JPH05125368A - 結晶性シリケート触媒およびこれを用いる改質方法 - Google Patents

結晶性シリケート触媒およびこれを用いる改質方法

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JPH05125368A
JPH05125368A JP3161799A JP16179991A JPH05125368A JP H05125368 A JPH05125368 A JP H05125368A JP 3161799 A JP3161799 A JP 3161799A JP 16179991 A JP16179991 A JP 16179991A JP H05125368 A JPH05125368 A JP H05125368A
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catalyst
reforming
silicalite
microns
silica
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JP3161799A
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J Miller Steven
ジエイ.ミラー スチーブン
F Muraskii Burney
エフ.ムラスキイー バーニー
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Chevron Research and Technology Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 結晶子シリケート改質触媒およびこれを用い
る方法を提供。 【構成】 本発明の好ましい改質触媒はシリカ対アルミ
ナの高いモル比と小さい結晶子寸法とを有する。この触
媒を用いる改質方法は水素を添加せずに低い圧力および
温度で操作するのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は結晶性シリケート改質触媒および
これを使用する改質方法に関する。一層特定的には、プ
ロセス条件と改良された触媒との組合せの結果、汚染速
度が低くなる。
【0002】接触改質は石油産業において周知であり、
芳香族の生成によってオクタン価を向上するためにナフ
サ留分を処理することをいう。改質に際して起る一層重
要な反応には、シクロヘキサンの芳香族への脱水素、ア
ルキルシクロペンタンの芳香族への脱水素異性化、およ
び非環式炭化水素の芳香族への脱水素環化が含まれる。
また、アルキルベンゼンの脱アルキル、パラフィンの異
性化、およびガス状の軽質炭化水素例えばメタン、エタ
ン、プロパンおよびブタンを生成する水添分解反応を含
む多数の他の反応も起る。水添分解反応はガソリン沸点
範囲の生成物および水素の収率を低下するので、改質に
際してこの反応を特に最少にすべきである。
【0003】自動車燃料などとして高オクタン価ガソリ
ンに対する需要があるので、改良された改質触媒および
接触改質方法の開発のために広汎な研究がなされてい
る。優れた改質方法のための触媒は良好な選択性をもた
ねばならない。つまり触媒は、高濃度の高オクタン価芳
香族炭化水素と低濃度のガス状炭化水素とを含むガソリ
ン沸点範囲の液状生成物を高収率で生成できねばならな
い。また触媒は、特定品質の生成物を生成するのに必要
な温度が高すぎないように良好な活性をもつべきであ
る。また、活性および選択性という特性を長期の操業期
間にわたって保持できあるいは性能を低下することなく
頻繁な再生を可能とするように触媒が十分に再生可能で
あるように、触媒は良好な安定性を有することも必要で
ある。
【0004】改質触媒は通常、金属酸化物支持体上に分
散された一つ以上の遷移金属からなる。遷移金属は典型
的には貴金属、特に白金である。しかし金属酸化物には
多数のものがある。例えば、シリカ、アルミナならびに
多くの天然のおよび人工的なゼオライトである。シリカ
ライトはこれらのゼオライトの一つである。
【0005】シリカライトは細孔寸法が中程度のゼオラ
イトでありまた高いシリカ:アルミナ(SiO2 :Al
2 3 )比をもつ。シリカライトの製造方法の例は、D
wyerらの昭和51年3月2日発行の米国特許第3,
941,871号および昭和59年4月10日発行の米
国特許第4,441,991号ならびにDerouan
eらの昭和61年2月7日公開のEPO特許出願第18
6,479号中に示されており、これらはその全体が参
考のために本明細書中に含まれている。
【0006】Dwyerらは、炭化水素の改質および他
の種類の反応のために白金を装荷したシリカライト触媒
を使用できることを示唆している。Dwyerらの場
合、プロセス條件は以下のとおりである。温度700〜
1000°F、圧力100〜1000psig(好まし
くは200〜700psig)、液空間速度(LHS
V)0.1〜10(好ましくは0.5〜4)、および水
素と炭化水素とのモル比(H2 /HC)1〜20(好ま
しくは4〜12)。昭和57年8月31日発行のDet
zらの米国特許第4,347,394号は酸性を実質的
にもたない細孔寸法が中程度のゼオライト(シリカライ
トのような)上に白金を有する触媒を用いてベンゼンを
選択的に生成する方法を開示している。プロセス條件は
480℃以上の温度(一層好ましくは510〜595℃
といった比較的高い温度)、大気圧から10バールまで
の圧力、0.1〜15のLHSVであってよく水素は添
加してもしなくてもよい。P.Jacobsらは、J.
