JPH05138078A - 噴出速度調節型スリツトノズル - Google Patents

噴出速度調節型スリツトノズル

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JPH05138078A
JPH05138078A JP30146291A JP30146291A JPH05138078A JP H05138078 A JPH05138078 A JP H05138078A JP 30146291 A JP30146291 A JP 30146291A JP 30146291 A JP30146291 A JP 30146291A JP H05138078 A JPH05138078 A JP H05138078A
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JP
Japan
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nozzle
movable plate
longitudinal direction
ejection
piece
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Application number
JP30146291A
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English (en)
Inventor
Sadao Ebata
貞夫 江端
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 一直線状に細長い噴出口隙間を有するスリッ
トノズルから噴出する流体の速度をノズル長手方向の任
意の部位で調整自在とする。 【構成】 上部ノズル片11と下部ノズル片12とで形成さ
れた整流室Rと噴出口隙間G内に可動板13を配設する。
可動板13の中央部にはビス18を介して細長い拘束板21
が、また後端部には押しバネ22が下部ノズル片12との間
に配設してある。また可動板13の後端部はノズル長手方
向に移動しながら可動板13を部分的に押し下げるコロ23
が配置してある。ノズルの長手方向にコロ23を移動させ
て可動板13を局部的に押し下げて曲げると噴出口間隙G
の末広がりの度合いが調整され、これによって局部的に
流体の流速を変更することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は流体を噴射するためのス
リットノズルに関し、更に詳しくは一直線状に細長い噴
出口隙間を形成し、かつ、これから噴出される噴出流の
速度をノズル長手方向の任意の部分に於いて調整するこ
とが可能な噴出速度調節型スリットノズルに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一直線状に細長い噴出口隙間を形成する
スリットノズルは、板状の物体の広い面を洗浄したり、
または、この面に化学的処理、もしくは表面性状向上等
の処理を施す場合に、広く応用されているが、このよう
な場合にスリットノズルから噴出される噴出流が物体面
におよぼす衝突圧力、もしくは物体面に衝突する速度を
部分的に異ならせる必要性のあることがしばしばある。
【0003】例えば、帯状の鋼板に連続的に溶融亜鉛め
っきを施す場合に、図12に示すように被めっき鋼板2を
一旦溶融亜鉛浴1中に引き入れた後に、溶融亜鉛浴1中
に配置された浴中ロール4で方向転換させて垂直に引き
上げて行き、鋼板2の表面に付着して上がってきた溶融
亜鉛の過剰分を溶融亜鉛浴上に対向して配設された一対
のスリットノズル3から噴射される加圧された空気もし
くは窒素等の流体の力によって吹き落して所要付着量す
なわちめっき厚みに仕上げるようにした設備が一般的に
用いられている。
【0004】このような溶融亜鉛めっき設備において、
スリットノズル3は最も重要な装置の一つであり、その
性能によってめっき膜厚の均一性や、めっき面の美麗さ
が直接的に影響されるため、スリットノズル3の構造決
定には細心の注意を払わねばならない。これまで一般的
に用いられているスリットノズル3の先端部構造は図15
の断面図にノズル3の長手方向に一様に展開されたスリ
ット状の噴出口隙間になった噴出口5を有しており、こ
の噴出口の隙間Gは 0.5〜3mmに設定されている。
【0005】このような場合に、噴出口の隙間Gがノズ
ル長手方向に一定であれば被めっき鋼板2の表面に対し
て、被めっき鋼板2の幅方向すなわちスリットノズル3
の長手方向に一様な噴出流を噴射すれば過剰に付着して
