JPH05125137A - 熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物の製造方法

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JPH05125137A
JPH05125137A JP3319991A JP31999191A JPH05125137A JP H05125137 A JPH05125137 A JP H05125137A JP 3319991 A JP3319991 A JP 3319991A JP 31999191 A JP31999191 A JP 31999191A JP H05125137 A JPH05125137 A JP H05125137A
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JP
Japan
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polyurethane resin
extruder
molecular weight
resin composition
diisocyanate
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JP3319991A
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English (en)
Inventor
Hidemi Nishiyama
秀美 西山
Takuya Tanaka
拓也 田中
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低コストでかつ品質に優れた製品を得ること
のできる熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物の製造方法。 【構成】 出発原料として、長鎖ポリオール、ジイソシ
アネート、及び低分子ジオールを用い、押出機24内に
て重合反応せしめる途中の特定した位置より填料29を
混入して、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物27を製造
することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性ポリウレタン樹
脂組成物の製造方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に熱可塑性ポリウレタン樹脂とは、
分子両末端に水酸基を有する分子量の長いポリオールと
分子量の短いジオール及び分子両末端にイソシアネート
基を有するジイソシアネート化合物を重付加反応によっ
て、ポリオールとジイソシアネート化合物からなるソフ
トブロックと、低分子量のジオールとジイソシアネート
化合物とからなるハードブロックにより組立てられたポ
リマーであり、その内ソフトブロックはゴム弾性的な性
能を有し、ハードブロックはプラスチック的な性能を有
する高機能性樹脂としてチューブ材、電線の被覆材料、
シートの他数多くの工業用製品として使用されて来た。
近年、ポリウレタン樹脂に対するユーザーニーズは多様
化し、難燃剤、充填剤、老化防止剤、安定剤、架橋助剤
等の各種添加剤、更にはガラスフィラー、カーボン繊維
等の強化剤、或いは、樹脂など、改質のための各種填料
をポリウレタン樹脂に練り込んで巾広い分野で実用化さ
れるに至っている。
【0003】この種の各種填料を混練した熱可塑性ポリ
ウレタン樹脂組成物を得る方法としては、従来 長鎖ポリオール、低分子ジオール、ジイソシアネー
トを出発原料として合成し、ポリウレタン樹脂を得る工
程と で得たポリウレタン樹脂に各種填料を、押出機、
バンバリー等の混練機にて混合する工程 の2つの工程より成り立つ為、加工費が原料費を上回る
程計上されて、コストが著しく高くなる問題がある。
【0004】一方、熱可塑性ポリウレタン樹脂を効率よ
く製造する方法としては、例えば図2に示す如くホッパ
ー1内に長鎖ポリオールと低分子量ジオールとを注入
し、ホッパー1′内にジイソシアネートを注入し、ギヤ
ーポンプ2、2′にて夫々所定量を計量した後各々を、
急速攪拌機3内に送入し、該攪拌機にて攪拌した混合液
を多軸押出機4内に導入し、該押出機内で重合反応を行
って高分子量化してポリウレタン樹脂5を得る方法が知
られている。なお、6はカッターである。
【0005】この様なプロセスにて、各種填料を混練し
た、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物を得る具体的な方
法としては、ポリウレタン樹脂を構成する液状素原料の
うち、ジイソシアネートは混練中に空気中の水分と反応
してしまう為、各種填料を活性水素含有化合物(長鎖ポ
リオール、低分子量ジオール)へ、3本ロール或いはダ
ルトンミキサー等の混合機を用いて混練し、各種填料入
り液状混和物を作製し、図1に示したホッパー1内に注
入して1′に注入したジイソシアネート化合物と攪拌