Mol.Cat.27巻(1984年)11ページ所載
の“Comparison ofAcid to Me
tal Catalyzed Conversion
of N−decane and Cyclodeca
ne on ZSM−5 and Faujasite
−type Zeolites”中で、n−デカンおよ
びシクロデカン供試化合物の白金シリカライト触媒によ
る反応を示している。
【0007】水素を添加しない低圧での改質は、比較的
高いオクタン価の改質物を比較的高い収率で生成する。
残念ながら、従来的な触媒は、このような条件下では急
速に汚染するので、このような操作を非実用的なものに
する。従って、上記したような条件下で受容可能な運転
期間をもつ改質触媒に対する要求が生まれた。
【0008】本発明は改質触媒およびこれを用いるため
の方法である。本方法は少くとも一つの第VIII族金
属と、少くとも500:1のシリカ対アルミナモル比と
10ミクロンより小さい結晶子寸法とを有する結晶性シ
リケートとを含む触媒に炭化水素供給物流を接触するこ
とからなる。結晶子寸法は5ミクロンより小さいのが一
層好ましくまた2ミクロンより小さいのが最も好まし
い。シリカライトは好ましい結晶性シリケートでありま
た白金は好ましい第VIII族金属である。また、シリ
カライト触媒は少くとも80%の結晶化度、一層好まし
くは少くとも90%の結晶化度、最も好ましくは少くと
も95%の結晶化度を有するのが望ましい。さらに、本
方法は温度599〜1058°Fおよび圧力100ps
ig以下において水素を添加することなく操作するのが
好ましい。
【0009】他の要素の一つとして、小さな結晶子を含
み結晶化度が高い結晶性シリケート触媒を用いる改質に
よって、改質プロセスを驚くほど長期間操作できること
が見出されている。また、結晶性シリケートが小さな結
晶子を有する場合、結晶性シリケートは水素を添加せず
により低い圧力および温度にて操作できる。別な利点
は、水素を添加せずまた改質圧力が低い場合、高収率が
達成されるということである。
【0010】本方法は一層特定的に、100psigよ
り低い圧力、644〜1004°Fの温度において水素
を添加せずに、0.1ppmより少ない硫黄を含む炭化
水素供給物流をシリカライト改質触媒と接触することか
らなり、改質触媒は白金、少くとも90%の結晶化度、
少くとも1000:1のシリカ対アルミナモル比および
5ミクロンより小さい結晶子寸法をもつシリカライトな
らびにアルカリまたはアルカリ土類金属を含む。結晶子
の少くとも70重量%が10ミクロンより小さいのが好
ましく、少くとも80重量%が10ミクロンより小さい
のが一層好ましく、また少くとも90重量%が10ミク
ロンより小さいのが最も好ましい。
【0011】収率の安定した一層長期の操業期間が得ら
れるという操業上および経済的な利点が改質触媒から生
まれる。これを達成するための一つの方法は触媒そのも
のを改良することによる。本発明者は、結晶子寸法が小
さくかつ結晶化度が高いシリカライトのような結晶性シ
リケートに白金を添加する場合、一層長期にわたる操業
期間が達成できることを見出している。
【0012】結晶性シリカライト 本発明の触媒は結晶性シリケートを含む。本明細書にい
う「結晶性シリケート」とは、酸素原子の共有によって
四面体が交叉結合しているSiO4 四面体の強固な三次
元構造をもつシリケートをさす。結晶性シリケートは実
質的にアルミナを含まないが、出発物質中の不純物にま
たは反応槽の汚染に由来する少量のアルミナを含んでよ
い。好ましい結晶性シリケートはシリカライトであり、
その例は、参考のために全体が本明細書中に包含されて
いる米国特許第4,061,724および再発行第2
9,948号明細書中に開示されている。本発明の結晶
性シリケートのシリカ対アルミナモル比は約500:1
より大きいのが好ましく、約1000:1より大きいの
が一層好ましく、また約2000:1であるのが最も好
ましい。また、結晶性シリケートはか焼した形におい
て、約1.50〜約2.10g/ccの比重と約1.3
〜約1.5の回折指数を有するのが好ましい。
【0013】以下に好ましい触媒に関する詳細およびそ
の製造方法を述べる。上述したごとく、本発明の方法に
おいて使用できる結晶性シリケートは文献中に記載があ
る。合成したままの場合、シリカライト(米国特許第
4,061,724号)は水置換により測定するとき7
7°Fで1.99±0.05g/ccの比重をもつ。か
焼した(空気中で1112°Fで1時間)形において
は、シリカライトは1.70±0.05g/ccの比重
をもつ。シリカライト結晶の平均回折指数については、
合成したままの場合およびか焼した(空気中で1112
°Fで1時間)形の場合について測定した値はそれぞれ
1.48±0.01および1.39±0.01である。
【0014】シリカライト(空気中で1時間1112°
Fでか焼)のX線粉末回折パータンは6本の強い線(す
なわち面内間隔)をもつ。これらを下記の表Aに示す
(「S」は「強い」、「VS」は「極めて強い」を表わ
す)。
【0015】
【表1】 表A d−A 相対的な強さ 11.1±0.2 VS 10.0±0.2 VS 3.85±0.07 VS 3.82±0.07 S 3.76±0.05 S 3.72±0.05 S
【0016】表Bは米国特許第4,061,724号の
方法によって製造しかつ空気中で1112°Fで1時間
か焼した、テトラプロピルアンモニウムオキサイド(T
PA)2 O 1モルあたり51.9モルのSiO2 を含
有する典型的なシリカライト組成物のX線粉末回折パタ
ーンを示す。
【0017】
【表2】 表B d−A 相対的な強さ d−A 相対的な強さ 11.1 100 4.35 5 10.02 64 4.25 7 9.73 16 4.08 3 8.99 1 4.00 3 8.04 0.5 3.85 59 7.42 1 3.82 32 7.06 0.5 3.74 24 6.68 5 3.71 27 6.35 9 3.64 12 5.98 14 3.59 0.5 5.70 7 3.48 3 5.57 8 3.44 5 5.36 2 3.34 11 5.11 2 3.30 7 5.01 4 3.25 3 4.98 5 3.17 0.5 4.86 0.5 3.13 0.5 4.60 3 3.05 5 4.44 0.5 2.98 10
【0018】「合成したままの」およびか焼した形のシ
リカライト結晶はともに、一般に斜方晶系でありまた単
位セルパラメータ、a=20.05A、b=19.86
A、C=13.36A(すべての値とも±0.1A)を
もつ。
【0019】シリカライトの細孔寸法は約6Åでありま
たその細孔容積は吸着で測定するとして0.18cc/
gである。シリカライトは室温においてネオペンタン
(運動学的直径は6.2A)を吸着する。均一な細孔構
造のため組成物に分子篩の寸法選択的な特性が与えら
れ、また細孔寸法によって、o−キシレン、m−キシレ
ンおよびエチルベンゼンからのp−キシレンの分離およ
び低い値の炭素−炭素結合をもつ化合物(例えば直鎖お
よび僅に分枝したパラフィン)からの第4級炭素をもつ
化合物の分離が可能になる。
【0020】米国特許再発行第29,948号明細書の
結晶性シリケートは無水の状態において、
【数1】 0.9±0.2〔xR2 O+(1−x)M2/n O〕:<0.005 Al2 3 :>SiO2 (式中、Mは第IIIA族の金属以外の金属であり、n
はこの金属の原子価であり、Rはアルキルアンモニウム
基でありかつxは0より大きくしかも1を超えない数で
ある)という組成をもつことが示されている。結晶性シ
リケートは表CのX線回折パターンによって特徴づけら
れる。
【0021】
【表3】 表C 平面内間隔d(A) 相対的な強さ 11.1 S 10.0 S 7.4 W 7.1 W 6.3 W 6.4 5.97 W 5.56 W 5.01 W 4.60 W 4.25 W 3.85 VS 3.71 S 3.04 W 2.99 W 2.94 W
【0022】以下にシリカライトに関係する結晶性シリ
ケートについて述べる。米国特許第4,073,865
号の結晶性シリケートの多形体は、弗化物陰イオンを反
応混合物中に含める熱水的方法によって製造する場合、
空気中で600℃においてか焼の後、1.70±0.0
5g/ccの比重および1.39±0.01の回折指数
をもつことが示される。200ミクロンにも達しうる結
晶は、ヒドロキシル基の延びる領域において赤外線吸収
を実質的に示さずまた例外的な程度の疎水性も示す。こ
の結晶は表DのX線回折パターンを示す。
【0023】
【表4】
【0024】文献にはまた他の結晶性シリケートおよび
その製造方法が記載されている。以下の方法は「シリカ
ライト−2」と称する結晶性シリケートの製造方法を開
示する(Nature、1979年8月号)。
【0025】テトラ−n−ブチルアンモニウムハイドロ
オキサイドのみを用いてシリカライト−2の前駆体をつ
くる。ただし余剰のヒドロキシルイオン源として水酸化
アンモニウムまたは水和ヒドラジンを添加すると、反応
速度がかなり増大する。この前駆体は熱水系内での長期
の反応時間にわたって安定である。優れた調製法は、硅
酸(SiO2 74%)としてのSiO2 8.5モル、テ
トラ−n−ブチルアンモニウムハイドロオキサイド1.
