JPH0511916A - ワイヤレス座標読取装置 - Google Patents

ワイヤレス座標読取装置

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JPH0511916A
JPH0511916A JP3161851A JP16185191A JPH0511916A JP H0511916 A JPH0511916 A JP H0511916A JP 3161851 A JP3161851 A JP 3161851A JP 16185191 A JP16185191 A JP 16185191A JP H0511916 A JPH0511916 A JP H0511916A
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JP
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phase
signal
circuit
switch
coordinate
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JP3161851A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Morita
芳行 森田
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Seiko Instruments Inc
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Seiko Instruments Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 誘導信号の位相から座標指示器のスイッチの
状態を検出するワイヤレス座標読取装置において、スイ
ッチ状態を正確に検出する。 【構成】 座標指示器10をセンスライン板1上に置い
て励磁ライン群2に交流信号を加えるとセンスライン群
3に誘導信号isが発生する。座標指示器10は前記交
流信号に共振する共振回路を持ち、操作回路を操作する
ことによって共振周波数が変化する。位相検出回路8は
誘導信号isを入力し、位相信号psを検出する。制御
回路9は位相信号psを入力し、記憶している学習位相
値と比較してスイッチ状態を検出する。さらに位相信号
psと学習位相値とから、新たな学習位相値を求め、記
憶する。次のスイッチ判定のときは新たな学習位相値に
よってスイッチ状態を判定することで位相特性の変動に
追従するようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンピュータ等の外部
装置へ座標入力を行う座標読取装置に関し、特に座標読
取装置本体と座標指示器との間を信号線で接続する必要
のないワイヤレス座標読取装置において、座標指示器に
設けられたスイッチの状態を検出する技術に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】センスライン板から交流磁界を発生さ
せ、この交流磁界によって座標指示器と結合し、センス
ライン板自ら誘導信号を検出して座標値を求めるワイヤ
レス座標読取装置が知られている。この種の座標読取装
置において、座標指示器にスイッチ等を設け、これを操
作することによって共振周波数が変化するようして、セ
ンスライン板に誘導する誘導信号の位相からスイッチの
状態を検出するように座標読取装置を構成することがで
きる。
【0003】座標指示器の共振周波数を変化させるため
には、たとえば図12のようにスイッチ907と第2の
コンデンサ908の直列回路をコイル905と第1のコ
ンデンサ906による共振回路に並列に接続することで
実現できる。上記のように座標指示器を構成し、励磁ラ
イン902とセンスライン903とを直交配置してセン
スライン板901となし、励磁ライン902に励磁信号
として交流信号を与え、センスライン903上に誘導す
る誘導信号を観測する。
【0004】座標指示器904をセンスライン板901
上に置いてスイッチ907をオン/オフする。スイッチ
907がオフの場合、誘導信号と励磁信号とは、電磁結
合による効果および回路の特性によって一定の位相差を
もつ。スイッチ907がオンになると、共振回路には第
