JPH05123054A

JPH05123054A - 植物育成器

Info

Publication number: JPH05123054A
Application number: JP3313499A
Authority: JP
Inventors: Chuji Ushimaru; 忠二牛丸
Original assignee: MOKUZAI HOZON CENTER KK
Current assignee: MOKUZAI HOZON CENTER KK
Priority date: 1991-11-01
Filing date: 1991-11-01
Publication date: 1993-05-21
Also published as: US5321908A

Abstract

(57)【要約】【目的】本発明は、根のある植物、根のない植物に関わ
らず、長期間育成出来ると共に、その育成に手間を必要
としない植物育成器を提供する。【構成】透明密閉容器に空気孔３を形成し、底部に培地
５を有する容器本体１内で植物６を育成する。容器本体
１内は、高湿度等の植物育成に適した環境に保たれ、植
物は、長期間、多くの手間を必要としないで育成される
ため、鑑賞および栽培に適する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、切り花や切り枝等の根
のない植物、あるいは、いわゆるプラントや盆栽等の根
のある植物を、手間をかけず、長期間にわたって育成可
能な植物育成器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、鑑賞用の切り花や切り枝等の植物
は、水を張った花瓶に生けられる。又、盆栽やいわゆる
プラント等の根のある植物は、土を蓄えた植木鉢に植え
られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、切り花等の根
のない植物においては、その寿命が数日あるいは数週間
と極めて短いという欠点がある。又、プラント等の根の
ある植物においては、頻繁に水を与える必要があり、そ
の育成に手間を要するという欠点がある。本発明は、こ
うした点に鑑み創案されたもので、根のある植物、根の
ない植物に関わらず、長期間育成出来ると共に、その育
成に手間を必要としない植物育成器を提供することを課
題とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】そのための手段として、
容器本体１と栓体２とから構成した。容器本体１は、透
明密閉容器の少なくとも一部に空気孔３および開口部４
を有すると共に、底部に培地５を有し、その培地５に下
端部が差し込まれる植物６を収納するものである。栓体
２は、容器本体開口部４を密閉するものである。

【０００５】尚、空気孔３を、透明密閉容器の上部およ
び下部に形成すると共に、開口部４を前記容器の底部に
形成すると良い。栓体２に凹溝11を形成し、その凹溝11
内に天然土等を入れて培地５を形成しても良い。容器本
体１底部の培地５上に水７を貯えることも出来る。又、
栓体２に、水７、植物６あるいは香料８を入れるべく、
縦穴９を形成しても良く、この縦穴９に細管状容器10を
挿着しても良い。栓体２は、コルク材で形成すると良
い。

【０００６】

【作用】上記構成にあって、培地５および植物６は、容
器本体開口部４から挿入し、挿入後、その開口部４を栓
体２にて密閉するものである。密閉後、空気孔３から水
７を供給する。これによって、容器本体１内の植物６
は、育成に必要な水７の供給等の手間を殆ど必要としな
いで長期間育成される。すなわち、容器本体１内は、空
気孔３のみによって外気と通じているため、培地５の水
分は蒸発し難いと共に、容器本体１内が植物６育成に適
した高湿度に長期間維持され、さらに雑菌が入り難いか
らである。従って、培地５への水の供給は、数週間に一
度程度で良い。植物６は、根からのみでなく、葉や枝等
からも水分を供給されることによって、より育成が促進
されるが、本発明においては、容器本体１内が高湿度に
保たれるているため、その環境が植物６育成に適してい
るのである。又、葉等に十分な水分が供給されるため、
植物６は常に潤いをもった鮮やかな色を保つことが出来
る。

【０００７】本発明においては、容器本体１を透明とし
たことによって、容器本体１内の植物６を、通常のプラ
ント等のように屋内、屋外を問わず適宜な場所に置いて
鑑賞することが出来る。容器本体１に空気孔３を形成し
たことによって、容器本体１内には空気の流れが生じ、
これによって透明な容器本体１は曇ることがなく、植物
６そのままの美しさを鑑賞することが出来る。尚、空気
孔３を、容器本体１の上部と下部とに複数形成すること
によって、空気の流れが円滑に達成されるため、容器本
体１の曇りをより効果的に防止出来る。この場合、下部
の空気孔３からスポイド等を利用して培地５に水を供給
することが出来る。尚、培地５上にあらかじめ水を貯え
ておくと、数カ月あるいは数年の間水を供給する必要は
ない。