0モル、NH4 OH3.0モルおよび水100モルを鋼
製ボンベ中で混合しかつ338°Fで3日間加熱する。
この前駆体結晶は卵形をしており、長さ約2〜3マイク
ロミリメートル、直径1〜1.5マイクロミリメートル
であろう。Li,Na,K,RbまたはCsイオンが存
在するならばシリカライト−2前駆体は生成しないであ
ろうことが報告されており、この場合米国特許第4,0
61,724号のシリカライトの前駆体が生成する。
【0026】また、テトラ−n−ブチルアンモニウムハ
イドロオキサイドを他の第4級水酸化アンモニウム(例
えばテトラエチル、テトラプロピル、トリエチルプロピ
ルおよびトリエチルブチルハイドロオキサイド)によっ
ておきかえると、無定形生成物が得られるので、テトラ
アルキルアンモニウムイオンの寸法は重要であると報告
されてもいる。シリカライト−2中に存在するAlの量
は出発物質の純度に依存し、また5ppmより少ないと
報告されている。前駆体はその寸法のため熱分解によっ
てのみ除去される包蔵テトラアルキルアンモニウム塩を
含む。熱分析および質量スペクトル分析によると、テト
ラアルキルアンモニウムイオンが572°Fで分解しか
つ第3級アミン、アルケンおよび水として失われること
が示される。このことは、同じテトラアルキルアンモニ
ウム塩が空気中では392°Fで通常的な熱分解をする
こととは対照的である。
【0027】Natureの論文はさらに、シリカライ
トおよびシリカライト−2の回折パターンの間の大きな
差は、シリカライトのX線回折パターンにおける9.0
6、13.9,15.5、16.5、20.8、21.
7、22.1、24.4、26.6および27.0度2
θ(Cukアルファ放射)におけるピークがシリカライ
ト−2回折パターンには認められないことであると報じ
ている。また、シリカライト−2回折パターンにおける
8.8、14.8、17.6、23.1、23.9およ
び29.9度におけるピークは、シリカライト回折パタ
ーンにおける二重線でなく単線である。これらの差は、
アルミノシリカライト、斜方晶系ZSM−5および四辺
形ZSM−11の回折パターンの間に認められる差と同
じであることが報ぜられている。シリカライト−2に関
して四辺形対称を仮定して計算された単位セル寸法はa
=20.04、b=20.04、c=13.38である
と報ぜられている。シリカライト−2およびその前駆体
の測定した密度および回折指数はそれぞれ1.82およ
び1.98g/ccならびに1.41および1.48で
あると報告されている。
【0028】結晶性シリケートの製造 本発明の結晶性シリケートの製造には、水、シリカ源お
よびpHが10〜14の有機鋳型化合物からなる反応混
合物の熱水結晶化が一般に関与する。代表的な鋳型部分
には、XR4 (式中Xは燐または窒素でありかつRは炭
素原子2〜6個を含むアルキル基である)例えばテトラ
プロピルアンモニウムの水酸化物(TPA−OH)また
はハロゲン化物のような第4級陽イオンならびにアルキ
ルヒドロキシアルキル化合物、有機アミンおよびジアミ
ン、およびピロリジンのような複素環化合物が含まれ
る。
【0029】pH10〜14の塩基性を与えるのに十分
な量にて、水酸化物の形で有機鋳型化合物(つまりTP
A−OH)が系に供与される場合、反応混合物は水と反
応性のある形のシリカとのみを追加的成分として含有す
ればよい。pHを10以上に高めねばならない場合、ア
ンモニウムまたはアルカリ金属の水酸化物、特にリチウ
ム、ナトリウムおよびカリウムの水酸化物をこの目的の
ために使用するのが好適である。R+ が有機鋳型陽イオ
ンの濃度をまたM+ がアルカリ金属陽イオンの濃度を表
わすとして、
【数2】 の比は0.7〜0.98であるのが好ましく、0.8〜
0.98であるのが一層好ましくまた0.85〜0.9
8であるのが最も好ましい。
【0030】反応混合物中のシリカ源は全体的または部
分的にアルカリ金属シリケートであってよいが、アルカ
リ金属と上記の有機鋳型化合物とのモル比を変化するで
あろう量よりも多量に使用すべきでない。他のシリカ源
としては固形の反応性無定形シリカ例えばヒュームシリ
カ、シリカゾル、シリカゲル、および有機オルトシリケ
ートがある。商業的なシリカ源の一つはDu Pont
社から入手できるLudox AS−30である。
【0031】アルミニウムは結晶性シリケート中に不純
物として容易にとり込まれるので、シリカ源の選定に際
してはアルミナの含入を最少にするように注意すべきで
ある。商業的に利用できるシリカゾルは典型的には50
0〜700ppmのAl2 3 を含むことがあり、また
ヒュームシリカは80〜2000ppmの不純物Al 2
3 を含むことがある。上記に説明したごとく、結晶性
シリケートのシリカ対アルミナモル比は500:1より
大きいのが好ましく、1000:1より大きいのが一層
好ましく、また2000:1より大きいのが最も好まし
い。アルミニウムは合成に際して、触媒の酸性に寄与す
るが、このことは好ましくない。
【0032】反応系中のシリカの量は有機鋳型化合物1
モルイオンあたりSiO2 約1〜10モルであるのが望
ましい。水は一般に、第4級陽イオン1モルイオンあた
り20〜700モルの量にて存在すべきである。反応は
アルカリまたは塩基の侵襲に耐える、アルミニウムを含
有しない槽例えばテフロンの槽内で生起させるのが望ま
しい。
【0033】強い酸性は分解を促進し、その結果選択性
を低下するので、触媒において好ましくない。酸性を低
下するためには、触媒がアルカリ金属および(または)
アルカリ土類金属を含有するのが望ましい。アルカリま
たはアルカリ土類金属はシリケートの合成の最中にまた
は後に触媒中に含入するのが好ましい。金属の導入によ
り、酸の座位の少くとも90%、一層好ましくは少くと
も95%、最も好ましくは少くとも100%を中和する
のが望ましい。
【0034】結晶性シリケートは従来、主としてナトリ
ウムまたはカリウムの形で合成されている。これらの陽
イオンは交換可能であり、従ってシリカライトを適当な