後、押出機へ供給し、該押出機内で重合混練状態を生ぜ
しめて得られる。
【0006】しかしながら、上記製造方法に於いても、 (1) コストの問題…活性水素含有化合物に、各種填料を
練り込む為の加工費が、従来の2段階による製造方法程
ではないにしろ加味することが必要なこと。 の点で十分に解消し難いことの他、 (2) ハンドリング、メンテナンスの問題…活性水素含有
化合物に練り込む填料はジイソシアネートとの反応性を
安定にする為、練り込む前の水分除去(水分量200pp
m 以下)を十分に行う必要があり、又、練り込み後作製
した液状混和物の水分管理に注意を払わなければならな
いこと。 (3) 品質上の問題…填料を練り込んだ液状混和物は、ジ
イソシアネートと混合し、押出機へ供給され重合反応が
進行するが、この際の反応速度が、填料そのものの影響
により不安定となり得られるポリウレタン樹脂組成物の
性能が低く、かつバラツキの多いものであること の点で課題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる現状
に鑑み、鋭意検討を行った結果、長鎖ポリオール、低分
子量ジオール、ジイソシアネート化合物のウレタン構成
液状原料と添加剤、強化剤、樹脂等の填料を押出機へ投
入し、該押出機にて、ウレタンの重合と混練とを同時に
生ぜしめるも、高品質のポリウレタン樹脂組成物が安定
して得られ、しかもハンドリング上のわずらわしさを解
消し、低コストにて実現可能な製造方法を見出したもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、押出機
内部で、熱可塑性ポリウレタン樹脂の合成と、合成され
た熱可塑性ポリウレタン樹脂の改質のための各種填料と
の混練を行い高分子量化された熱可塑性ポリウレタン樹
脂組成物を製造する方法において、押出機ホッパースロ
ート部から、熱可塑性ポリウレタン樹脂の出発原料であ
る長鎖ポリオール、ジイソシアネート、及び低分子量ジ
オールを投入しこれらを、該押出機内部で反応させ、重
量平均分子量が少なくとも2×104 以上に到達した押
出機中の高分子量化したポリウレタン樹脂中に、改質の
ための各種填料を混入し、押出機内にて樹脂の重合と、
各種填料との混練とを同時並行して行わしめることを特
徴とする。
【0009】本発明で、填料を混入する位置を、該押出
機内部で、高分子量化しつつあるポリウレタン樹脂の重
量平均分子量が少なくとも2×104 以上である個所に
限定する理由は以下の如くである。ポリウレタン樹脂・
構成原料である長鎖ポリオール、ジイソシアネート、低
分子量グリコールの混合液(重量平均分子量0.1〜
0.2×104 )を押出機へ供給すると、押出機内部で
は、ウレタン化重合反応が進行するが、この挙動は、構
成原料の分子構造反応その配合比率、更には押出機のス
クリュー構造等によって複雑に変化する為、押出機への
填料を混入する個所を特定化することは工業上極めて重
要であって、該押出機中で重量平均分子量が2×104
未満のポリウレタン樹脂中へ填料を混入すると、ウレタ
ン化反応が、填料によって阻害されたり、或いは加速さ
れたりして不安定となり、結果的に物性が低く、かつ、
バラツキの多い品質のものしか、得られないからであ
る。そして、特に好ましくは、重量平均分子量が6×1
4 以上、12×104 以下に高分子量化したポリウレ
タン樹脂中へ填料を混入すると、填料混入の影響が全く
皆無な程にウレタン化重合反応が安定化すると共に、填
料をポリウレタン樹脂中へ分散性よく混練することが可
能になるのである。
【0010】本発明において長鎖状ポリオールとしては
例えば分子量は500〜3000のポリ(エチレンアジ
ペート)、ポリ(1、4−ブチルアジペート)、ポリ
(1、6−ヘキサンメチレンカーボネート)、ポリ−ε
−カプロラクトン等のポリエステル系ポリオール又はポ
リオキシテトラメチレングリコール等のポリエーテル系
ポリオールである。又、ジイソシアネートとしては例え
ば4、4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキ
サンメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネート、4、4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシア
ネート等である。又、低分子量ジオールとしては例えば
エチレングリコール、1、2−プロピレングリコール、
1、3−プロピレングリコール、1、4−ブチレングリ
コール、1、5−ペンタンジオール、1、6−ヘキサン
ジオール、ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等
である。そしてこれら長鎖ポリオール、ジイソシアネー
ト化合物、低分子量グリコールはそれぞれに於いて1種
のみならず、2種以上を併用し使用しても差し支えな
い。尚、出発原料の長鎖ポリオール、ジイソシアネー
ト、低分子量ジオールの配合比は特に限定するものでは
なく、通常のポリウレタン樹脂を得る場合の比率にて配