【０００８】又、本発明においては、植物６をほぼ密閉
状の容器本体１内に収納したことによって、根のある植
物６においてもその成長を抑制し、よって葉や枝の手入
れ等の手間が省ける。これは、植物６が本来的に有する
本能によるものと考えられる。すなわち、植物６は、ほ
ぼ密閉状の容器本体１内という限られた空間に収納され
ていることを本能的に感知し、その限られた空間内で快
適に生きていくために、それ自身が成長を抑制している
のである。

【０００９】栓体２に凹溝11を形成し、その凹溝11内に
培地５を構成することによって、あらかじめ栓体２に植
物６を植えた後、それら一体物を容器本体１に装着する
ことが出来るので、植物６を容器本体１内に植え込む手
間が容易となる。

【００１０】又、本発明において栓体２に縦穴９を形成
し、その中に水７と植物６を差し込むことによって培地
５を不要とすることが出来るし、又、縦穴９を複数形成
して、その一つに例えば切り花と水７を入れ、他の縦穴
９にその切り花にあった香料８を入れておくと、空気孔
３から香料８が外に流れ、視覚のみでなく香りでもその
植物６を楽しむことが出来る。尚、この縦穴９に細管状
容器10を挿着すると、水漏れ等の可能性をなくすること
が出来る。

【００１１】栓体２をコルク材で形成すると、培地５の
水を適当に吸収すると共に空気を含んでいるので、植物
６の根腐りを防止することが出来る。又、コルク材は、
乾燥すると白く変色するので、この色を目安にして培地
５に水を供給することが出来、便利である。

【００１２】

【実施例】図１〜図３に本発明の第一実施例を示す。こ
れは、断面が略スペイド状で、上部に三つおよび下部に
四つの空気孔３を有すると共に、底部に天然土の培地５
を有し、根のある松を培地５に植え込んだ容器本体１
と、コルク材製の栓体２とから構成している。空気孔３
を上部と下部とに設けたことによって、容器本体１内の
空気の流れが円滑に達成され、容器本体１内面が曇るこ
とがない。水は、下部の空気孔３からスポイド状のもの
で供給する。通常、こうした松は、毎日水を与える必要
があるが、本実施例の松にあっては、４〜５日に一回程
度で良く、手間がかからない。容器本体１は、ガラスで
形成している。ガラスは、透明度が高いので植物鑑賞に
適している。強化ガラスや耐熱強化ガラス等も、衝撃に
強いことから、容器本体１を形成する材料として適当で
ある。尚、本発明の容器本体１は、ガラスで形成するこ
とが望ましいが、合成樹脂材等の他の透明材で形成して
も良い。栓体２は、コルク材で形成している。コルク材
は、吸水性等の他に弾力性にも優れているので、容器本
体１に対する着脱が容易であり、栓体２として最も適し
ている。しかし、本発明における栓体２は、コルク材の
他、例えばゴムやガラス等、他の材料で形成しても良
い。又、本実施例においては、培地５を天然土で構成し
ているが、ロックウール等の他の材料で構成することも
出来る。

【００１３】図４に本発明の第二実施例を示す。これ
は、培地５に切り枝を差し込むと共に、その培地５上に
水７を貯えたものである。こうした根のない切り枝は、
花瓶にさしておいても通常２週間程度に枯れてしまう
が、本発明においては少なくとも２〜３ケ月育成され、
植物によっては根が生えてさらに長期間育成される。
又、切り花の場合においても、花瓶に生けた場合の少な
くとも２〜３倍長持ちすることが、実験の結果、明らか
である。洋らん等は、その栽培に多大な手間を必要とす
るが、本発明の育成器に収納すると栽培が極めて容易で
ある。尚、本実施例においては、空気孔３を容器本体１
の上部にのみ設けているが、容器本体１の下部（水７の
やや上位）にも設けることによって、容器本体１内の空
気の流れが促進されて容器本体１の内壁が曇り難く、よ
り効果的である。