きた亜鉛を一様に吹き落とすことができるために均一な
めっき厚みを得ることができるように一見考えられる。
しかしながら、実際には例えスリットノズル3から流体
が均一に噴出されたとしても、噴出後の噴出流の流れ方
は被めっき鋼板2の両縁部において非定常的に不均一に
なっていること、また被めっき鋼板2の両縁部に付着し
て上がって来る溶融亜鉛の量はその他の部分に比して多
いこと、更には両縁部の温度低下が起因して吹き落し難
いこと等のために結果的に両縁部 100mm程度以内の範囲
のめっき厚みは、その他の内側部に比べて厚くなった状
態で仕上がってしまい、品質や歩留まりを著しく損なう
という重大な問題を引き起こすことは広く知られてい
る。
【0006】このような不都合を防ぐために、例えば図
13に示すように、被めっき鋼板2の幅より広い範囲をカ
バーする長さの主となるスリットノズル3と、これの上
方に、かつ被めっき鋼板2の両縁部に位置する所に、幅
の狭い従となるスリットノズル4を併用し、両縁部での
亜鉛の吹き落としを2段的に行うことによって均一なめ
っき厚みを得ようとする手段が知られている。また図14
に示すようにスリットノズル3のスリット状噴出口3a
の隙間を被めっき鋼板2の両縁部に位置する部分で幅方
向内側から両外方向に向かって順次広がるようなテーパ
形状にし、両端部近辺での流体の噴出量に変化を付ける
ことによって両縁部での亜鉛の吹き落とし力を強めて均
一なめっき厚みを得ようとする手段が知られている。
【0007】しかし、前者の手段においては、従となる
上方に装備された幅の狭いスリットノズル4から噴出さ
れた噴出流の被めっき鋼板2面への衝突によって生じる
飛散亜鉛が下方の主となるスリットノズル3に降り懸か
り、そしてこれが付着して、スリットノズル3の安定し
た噴出を阻害するばかりでなく、スリットノズル3およ
びスリットノズル4から噴出された噴出流が被めっき鋼
板2へ衝突した後にこれの表面に沿って流れ、そしてス
リットノズル4からの噴出流の下降成分流とスリットノ
ズル3からの噴出流の上昇成分流とが互いに衝突干渉し
合うために調整および保守が極めて煩雑であり、更には
上方のスリットノズル4の端に位置する境界部、すなわ
ち2段的に吹き落とされる部分と、1段的に吹き落とさ
れる部分との境界部では明確に吹き落とし条件が異なっ
てしまい、特にこの部分で均一なめっき厚みを得ること
はできないといったような欠点がある。
【0008】また、後者の手段においては頻繁に変わる
被めっき鋼板2の幅に随時対応することができないため
に、幅の変更の度にスリットノズル3を交換せざるを得
ず、多数の交換用のものを保有しなければならず、また
交換作業のために生産能率を低下させてしまう欠点があ
るばかりでなく、めっき厚みを均一にするように隙間の
テーパを合致させることは不可能に近い程困難であり、
そのため均一度の高いめっき厚みが得難いといった欠点
を有する。
【0009】更に、後者の手段の大きな問題点は、噴出
口の隙間を広げてもそれ程に亜鉛を吹き落とす力が強く
ならず、そのために無闇に流体の噴出量を増加させる結
果となってしまい、エネルギーコストを高めてしまうば
かりでなく、両縁部では流体の噴出量が非常に多くなる
ために、必然的に被めっき鋼板2の表面に沿って下方に
向かって流れる流体の量も増え、そしてこれが溶融亜鉛
浴1の溶融亜鉛表面を叩く力の増加となり、結果的に溶
融亜鉛表面での飛散溶融亜鉛が多くなってしまい、供給
流体圧力を高めなければならないような、例えば高速度
での、もしくは薄いめっき厚みを得るための操業を不能
としてしまう欠点を有する。
【0010】このような問題点を解消するには、流体の
噴出口の各部分の隙間を可変することが有効であり、こ
のための試みとしてたとえばこれまでに特開昭51-87435
号公報および特公昭60-43909号公報等が提案されてい
る。前記公報に提案されている従来技術のうち、前者の
可変噴射口型スリットノズルは厚みの薄い可撓部材で作
られた上部の可撓唇と厚みのある固定した基準面を有す
る下部の固定唇とによりノズル開口部を形成し、可撓唇
の調整によりノズル開口部を長手方向について変形して
めっき厚さを調整するようにしたものである。
【0011】当該従来技術は、上部可撓唇をラックで上
下に動かすことによって気体の噴出口の隙間を調整する
ようにしているが、このような技術においては、可撓唇
が薄いためにこれ自身が周囲の温度による熱変形の影響
を受け易いこと、気体の噴出によって可撓唇に振動が発
生し易いこと、更にはノズル長手方向における隙間の滑
らかな差異をつけ難いこと等の問題があって、正確で安
定した噴出量の調整が容易にできない欠点を有してい
る。
