JPH05116871A - エレベータかごの情報表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エレベータのかご内に設けた情報表示装置へ
のデータ伝送が有線式の場合はテールコードの存在によ
り、電線の接続上の問題或いは他部品との干渉等の問題
があり、昇降路天井とかご上に設けたアンテナによる無
線式の場合も送受信上の問題があり、どちらも一長一短
である。そこで本発明はこれらの問題を解消したデータ
伝送手段を提供するものである。 【構成】 昇降路内のガイドレールを送信側アンテナと
して利用する。これにより、他部品との干渉もなく、電
気的にも安定したデータ伝送ができる。

Description

【発明の詳細な説明】

［発明の目的］

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はエレベータかごに設置さ
れる情報表示装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、エレベータのかご内や乗り場にフ
リーメッセージが表示できるような情報表示装置を取付
け、エレベータ自体からのメッセージや管理室などの第
３の場所からのメッセージを前記情報表示装置に表示す
るためのシステムを設置する場合が増えている。

【０００３】従来、この種のエレベータのかご内に設置
されるかごの情報表示装置への表示データの伝送方法と
しては、図４に示す機械室１内のエレベータ制御盤２か
らかご３に接続したテールコード４を介して行う有線式
か、図５に示す昇降路天井とかご上のそれぞれに設けた
アンテナ５、６と表示データ送信機７、表示データ受信
機８、情報表示装置９などからなる無線式とがあった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしこれらのやり方
にはそれぞれ下記のような問題点があった。図４に示す
テールコードによる有線式の場合、 （１）エレベータ機械室からかごまで、テールコード
（有線式）を新に付設する必要がある。 （２）かご下からかご内にも、信号線を新に付設する必
要がある。 （３）機械室・かご下・かご内操作盤での結線が多い
た。 （４）昇降路内の部品（ガイドレール・レールブラケッ
ト・ガバナーロープ）等の位置により、アンテナの設置
が困難な場合がある。 （５）アンテナを水平にしないと、垂直方向の電波の放
射が少ない （６）昇降路天井付近にアンテナを水平に設置すると、
かごの直頂部に掛かるため、最上階付近での保守作業の
妨げになる可能性がある。

【０００５】（７）電波搬送は、送信アンテナと受信ア
ンテナが平行のときに一番効率が良く、そのためにはア
ンテナを水平にしたほうが良いが、かご上にアンテナを
設置した場合、保守・安全性を損なう事になる。 （８）アンテナの設置位置によって電波強度はアンテナ
の近くでは強く、逆に、アンテナから遠くなれば弱くな
ってしまう。 （９）特殊材料が必要。

【０００６】上記のような従来の技術において、図４に
示すテールコードによる有線式は、上記の問題点
（１）、（２）に対してはテールコードが増えるため、
かごとカウンターウエートとのバランスが崩れ、カウン
ターウエートを追加するなどバランスを再調整する必要
があった。

【０００７】問題点（３）に対しては、結線作業が多い
ために、誤結線・未結線が発生し易く、配線スペースも
必要とした。したがって、特殊材料が多く必要であり、
工事期間が長く掛かった。

【０００８】また、既設のエレベータにかご内情報表示
装置を追加するためにはバランス再調整用のテストウエ
ート・再調整用計測器などの搬入搬出、かご内情報表示
装置の取付・再調整のあいだエレベータを停止するなど
の問題があった。図５に示すアンテナを設置した無線式
は、上記問題点（４）〜（９）のそれぞれが、構造・機
能・保守・安全性上に関係して問題があった。本発明は
このような問題を解消してエレベータの工事期間の短縮
と誤結線・未結線の防止と保守・安全性の向上を計るこ
とを目的としている。 ［発明の構成］

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明はエレベータのか
ご内に設置されたかご内情報表示装置へ表示データを伝
送する手段に、昇降路内のガイドレールを空中線（アン
テナ）として利用して、無線式のデータ伝送を行う。

【００１０】すなわち、機械室に設置されたデータ伝送
用送信機から昇降路内のガイドレールまで同軸ケーブル
を介して伝送し、このガイドレールのアンテナから、か
ご上（またはかご下）に設置された受信用空中線（アン
テナ）を介してデータ転送用受信機に信号を送り、受信
機よりかご内情報表示装置へ表示データを伝送する手段
を設ける。

【００１１】

【作用】エレベータ機械室に設置されたエレベータ制御
盤に取付けられたかご内表示データ送信装置は、かご内
表示データをエレベータ制御盤または第３の場所に設け
られたかご内表示専用制御装置の指令に従った表示デー
タを表示指令とともに電波搬送できるように加工し電波
搬送可能な周波数に変換し、同軸ケーブルを通し昇降路
内のガイドレールを空中線（アンテナ）とし、電波とし
て放射する。

【００１２】放射された電波は、かごに設置されたかご
内表示データ受信用空中線により受信し、かご内表示デ
ータ受信装置に伝えられ、かご内表示データ受信機はか
ご内表示データ送信機とは逆に電波信号から表示指令・
表示データを復元し、かご内表示データ受信機から、か
ご内情報表示装置に表示指令・表示データを表示データ
伝送ケーブルを通して伝送することにより、最終的にか
ご内情報表示装置にて表示される。