塩の水溶液中でのイオン交換処理にかけることにより、
アルカリ土類金属または他のアルカリ金属を含有するシ
リカライトを得るために所与のシリカライトを使用でき
る。好ましいアルカリおよび(または)アルカリ土類金
属は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、
セシウム、ストロンチウムおよびバリウムであり、一層
好ましい金属ナトリウム、カリウムおよびセシウムであ
る。
【0035】結晶性シリケートは基質または多孔性基質
と結合しているのが好ましい。「基質」および「多孔性
基質」という用語は、シリケートを結合し、分散しまた
は他の方法で緊密に混入することのできる無機組成物を
含む。基質は、炭化水素の分解という点で接触活性をも
たない、つまり酸性の座位を実質的にもたないことが望
ましい。基質の多孔性は固有のものであってよくあるい
は機械的または化学的手段によって与えられてもよい。
満足できる基質には軽石、煉瓦、硅藻土および無機酸化
物がある。好ましい無機酸化物にはアルミナ、シリカ、
天然産のおよび従来的方法で処理した粘土、例えばベン
トナイト、カオリン、セピオライト、アタパルジャイト
およびハロイサイトがある。好ましい基質は酸性の座位
を、仮にあるにしても、極めて少ししかもたず、従って
分解活性はほとんどまたは全くもたない。シリカまたは
アルミナが特に好ましい。芳香族生産を最大化するため
には非酸性の基質を使用するのが好ましい。
【0036】結晶性シリケートの無機酸化物基質との混
成は、酸化物を水和状態にしておいて(例えば、水和
塩、ヒドロゲル、湿潤したゼラチン状沈澱としてあるい
は乾燥状態でまたは以上の組合わせとして)、シリケー
トを酸化物と緊密に混合する既知の適当な何らかの方法
によって実施できる。簡便な方法は、塩または混合塩
(例えば硫酸アルミニウムおよび硅酸ナトリウム)の水
溶液を用いて単一なまたは複数の酸化物の水和ゲルまた
は共ゲルを調製することである。酸化物を水和した形で
沈澱するのに十分な量の水酸化アンモニウムカーボネー
トを溶液に添加する。次に、すべての水溶性の塩のほと
んどを除去するために沈澱を洗浄し、かつ沈澱を微細分
割状態のシリケートと完全に混合する。混合物の成形
(例えば押出成形)を容易にするのに十分な量の水また
は潤滑剤を添加してよい。
【0037】好ましい結晶性シリケートはシリカライト
である。シリカライトの調製における唯一の結晶相がシ
リカライトであると仮定するとして、シリカライトは少
くとも80%の結晶化度、一層好ましくは少くとも90
%の結晶化度、そして最も好ましくは95%の結晶化度
を有するのが望ましい。結晶化度百分率を決定するため
に、シリカライトのX線回折(XRD)パターンをつく
りかつ8つの主要ピークの下方の面積を20.5〜2
5.0度の間の角度にわたって計測する。曲線の下方の
面積を算出したら、それを結晶化度100%のシリカラ
イトに関する曲線の下方の面積と比較する。
【0038】結晶性シリカライトの好ましい結晶子寸法
は10ミクロンより小さく、一層好ましくは5ミクロン
より小さくまた最も好ましくは2ミクロンより小さい。
結晶子寸法を規定するとき、結晶子の少くとも70重量
%がその寸法であるのが好ましく、少くとも80重量%
がその寸法であるのが好ましくまた90重量%がその寸
法であるのが最も好ましい。技術上知られているごと
く、結晶子寸法は合成條件を調節することにより調整す
ることができる。この條件には温度、pHおよびH2
/SiO2 、R+ /SiO2 およびM+ /SiO2 モル
比(式中R+ は有機鋳型陽イオンおよびM+ はアルカリ
金属陽イオンである)が含まれる。小さな結晶子寸法す
なわち10ミクロンより小さい寸法のための代表的な合
成条件を以下に示す。
【0039】 好ましい 一層好ま 最も好ま 条件 しい条件 しい条件 温度、°F 176−392 144−356 212−302 pH 12−14 12.5−14 13−13.5 H2 O/SiO2 5−100 10−50 10−40 R+ /SiO2 0.1−1.0 0.1−0.5 0.2−0.5 M+ /SiO2 0.01−0.3 0.01−0.15 0.01−0.08 結晶子の寸法を小さくするために、シリケート結晶への
種付けのような技術上既知の他の技術を用いることがで
きる。
【0040】第VIII族金属 本発明の触媒は一つ以上の第VIII族金属例えばニッ
ケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム
または白金を含有する。これらは脱水素環化に関して、
他の第VIII族金属に比べて一層選択的であり、また
脱水素環化反応條件下で一層安定である。触媒中の白金
のような第VIII族金属の百分率は0.1〜5重量%
であるのが好ましく、0.3〜2.5重量%であるのが
一層好ましい。
【0041】第VIII族金属は、含浸、吸蔵または水
溶液中での交換または適当な塩の水溶液中での交換によ
って、結晶性シリケート中に導入するのが好ましい。二
つの第VIII族金属を結晶性シリケート中に導入する
のが好ましいとき、上記の操作を同時にまたは逐次的に
行ってよい。第VIII族金属は結晶性シリケートの中
および上に細かく分散するのが望ましい。
【0042】例えば、白金は硝酸テトラアミン白金(I
I)、水酸化テトラアミン白金(II)、ジニトロジア
ミノ−白金または塩化テトラアミン白金(II)の水溶
液での含浸によって導入できる。イオン交換法において
は、硝酸テトラアミン白金(II)のような陽イオン白
金錯体を用いることにより白金を導入できる。白金を吸
蔵によりシリカライトに導入する場合、白金錯体を、そ
の生成に際して結晶性シリケート中に導入するのが好ま
しい。
【0043】所望の一つ以上の金属を導入した後、触媒
を空気中または不活性ガスで稀釈した空気中で処理しか
つ水素中で還元するのが好ましい。白金を含有する触媒
は、金属の均一な分散を達成しかつ維持するために、典
型的にはハロゲンまたはハロゲン化物処理にかける。代
表的なハロゲン化物は塩化物である。好ましい触媒は最