合すれば良い。
【0011】次いで本発明に於いて押出機途中より混入
する填料とは通常ポリウレタン樹脂の改質して用いられ
る添加剤、強化剤、樹脂などを含むが、添加剤としては
例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、赤
リン、三酸化アンチモン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、ドデカ
クロロドデカヒドロジメタノジベンゾシクロオクテン、
エチレンビステトラブロモフタルイミド、トリスジクロ
ロエチルフォスフェート、トリスジクロロプロピルフォ
スフェート等の難燃剤や、例えばタルク、シリカ、クレ
ー、雲母、カーボン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム等の補強剤や増量剤、更には例えばフタル酸エステ
ル、ピロメリット酸エステル、エポキシ樹脂などの可塑
剤、安定剤、その他、酸化防止剤、紫外線、吸収剤、帯
電防止剤、発泡剤、架橋助剤、着色剤、滑剤などがあ
る。又、強化剤としては、例えばガラスフィラー、カー
ボン繊維、アラミッド繊維、などがあり、樹脂としては
例えばシリコーン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリスチレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、ポリメタメチルアクリレート樹脂などがある。
【0012】本発明の一実施態様を図1に示した。出発
原料の長鎖ポリオール、ジイソシアネート、低分子量ジ
オールを押出機ホッパースロート部へ連続的に供給する
手段としては、それぞれの液状原料を保温するタンク
(21、21′、22″)と所定量を別々に計量するポ
ンプ(22、22′、22″)、更にはこれら3成分を
強制的に混合する攪拌機23を連結して構成して成る液
状樹脂自動計量混合装置が好適であり、この装置として
はシバコー(株)からは“スペンサー”、エム・アンド
・ケー(株)からは“マックディスペンサー”、武蔵エ
ンジニアリング(株)からは“ディスペンサー”の商品
名で市販されている。
【0013】多軸押出機24としては、シリンダー、ス
クリューが分割で構成され、所望の個所から填料の混入
が容易に実現可能な多分割型二軸押出機が好適であり、
この装置としては東芝機械(株)からは“TEM”、池
貝鉄工(株)からは“PCM”、日本製鋼(株)から
は、“TEX”の商品名で広く市販されている。
【0014】填料を該多軸押出機の途中から、混入する
手段25としては、填料か液体のものであればギャーポ
ンプ、プランジャーポンプが、粉体、粒、或いは繊維状
のものであればサイドフィーダー、モーノポンプが、更
には熱溶融した樹脂を混入する場合には押出機など、市
販されている種々の供給装置を用いることで定量的な混
入が可能であり、この際填料が数種に及ぶ場合は、これ
らを単独で、或いは液体物同志、粉体、粒、ファイバー
物同志を予め予備混合し、更には全てを予備混合したも
のなど必要に応じて混ぜ合わせて用いることも出来る
が、予備混合量をゼロとするにはこれらを単独で混入す
る方法を採ることが好ましい。
【0015】そして、填料を混入後、成形ダイに至る適
当な個所にベット孔26を設け、填料に含まれた水分な
どの揮発分を強制的に除去する操作をとることも出来
る。尚27は熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物、28は
カッターである。
【0016】尚、本発明では押出機ホッパースロート部
から供給する成分を長鎖ポリオール、ジイソシアネー
ト、低分子量ジオールのウレタン構成素原料だけに限定
するものではなく、必要に応じ押出機内のウレタン化、
重合反応挙動に悪影響を及ぼすことのない範囲内で填料
の一部を押出機ホッパースロート部へ供給しても差し支
えない。
【0017】
【実施例】
比較例1 形状が粉体の填料、(難燃剤(ヘキサブロモベンゼン:
40重量部)(三酸化アンチモン:20重量部)〕、
〔老化防止剤(n−オクタデシル−3(4′−ヒドロキ
シ−3′、5′−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネ
ート:2重量部)〕、〔着色剤(カーボン:1重量
部)〕と、形態が液体の填料、〔難燃剤(トリスクロロ
エチルフォスフェート:10重量部)〕、〔安定剤(環
状脂肪族型エポキシ樹脂:20重量部(日本チバガイギ
ー社製、商品名 アラルダイトCY−177))〕、
〔架橋助剤(トリアリルイソシアヌレート:15重量
部)〕とを、十分に脱水したポリオキシテトラメチレン
グリコール(OH価、56 酸価 0.04)100重
量部及び1、4ブタンジオール、12重量部と共に3本
ロールを使って練り込み、液状混合物を得た。而して調
整した活性水素含有化合物を含んだ液状混和物を90℃
に4、4′−ジフェニルメタンジイソシアネートを60
℃に各々加熱し、両者を各々ギャーポンプにて液状混和
物を220g/分及びジイソシアネート化合物を47.