【００１３】ガイドレールを空中線（アンテナ）として
利用することは、昇降路内にもともとある部品なので邪
魔になることもなく、かご内表示データ送信用空中線
（アンテナ）であるガイドレールと昇降するかごの上
（または下）に設置されたかご内表示データ受信機のか
ご内表示データ受信用空中線（アンテナ）とは常に平行
となり電波波強度が変化しないため、一定の値で受信で
き、かご内表示データ受信用空中線（アンテナ）を、か
ごの天井上面に設置することで、かごの上梁より低い位
置に取付けられるため、保守・安全性の向上を望める。
また、油圧式エレベータのようにトップクリアランスの
低いエレベータにも無理なく取付けることができる。

【００１４】

【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいて説明す
る。

【００１５】図１において、エレベータ機械室１にエレ
ベータ制御盤２とかご内表示データ送信装置７を設け、
これを同軸ケーブル４で昇降路内のガイドレール１０と
接続する。かご３、かご内表示データ受信用空中線６、
かご内表示データ受信機８、表示データ伝送ケーブル１
１、かご内情報表示装置９により構成される。このよう
な構成による本発明の機能を説明をする。

【００１６】エレベータ機械室１に設置されたエレベー
タ制御盤２に取付けられたかご内表示データ送信装置３
は、かご内表示データをエレベータ制御盤２または第３
の場所に設けられたかご内表示専用制御装置の指令に従
った表示データを表示指令と共に電波搬送できるように
加工し電波搬送可能な周波数に変換し、同軸ケーブル４
を通し昇降路内のガイドレール１０を空中線（従来のア
ンテナ５に相当）とし、電波として放射する。

【００１７】放射された電波は、かご３に設置されたか
ご内表示データ受信用空中線６により受信しかご内表示
データ受信機８に伝えられ、かご内表示データ受信機８
はかご内表示データ送信機７とは逆に電波信号から表示
指令・表示データを復元し、表示データ伝送ケーブル１
１によりかご内情報表示装置９に表示指令・表示データ
伝送することにより、最終的にかご内情報表示装置９に
表示される。

【００１８】また、図２に示すように、かご内表示デー
タ送信機７のかご内情報表示データインタフェース１２
が、表示指令・表示データを受取ったときに送信機を制
御し、表示データを電波として放射し、図３に示すよう
に、かご内表示データ受信機８のかご内情報データイン
ターフェース１３は、復調済みのデータをかご内情報表
示装置９へ出力する。

【００１９】以上に述べた構成により、表示データの信
号はすべて無線式となり、電気的結合が無くなるため、
かご内情報表示装置を取付ける場合、機械室での取付け
・結線作業、同軸ケーブルの引き回し、同軸ケーブルを
ガイドレール（空中線）へ接続、かご上（又はかご下）
での取付・結線作業だけとなり、機械室での結線作業
は、電源線とエレベータ制御盤又は第３の場所に設けら
れたかご内表示専用制御装置間の結線だけとなる。

【００２０】かご上（又はかご下）での結線作業は、電
源線とかご内表示データ受信機・情報表示装置間の結線
だけとなるので、エレベータの停止時間は短縮されテー
ルコードの搬入、テストウエート・再調整用計測器の搬
入・搬出は不要となる。またかご内表示データ受信機と
かご内情報表示装置間の結線はコネクタを利用するため
作業が簡略化される。

【００２１】また、図１のかご内情報表示装置９を機能
アップした場合でも、図２と図３のかご内情報表示デー
タインタフェース１２、１３をかご内情報表示装置に合
ったものと交換するだけでよい。

【００２２】本発明の構成によれば、一つのかご内表示
データ送信機が周波数を多数使用するか、かご内表示デ
ータ受信装置が自分当ての送信データか否かを判断すれ
ば、同一昇降路内の複数のかごに対し、別々の表示デー
タを送信、又は受信することも可能である。

【００２３】さらに、かご内データ送信機・受信機が送
信・受信の単機能ではなく、送信・受信可能な装置であ
れば伝送データのチェックサムをチェックし信頼性の向
上を計れる。また、かご内表示データ送信機を機械室で
はなく、第３の場所に設けられたかご内表示専用制御装
置と同じ階床に設置することも可能である。

【００２４】

【発明の効果】本発明は、機械室とかご間における表示
データ伝送を無線方式とし、ガイドレールを空中線とし
て利用することにより、テールコードの引き回し、バラ
ンスの再調整が必要なくなり、また、昇降路内に余計な
設備を設置することもなく、安定した送受信利得を得ら
れる無線式かご内情報表示装置が得られることなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるエレベータの構成図である。

【図２】本発明によるかご内表示データ送信機のブロッ
ク図である。

【図３】同じく受信機のブロック図である。

【図４】従来のエレベータの構成図である。

【図５】他の従来のエレベータの構成図である。

【符号の説明】

６ ガイドレール ７ 表示データ発信機 ８ 表示データ受信機 ９ かご内情報表示装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エレベータかご内に設置された情報表示
   装置において、 エレベータ機械室側の無線式データ送信装置とこれに接
   続した昇降路内のガイドレールによる送信用空中線と、
   この送信用空中線に対応するかご側に設けた受信用空中
   線とこれに接続した無線式データ受信装置とからなるデ
   ータ伝送手段を介して情報を表示することを特徴とする
   エレベータかごの情報表示装置。