【0012】このような欠点を無くそうとして提案され
た後者の可変噴射口型スリットノズルは、長尺材の上ブ
ロックおよび下ブロックとの組み合わせにより板幅方向
に沿ってガス吹出しスリットを形成してなるスリットノ
ズルにおいて、下ブロックを固定側とし上ブロックを可
動側としてともに剛性体で構成し、その剛性上ブロック
の長手方向の複数個所に、該ノズル上ブロックをパワシ
リンダにより上向きまたは下向きに押圧してガス吹出し
スリットの間隙を板幅方向で可変にしたものである。
【0013】しかし、この従来技術においては、シリン
ダの反力を受けるための上横フレームおよび下横フレー
ム等は、これらの支点の位置がノズル全長の外側になる
ために力的に考えて極めて大きな断面積の強度部材を必
要とし、スペース的に見てこれらを収容することは実際
上極めて困難であるばかりか、下横フレームが大きいこ
とは、ノズル下面部に沿って流れる二次空気流の平滑な
流れを阻害し、均一な吹き落としに支障をもたらすと共
に、異常なスプラッシュ発生の原因や、これへのスプラ
ッシュ付着の発生原因等となる欠点を有している。
【0014】また、前述した両技術の共通した問題点
は、いずれも上部の可撓唇またはノズル上ブロックを、
これらの上方に配置されたラックまたはシリンダで上下
させているが、一般的にはノズルの上方直近には被めっ
き鋼板の位置を一定に保持するためのサポートロールを
配設する必要上、このように上方にラックまたはシリン
ダを配置するような構造はスペース的条件で実際上適用
することが困難である。
【0015】前述のように可変噴射口型スリットノズル
にも欠点があり、他の確実な手段が実用化されていない
ため、不満足ながらも図14に基いて説明したスリットノ
ズル3の噴出口隙間3aを両縁部では幅方向内側から両
外方向に向って順次広がるようなテーパ形状にするもの
に頼らざるを得ないのが実状であり、有効な手段が切望
されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前述従来技術
の問題点を解消しスリットノズルのスリット状隙間をノ
ズル長手方向について任意の箇所で調整することができ
る噴出速度調節型スリットノズルを提供することを目的
とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】図11は本発明者がスリッ
トノズル3の噴出口の隙間G、スリットノズルに供給さ
れる流体の圧力P、仕上がりめっき厚みT等の関係を、
その他の条件を一定にして実測し、そしてその結果をグ
ラフに表示した一例である。このグラフから、スリット
ノズルの噴出口の隙間Gが変わっても、換言すれば流体
の噴出量を増減しても、ほとんどめっき厚みTが変わら
ないことが明らかである。一方、スリットノズルに供給
される流体の圧力Pが変わった場合、換言すれば流体の
噴出速度(供給する流体の圧力によって決まる)が変わ
った場合には、それに応じて確実にめっき厚みTが変わ
ることが明らかである。すなわち、所要の仕上がりめっ
き厚みTを得るためにはスリットノズルの噴射口の隙間
Gを制御するのではなく、スリットノズルから噴出され
る流体の速度を制御することが効果的であることが分か
る。
【0018】スリットノズルから噴出する噴出流の速度
はスリットノズルに供給される流体の圧力を変えること
によって簡単にできることは言及するまでもないことで
あるが、スリットノズルの長手方向において部分的に、
かつ滑らかな変化割合で供給圧力を異ならせるようにす
ることはスリットノズルの構造上から考えて実際上極め
て困難である。
【0019】そこで、本発明者は前述のような実測結果
に着目し、かつ上述のような問題点をふまえて研究した
結果、部分的に噴出流の速度を変えることができる新し
いスリットノズルの開発に成功した。本発明は、上部ノ
ズル片と、これに抱き合わせるように対向して後端部を
締結した下部ノズル片とによって、流体整流室と、流体
の吹き出し通路となる一直線状の細長い噴出口隙間を形
成するスリットノズルにおいて、前記噴出口隙間が流体
整流室側から出口に向かう末広がりの度合いが、噴出方
向に直角なノズル長手方向各部において部分的に調整自
在として流体の噴出速度をノズル長手方向各部で変更で
きるように構成してなることを特徴とする噴出速度調節
型スリットノズルである。
【0020】本発明では、上部ノズル片と下部ノズル片
との間にあって、上面が前記上部ノズル片の下面との間
で噴出口隙間を形成すると共に、下面が下部ノズル片の
先端部に設けた支点突起に支持され、かつ噴出口隙間の
前端部から整流室の後端部まで延びる可動板とを具え、
前記噴出口隙間は前記可動板を、支点突起を支点として