2のコンデンサ908が並列に接続されるので共振周波
数は低い方に変化し、誘導信号の位相はオフの場合に比
べて遅れる。この位相の遅れを検出することによってス
イッチの状態を判定することができる。
【0005】具体的には、誘導信号と励磁信号とを位相
検出回路に入力し、位相の遅れを電圧値に変換して、こ
の値をマイクロプロセッサ等に入力し、しきい値と比較
してスイッチの状態を判定している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、スイッ
チ検出を行うために誘導信号の位相情報を用いている
が、このような共振回路を有する回路系において、位相
を厳密に管理することはそう簡単なことではない。たと
えば、座標指示器は共振周波数を一定の値に調整する必
要があり、そのために共振回路にトリマコンデンサを設
けて調整することが一般的である。しかし、調整にはば
らつきが伴うものであり、複数の座標指示器をすべて同
じ特性にすることは不可能である。また、ある時点で特
性を同じに調整したとしても、使用中に次第に変動して
しまうことも考えられる。
【0007】その他の位相の変動の原因としては、座標
指示器および座標読取装置本体の温度による位相特性の
変動がある。この変動もかなり大きなものであり、使用
温度範囲、たとえば5℃〜35℃の範囲では決して無視
できるものではない。座標指示器の共振周波数あるいは
回路の位相特性が変動すると、誘導信号の位相が変動
し、座標指示器のスイッチを操作したときの位相が座標
指示器ごとに異なって、その結果スイッチを誤検出する
という問題が生じる。
【0008】本発明は、従来の技術における上記の問題
点を解決するためになされたものである。その主たる目
的は、座標読取装置本体と座標指示器との間を信号線で
接続する必要のないワイヤレス座標読取装置であって、
座標指示器に設けたスイッチのオン/オフ状態を正確に
検出することのできるワイヤレス座標読取装置を実現す
ることである。
【0009】さらに詳細に目的を述べれば、座標指示器
や座標読取装置本体の位相特性が変動しても、その変動
に追従することによって正確にスイッチの状態を検出す
ることのできるワイヤレス座標読取装置を実現すること
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明では、コイルとコンデンサによる共振回路と、
操作回路とを接続し、操作回路を操作することによって
共振周波数が変化するように構成した座標指示器と、交
流磁界を発生するとともに、この交流磁界によって座標
指示器と結合し、誘導信号を検出するセンスライン板
と、交流磁界の位相を基準に誘導信号の位相信号を検出
する位相検出回路と、位相信号を入力し、記憶している
学習位相値と位相信号とを比較することによって座標指
示器のスイッチの状態を求め、さらに、位相信号と記憶
している学習位相値との特定の関数演算によって新たな
学習位相値を求め、学習位相値を記憶するようになした
制御回路とを設けてワイヤレス座標読取装置を構成し
た。
【0011】
【作用】このように構成した座標読取装置において、セ
ンスライン板上に座標指示器を置くとセンスライン板に
は誘導信号が発生する。座標指示器の操作回路を操作す
ると、共振回路の共振周波数が変化するようになってい
るため、操作に伴って誘導信号の位相が変化する。
【0012】センスライン板に誘導した誘導信号は位相
検出回路に入力され位相信号として検出される。制御回
路は、この位相信号を入力して、まずこれを自ら記憶し
ている学習位相値と比較してスイッチの状態を判定す
る。さらに制御回路は入力した位相信号と学習位相値と
を演算することによって新たな学習位相値を求め、これ
を記憶する。
【0013】こうして時々刻々、スイッチの状態を検出
すると同時に、使用中の座標指示器および座標読取装置
本体の位相特性を学習していくため、それらの位相特性
が変化しても正確にスイッチの識別を行うことが可能に
なるのである。
【0014】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例を図1ないし図
7に基づき説明する。まず、構成について説明する。図
1において、1はセンスライン板であり、励磁ライン群
2とセンスライン群3が敷設されている。励磁ライン群
2とセンスライン群3は折り返しループをなし、同一群
内のお互いは等間隔に並べられている。第1の実施例で
