JPH051350Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、籾摺後における混合米から玄米のみ
を、表面に凹所を多数個設けて成る複数枚のデイ
スクの回転によつて、選択的に選別するようにし
た穀粒選別装置に関するものである。

〔従来の技術〕

選別セルの内部に、回転軸を横向き配設し、こ
の回転軸に、表面に多数個の凹所が形成されたデ
イスクを適宜間隔にて複数枚設ける一方、前記選
別セルのうち前記回転軸を挟んで一方側に、複数
個の玄米取出しシユートを前記各デイスクの間に
挿入するように設け、更に、選別セルには、その
軸方向の一端部に、混合米の供給部を、軸方向の
他端部に排出部を各々設けて成るデイスク回転式
穀粒選別装置は、先行技術としての特開昭56−
136688号公報によつて提案されている。

そして、前記デイスク回転式穀粒選別装置は、
選別セル内にその一端の供給部から供給された混
合米が、各デイスクの間の部分において、当該デ
イスクの回転によつて或る高さまで持ち上がつた
のち落下する流動を繰り返すとき、この流動層中
の玄米が、デイスクにおける凹所に嵌まつて高い
位置から落下することを利用して、高い位置から
落下する玄米を玄米取出しシユートに受けて取り
出すようにしたものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、この種のデイスク回転式穀粒選別装
置において、混合米中の玄米が各デイスクにおけ
る凹所内に嵌まる確率は、選別セル内における混
合米の流動層の厚さに比例する一方、選別セル内
における混合米の流動層の厚さは、供給部寄りの
部位において厚く、排出部寄りの部位において薄
くなる傾向を呈するものである。

これに対して、前記従来におけるデイスク回転
式穀粒選別装置では、各デイスクの間の間隔を全
部のデイスクについて同じ寸法に設定している。
従つて、排出部寄りの部位では、デイスクによつ
て掬い上げられる玄米の量が、混合米の流動層の
厚さが薄くなることに起因して少なくから、全体
の選別能力が低く、選別能力の向上を図るには、
デイスクの枚数を多くしなければならず、大型化
を招来すると言う問題があつた。

本考案は、この問題を解消することを目的とす
るものである。

〔問題点を解決するための手段〕

この目的を達成するために本考案は、選別セル
の内部に、回転軸を横向き配設し、この回転軸
に、表面に多数個の凹所が形成されたドーナツツ
状デイスクを適宜間隔にて複数枚設ける一方、前
記選別セルのうち前記回転軸を挟んで一方側に、
複数個の玄米取出しシユートを前記各デイスクの
間に挿入するように設け、更に、選別セルには、
その軸方向の一端部に、混合米の供給部を、軸方
向の他端部に排出部を各々設けて成るデイスク回
転式穀粒選別装置において、前記各デイスク間の
間隔を、前記排出部寄り側において狭くする構成
にした。

〔考案の作用・効果〕

このように構成すると、選別セル内における混
合米の流動層の厚さが、排出部寄りにおいて薄く
なつても、排出部寄り側におけるデイスクの枚数
が多いことにより、混合米中における玄米がデイ
スクにおける凹所に嵌まる機会を増大することが
できるから、選別能力が排出部寄りの部位におい
て低下する傾向を防止することができるのであ
る。

従つて、本考案によると、選別能力の向上を図
ることができると共に、小型化できる効果を有す
る。

〔実施例〕

以下、本考案を籾摺選別機における穀粒選別機
構に適用した場合の実施例の図面について説明す
ると、デイスク回転式選別装置１は、図示しない
籾摺部にて脱ぷ後の籾摺米を風選にて籾穀と混合
米とに選別された後のその混合米を選別セル２内
の横向き配置の複数枚のデイスク１１にて玄米と
籾とに選別するものである。

選別セル２は、第１図に示すごとく、その下部
を含み、後述の玄米取出しシユート９の開口部９
ａ箇所を除く中心角度θの範囲にわたつて、デイ
スク１１の外周面と適宜の隙間ｈだけ隔てるよう
な略円筒状に形成し、また、選別セル２の底面に
は、残米排出弁（図示せず）が開閉自在に設けら
れている。

前記選別セル２内には、モータによつて適宜速
度に回転駆動される回転軸１０が、選別セル２両
端の左右両側板２ａ，２ｂ箇所に、選別セル２の
円筒軸線と平行に軸支され、この回転軸１０に
は、片面又は両面に玄米は嵌まるが籾は嵌まらな
いような寸法に設定した凹所１２を多数個刻設し
たドーナツツ状のデイスク１１が、軸方向に適宜
間隔で複数枚設けられている（但し、図面は、デ
イスク１１の両面に凹所１２を刻設した場合を示
す）。