傾動させることによって整流室側から出口に向かって末
広がりの度合いがノズル長手方向各部において部分的に
調整自在とすることができる。
【0021】可動板は、その整流室後部にノズル長手方
向に所要のピッチを置いて切り欠きを入れた構造とし
て、前記可動板の切欠部を部分的に曲げ変形させて傾動
させるように構成するのが好ましい。また、上部ノズル
片と可動板との間で、側方外部よりのロッドを介する移
動によりノズル長手方向の任意の設定位置で前記可動板
の後端部を上面から部分的に押し下げるように配置した
コロを備えるようにすることができ、さらに可動板の各
切欠部の途中と下部ノズル片とをビスを介して接続する
と共に、各切欠部の後端部と下部ノズル片との間に押し
バネを内装した構造にするのが好適である。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。図7は本発明のスリットノズルを示す斜視図であ
る。また図8は図7をA矢視方向から見た平面図であ
り、図9は図7をB矢視方向から見た平面図である。図
7〜図9に示すように本発明のスリットノズルは主とし
てスリットノズル本体10とヘッダ16とから構成されてい
る。なお29はノズル本体10の側方外部より内部に挿され
ているロッドを示し、16aは流体用の供給管を示す。
【0023】図3は図9のC−C矢視を示す長手方向水
平断面図であり、図4は図8のD−D矢視を示す長手方
向鉛直断面図である。また図1は図8のE−E矢視を示
す鉛直断面図であり、図2は図8のF−F矢視を示す鉛
直断面図である。図1,図2に示すように、スリットノ
ズル本体10は、上部ノズル片11, 下部ノズル片12, 可動
板13等の主要部品で構成されている。上部ノズル片11と
下部ノズル片12は抱き合わされるように対向した状態で
後端部をボルト14で締結されており、また上部ノズル片
11,下部ノズル片12およびヘッダ16はボルト15により一
体に結合されている。そして上部ノズル片11と下部ノズ
ル片12との間には流体の流れ方を整えるための整流室R
が形成されていると共に流体の吹き出し通路となる一直
線状の細長い噴出口隙間Gが形成されている。
【0024】前記のように上部ノズル片11の上面部には
外部から供給される流体を受入れ、かつこれをノズル長
手方向に均一に配分するためのヘッダ16がボルト15によ
って取り付けられており、この中に供給口16aを介して
供給された流体は、これの下面部に、かつ長手方向に所
要のピッチおよび直径で施された複数個の通気孔16b、
および、これに連通するように施された上部ノズル片11
の通気孔11a等を通して整流室Rに導かれる。整流室R
の内部には可動板13が設けられており、これには、部分
的に長手方向に異なった状態を作り易くするために容易
に曲がるように、所要のピッチで、かつ先方(左方) の
一部を残す長さの切り欠き13aが施されている。また、
この可動板13の先方近辺の下面部には、下部ノズル片12
の先端の上面部に突起する支点突起12aに嵌まり合う溝
13bが刻まれており、この可動板13は実質的にこの嵌ま
り合った部分を支点として傾動運動をすることができる
ようになっている。更に、この可動板13は、その先方上
面部が上部ノズル片11の先端下面部11bとの間に流体が
通るための所要の隙間Gが形成されるように配置されて
いる。
【0025】下部ノズル片12の先方近辺に切欠きにより
区分された可動板13にそれぞれ対応して上下方向に雌ね
じ17が設けてあり、ここにシール座32を介してビス18の
根元ねじ19をねじ込んで固定してある。さらにビス18の
先端部には先端ねじ20が設けてあり、この先端ねじ20の
部分は各可動板13に設けられたタップ穴30にルーズに貫
通している。
【0026】そしてビス18の先端ねじ20は細長い拘束板
21の長手方向に配列して設けられた雌ねじ31にねじ込ん
である。ビス18の雌ねじ31へのねじ込み具合は可動板13
の後端部13cが上部ノズル片11の角部11cからわずかに
接する程度に調節する。可動板13の後方(右方)近辺
は、切り欠き13aで区切られた部片のそれぞれが、下部
ノズル片12に施されたそれぞれの孔12d内に内装された
押しバネ22によって常に押上力を受けており、したがっ
て、特にここに押下力が働かない限り可動板13の後端部
13cは上部ノズル片11の角部11cの下面に接した状態で
一定の位置に保持される(図2参照)。このように上部
ノズル片11の先端部の、可動板13に対向する面11bは、
可動板13の後端部13cが上部ノズル11の角部11cに当た
っている状態の時に、図5に示すように整流室側から出
口に向かって末広がりになり、かつ後端部13cが押し下
