな
く、また、添加した水可溶性ケイ酸塩は、生成マ
グネタイト粒子粉末を加熱焙焼してマグネタイト
焼結体とするか、又は、赤色酸化鉄とする際の焙
焼時における粒子成長を抑制するという作用効果
を有するものであり、水溶液中に生成する球型を
呈したマグネタイト粒子の粒子形状を制御すると
いう本発明における水可溶性ケイ酸塩の作用効果
と全く相違するものである。
次に、本発明実施にあたつての諸条件について
述べる。
本発明における第一鉄塩水溶液としては、硫酸
第一鉄、塩化第一鉄等が用いられる。
本発明における水酸化アルカリは、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸
化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等
のアルカリ土類金属の酸化物及び水酸化物を使用
することができる。
本発明における水酸化第一鉄コロイドを沈澱さ
せる為に使用する水酸化アルカリの量は、第一鉄
塩水溶液中のFe2+に対し0.80〜0.99当量である。
0.80当量未満又は0.99当量を越える場合には、
球型を呈したマグネタイト量を生成することが困
難である。
本発明における水酸化第一鉄コロイドを含む第
一鉄塩反応水溶液に酸素含有ガスを通気する際の
反応温度は70℃〜100℃である。
70℃未満である場合には、針状晶ゲータイト粒
子が混在し、100℃を越える場合でも球型を呈し
たマグネタイト粒子は生成するが工業的ではな
い。
酸化手段は酸素含有ガス(例えば空気)を液中
に通気することにより行う。
本発明において使用される水可溶性ケイ酸塩と
してはナトリウム、カリウムのケイ酸塩がある。
水可溶性ケイ酸塩の添加量は、Feに対してSi
換算で0.1〜5.0原子%である。
0.1原子%未満である場合には、出発原料粒子
である球型性の優れた球型を呈したマグネタイト
粒子粉末を得ることが出来ない。
5.0原子%を越える場合には、添加した水可溶
性ケイ酸塩が単独で析出し、球型を呈したマグネ
タイト粒子中に混在する。
本発明における水可溶性ケイ酸塩は、生成する
球型を呈したマグネタイト粒子の形状に関与する
ものであり、従つて、水可溶性ケイ酸塩の添加時
期は、水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩反応
水溶液中に酸素含有ガスを通気してマグネタイト
粒子を生成する前であることが必要であり、水酸
化アルカリ又は、水酸化第一鉄コロイドを含む第
一鉄塩反応水溶液のいずれかに添加することがで
きる。
第一鉄塩水溶液中に水可溶性ケイ酸塩を添加す
る場合には、水可溶性ケイ酸塩を添加すると同時
にSiO2として析出する為、出発原料粒子である
球型性の向上した球型マグネタイト粒子を得るこ
とができない。
添加した水可溶性ケイ酸塩は、ほぼ全量が生成
マグネタイト粒子粉末中に含有され、後出実施例
に示される通り、得られたマグネタイト粒子粉末
は、添加量とほぼ同量を含有している。
本発明における水酸化第一鉄コロイドの酸化後
の母液中に残存するFe2+に対して添加する水酸
化アルカリの量は、1.00当量以上である。
1.00当量未満ではFe2+が全量沈澱しない。1.00
当量以上の工業性を勘案した量が好ましい量であ
る。
本発明における反応母液中に残存するFe2+
対し水酸化アルカリを添加する際の反応温度及び
酸化手段は、前出水酸化第一鉄コロイドを含む第
一鉄塩反応水溶液に酸素含有ガスを通気する際の
条件と同一でよい。
本発明の空気中における出発原料粒子マグネタ
イトの加熱酸化温度は500〜800℃である。
500℃未満である場合には、マグヘマイトが混
入して色調が不鮮明なヘマタイト粒子となる。
800℃を越える場合には、粒子成長が激しく粒
子形状の変形と粒子間の焼結による凝集が生起し
はじめる。
〔実施例〕
次に、実施例並びに比較例により本発明を説明
する。
尚、以下の実施例並びに比較例における平均粒
子径はBET法により、カサ密度はJIS K 5101
に記載の方法により測定し、粒子形態は電子顕微
鏡により観察した。
粒子中のSi量は、「蛍光X線分析装置3063M型」
(理学電機工業製)を使用し、JIS K 0119の