7g/分吐出速度にて連続的に混合機に送り、急速攪拌
を行った後、得られた混合物をD=45φ、L/D=4
5の二軸押出機のホッパースロート部に導入し、スクリ
ュー回転数350回転及び表1に示す設定温度にて重合
混練反応を行い、ポリウレタン樹脂組成物を得た。
【0018】
【表1】
【0019】〔比較例2〕比較例1に於いてすべての填
料、合計108重量部を予め3本のロールで混合して液
状混和物と成し、押出機ホッパースロート部へは、ポリ
オキシテトラメチレングリコールと1、4−ブタンジオ
ールを攪拌機で混合した混合液と、4、4′−ジフェニ
ルメタンジイソシアネートとを112g/分:47.7
g/分の吐出速度比率で急速攪拌を行って、導入すると
共に、上記液状混和物をL/D=5に位置した、押出機
シリンダー直上より、プランジャーポンプにより108
g/分の吐出速度割合で注入し、ポリウレタン樹脂組成
物を得た。尚、L/D=5直下で重合進行中のポリウレ
タン樹脂の重量平均分子量は0.5×104 であった。
【0020】〔比較例3〕比較例2に於いて、液状混和
物をL/D=10に位置した押出機シリンダー直上より
注入する以外は同様にしてポリウレタン樹脂組成物を得
た。尚、L/D=10直下で重合進行中のポリウレタン
樹脂の重量平均分子量は1.5×104 であった。
【0021】〔実施例1〕比較例2に於いて液状混和物
をL/D=15に位置した押出機シリンダー直上より注
入する以外は同様にしてポリウレタン樹脂組成物を得
た。尚、L/D=15直下で重合進行中のポリウレタン
樹脂の重量平均分子量は3.0×104 であった。
【0022】〔実施例2〕比較例2に於いて、液状混和
物をL/D=20に位置した押出機シリンダー直上より
注入する以外は同様にしてポリウレタン樹脂組成物を得
た。尚、L/D=20直下で重合進行中のポリウレタン
樹脂の重量平均分子量は5.0×104 であった。
【0023】〔実施例3〕比較例2に於いて、液状混和
物をL/D=23に位置した押出機シリンダー直上より
注入する以外は同様にしてポリウレタン樹脂組成物を得
た。尚、L/D=25直下で重合進行中のポリウレタン
樹脂の重量平均分子量は、9.0×104 であった。
【0024】〔実施例4〕比較例2に於いて、液状混和
物をL/D=27に位置した押出機シリンダー直上より
注入する以外は同様にしてポリウレタン樹脂組成物を得
た。尚、L/D=27直下で重合進行中のポリウレタン
樹脂の重量平均分子量は11.5×104 であった。
【0025】〔実施例5〕比較例2に於いて、液状混和
物をL/D=32に位置した押出機シリンダー直上より
注入する以外は同様にしてポリウレタン樹脂組成物を得
た。尚、L/D=32直下で重合進行中のポリウレタン
樹脂の重量平均分子量は14.2×104 であった。
【0026】〔実施例6〕比較例1に於いて、形状が液
体の填料、〔(難燃剤:10重量部)(安定剤:20重
量部)(架橋助剤:15重量部)〕合計45重量部を攪
拌機で混ぜて、液体混和物と成し、一方では、形態が粉
体の填料「(難燃剤:60重量部)(老化防止剤:2重
量部)(着色剤:(重量部)〕合計63重量部を攪拌機
で混ぜて粉体混和物と成して、押出機ホッパースロート
部へは、ポリオキシテトラメチレングリコールと1、4
−ブタンジオールを攪拌機で混合した混合液と4、4′
−ジフェニルメタンジイソシアネートとを、112g/
分:47.7g/分の吐出速度比率で供給し急速攪拌を
行って導入すると共に、上記、液体混合物をL/D=2
0に位置した押出機シリンダー直上より、ギャーポンプ
で45g/min 、上記粉体混合物をL/D=25に位置
した押出機シリンダー側面よりサイドフィーダーで63
g/min の供給割合で注入しポリウレタン樹脂組成物を
得た。尚、L/D=20、L/D=25直下で重合進行
中のポリウレタン樹脂の重量平均分子量は、それぞれ
6.5×104 、11×104 であった。
【0027】以上の実施例1〜6及び比較例1〜3の製
造方法に於ける種々の加工費を素原料費に加味してコン
パウンドコストを比較例1を100として試算し、表2
に示した。又、実施例1〜5及び比較例1〜3のポリウ
レタン樹脂組成物の性能を、JISA硬度、抗張力及び
伸びについてn=30で測定し平均値(H)と、標準偏
差(V1/2 )を算出した。これらの結果は表2に示す通
りである。
【0028】
【表2】