終的な形として塩化物を含有しないものの、本発明の触
媒は上記に類似な処理にかけることができる。
【0044】触媒には他の金属を添加してよい。この金
属は第VIII、IVA、IBまたはVIB族から選択
するのが好ましい。一層好ましい追加的な金属にはレニ
ウム、錫、金またはクロムが含まれる。
【0045】改質および脱水素環化 第VIII族金属が触媒上に沈積したならば、触媒は技
術上既知な従来型の何れもの装置において使用できる。
触媒は小球、ペレット、顆粒、破砕片の形であるいは種
々な特殊な形状にて反応帯内に固定床として配置して使
用でき、また装入原料は、液体、蒸気または混合相の形
で上向き、下向きまたは半径方向の流れとして固定床を
通過させることができる。別な方法として、移動床内で
または流動化固体プロセスにおいて使用するように触媒
を製造してもよく、この場合装入原料は微細分割された
触媒の乱流床(turbulent bed)を通過し
て上昇する。
【0046】しかし、貴重な触媒の摩滅による損耗の危
険からまた周知の操作上の利点からみて、固定床または
濃密相移動床装置のいづれかが選好される。固定床装置
にあっては、供給物を(何らかの適当な加熱手段によ
り)所望の反応温度まで予熱し次いで触媒の固定床が入
っている脱水素環化帯に送入する。この脱水素環化帯
は、各反応器への入口を所望の温度に保つのに適する手
段を有する一つ以上の別個な反応器であってよい。脱水
素環化反応は本来吸熱性であるので温度を保持せねばな
らない。先行するいづれもの工程からの反応生成物はそ
の後、触媒から分離され、大気圧にもどされかつ種々の
成分を回収するように分溜される。
【0047】改質器への供給物は沸点範囲70〜550
°F、好ましくは120〜400°Fのナフサ留分であ
るのが望ましい。これには、例えば直溜ナフサ、芳香族
抽出または吸着からのパラフィン系ラフィネート、およ
びC6 〜C10パラフィンに富む供給物ならびに水添分解
または従来的な改質のような他の製油所プロセスからの
パラフィン含有ナフサ製品が含まれる。実際の改質條件
は、供給物が著しく芳香族性、パラフィン性またはナフ
テン性であるかにかかわりなく、使用する供給物に大き
く依存しまた製品の所望オクタン価に依る。さらにま
た、例えば芳香族化、異性化または脱水素のような何ら
かの特に好ましい改質反応を有利にするように、温度お
よび圧力を液空間速度(LHSV)と相関させることが
できる。本発明の触媒は比環式炭化水素を脱水素環化し
て芳香族を生成するように使用するのが望ましい。
【0048】改質方法は水素を添加せずに実施するのが
好ましい。添加水素がないことは、芳香族の生成を促進
しかつ所定のオクタン価における収率を増加する。
【0049】本方法においては硫黄低含有供給物が特に
好ましい。供給物は10ppmより少ない硫黄を含むの
が好ましく、1ppmより少ない硫黄を含むのが一層好
ましくまた0.1ppmより少ない硫黄を含むのが最も
好ましい。硫黄含有率がすでに低くなっていない供給物
の場合、硫黄被毒に耐える水素化触媒によって供給物を
予備飽和帯内で水素化することにより、硫黄を許容可能
な水準にすることができる。この水添脱硫方法に好適な
触媒の例は、アルミナ−含有支持体と少割合の接触量の
酸化モリブデン、酸化コバルトおよび(または)酸化ニ
ッケルとからなる。アルミナ水素化触媒上の白金もまた
役立つ。硫黄吸収剤(sorber)は水素化触媒の下
流かつシリケート改質触媒の上流に位置するのが好まし
い。硫黄吸収剤の例は、多孔性の耐熱性無機酸化物、亜
塩などに担持したアルカリまたはアルカリ土類金属であ
る。水添脱硫は典型的には599〜951°F、200
〜2000psigおよび1〜5の液空間速度において
実施する。
【0050】供給物中の窒素の水準を10ppmより少
く、一層好ましくは1ppmより少く制限することも望
ましい。また、供給物中の水を100ppmより少く、
一層好ましくは10ppmより少く制限するのが望まし
い。以上の目的に好適な触媒およびプロセスは当技術に
熟達する者にとっては既知である。本発明の方法におい
て圧力は0〜200psigであるのが好ましく、0〜
100psigであるのが一層好ましくまた25〜75
psigであるのが最も好ましい。液空間速度(LHS
V)は約0.1〜約10時間-1であるのが好ましく、ま
た約0.3〜約5時間-1であるのがさらに好ましい。温
度は約599°F〜約1058°Fであるのが好ましく
また644°F〜1004°Fであるのがさらに好まし
い。脱水素環化技術に熟達の者にとっては周知であるご
とく、この広い範囲内の温度の初期的選定は、供給物お
よび触媒の特性を考慮しつつ、主として非環式炭化水素
の所望の転化水準の関数としてなされる。従って、比較
的一定な転化率を与えるために、不可避的に発生する失
活を補償するために操業時に温度をゆっくりと上昇す
る。
【0051】一定期間の操作の後、触媒は硫黄またはコ
ークによって失活される。硫黄およびコークは、触媒を
酸素含有ガスと高温で接触することにより除去できる。
もし一つ以上の第VIII族金属が集塊化するならば、
この金属を再分散するのに有効な条件で触媒を塩素ガス
と接触することにより、第VIII族金属を再分散でき
る。触媒を再生する方法は、固定床、移動床または流動
床操作に従って変わる。再生の方法および條件は技術上
周知である。オキシ塩素化再生方法の例は、参考のため
に全体が本明細書中に包含されている米国特許出願第9
44,403号中に示されている。硫黄除去方法の例
は、参考のために全体が本明細書中に包含されている米
国特許出願第944,392号中に示されている。
【0052】本発明は以下の実施例を参照すれば一層よ
く理解できるであろう。これらの例は純粋に例示的なも
のであり、本発明の範囲をいかなる仕方においても限定
するものではない。
【0053】実施例 例1 以下のように白金−吸蔵シリカライト触媒を製造した。
NaNO3 4.6g、EDTA10.0gおよびPt
(NH3 4 (NO3 2 1.0gを蒸溜水20cc中