は、励磁ライン群2とセンスライン群3とは直交して配
置されている。
【0015】4は励磁走査回路であり、励磁ライン群2
の各励磁ラインが接続される。励磁走査回路4はアナロ
グスイッチ等の複数の電子的スイッチ素子で構成されて
おり、後述する励磁回路6から供給される励磁信号ds
を、選択した1本の励磁ラインに与えるようになってい
る。5はセンス走査回路であり、センスライン群3の各
センスラインが接続される。この回路も励磁走査回路4
と同様に電子的スイッチ素子で構成され、センスライン
の1本を選択して、後述する増幅検波回路7および位相
検出回路8に接続するようになっている。
【0016】6は励磁回路である。後述する制御回路9
から励磁クロックdcを入力し、これを波形整形、増幅
して励磁信号dsとして出力する。7はセンスライン群
3に誘導した誘導信号isを増幅検波し、誘導信号の振
幅信号asを出力する増幅検波回路である。8は誘導信
号isの位相信号psを検出する位相検出回路である。
詳細な構成図を図2に示す。図2において81は増幅回
路、82はコンパレータである。増幅回路81には、セ
ンス走査回路5から誘導信号isが入力される。コンパ
レータ82の出力は排他的論理和回路83の一方の入力
に接続される。排他的論理和回路83の他方の入力に
は、励磁クロックdcが入力され、出力は抵抗とコンデ
ンサによって構成される積分回路84に接続されてい
る。この回路では励磁クロックdcを基準位相信号と
し、誘導信号isの位相信号を積分回路84に充電され
る電圧信号として検出するようになっている。
【0017】この実施例に示した位相検出回路8の構成
は、励磁クロックdcに対して誘導信号isの位相の差
を検出する回路であり、進み、遅れは検出できない。し
かし、設計上の選択事項として、位相検波するための基
準信号の取り方、回路特性等に自由度があり、設計によ
っては誘導信号が基準信号と比較して、進み、遅れの挙
動を示すことも考えられる。このような場合は、位相の
進み遅れを検出する回路を設ければよい。この回路は容
易に実現できる。
【0018】位相検出回路の構成は本発明にとって本質
的なものではなく、要は2つの信号の位相差を検出する
回路であればいいのであって、この回路に限定されるも
のではない。再び図1にもどり説明を続ける。制御回路
9は各部を制御するとともに、各信号を入力して演算
し、座標値およびスイッチの状態を求める。前記励磁走
査回路4には選択する励磁ラインを指示するドライブア
ドレスdadrsを、センス走査回路5には選択するセ
ンスラインを指示するセンスアドレスsadrsを与え
る。また、座標値およびスイッチ状態を算出するために
振幅信号asと位相信号psを入力する。この制御回路
9はマイクロプロセッサによって実現され、各演算処理
はプログラムによって行われる。
【0019】10は座標指示器であり、一実施例の回路
図を図3に示す。図3においてコイル11と第1のコン
デンサ12は共振回路を構成している。この共振回路の
共振周波数は、前記励磁クロックdcの周波数周辺にし
ておく。必ずしも一致させる必要はない。スイッチ13
aと第2のコンデンサ14aは直列に接続され1つのス
イッチ回路をなす。本実施例ではスイッチ13としてノ
ーマルオープンのスイッチを使用している。詳細は後述
するが、スイッチ13を押すことによって共振周波数を
ずらすようにするためである。スイッチ回路は複数並列
に接続され、前記共振回路に並列に接続される。なお、
スイッチの数は設計上の選択事項である。
【0020】スイッチ回路の第2のコンデンサは、各ス
イッチを押すことによって位相の変化量が異なるよう
に、異なった値とする。ただし、複数のスイッチに同じ
意味を持たせるようにするときは、同じ値を用いてもい
いことはいうまでもない。また、適当な定数を採用する
ことによって、複数のスイッチを同時に押したときの状
態を検出することも可能となる。
【0021】次に動作について説明する。座標読取装置
の制御を司るのは制御回路9であり、図4に示すフロー
チャートの処理を行う。まず励磁ライン群2とセンスラ
イン群3を選択する動作について説明する。制御回路9
は、ドライブアドレスdadrsを出力して励磁ライン
の1本を選択する(ステップ1)。これによって励磁回
路6の出力が選択された励磁ラインに接続され、この励
磁ラインは交流磁界を発生する。制御回路9は1本の励