【0029】表2から明らかな様に比較例1では、すべ
ての填料を活性水素含有化合物へ練り込む為、加工費が
高くなる。これに対し比較例2、3は填料だけでの混合
とする為、比較例1に比べると加工費は安くなるが、い
ずれも得られるポリウレタン樹脂組成物の物性が低い品
質レベルのものしか得られない。実施例1〜5は、比較
例2〜3と填料の混合手段は同様でコストはそれ程安く
ならないが填料の注入位置を特定することで得られるポ
リウレタン樹脂組成物の品質が向上し、特に実施例3及
び4の組成物に於いては極めて良好なものが得られる様
になる。そして実施例6は、液体と粉体の填料の混合手
段として3本ロールでは無く、手間のかからない攪拌機
での混合が可能になってコスト、品質共に優れたものと
なることがわかる。
【0030】〔比較例4〕十分に脱水した70℃のポリ
−ε−カプロラクトングリコール(OH価、56酸化
0.4)と70℃の1、4−ブタンジオール及び60℃
の4、4′−ジフェニルメタンジイソシアネート化合物
とをギャーポンプにて100g/分:27g/分:91
g/分の吐出速度比率で吐出させ連続的に混合攪拌を行
った後、D=45φ、L/D=45の二軸押出機のホッ
パースロート部に導入し、スクリュー回転数350回転
及び表3に示す設定温度にて、重合反応を行いポリウレ
タン樹脂を得た。得たポリウレタン樹脂100重量部に
対してポリスチレン(スタイロン685:旭ダウ(株)
製)を30重量部ヘンシエルミキサーで混合し、D=4
5φ、L/D=30の二軸押出機ホッパースロート部へ
添加し、スクリュー回転数200回転及び表4に示す設
定温度にて溶融混練を行い該押出機の途中L/D=15
のシリンダー側面よりサイドフィーダーにてファイバー
を10重量部混入してポリウレタン樹脂組成物を得た。
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】〔比較例5〕比較例4に於いて押出機とし
てD=45φ、L/D=45φの二軸押出機を用いウレ
タン化重反応の途中L/D=5の押出機シリンダーの側
面よりサイドフィーダーにてポリスチレン(スタイロン
685)を、L/D=10の押出機シリンダーの側面よ
りサイドフィーダーにてガラスファイバーを混入して、
ポリウレタン樹脂組成物を得た。尚L/D=5直下で重
合進行中のポリウレタン樹脂の重量平均分子量は1.2
×104 、L/D=10で直下で重合進行中のガラスフ
ァイバー混入ポリウレタン樹脂の重合平均分子量は3×
104 であった。
【0034】〔比較例6〕比較例5に於いて途中L/D
=5の押出機シリンダー側面よりガラスファイバーを、
L/D=10の押出機側面よりポリスチレン(685)
を混入してポリウレタン樹脂組成物を得た。尚L/D=
5、L/D=10直下で重合進行中のポリウレタン樹脂
の重量平均分子量はそれぞれ1.0×104 、6.2×
104 であった。
【0035】〔実施例7〕比較例5に於いて、途中L/
D=7の押出機シリンダー側面よりポリスチレン(スタ
イロン685)を、L/D=10の押出機シリンダー側
面よりガラスファイバーを混入してポリウレタン樹脂組
成物を得た。尚、L/D=7、L/D=10直下で重合
進行中のポリウレタン樹脂の重量平均分子量はそれぞれ
5.2×104 、8.3×104 であった。
【0036】〔実施例8〕比較例5に於いて、途中L/
D=10の押出機シリンダー側面よりガラスファイバー
を、L/D=15の押出機シリンダー側面よりポリスチ
レン(スタイロン685)を混入して、ポリウレタン樹
脂組成物を得た。尚、L/D=10、L/D=15直下
で重合進行中のポリウレタン樹脂の重量平均分子量はそ
れぞれ、9.1×104 、11.2×104 であった。
【0037】〔実施例9〕比較例5に於いて、途中L/
D=10の押出機シリンダー側面よりポリスチレン(ス
タイロン685)を、L/D=15の押出機シリンダー
側面よりガラスファイバーを混入して、ポリウレタン樹
脂組成物を得た。尚、L/D=10、L/D=15直下
で重合進行中のポリウレタン樹脂の重量平均分子量はそ
れぞれ、9.2×104 、10.8×104 であった。
【0038】〔実施例10〕比較例5に於いて、途中、
L/D=10の押出機シリンダー側面よりガラスファイ
バーを、L/D=20の押出機シリンダー側面よりポリ
スチレン(スタイロン685)を混入してポリウレタン