げられた時に、図6に示すように出口に向かって平行に
なるように所要の角度が付けられており、流体は上部ノ
ズル片11の面11bと可動板13の上面で形成される隙間G
を通って整流室Rから外部に噴出される。
【0027】可動板13は支点突起12aを中心にして傾動
し、かつ、この支点突起12aの位置は面11bの始点11d
と終点11eとの間に位置するようになっているから、図
5に示す状態の時の隙間Gの入側部の寸法H1、出側部
の寸法H2、および図6に示す状態の時の隙間Gの寸法
H3等の間にはH2>H3>H1の関係がある。流体が
整流室Rから外部に向かって噴出する時、その流量は、
図5に示す状態では寸法H1で、また図6に示す状態で
は寸法H3によって決まり、いずれの状態に於いても供
給される流体の圧力が同じであれば、H1およびH3の
寸法の所を通る時の流体の流速は同じである。ところ
が、図5の状態の場合には隙間Gが出側部に向かって順
次滑らかに広がっているために隙間Gを通る流体の速度
は出側部に行くに従って隙間寸法に反比例するように遅
くなる。このような現象は、隙間Gを通る流体の量が他
のどの部分に於いても一定であり、しかも流路面積と速
度の積が一定でなければならないことから生ずる現象で
あり、ごく一般的な周知のことである。
【0028】すなわち、スリットノズル本体10の出口で
は、図5の状態の時の方が図6の状態の時に比べて整流
室R内の流体圧力が同じであっても流体の噴出速度が遅
くなる。その関係はH1のところでの流速をV1とした
場合、H2のところでの流速V2は概略H1/H2倍と
なる。このことから、可動板13を傾動させることによっ
て任意に流体の噴出速度を変えることができることが明
白である。
【0029】図3および図4に示すように可動板13は、
その後方部13cをコロ23,24,25によって押さえられる
ことによって傾動するようになっている。ここでコロ23
は直接的に可動板13の後方上面部に接し、またコロ24,
およびコロ25は上部ノズル片11の下面11fに接してお
り、これら3個のコロを組み合わせた時の上端から下端
までの寸法を適当に選ぶことによって、上部ノズル片11
の下面11fと可動板13の後方上面部との間の間隔を押し
広げて、可動板13を所要の量だけ傾動させている。
【0030】この場合、コロ23によって可動板13が押し
下げられた部分では、ビス18に支持された細長い板21の
下面から可動板13は離れた状態になるが、押し下げられ
ていない隣りの可動板13では、押しバネ22の作用により
細長い板21に接した状態となり可動板13が押力を受け
る。そのため可動板13の溝13bから下部ノズル片12の支
点突起12aがはずれることがない。
【0031】なお、コロ23,24,25等は支持枠26に固定
されたピン27によってそれぞれ回転自在に支持された状
態で一体的に組み合わされている。そして支持板26に
は、整圧室Rの長手方向側端部から流体が漏出するのを
防ぐために設けられた閉塞板28を貫通してノズル本体10
の内部に長手方向に沿って装入されたロッド29の一端が
固定されており、このロッド29を出し入れすることによ
ってコロ23, 24, 25等はノズル本体10の内部でその長手
方向に沿って移動する。このロッド29の外方他端部は適
当なアクチュエータ(図示省略)に伝動連結されてい
て、コロ23等が可動板13の傾動するべき位置、すなわち
被めっき鋼板の縁部に自動的に合致するようになってい
る。
【0032】このような構造のスリットノズル本体10に
於いて、実施例では隙間Gを両端部の寸法H1,H2,
その他のH3をそれぞれ0.8mm, 1.6mm, 1.2mm になるよ
うに設定し使用した。図10および図11は、連続溶融亜鉛
めっきラインに於いてめっき製品を製造した結果得られ
た被めっき鋼板幅方向のめっき厚み分布を示すグラフで
あり、図10は従来用いられているような手段、すなわち
図14に示す様にスリットノズル3のスリット状噴出口の
隙間Gを、被めっき鋼板2の両縁部に位置する部分で中
央部から両側方に向かって順次拡がるようなテーパにし
た方法で得られた結果を、また図11は本発明の実施例に
よって得られた結果を示す。
【0033】これらの結果から明らかなように本発明の
スリットノズル本体10を用いた場合には、明らかに幅方
向に均一なめっき厚みの製品が得られることが分かる。
なお、本発明の実施例においてはスリットノズル長手方
向の一部分の噴出速度を調節する例について述べたが、
可動板13の傾動を長手方向に一様に行うようにすれば流
体の供給圧力を変えることなく長手方向一様に噴出速度
を調節できるようにすることも可能である。