磁ラインを選択している間に、センスアドレスsadr
sを出力してセンスライン群3を順次選択していく(ス
テップ2)。選択されたセンスラインは増幅検波回路7
および位相検出回路8に接続されることになる。
【0022】図4のフローチャートでは、励磁ライン群
2を確定した後にセンスライン群3を順次選択するよう
にしているが、この順序は逆であってもよい。その場合
は、図4におけるステップ4とステップ5の順序も交換
する。座標指示器10がセンスライン板1上にない場合
は、励磁ライン群2とセンスライン群3とが直交してい
る関係から、選択された励磁ラインには何の信号も誘導
しない。座標指示器10がセンスライン板1上に置かれ
ると、センスライン群3の各センスラインには、センス
ライン板1と座標指示器10との位置関係に応じた誘導
信号isが誘導される。これは励磁ライン、コイル1
1、センスラインの3者間の電磁結合による効果のため
である。
【0023】図5は、誘導信号isを走査のタイミング
図として示したものである。図5に示した例は、励磁ラ
イン群2を図の上部から下部へ、センスライン群3を図
の左から右へ走査した場合を示している。図1におい
て、コイル11の位置pは励磁ラインd2とセンスライ
ンs2の交差する領域にある。いま、励磁ラインd0と
センスラインs0が選択されているような場合、すなわ
ち、両者の交差する領域がコイル11の位置pから遠く
離れている場合は誘導信号isは観測されない。励磁ラ
インとセンスラインの交差する領域がコイルの位置pに
近づくにつれ誘導信号isは大きくなり、励磁ラインd
2とセンスラインs2が選択されたときに最大となる。
こうして誘導信号isは図5のタイミング図に示したよ
うな分布になる。
【0024】誘導信号isは、増幅検波回路7によって
振幅信号asに、また位相検出回路8によって位相信号
psに変換される。位相検出回路8の動作については後
述する。これらの信号は、その大きさが制御回路9によ
って読み取られる。(ステップ3)制御回路9の入力は
A/D変換回路となっており、これらの信号をデジタル
量として読み取るようになっている。
【0025】制御回路9は、以上の処理を座標情報算出
に必要な誘導信号が得られる範囲、たとえば励磁ライ
ン、センスラインとも5本の範囲についてくりかえす
(ステップ4、ステップ5)。この操作を「走査」と呼
んでいる。なお、走査範囲は5本に限られるものではな
い。1走査が終わると制御回路9は座標値を算出する。
座標算出の方法は本発明の主旨ではないので詳細な説明
は省略するが、図5のタイミング図で示すところの信号
isp、isxl、isxh、isyl、isyhの振
幅信号から座標指示器10の置かれた位置の座標値を算
出する。
【0026】次に位相検出回路8の動作について説明す
る。制御回路9は前述したようにセンスライン板1の走
査を行う。その間誘導信号isは位相検出回路8に入力
されて位相信号psに変換される。位相検出回路8の動
作を図6のタイミング図によって説明する。図におい
て、dcは励磁クロック、dsは励磁信号、isは誘導
信号である。座標指示器10のスイッチが何も押されて
いない場合、誘導信号isは励磁信号dsに対して一定
の位相差をもって誘導している。
【0027】誘導信号isが処理される過程を説明す
る。まず誘導信号isは位相検波回路8内の増幅回路8
1によって増幅され、さらにコンパレータ82によって
方形波に変換され、誘導信号整形波ipとなる。誘導信
号整形波ipと励磁クロックdcは排他的論理和回路8
3によって位相検波され、検波信号ppとなる。さらに
検波信号ppは積分回路84によって直流信号に変換さ
れ位相信号psとなる。
【0028】座標指示器10のスイッチの一つが押され
ると、押されたスイッチに直列に接続されたコンデンサ
が共振回路に並列に接続される。このため共振回路の共
振周波数は低い方に変化する。この変化は誘導信号is
の位相を遅らせる方向に影響を与える。図6において、
誘導信号ishは、スイッチの一つを押した場合のもの
であり、スイッチを押していないときの誘導信号isよ
りも位相が遅れていることを示している。この信号は同
様に位相検出回路8によって誘導信号整形波iph、検
波信号pph、位相信号pshと変換される。回路の動
作から明かなように位相信号pshの大きさは位相信号
psよりも大きくなり、位相の変化を検出できることが
わかる。