に混入する。この混合物をTPA−OHの25%水溶液
200gに激しく攪拌しつつ添加し、かつさらに10分
間攪拌した。HClを用いて混合物のpHを11.0に
低下した。混合物をオートクレーブ内のテフロン瓶内に
いれ150℃における自圧下に3日間おいた。生成物を
濾過し、真空炉内で110℃において1晩乾燥し、かつ
乾燥空気中で454℃において8時間か焼した。X線回
折分析により分子篩がシリカライトであることを確認し
た。結晶子の平均寸法は、走査電子顕微鏡により測定す
ると、大体40×15×15ミクロン(大まかにいって
四角形)であった。X線回折(XRD)分析によるとシ
リカライト百分率は100%であった。白金の含有率は
0.6重量%であった。
【0054】例2 白金吸蔵シリカライト以下のようにして製造した。Na
NO3 9.2g、EDTA20.0gおよびPt(NH
3 4 (NO3 2 2.0gをポリエチレンビーカー内
の蒸溜水40ml中に混入した。TPA−OHの25%
水溶液400gを添加しかつ混合物を15分間十分に攪
拌した。320gのLudox AS−30を激しく攪
拌しつつ添加しかつ混合物をさらに15分間攪拌した。
混合物のpHは13.2であった。混合物をテフロン瓶
内に注入し7日間100℃に保った。生成物を濾過し、
120℃の真空炉内で1晩乾燥し、次いで454℃の乾
燥空気中でか焼した。結晶子の平均寸法は直径約0.5
ミクロン(大まかにいって球形)であった。白金含有率
は0.6重量%であった。Al含有率は397ppmで
あった。Naは0.68重量%であった。
【0055】例3 例1および例2の触媒を種々な條件下でのn−ヘキサン
のベンゼンへの転化に関して試験した。表1の結果は、
0.5ミクロンの結晶子をもつ触媒が、40×15×1
5結晶子をもつ触媒よりもベンゼンの選択率が高いこと
を示す。
【0056】
【表5】 表1 白金(吸蔵)0.6%/シリカライト上での 1LHSVにおけるn−ヘキサンの転化 シリカライト,ミクロン 40×15×15 0.5 40×15×15 0.5 圧力,psig 100 100 100 100 温度,°F 980 980 950 950 ガス H2 2 2 2 ガス/HC4 4 4 7 7生成物,重量%1 10.0 11.2 0.9 17.8 C2 19.8 15.3 1.5 14.1 C3 −C4 39.9 37.6 4.4 7.6 C5 + 30.3 35.9 93.2 60.5 ベンゼン 23.9 25.9 17.0 56.8 MCP 0 0.1 6.2 0 C6 パラフィン+ オレフィン 0.3 1.5 65.4 0 C6 パラフィンとオレフィン とからベンゼンへの選択率、 重量% 24.0 26.3 49.1 56.8
【0057】例4 例2の触媒を用いて形質直溜ナフサ供給物(表2)を8
75°F、100psig、1LHSVおよび窒素/炭
化水素比7にて改質した。140時間の操作を通じての
ベンゼンの収率は、C5 +収率約85重量%において、
22〜25重量%であった。トルエン収率は11〜12
重量%であった。140時間操作した時、N2 の流れを
停止しかつ同じ流量のH2 によりおきかえた。ベンゼン
の収率は4時間以内で8.7重量%まで低下した。表3
に示す生成物の特性は、この触媒が低オクタン価の直鎖
パラフィンの転化に対して著しく選択的であることを示
す。リサーチオクタン価は71.7から92.1まで上
昇した。
【0058】
【表6】 表2 軽質直溜ナフサ 比重,°API 70.7 硫黄,ppm <0.05 オクタン価,RON/MON 71.7/69.7 P/N/A,液容積% 60.3/35.0/4.7 組成,液容積%5 19.7 C6 41.9 C7 30.5 C8 7.6 C9 0.3 D86蒸溜,液容積%,°F 初溜点/5 109/130 10/30 134/147 50 160 70/90 178/205 95/終点 230/248
【0059】例5 例2と同じ触媒を製造したが、ただし0.8重量%の白
金を含有した。この触媒を用いて、表2の供給物を87
5°F、0psigおよびLHSV1において稀釈ガス
を用いないで改質した。20時間にわたるベンゼンの収
率は、C5 +収率約76重量%において、30重量%で
あった。20時間の操作の後、反応温度を850°Fに
低下しかつ圧力を100psigに上昇した。次の72
時間にわたるベンゼンの収率は約24〜25重量%であ
った。これらの条件での生成物の特性を表3に示す。
【0060】 表3 白金/シリカライト上での軽質直溜ナフサの改質 供給 例4 例5 (0-140 時間) (20-72時間) 温度,°F 875 850 N2 /,炭化水素 7 0 圧力(psig) 100 100 LHSV 1 1 C5 +,液容積% 84 71 H2 ,標準立方フィート/ バーレル 400 H2 /CH4 1.25 +組成,液容積% パラフィン/オレフィン/ 60.3/0/ 49.1/4.8/ 50.0/2.8/ ナフテン/芳香族 35.0/4.7 18.8/27.3 9.0/38.2 nC5 12.0 14.6 16.3 nC6 12.3 1.9 2.2 nC7 5.0 0.5 0.26 P+転化率,% nC6 87 87 2MC5 15 48 3MC5 5 39 オクタン価,RON/MON 71.7/69.7 92.1/81.0 92.3/83.8
【0061】例6 以下のように白金−吸蔵シリカライト触媒を製造した。
NaNO3 18.4g、EDTA40gおよびPt(N
3 4 (NO3 2 4.0gを蒸溜水80ml中に混
入する。この混合物をTPA−OHの25%水溶液80
0gを添加しかつ15分間十分に混合した。Ludox
AS−30を640g激しく攪拌しつつ添加しかつさ
らに15分間攪拌した。混合物のpHは12.9であっ
た。NaOHの50%水溶液約5mlを添加してpHを
13.2に上げた。混合物をテフロン瓶に注入し、7日
間100℃に保った。生成物を濾過し次いで真空炉内で
100℃において1晩乾燥した。次に232℃で4時