【0034】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明を採用する
ことにより、極めて均一なめっき厚みの高品質なめっき
鋼板を得ることができるばかりでなく、供給する流体の
使用量を削減してコストリダクションをはかることがで
き、更には高速度で薄いめっき膜厚の製品が製造できる
ために生産性アップに大きく寄与することができ、この
工業的価値は多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスリットノズル構造を図8のE−E矢
視で示す断面図である。
【図2】本発明のスリットノズル構造を図8のF−F矢
視で示す断面図である。
【図3】本発明のスリットノズル構造を図9のC−C矢
視で示す断面図である。
【図4】本発明のスリットノズル構造を図8のD−D矢
視で示す断面図である。
【図5】本発明のスリットノズルにおける間隙をテーパ
状にしたときの状況を断面で示す説明図である。
【図6】本発明のスリットノズルにおける間隙を平行状
にしたときの状況を断面で示す説明図である。
【図7】本発明のスリットノズルを示す斜視図である。
【図8】図7のA矢視を示す平面図である。
【図9】図7のB矢視を示す正面図である。
【図10】従来手段と本発明による鋼板幅方向におけるめ
っき厚みの分布を示す線グラフである。
【図11】噴出口隙間Gとめっき厚みとの関係を示す線グ
ラフである。
【図12】従来例を示す斜視図である。
【図13】他の従来例を示す斜視図である。
【図14】さらに他の従来例を示す斜視図である。
【図15】従来のスリットノズル本体の先端部を示す部分
断面図である。
【符号の説明】
10 スリットノズル本体 11 上部ノズル片 12 下部ノズル片 13 可動板 14 ボルト 15 ボルト 16 ヘッダ 17 雌ねじ 18 ビス 19 根元ねじ 20 先端ねじ 21 細長い板 22 押しバネ 23 コロ 24 コロ 25 コロ 26 支持枠 27 ピン 28 閉塞板 29 ロッド 30 タップ穴 31 雌ねじ 32 シール座

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部ノズル片と、これに抱き合わせるよ
    うに対向して後端部を締結した下部ノズル片とによっ
    て、流体整流室と、流体の吹き出し通路となる一直線状
    の細長い噴出口隙間を形成するスリットノズルにおい
    て、前記噴出口隙間が流体整流室側から出口に向かう末
    広がりの度合いが、噴出方向に直角なノズル長手方向各
    部において部分的に調整自在として流体の噴出速度をノ
    ズル長手方向各部で変更できるように構成してなること
    を特徴とする噴出速度調節型スリットノズル。
  2. 【請求項2】 上部ノズル片と下部ノズル片との間にあ
    って、上面が前記上部ノズル片の下面との間で噴出口隙
    間を形成すると共に、下面が下部ノズル片の先端部に設
    けた支点突起に支持され、かつ噴出口隙間の前端部から
    整流室の後端部まで延びる可動板とを具え、前記噴出口
    隙間は前記可動板を、支点突起を支点として傾動させる
    ことによって整流室側から出口に向かって末広がりの度
    合いがノズル長手方向各部において部分的に調整自在と
    した請求項1記載の噴出速度調節型スリットノズル。
  3. 【請求項3】 可動板は、その整流室後部にノズル長手
    方向に所要のピッチを置いて切り欠きを入れた構造とし
    て、前記可動板の切欠部を部分的に曲げ変形させて傾動
    させるように構成した請求項2記載の噴出速度調節型ス
    リットノズル。
  4. 【請求項4】 上部ノズル片と可動板との間で、側方外
    部よりのロッドを介する移動により、ノズル長手方向の
    任意の設定位置で前記可動板の後端部を上面から部分的
    に押し下げるように配置したコロを備えてなる請求項2
    または請求項3の噴出速度調節型スリットノズル。
  5. 【請求項5】 可動板の各切欠部の後端部と下部ノズル
    片との間に押しばねを内装する一方、下部ノズルの途中
    に上向きにビスを貫通させ、このビスを前記可動板の各
    切欠部に設けたタップ穴にルーズに貫通させると共に、
    前記ビスの先端部に細長い拘束板をねじ止めした請求項
    4記載の噴出速度調節型スリットノズル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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