「けい光X線分析通則」に従つて、けい光X線分
析を行うことにより測定した。
〈出発原料粒子マグネタイト粒子粉末の製造〉 実施例1〜3、比較例1〜3; 実施例 1 Fe2+1.5mol/を含む硫酸第一鉄水溶液20
を、あらかじめ、反応器中に準備されたFeに対
しSi換算で0.3原子%を含むようにケイ酸ソーダ
(3号)(SiO2 28.55wt%)18.9gを添加して得ら
れた2.64−NのNaOH水溶液20に加え(Fe2+
対し0.95当量に該当する。)、PH6.9、温度90℃に
おいてFe(OH)2を含む第一鉄塩水溶液の生成を
行つた。
上記Fe(OH)2を含む第一鉄塩水溶液に温度90
℃において毎分100の空気を240分間通気した。
次いで、上記反応母液中に1.58−NのNaOH水
溶液2を加え(残存Fe2+に対し1.05当量に該当
する。)、PH11.8、温度90℃において毎分20の空
気を60分間通気してマグネタイト粒子を生成し
た。
生成粒子は、常法により、水洗、別、乾燥、
粉砕した。
得られたマグネタイト粒子粉末は、図1に示す
電子顕微鏡写真(×20000)から明らかな通り、
粒子相互間の凝集等がなく粒度が均斉であつて、
平均粒子径が0.20μmの球型を呈した粒子であつ
た。
また、この球型を呈したマグネタイト粒子粉末
は、蛍光X線分析の結果、Feに対しSiを0.29原子
%含有したものであつて、カサ密度0.57g/cm3
あり、分散性の極めて良好なものであつた。
実施例 2 Fe2+1.5mol/を含む硫酸第一鉄水溶液20
を、あらかじめ、反応器中に準備されたFeに対
しSi換算で3.0原子%を含むようにケイ酸ソーダ
(3号)(SiO2 28.55wt%)190gを添加して得ら
れた2.64−NのNaOH水溶液20に加え(Fe2+
対し0.95当量に該当する。)、PH6.6、温度90℃に
おいてFe(OH)2を含む第一鉄塩水溶液の生成を
行つた。
上記Fe(OH)2を含む第一鉄塩水溶液に温度90
℃において毎分100の空気を240分間通気した。
次いで、上記反応母液中に1.58−NのNaOH水
溶液2を加え(残存Fe2+に対し1.05当量に該当
する。)、PH11.4、温度90℃におて毎分20の空気
を60分間通気してマグネタイト粒子を生成した。
生成粒子は、常法により、水洗、別、乾燥、
粉砕した。
得られたマグネタイト粒子粉末は、図2に示す
電子顕微鏡写真(×20000)から明らかな通り、
粒子相互間の凝集等がなく粒度が均斉であつて、
平均粒子径が0.15μmの球型を呈した粒子であつ
た。
また、この球型を呈したマグネタイト粒子粉末
は、蛍光X線分析の結果、Feに対しSiを2.96原子
%含有したものであつて、カサ密度0.59g/cm3
あり、分散性の極めて良好なものであつた。
実施例 3 Fe2+1.5mol/を含む硫酸第一鉄水溶液20
を、あらかじめ、反応器中に準備された2.64−N
のNaOH水溶液20に加え(Fe2+に対し0.95当量
に該当する。)、PH6.9、温度90℃においてFe
(OH)2を含む第一鉄塩水溶液の生成を行つた後、
Feに対しSi換算で0.5原子%を含むようにケイ酸
ソーダ(3号)(SiO2 28.55wt%)32.1gを添加
し、上記Fe(OH)2を含む第一鉄塩水溶液に温度
90℃において毎分100の空気を240分間通気し
た。
次いで、上記反応母液中に1.58−NのNaOH水
溶液2を加え(残存Fe2+に対し1.05当量に該当
する。)、PH12.0、温度90℃において毎分20の空
気を60分間通気してマグネタイト粒子を生成し
た。
生成粒子は、常法により、水洗、別、乾燥、
粉砕した。
得られたマグネタイト粒子粉末は、電子顕微鏡
観察の結果、実施例1と同様に粒子相互間の凝集
等がなく粒度が均斉であつて、平均粒子径が
0.19μmの球型を呈した粒子であつた。
また、この球型を呈したマグネタイト粒子粉末
は、蛍光X線分析の結果、Feに対しSiを0.48原子
%含有したものであつて、カサ密度0.55g/cm3
あり、分散性を極めて良好なものであつた。
比較例 1 Fe2+1.5mol/を含む硫酸第一鉄水溶液20
を、あらかじめ、反応器中に準備された3.45−N