樹脂組成物を得た。尚、L/D=10、L/D=20直
下で重合進行中のポリウレタン樹脂の重量平均分子量は
それぞれ、9.0×104 、15.0×104であっ
た。
【0039】〔実施例11〕比較例5に於いて、途中L
/D=10の押出機シリンダー側面よりポリスチレン
(スタイロン685)を、L/D=20の押出機シリン
ダー側面より、ガラスファイバーを混入して、ポリウレ
タン樹脂組成物を得た。尚、L/D=10、L/D=2
0直下で重合進行中のポリウレタン樹脂の重量平均分子
量はそれぞれ9.1×104 、13.8×104であっ
た。
【0040】以上の実施例7〜11、及び比較例4〜6
の製造方法に於ける種々の加工費を、素原料費に加味し
て、コンパウンドコストを比較例4を100として試算
した。又、実施例7〜11、及び比較例4〜6のポリウ
レタン樹脂組成物の性能を、抗張力及び伸びについてn
=30で測定し、平均値(H)と、標準偏差(V1/2
を算出した。これらの結果は、表5に示す通りである。
【0041】
【表5】
【0042】これより、比較例4は、ポリウレタンの重
合と、ファイバー、樹脂の混練とが別々の工程で遂行さ
れる為、コストが高い。これに対し、ポリウレタンを重
合しつつ、途中、ファイバーを混入する比較例5〜6、
実施例7〜11に於いては、コストは著しく低減される
が、比較例5〜6では低い品質レベルのものしか得られ
ない。実施例7〜11に於いては、ファイバー、樹脂2
つの填料の混入位置を本発明で特定した範囲内に特定す
ることで品質が向上し、特に実施例8、9では極めて優
れたものであることがわかる。
【0043】
【発明の効果】この様に本発明では、ウレタン重合が進
行している押出機の途中より、所望の填料を混入する位
置を特定することによって、一台の押出機にて重合と混
練する領域のそれぞれ独立した条件の整合がはかれるこ
とになり、これによって品質に優れたポリウレタン樹脂
組成物を低コストで製造することが可能となるものであ
り、工業上極めて有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造方法
の1例を示す概略説明図。
【図2】熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造方法の1例を
示す概略説明図。
【符号の説明】
1、1′、21、21′、22″ ホッパー 2、2′、22、22′、22″ ギャーポンプ 3、23 急速攪拌器 4 多軸押出機 5 ポリウレタン樹脂 6 カッター 24 多分割型二軸押
出機 25 供給ポンプ 26 ベント孔 27 ポリウレタン樹
脂組成物 28 カッター 29 填料

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 押出機内部で、熱可塑性ポリウレタン樹
    脂の合成と、合成された熱可塑性ポリウレタン樹脂の改
    質のための各種填料との混練を行い高分子量化された熱
    可塑性ポリウレタン樹脂をベースとした熱可塑性ポリウ
    レタン樹脂組成物を製造する方法において、押出機ホッ
    パースロート部から、熱可塑性ポリウレタン樹脂の出発
    原料である長鎖ポリオール、ジイソシアネート、及び低
    分子量ジオールを投入し、該押出機内部で反応し、重量
    平均分子量が少なくとも2×104 以上に到達した押出
    機中の高分子量化したポリウレタン樹脂中に、改質のた
    めの各種填料を混入し、押出機内にて樹脂の重合と、各
    種填料との混練とを同時並行して行わしめることを特徴
    とする熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物の製造方法。
JP3319991A 1991-11-06 1991-11-06 熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物の製造方法 Pending JPH05125137A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004506053A (ja) * 2000-08-03 2004-02-26 レイニア・リミテッド 精密ポリウレタンの製造
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