【0029】次にスイッチ状態を判定する動作、および
位相を学習する動作について、ふたたび図4のフローチ
ャートにもとづいて説明する。制御回路9は、走査を行
う間に入力した誘導信号の位相信号psの中から、スイ
ッチ検出位相信号として、たとえば座標値を算出するた
めに用いた誘導信号ispの位相信号を選択する(ステ
ップ6)(以後スイッチ検出位相信号の符号をpswと
する)。このとき、スイッチ検出位相信号pswを選択
するタイミングは、上記信号ispが発生した場合に限
られるわけではなく、座標指示器の置かれた位置と特定
の位置関係にあるセンスラインに誘導した誘導信号を採
用するようにすればよい。しかし、S/Nを考慮する
と、最も大きい誘導信号であるispを採用することが
好ましい。
【0030】スイッチの状態の判定は、スイッチ検出位
相信号pswを制御回路9自らが記憶しているしきい値
と比較することによって行っている(ステップ7)。ス
イッチ状態判定の一例の処理の詳細なフローチャートを
図7によって説明する。この判定は単純な数値の比較と
なっている。図7に示した処理の例では、スイッチのと
りえる状態が3状態、すなわちスイッチオフ、スイッチ
1オン、スイッチ2オンの状態があって、それぞれのス
イッチ状態でのスイッチ検出位相信号pswが、psw
2>psw1>psw0となっている。Th21はスイ
ッチ2とスイッチ1の状態を識別するしきい値、Th1
0はスイッチ1とスイッチオフの状態を識別するしきい
値を示している。
【0031】たとえば、いまスイッチ1が操作され、ス
イッチ検出位相信号psw1が観測された場合を考え
る。この値は、まずステップ71でしきい値Th21と
比較される。上記の位相の関係、およびしきい値との関
係から、psw1<Th21であり、ステップ71での
判定はnoとなる。続いてステップ72でしきい値Th
10と比較される。この場合はpsw1>Th10であ
るから、判定はyesとなり、ステップ73に分岐して
スイッチ1オンと判定されるのである。
【0032】なお、ここで説明した判定処理は、説明の
ために最も簡略化されたものであり、判定するスイッチ
の数、判定の順序、判定の大小関係等はこの説明に限定
されるものではない。スイッチの状態が判定されると続
いて位相の学習が行われる(図4におけるステップ
8)。これは次のように行われる。
【0033】制御回路9は、上記の処理によって判定さ
れたスイッチのスイッチ検出位相信号pswnについ
て、次の(式1)によって学習位相値を求め、さらにこ
の結果に基づいて(式2)によってしきい値を求める。 lpswn=(lpswn × w + pswn)/(w + 1)(式1) ここで、lpswn:スイッチnの学習位相値 上記例の場合n=0,1,2 pswn :スイッチnのスイッチ検出位相信号 上記例の場合n=0,1,2 w :重み係数 Thlm = (lpswl + lpswm)/ 2 (式2) ここで、Thlm:スイッチlとスイッチmを識別する
しきい値 (式1)は、前回の走査までで求められた学習位相値と
今回の走査で観測されたスイッチ検出位相信号との重み
づけ平均をとって、新たな学習位相値を求めることを意
味している。この演算は識別されたスイッチの学習位相
値およびスイッチ検出位相信号について行われる。重み
係数wは観測される位相に学習位相が追従する速度を規
定するパラメータであり、走査の速度、位相の変動の速
度等を考慮して選択される値である。
【0034】(式2)は、新たに求められた学習位相値
をもとに、各スイッチの学習位相値の中間の値を求めし
きい値とすることを意味している。この演算は更新され
た学習位相値にかかわるしきい値について行われる。こ
こで求められた学習位相値およびしきい値は、制御回路
9によって記憶される。新たなしきい値は、次の走査に
おけるスイッチ判定に使われることになる。
【0035】(式1)および(式2)によって、スイッ
チ検出位相信号が変動しても、スイッチ状態を判定する
しきい値がそれに追従するため、スイッチの誤判定を防
ぐことができる。この方式はスイッチ検出信号が大きく
変動した場合に対処することはできないが、走査のた
び、すなわち当社の実験では5msecごとにしきい値
の更新を行うので、観測される変動はさほど大きくはな
く、十分実用的であることを確認している。
【0036】なお、学習位相値およびしきい値の更新の
頻度は重み係数の選択と同様、走査の速度、位相の変動