のNaOH水溶液20に加え(Fe2+に対し1.15当量
に該当する。)、PH12.8、温度90℃においてFe
(OH)2を含む第一鉄塩水溶液の生成を行つた。
上記Fe(OH)2を含む第一鉄塩水溶液に温度90
℃において毎分100の空気を220分間通気してマ
グネタイト粒子を生成した 得られたマグネタイト粒子粉末は、図3に示す
電子顕微鏡写真(×20000)から明らかな通り、
六面体を呈した粒子であつた。
この六面体を呈したマグネタイト粒子粉末は、
平均粒子径が0.17μmであり、カサ密度0.25g/cm3
であつた 比較例 2 Fe2+1.5mol/を含む硫酸第一鉄水溶液20
を、あらかじめ、反応器中に準備された1.92−N
のNaOH水溶液20に加え(Fe2+に対し0.64当量
に該当する。)、PH4.8、温度90℃においてFe
(OH)2を含む第一鉄塩水溶液の生成を行つた。
上記Fe(OH)2を含む第一鉄塩水溶液に温度90
℃において毎分100の空気を190分間通気してマ
グネタイト粒子を生成した。
得られたマグネタイト粒子粉末は、図4に示す
電子顕微鏡写真(×20000)から明らかな通り、
不定形粒子であつた。
この不定形のマグネタイト粒子粉末は、平均粒
子径が0.19μmであり、カサ密度0.34g/cm3であつ
た。
比較例 3 Fe2+1.5mol/を含む硫酸第一鉄水溶液20
を、あらかじめ、反応器中に準備された2.85−N
のNa2CO3水溶液20に加え(Fe2+に対し0.95当
量に該当する。)、PH6.6、温度90℃において
FeCO3を含む第一鉄塩水溶液の生成を行つた。
上記FeCO3を含む第一鉄塩水溶液に温度90℃に
おいて毎分100の空気を240分間通気してマグネ
タイト粒子を含む第一鉄塩水溶液を生成した。
次いで、上記マグネタイト粒子を含む第一鉄塩
水溶液に1.58−NのNaOH水溶液2を加え
(Fe2+に対し1.05当量に該当する。)、PH11.6、温
度90℃において毎分20の空気を60分間通気して
マグネタイト粒子を生成した。
生成粒子は、常法により、水洗、別、乾燥、
粉砕した。
得られたマグネタイト粒子粉末は、図5に示す
電子顕微鏡写真(×20000)に示す通り、不定形
で球型とは言い難い粒子であつた。
このマグネタイト粒子粉末の粒子径は0.12μm
であり、カサ密度0.29g/cm3であつた。
〈球型を呈したヘマタイト粒子粉末の製造〉 実施例4〜6、比較例4〜6; 実施例 4 実施例1で得られた球型を呈したマグネタイト
粒子100gを電気炉を用い空気中730℃で60分間加
熱酸化してヘマタイト粒子を得た。
得られたヘマタイト粒子粉末は、図6に示す電
子顕微鏡写真(×20000)から明らかな通り、粒
子相互間の凝集等がなく粒度が均斉であつて、平
均粒子径が0.23μmの球型を呈した粒子であつた。
また、この球型を呈したヘマタイト粒子粉末
は、蛍光X線分析の結果、Feに対しSiを0.31原子
%含有したものであつて、カサ密度0.62g/cm3
あり、分散性の極めて良好なものであつた。
実施例 5 実施例2で得られた球型を呈したマグネタイト
粒子100gを電気炉を用い空気中650℃で60分間加
熱酸化してヘマタイト粒子を得た。
得られたヘマタイト粒子粉末は、図7に示す電
子顕微鏡写真(×20000)から明らかな通り、粒
子相互間の凝集等がなく粒度が均斉であつて、平
均粒子径が0.18μmの球型を呈した粒子であつた。
また、この球型を呈したヘマタイト粒子粉末
は、蛍光X線分析の結果、Feに対しSiを3.03原子
%含有したものであつて、カサ密度0.61g/cm3
あり、分散性の極めて良好なものであつた。
実施例 6 実施例3で得られた球型を呈したマグネタイト
粒子100gを電気炉を用い空気中580℃で60分間加
熱酸化してヘマタイト粒子を得た。
得られたヘマタイト粒子粉末は、電子顕微鏡観
察の結果、実施例4と同様に粒子相互間の凝集等
がなく粒度が均斉であつて、平均粒子径が
0.21μmの球型を呈した粒子であつた。
また、この球型を呈したヘマタイト粒子粉末
は、蛍光X線分析の結果、Feに対しSiを0.51原子
%含有したものであつて、カサ密度0.56g/cm3
あり、分散性の極めて良好なものであつた。
比較例 4 比較例1で得られた六面体を呈したマグネタイ
