JPH0512299U - エンジンルーム用インシユレータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】エンジンルーム用インシュレータの取付作業性
を向上させるとともに、エンジンルーム内のコーナー部
での音圧上昇を抑え、エンジンルーム内の騒音レベルを
低下させることを目的とする。 【構成】ダッシュパネル２０の中央部にインシュレータ
１０を密着固定するとともに、その左右側を折曲して、
取付作業のたやすいサスペンション取付用ストラットパ
ネル２１およびフロントホイルハウスパネル２２面にそ
の左右側縁部を当接固定することにより、エンジンルー
ムＥのコーナー部を密閉された背後空気室３０として構
成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、エンジンルーム用インシュレータに関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、エンジンルーム用インシュレータは、エンジンルーム内に設置されて いる主機関および補機類からの騒音を吸収し、車室内あるいは外部に伝播される 騒音のレベルを可及的に低下させる目的で設定されている。

【０００３】 この種のエンジンルーム用インシュレータとしては、図４に示すように、エン ジンルームＥの上面開口を覆うフード１の内面に添設されるフードインシュレー タ２、およびエンジンルームＥと車室Ｒ内とを区画するダッシュパネル３の前面 側に設置されるインシュレータダッシュフロント４が知られている。

【０００４】 そして、このインシュレータダッシュフロント４は、図５に示すように、ダッ シュパネル３の前面に、塩ビシート，ゴムシート等からなる遮音材を設置するか 、あるいはグラスウール，フェルト，ポリウレタンフォーム等の吸音材を設置す るかしている。

【０００５】 しかしながら、従来のインシュレータダッシュフロント４を取付ける際、図５ に示すように、サスペンション取付用ストラットパネル５やフロントホイルハウ スパネル６がエンジンルームＥのコーナー部まで来ているため、非常に手狭なス ペース内でインシュレータダッシュフロント４の端末部を固定せざるを得ず、取 付作業が非常に面倒であるとともに、パネル形状によっては端末部分の固定が不 可能となる場合がある。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、エンジンルームＥ内の騒音は、パネルの反射により特に、インシュ レータダッシュフロント４の端末部付近のコーナー部で顕著である。 したがって、従来のように、インシュレータダッシュフロント４の端末部分の 固定ができないため、エンジンルームＥ内の音圧上昇の高い部位での防音対策が 施されていないというのが実情である。 この考案は、このような事情に鑑みてなされたもので、本考案の目的とすると ころは、エンジンルーム内の特に音圧上昇の高いコーナー部での吸音性能を高め たエンジンルーム用インシュレータを提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案は、エンジンルーム内に設置されるエンジ ンルーム用インシュレータにおいて、 前記インシュレータは、ダッシュパネルの中央部に密着固定されているととも に、その左右側が折曲され、側縁部がサスペンション取付用ストラットパネル、 およびフロントホイルハウスパネルに当接固定されていることにより、エンジン ルームのコーナー部が密閉された背後空気室として構成されていることを特徴と する。

【０００８】

【作用】

以上の構成から明らかなように、インシュレータの左右側を折曲して、側縁部 をサスペンション取付用ストラットパネルおよびフロントホイルハウスパネル面 に当接させることにより、音圧レベルの高い部位であるエンジンルームのコーナ ー部をインシュレータの背後空気室とすることにより、コーナー部分での音圧上 昇を可及的に防止することが可能となる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案によるエンジンルーム用インシュレータの実施例について、添付 図面を参照しながら詳細に説明する。 図１はエンジンルーム内に本考案によるエンジンルーム用インシュレータを設 置した状態を示す部分斜視図、図２は本考案によるエンジンルーム用インシュレ ータをエンジンルーム内に設置した状態を示す平面図、図３は本考案と従来例と を対比して示すグラフである。 図１において、インシュレータダッシュフロント１０は、グラスウール，フェ ルト，ウレタン等の吸音材１１の表裏面側にそれぞれ撥水性を備えた不織布１２ ，１３が貼着された積層体からなり、吸音材１１の厚みは２〜３０mmに設定され ている。