間、371℃で2時間、そして最後に454℃で4時間
か焼した。触媒は0.85%の白金、1.17%のナト
リウム、および433ppmのアルミニウムを含有し
た。結晶子の平均寸法は直径約0.9ミクロン(大まか
にみて球形)であった。シリカライト百分率はXRD分
析により測定すると91%であった。
【0062】例7 白金−含浸シリカライト触媒を以下のようにして製造し
た。NaNO3 9.2gおよびEDTA20.0gを蒸
溜水40ml中に混入した。これにTPA−OHの25
%水溶液400gを添加しかつ15分間十分に攪拌し
た。次に300gのLudox AS−30を激しく攪
拌しつつ添加しかつ混合物をさらに15分間攪拌した。
混合物のpHは13.2であった。混合物をテフロン瓶
に注入し、7日間100℃に保った。生成物を濾過し次
いで120℃の真空炉内で1晩乾燥した。次に生成物を
427℃で8時間さらに566℃で8時間か焼した。X
RD分析によるとシリカライト百分率は99%であっ
た。次に直径約0.8ミクロン(大まかにいって球形)
の結晶子平均寸法をもつ分子篩をPt(NH3 4 (N
3 2 の水溶液を用いる細孔充填法により0.8%の
白金により含浸した。次に触媒を110℃の真空炉内で
1晩乾燥しかつ232℃で4時間さらに454℃で8時
間空気中でか焼した。
【0063】例8 白金−含浸シリカライト触媒を以下のようにして製造し
た。NaNO3 8.4gおよびEDTA40gを蒸溜水
80ml中に混入した。TPA−OHの25%水溶液8
00gを添加しかつ15分間十分に混合した。640g
のLudoxAS−30を添加しかつ激しく攪拌しつつ
15分間攪拌した。混合物のpHは13.1であった。
混合物をテフロン瓶内にいれ7日間100℃に保った。
生成物を濾過し次いで120℃の真空炉内で1晩乾燥し
た。次に生成物を566℃で8時間空気中でか焼した。
XRD分析によるとシリカライト百分率は100%であ
った。次に直径約1ミクロン(大まかにいって球形)の
結晶子平均寸法をもつ分子篩をPt(NH3 4 (NO
3 2 の水溶液を用いる細孔充填法により0.8%の白
金により含浸した。次に触媒を120℃の真空炉内で1
晩乾燥しかつ204℃で4時間、288℃で4時間、3
17℃で4時間さらに427℃で4時間乾燥空気中でか
焼した。
【0064】例9 例8の触媒を、KNO3 の5重量%水溶液を用いて82
℃で2時間にわたって1回イオン交換した。次に、触媒
を濾過し、蒸溜水により洗浄しかつ真空炉内で120℃
で1晩乾燥した。次に触媒を204℃で4時間また28
8℃で4時間乾燥空気中でか焼した。触媒のK+ 水準は
0.69重量%であった。Na+ は239ppmであっ
た。
【0065】例10 結晶が大きい白金−含浸シリカライト触媒を以下のよう
に製造する。NaOH6.25gを蒸溜水400g中に
溶解した。次にテトラプロピルアンモニウムブロモイド
41.25gを添加しかつ十分に混合する。次にLud
ox AS−30を200g激しく攪拌しつつ添加し
た。この混合物の半分にHClを添加してpHを11.
0に低下しかつそれをテフロンの瓶に注入しかつ4日間
150℃に保った。混合物を濾過し、次いで真空炉内で
1晩乾燥し、次に空気中で566℃において8時間か焼
した。XRD分析により測定するとシリカライト百分率
は100%であることが確認された。シリカライトはS
iO2 /Al23 比約2000および0−16%のN
aを有した。シリカライトの寸法は大体30×10×1
0ミクロンであった。シリカライトを白金で含浸し、乾
燥し、かつ例8の触媒に用いたのと同じ方法によってか
焼した。
【0066】例11 例6から10の触媒を用いて、表2の直溜ナフサ供給物
を52psigおよびLHSV1において稀釈剤を用い
ずに改質した。nC6 転化率を60%に保つように反応
器温度を調整した。反応器温度の時間変化を図1に示
す。
【0067】例12 白金吸蔵シリカライト触媒を以下のようにして製造し
た。NaNO3 18.4gEDTA40gおよびPt
(NH3 4 (NO3 2 4gを蒸溜水80ml中に溶
解した。この溶液をポリエチレンビーカー中のTPA−
OHの25%水溶液800gに添加しかつ15分間攪拌
した。640gのLudox AS−30を激しく攪拌
しつつ添加しかつさらに15分間攪拌した。混合物のp
Hは13.1であった。混合物をテフロン瓶内に注入
し、かつ炉内にいれて70℃に24時間保った。次に温
度を100℃に上げかつこの温度に6日以上保った。濾
過および遠心分離とともに用いて生成物を収集した。生
成物を水洗しかつ90℃の真空炉内で3日間乾燥した。
次に生成物を乾燥空気中で454℃において8時間か焼
した。XRD分析によるとシリカライト百分率は74%
であった。白金含有率は0.80重量%であった。結晶
子の平均寸法は約0.2ミクロンであった。
【0068】例13 例12の触媒を用いて表2の軽質直溜ナフサ供給物を例
10におけるのと同じ條件で改質した。24時間通油の
後、nC6 の転化率を60%とするのに温度870°F
が必要であった。この温度は結晶化度が90%より高い
触媒(つまり例6〜9のもの)を用いる場合にくらべて
著しく高かった。
【0069】以上の開示においては、本発明のいくつか
の特定的な例が教示されている。しかし、本開示の趣意
の範囲内で多くの変更および変異が行われる。これらの
態様は単に例解的なものであり限定的なものではない。
本発明の範囲を示す前記した特許請求の範囲を参照すべ
きである。
【図面の簡単な説明】
【図1】種々な触媒の性能を示すグラフである。

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化水素供給物を、(a) 少くとも一
    つの第VIII族金属と、(b) 少くとも500:1
    のシリカ:アルミナモル比および10ミクロンより小さ
    い結晶寸法を有する結晶性シリケートを含む触媒に改質
    条件下で接触することからなる炭化水素の改質方法。
  2. 【請求項2】 結晶性シリケートがシリカライトである