前記選別セル２には、その一側板２ａと天板部
との連設箇所近傍に供給部４が穿設され、該供給
部４に接続したホツパー６には、風選部からの混
合米スロワーが接続する一方、選別セルの他側板
２ｂに排出部５が穿設され、この排出部５から排
出される籾を前記籾摺部における籾供給ホツパー
内に還流するための還流シユート７が接続されて
いる。

前記供給部４は第１図および第３図に示すごと
く、回転軸１０の軸線を挟んで一方に設けられ、
この供給部４と反対側には、選別セル２に連設す
るように玄米取出しシユート９を設け、該玄米取
出しシユート９の一側板と共用する状態で、選別
セル２の下部から、デイスクの半径内方向に向か
つてのびるように傾斜立設する仕切弁体１３は、
前記各デイスク１１間、及びデイスク１１と選別
セル２の両側板２ａ，２ｂとの間に配置され、こ
の各仕切弁体１３の中途部は、選別セル２の下部
における混合米の流動層Ａと玄米取出シユート９
とを仕切るように構成する。

そして、前記各デイスク１１間の間隔を、前記
供給部４寄り側において広く、排出部５寄り側に
おいて狭くするように設定する。

なお、各デイスク１１における多数個の各凹所
１２は、デイスク１１における円周方向の長さ寸
法を、半径方向の幅寸法よりも大きくした半円形
状であり、その半径方向の幅寸法は、玄米の長さ
寸法よりも小さく玄米の幅寸法よりも大きい寸法
に設定されている一方、各凹所１２における長手
方向の左右両内側面のうち、デイスク回転方向に
対して前側に位置する内側面を、適宜角度（例え
ば、約15度）の傾斜面に形成し、この傾斜状内側
面と底面との交点から他方の内側面までの長さ寸
法は、玄米の長さ寸法と略等しく、且つ、凹所１
２の深さは、玄米の直径と略等しい寸法に設定さ
れている。

しかして、籾摺部で脱ぷされた摺落米は、風選
部において籾殻が吸引排塵フアンに吸引されるよ
うに風選別される。この風選によつて籾殻が除か
れた混合米は、混合米スロワーより選別セル２の
上方位置における供給部４から供給される。

このようにして選別セル２内に供給された混合
米は、回転するデイスク１１との間にて第１図の
一点鎖線の矢印で示す動きの流動層Ａのようにあ
る高さまで持ち上げられた後落下するように流動
しながら、排出部５に向つて移送される。

この流動中において、混合米中の玄米は各デイ
スク１１における凹所１２に嵌まつて高い位置ま
で持ち上げられたのち凹所１２から落下すること
により仕切弁体１３に入ように選別される。

この場合において、各デイスク１１における凹
所１２に嵌つて玄米が適宜高さ位置まで持ち上が
ると、たとえその高さ位置にて凹所１２から玄米
が外れても、当該玄米はデイスクの上向きの回転
による投げ方向の分力とデイスクの外周方向への
遠心力とベクトル和が選別セル２の円筒状の内周
面２ｃに対して傾斜し、且つ上向きの力となるか
ら、当該選別セルの内周面に沿つて玄米が移動
し、仕切弁体１３の上端を越えて玄米が玄米取出
シユート９方向に落下することができるのであ
る。

なお、前記実施例は、各ドーナツツ状デイスク
１１を平面板型に形成した場合であつたが、各ド
ーナツツ状デイスク１１を円錐型に形成して、そ
の内面側に多数個の凹所２２を設けた形態にして
も良いことは勿論である。

さらに、前記各仕切弁体１３を玄米取出しシユ
ート９の一側面と共用するように一体的に形成す
れば、選別セルの構造が極めて簡単となる効果も
奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は選別装
置の縦断正面図、第２図は第１図の−視断面
図、第３図は第１図の−線視断面図である。 ２……選別セル、２ａ，２ｂ……左右両側板、
２ｃ……選別セルの内周面、４……供給部、５…
…排出部、９……玄米取出しシユート、１０……
回転軸、１１……デイスク、１２……凹所、１３
……仕切弁体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 選別セルの内部に、回転軸を横向き配設し、こ
   の回転軸に、表面に多数個の凹所が形成されたド
   ーナツツ状デイスクを適宜間隔にて複数枚設ける
   一方、前記選別セルのうち前記回転軸を挟んで一
   方側に、複数個の玄米取出しシユートを前記各デ
   イスクの間に挿入するように設け、更に、選別セ
   ルには、その軸方向の一端部に、混合米の供給部
   を、軸方向の他端部に排出部を各々設けて成るデ
   イスク回転式穀粒選別装置において、前記各デイ
   スク間の間隔を、前記排出部寄り側において狭く
   したことを特徴とするデイスク回転式穀粒選別装
   置。