ト粒子100gを電気炉を用い空気中650℃で60分間
加熱酸化してヘマタイト粒子を得た。
得られたヘマタイト粒子粉末は、電子顕微鏡観
察の結果、角ばつた不定形粒子で平均粒子径が
0.21μm、カサ密度が0.27g/cm3の粒子であつた。
比較例 5 比較例2で得られた不定形のマグネタイト粒子
100gを電気炉を用い空気中650℃で60分間加熱酸
化してヘマタイト粒子を得た。
得られたヘマタイト粒子粉末は、電子顕微鏡観
察の結果、粒子が互いに凝集した不定形であつて
粒度が不均斉であり、平均粒子径が0.22μm、カ
サ密度が0.36g/cm3の粒子であつた。
比較例 6 比較例3で得られた不定形のマグネタイト粒子
100gを電気炉を用い空気中650℃で60分間加熱酸
化してヘマタイト粒子を得た。
得られたヘマタイト粒子粉末は、電子顕微鏡観
察の結果、粒子が互いに凝集した不定形粒子であ
つて粒度が不均斉であり、平均粒子径が0.15μm、
カサ密度が0.32g/cm3の粒子であつた。
〔効果〕
本発明に係る球型を呈したヘマタイト粒子粉末
は、前出実施例に示した通り、球型性が向上して
いることに起因して、粒子相互間の凝集等がな
く、カサ密度が大きく、その結果、分散性が優れ
たものであるから、現在、最も要求されている塗
料用赤色顔料粉末として好適である。
また、本発明によれば、第一鉄塩水溶液中に未
反応のFe2+を残すことなくFe2+の全量から出発
原料である球型性の向上したマグネタイト粒子粉
末が得られるので高い収率で、且つ、排水公害の
原因となるFe2+を排出することなく球型性の向
上したヘマタイト粒子粉末を得ることができる。
塗料の製造に際して、本発明により得られた球
型を呈したヘマタイト粒子粉末を用いた場合に
は、ビヒクル中への分散が良好であるので、光
沢、鮮明性、耐久性の塗膜特性の改良が可能とな
り、又、作業能率も向上する。
【図面の簡単な説明】
図1乃至図5は、いずれもマグネタイト粒子粉
末の粒子形態(構造)を示す電子顕微鏡写真(×
20000)であり、図1及び図2はそれぞれ実施例
1及び実施例2で得られた球型を呈したマグネタ
イト粒子粉末、図3は比較例1で得られた六面体
を呈したマグネタイト粒子粉末、図4は比較例2
で得られた不定形のマグネタイト粒子粉末、図5
は比較例3で得られた球型性の不充分なマグネタ
イト粒子粉末である。図6及び図7は、いずれも
球型を呈したヘマタイト粒子粉末の粒子形態(構
造)を示す電子顕微鏡写真(×20000)であり、
図6及び図7は、それぞれ実施例4及び実施例5
で得られたヘマタイト粒子粉末である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 粒子形状が球型を呈しており、且つ、カサ密
    度が0.40〜1.25g/cm3であつて、SiをFeに対し0.1
    〜5.0原子%含有していることを特徴とする球型
    を呈したヘマタイト粒子からなる球型を呈したヘ
    マタイト粒子粉末。 2 第一鉄塩水溶液と該第一鉄塩水溶液中の
    Fe2+に対し0.80〜0.99当量の水酸化アルカリとを
    反応させて得られた水酸化第一鉄コロイドを含む
    第一鉄塩反応水溶液に加熱しながら酸素含有ガス
    を通気して上記水酸化第一鉄コロイドを酸化する
    にあたり、前記水酸化アルカリ又は、前記水酸化
    第一鉄コロイドを含む第一鉄塩反応水溶液のいず
    れかにあらかじめ水可溶性ケイ酸塩をFeに対し
    Si換算で0.1〜5.0原子%添加し、しかる後、70〜
    100℃の温度範囲で加熱しながら酸素含有ガスを
    通気し、次いで、該加熱酸化条件と同一条件下
    で、反応母液中に残存するFe2+に対し1.00当量以
    上の水酸化アルカリを添加した球型を呈したマグ
    ネタイト粒子を生成させた後、該マグネタイト粒
    子を空気中500〜800℃で加熱することにより球型
    を呈したヘマタイト粒子を得ることを特徴とする
    球型を呈したヘマタイト粒子粉末の製造法。
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