【００１４】図５に本発明の第三実施例を示す。本実施
例における特徴は、栓体２に凹溝11を形成し、その凹溝
11内に天然土を入れて培地５を構成したことである。こ
うすることによって、あらかじめ栓体２に植物６を植え
た後、それら一体物を容器本体１に装着することが出来
るので、植物６の植え込みを容易に行うことが出来る。

【００１５】図６に第四実施例を示す。これは、コルク
製の栓体２に複数の縦穴９を形成して、その縦穴９に細
管状容器10を装着し、中央の細管状容器10に水７と洋ら
んの切り花を差し込み、残りの細管状容器10内に洋らん
の香りを放つジャスミン等の香料８を入れたものであ
る。これによって、洋らんの美しさだけでなく、その香
りをも楽しむことが出来る。尚、細管状容器10を使用し
ないで、縦穴９に直接水７や植物６等を差し込んでも良
い。

【００１６】上記実施例における容器本体１は全て断面
形状がスペード状であるが、本発明の容器本体１は、こ
うした形状に限定されるものではなく、球、円柱、角
柱、多角体等あらゆる形状を含むものである。すなわ
ち、本発明の容器本体１は、あらゆる形状の密閉状容器
に空気孔３と開口部４とを有するもの全てを、その形状
に関係なく、含有するものである。又、容器本体１は、
その全てを透明とする必要はなく、少なくとも植物６を
視覚するに必要な部分が透明であれば良い。上記各実施
例においては、開口部４を容器本体１の底部に形成する
ものとしているが、本発明は、こうした構成に限定され
るものではなく、例えば、開口部４を容器本体１の上端
部や側部に形成することも出来る。又、空気孔３も、容
器本体１の上部あるいは下部に形成することに限定され
ず、任意の箇所に設けることが可能である。

【００１７】

【発明の効果】本発明は、空気孔を有するほぼ密閉状の
透明容器本体内で植物を育成することとしたので、水の
供給等の手間を省くことが出来ると共に、長期間にわた
ってその植物を育成することが出来、植物の鑑賞および
栽培に極めて効果的である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第一実施例を示す正面図である。

【図２】同実施例の要部を示す断面図である。

【図３】同実施例の要部を示す平面図である。

【図４】本発明の第二実施例を示す正面図である。

【図５】本発明の第三実施例を示す正面図である。

【図６】本発明の第四実施例を示す正面図である。

【符号の説明】

１容器本体２栓体３空気孔４開口部５培地６植物７水８香料９縦穴 10 細管状容器 11 凹溝

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】透明密閉容器の少なくとも一部に空気孔
(3) および開口部(4) を有すると共に底部に培地(5) を
有し、該培地(5)に植え込まれる植物(6) を収納する容
器本体(1) と、前記開口部(4) を密閉する栓体(2) とから成る植物育成
器。
【請求項２】空気孔(3) を透明密閉容器の上部および
下部に形成すると共に、開口部(4) を前記透明密閉容器
の底部に形成して成る請求項１記載の植物育成器。
【請求項３】栓体に凹溝(11)を形成し、該凹溝(11)内
に培地(5) を設けて成る請求項１又は２記載の植物育成
器。
【請求項４】容器本体(1) 底部の培地(5) 上に水(7)
を貯えて成る請求項１、２又は３記載の植物育成器。
【請求項５】透明密閉容器の少なくとも一部に空気孔
(3) および開口部(4) を有すると共に、植物(6) を収納
する容器本体(1)と、前記開口部(4) を密閉する栓体(2) とから構成し、前記栓体(2) に、水(7) 、植物(6) あるいは香料(8) を
入れるべく、縦穴(9)を形成して成る植物育成器。
【請求項６】栓体(2) の縦穴(9) に細管状容器(10)を
挿着して成る請求項５記載の植物育成器。
【請求項７】栓体(2) をコルク材で形成して成る請求
項１、２、３、４、５又は６記載の植物育成器。