の速度、さらに演算処理の負担の度合い等を考慮して選
択すればよい。上記5msecという周期は実験での一
例を示したものであって、これに限定されるものではな
い。本発明は誘導信号の位相によって座標指示器のスイ
ッチ状態を検出するワイヤレス座標読取装置に関するも
のであるから、誘導信号を検出する原理については第1
の実施例で説明した座標読取装置に限定されるものでは
ない。また位相を変化させるための座標指示器の回路に
ついても第1の実施例で説明した回路に限定されるもの
ではない。
【0037】図8は座標読取装置本体に関する第2の実
施例の構成図である。この構成では、励磁ライン群10
2はセンスライン群3と直交せず同一方向に配置されて
いる。さらに両者は一部がオーバーラップするようにな
っている。その他の構成は第1の実施例と同様である。
このように構成したセンスライン板101で、励磁回路
4によって1本の励磁ラインを選択して励磁信号を与
え、同時にこの励磁ラインにオーバーラップする1本の
センスラインを選択すると、このセンスラインには励磁
ラインとの電磁結合による誘導信号が発生する。
【0038】第1の実施例と異なることは、座標指示器
10がセンスライン板101上になくても誘導信号が発
生することである。しかし、座標指示器10がセンスラ
イン板101上に置かれると、結合はより強くなり、大
きな誘導信号が発生する。したがって、誘導信号の振幅
を観測することによって座標値を求めることができ、位
相信号も検出することができる。
【0039】誘導信号は、コイルを介して結合する信号
と、直接励磁ラインと結合する信号の和になるので、位
相信号は、第1の実施例とは異なった値となる。しか
し、励磁ラインと直接結合する信号の位相は一定である
のに対し、コイルを介して結合する信号の位相は、あい
かわらずスイッチの状態によって変化するので、第1の
実施例と同様に位相信号からスイッチ状態を判定するこ
とができる。スイッチ状態を判定する動作および位相を
学習する動作は第1の実施例と同様である。
【0040】さらに図示はしないが、励磁を間欠的に行
い、励磁を止めている間に検出される誘導信号によって
座標値およびスイッチ状態を検出する座標読取装置につ
いても同様に実施することができる。座標指示器の回路
についてはさまざまな回路が可能である。図9、図10
および図11は、座標指示器に関する第2、第3および
第4の実施例の回路図である。
【0041】図9の第2の実施例による座標指示器で
は、各スイッチ回路に直列に抵抗器が接続されている。
図10の第3の実施例による座標指示器では、スイッチ
と抵抗器の直列回路の一端を共通に第2のコンデンサに
接続し、この回路を共振回路に並列に接続している。い
ずれの回路によっても第1の実施例と同様の機能を有す
るように実現することができる。
【0042】第1の実施例における座標指示器では、ノ
ーマルオープンのスイッチを使用したが、ノーマルクロ
ーズのスイッチを使っても構成することができる。図1
1に、この第4の実施例の回路図を示す。座標指示器の
410の回路のスイッチ413a、413b…はすべて
ノーマルクローズタイプのスイッチである。これらのス
イッチが何も押されていない場合、各スイッチはすべて
閉じており、全ての第2のコンデンサ414が共振回路
に並列に接続されている。この状態で誘導信号isは励
磁信号dsに対して一定の位相差をもって誘導してい
る。
【0043】スイッチの一つが押されると、押されたス
イッチに直列に接続された第2のコンデンサは共振回路
から切り放され、共振回路の共振周波数は高い方に変化
する。この変化は誘導信号isの位相を進ませる方向に
影響を与える。位相の進みの変化は位相検出回路8によ
って検出され、制御回路9は第1の実施例で説明した動
作と同様にスイッチの判定を行う。
【0044】ノーマルオープンのスイッチとノーマルク
ローズのスイッチを組み合わせて、位相の進み、遅れ両
方の領域でスイッチの判定を行うように構成することも
可能である。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、スイッ
チを操作することによって共振周波数が変化するように
した座標指示器と、座標指示器と結合して誘導信号を検
出するセンスライン板と、センスライン板に誘導した誘
導信号の位相を検出する位相検出回路と、制御回路とで
構成され、誘導信号の位相信号から座標指示器のスイッ