【００１０】 そして、このインシュレータダッシュフロント１０は、ダッシュパネル２０の 中央部に密着固定されるとともに、左右側の側縁部１４は、ヒンジ部１５を基点 として内側に折曲され、サスペンション取付用ストラットパネル２１のパネル面 およびフロントホイルハウスパネル２２のパネル面に当接固定されている。

【００１１】 したがって、図２に示すように、エンジンルームＥの音圧上昇の著しく高い部 分であるコーナー部は、インシュレータダッシュフロント１０の側縁部１４によ り密閉された背後空気室３０として形成されている。

【００１２】 本考案によるインシュレータダッシュフロント１０は以上のように構成され、 かつエンジンルーム内に設置されるため、まず、インシュレータダッシュフロン ト１０の端末部は従来のように手狭なコーナー部に取付けるのではなく、サスペ ンション取付用ストラットパネル２１およびフロントホイルハウスパネル２２に 当接させればよいため、取付作業が簡単かつ確実に行なえるという利点がある。

【００１３】 さらに、ヒンジ部１５を介して折曲した側縁部１４によりエンジンルームＥの コーナー部が密閉された背後空気室３０として構成されているため、この背後空 気室３０によりコーナー部の音圧上昇を抑えることができ、エンジンルームＥ内 の音圧レベルを全体として低下させることができる。

【００１４】 次いで、図３のグラフは本考案と従来例とを比較したものであり、グラフから 明らかなように、図１に示す本考案によるインシュレータダッシュフロント１０ は図５に示す従来のインシュレータダッシュフロント４に３〜５dBの範囲で騒音 を低減させていることが容易に理解できる。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明した通り、本考案によるエンジンルーム用インシュレータは、ダッシ ュパネルの前面を覆うのではなく、左右側縁部を取付作業のたやすいサスペンシ ョン取付用ストラットパネルおよぴフロントホイルハウスパネルに当接すること により、エンジンルームのコーナー部ヲ密閉された背後空気室として構成するも のであるから、インシュレータの取付作業性を向上させるとともに、エンジンル ームのコーナー部での音圧上昇を抑えて、エンジンルーム内の騒音レベルを著し く低下させることができ、防音特性に優れるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示すもので、インシュレー
タダッシュフロントをエンジンルーム内に設置した状態
を示す部分斜視図。

【図２】図１に示すインシュレータダッシュフロントを
エンジンルーム内に設置した状態を示す平面図。

【図３】本考案と従来例との防音性能を比較して示すグ
ラフ。

【図４】従来のエンジンルーム用インシュレータの設置
箇所を示す断面図。

【図５】従来のエンジンルーム用インシュレータの一例
であるインシュレータダッシュフロントを示す斜視図。

【符号の説明】

１０ インシュレータダッシュフロント １１ 吸音材 １２，１３ 不織布 １４ 側縁部 １５ ヒンジ部 ２０ ダッシュパネル ２１ サスペンション取付用ストラットパネル ２２ フロントホイルハウスパネル ３０ 背後空気室

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】エンジンルーム（Ｅ）内に設置されるエン
   ジンルーム用インシュレータ（１０）において、 前記インシュレータ（１０）は、ダッシュパネル（２
   ０）の中央部に密着固定されているとともに、その左右
   側が折曲され、側縁部（１４）がサスペンション取付用
   ストラットパネル（２１）、およびフロントホイルハウ
   スパネル（２２）に当接固定されていることにより、エ
   ンジンルーム（Ｅ）のコーナー部が密閉された背後空気
   室（３０）として構成されていることを特徴とするエン
   ジンルーム用インシュレータ。
2. 【請求項２】エンジンルーム用インシュレータ（１０）
   は、吸音材（１１）の表裏面側に不織布（１２，１３）
   がそれぞれ貼着されていることを特徴とする請求項１記
   載のエンジンルーム用インシュレータ。