    請求項1記載の改質方法。
  3. 【請求項3】 シリカライトの結晶子寸法が5ミクロン
    より小さい請求項2記載の改質方法。
  4. 【請求項4】 シリカライトの結晶子寸法が2ミクロン
    より小さい請求項2記載の改質方法。
  5. 【請求項5】 第VIII族金属が白金である請求項2
    記載の改質方法。
  6. 【請求項6】 触媒が結晶化度少くとも80%のシリカ
    ライトを含む請求項1記載の改質方法。
  7. 【請求項7】 触媒が結晶化度少くとも90%のシリカ
    ライトを含む請求項1記載の改質方法。
  8. 【請求項8】 触媒が結晶化度少くとも95%のシリカ
    ライトを含む請求項1記載の改質方法。
  9. 【請求項9】 結晶子の少くとも70重量%が10ミク
    ロンより小さい請求項1記載の改質方法。
  10. 【請求項10】 結晶子の少くとも80重量%が10ミ
    クロンより小さい請求項1記載の改質方法。
  11. 【請求項11】 結晶子の少くとも90重量%が10ミ
    クロンより小さい請求項1記載の改質方法。
  12. 【請求項12】 触媒が少くとも一つのアルカリまたは
    アルカリ土類金属をさらに含む請求項2記載の改質方
    法。
  13. 【請求項13】 触媒が、ナトリウム、カリウム、ルビ
    ジウムまたはセシウムからなる群から選択する金属をさ
    らに含む請求項2記載の改質方法。
  14. 【請求項14】 シリカライトを白金で含浸する請求項
    5記載の改質方法。
  15. 【請求項15】 シリカライトを白金存在下で生長させ
    る請求項5記載の改質方法。
  16. 【請求項16】 水素を添加せずに炭化水素供給物を触
    媒と接触することからなる請求項2記載の改質方法。
  17. 【請求項17】 炭化水素供給物流を100psigよ
    り低い圧力にて触媒と接触することからなる請求項16
    に記載の改質方法。
  18. 【請求項18】 炭化水素供給物流を599°F〜10
    58°Fにおいて触媒と接触することからなる請求項1
    7記載の改質方法。
  19. 【請求項19】 炭化水素供給物流を644°F〜10
    04°Fにおいて触媒と接触することからなる請求項1
    7記載の改質方法。
  20. 【請求項20】 触媒が、レニウム、錫、金およびクロ
    ームからなる群から選択する促進剤金属をさらに含む請
    求項2記載の改質方法。
  21. 【請求項21】 炭化水素供給物流が1ppmより少な
    い硫黄を含む請求項2記載の改質方法。
  22. 【請求項22】 炭化水素供給物流が0.1ppmより
    少ない硫黄を含む請求項2記載の改質方法。
  23. 【請求項23】 0.1ppmより少ない硫黄を含有す
    る炭化水素供給物を、100psigより低い圧力およ
    び644〜1004°Fの温度において水素を添加する
    ことなく、 白金、アルカリまたはアルカリ土類金属およびシリカラ
    イトからなる触媒であって、シリカライトの結晶化度が
    少くとも90%であり、シリカとアルミナとのモル比が
    少くとも1000:1であり、シリカライトの少くとも
    80重量%が5ミクロンより小さい結晶子である触媒と
    接触することからなる炭化水素の改質方法。
  24. 【請求項24】 触媒が、レニウム、錫、金およびクロ
    ームからなる群から選択する促進剤金属をさらに含有す
    る請求項23記載の改質方法。
  25. 【請求項25】 触媒のシリカとアルミナとのモル比が
    少くとも2000:1である請求項23記載の改質方
    法。
  26. 【請求項26】 シリカライトの結晶子寸法が2ミクロ
    ンより小さい請求項23記載の改質方法。
  27. 【請求項27】 第VIII族金属と、シリカとアルミ
    ナとの比が少くとも500:1でありかつ結晶子寸法が
    10ミクロンより小さいシリカライトとを含む結晶性シ
    リカライト改質触媒。
  28. 【請求項28】 結晶子の寸法が5ミクロンより小さい
    請求項27記載の改質触媒。
  29. 【請求項29】 結晶子の寸法が2ミクロンより小さい
    請求項27記載の改質触媒。
  30. 【請求項30】 第VIII族金属が白金である請求項
    27記載の改質触媒。
  31. 【請求項31】 シリカライトの結晶化度が少くとも8
    0%である請求項27記載の改質触媒。
  32. 【請求項32】 シリカライトの結晶化度が少くとも9
    0%である請求項27記載の改質触媒。
  33. 【請求項33】 シリカライトの結晶化度が少くとも9
    5%である請求項27記載の改質触媒。
  34. 【請求項34】 結晶子の少くとも70重量%が10ミ
    クロンより小さい請求項27記載の改質方法。
  35. 【請求項35】 結晶子の少くとも80重量%が10ミ
    クロンより小さい請求項27記載の改質方法。
  36. 【請求項36】 結晶子の少くとも90重量%が10ミ
    クロンより小さい請求項27記載の改質方法。
  37. 【請求項37】 アルカリまたはアルカリ土類金属をさ
    らに含有する請求項27記載の改質触媒。
  38. 【請求項38】 シリカとアルミナの比が少くとも10
    00:1である請求項27記載の改質触媒。
  39. 【請求項39】 シリカとアルミナの比が少くとも20
    00:1である請求項27記載の改質触媒。
  40. 【請求項40】 シリカとアルミナとの比が少くとも1
    000:1であり、結晶子の少くとも80重量%が5ミ
    クロンより小さく、結晶化度が少くとも90%であるシ
    リカライト、アルカリまたはアルカリ土類金属および白
    金を含む改質触媒。
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