チ状態を検出する座標読取装置において、制御回路を、
位相信号と記憶している学習位相値とを比較してスイッ
チ状態を判定するとともに、位相信号と記憶している学
習位相値から新たな学習位相値を求め、これを記憶する
ように構成した。
【0046】このため、座標指示器や座標読取装置本体
の位相特性が変動した場合も、スイッチ状態を判定する
しきい値が変動に追従して動くため、正確にスイッチの
状態を検出することのできるワイヤレス座標読取装置を
実現することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるワイヤレス座標読取装置の第1の
実施例の構成図である。
【図2】第1の実施例における位相検出回路の構成図で
ある。
【図3】第1の実施例における座標指示器の回路図であ
る。
【図4】第1の実施例における制御装置の処理のフロー
チャートである。
【図5】第1の実施例における誘導信号の発生タイミン
グ図である。
【図6】第1の実施例における位相検出動作のタイミン
グ図である。
【図7】第1の実施例におけるスイッチ状態判定のフロ
ーチャートである。
【図8】座標読取装置本体に関する第2の実施例の構成
図である。
【図9】座標指示器に関する第2の実施例の回路図であ
る。
【図10】座標指示器に関する第3の実施例の回路図で
ある。
【図11】座標指示器に関する第4の実施例の回路図で
ある。
【図12】従来のスイッチ検出技術の説明図である。
【符号の説明】
1 センスライン板 2 励磁ライン群 3 センスライン群 4 励磁走査回路 5 センス走査回路 6 励磁回路 7 増幅検波回路 8 位相検出回路 9 制御回路 10 座標指示器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a.コイルとコンデンサによる共振回路
    と、操作回路とを接続し、該操作回路を操作することに
    よって共振周波数が変化するように構成した座標指示器
    と、 b.交流磁界を発生するとともに、該交流磁界によって
    前記座標指示器と結合し、誘導信号を検出するセンスラ
    イン板と、 c.前記交流磁界の位相を基準に前記誘導信号の位相信
    号を検出する位相検出回路と、 d.前記位相信号を入力し、記憶している学習位相値と
    該位相信号とを比較することによって前記座標指示器の
    スイッチの状態を求め、さらに、前記位相信号と記憶し
    ている学習位相値とから新たな学習位相値を求め、該学
    習位相値を記憶するようになした制御回路、 とによって構成されることを特徴とするワイヤレス座標
    読取装置。
  2. 【請求項2】前記センスライン板は、複数の励磁ライン
    群と複数のセンスライン群を重ねて配置した構成であ
    り、励磁ライン群が発生する交流磁界によって前記座標
    指示器と結合し、センスラインが誘導信号を発生するよ
    うになしたセンスライン板であることを特徴とする、請
    求項1記載のワイヤレス座標読取装置。
  3. 【請求項3】前記座標指示器は、コイルと第1のコンデ
    ンサによる共振回路と、1または複数のスイッチ回路を
    接続してなし、スイッチを操作することによって共振周
    波数が変化するようにした座標指示器であることを特徴
    とする、請求項1または請求項2記載のワイヤレス座標
    読取装置。
JP3161851A 1991-07-02 1991-07-02 ワイヤレス座標読取装置 Pending JPH0511916A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5417606A (en) * 1994-01-13 1995-05-23 Kabushiki Kaisha Plex Doll with head turning mechanism
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JP2004518188A (ja) * 2000-10-27 2004-06-17 エロ・タッチシステムズ・インコーポレイテッド 投影静電結合および力タッチセンサを利用したデュアルセンサタッチスクリーン

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