JPH05116424A - シートガイドカバーおよびその設計方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 音響対策用のシートガイドカバー内側に膨張
形消音室を設け、シートガイドカバーの騒音低減効果を
向上させ、かつ対策周波数とレベル設定に自由度をもた
せる。 【構成】 シートガイドカバー１の内側に複数の横方向
のリブ２ａ〜２ｄにより、膨張形消音室Ａを形成する。
また、縦方向のリブ３で排紙の補助を行う。膨張形消音
室Ａの容積を変更することにより、対策周波数ピークと
そのレベルを任意に変更できることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、プリンタのシートガイ
ドカバーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図４に従来のシートガイドカバーを示
す。

【０００３】シートガイド６の上部を覆うシートガイド
カバー１００は、プリンタ印字音やメカ作動音を軽減す
る目的で設置されており、特にプリンタ前方におけるの
騒音レベルを約１〔ｄＢ(A)〕前後下げる効果を持って
いる（ISO7779準拠の測定による）。これは排紙開口部
１０１をより後方に設置することにより、プリンタ前方
に放射する音をカットしているためである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来のシートガイドカ
バー１００は、音をプリンタ後方に逃がして前方の音を
下げることが主目的であり、故に後方では逆に音圧レベ
ルが上昇するという現象が発生している。まして、四方
向のエネルギー平均値（ISO9296 準拠表示）ともなれ
ば、若干のレベル低減効果はあるものの、その度合はよ
り低くなり、シートガイドカバー単体による効果は、非
常に低いものとなるのが欠点であった。

【０００５】本発明が解決しようとする課題は、プリン
タ前方の音圧レベル低減効果をさらに引き上げ、なおか
つプリンタ四方向のエネルギー平均値低減効果を高める
ことである。

【０００６】また、対応する消音すべき周波数ピーク、
およびレベルを膨張形消音室の容積変更により、或る範
囲において任意に設定可能にすることである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明のシートガイドカ
バーは、その前端・後端部分の空間を高さ方向に絞り、
高さ部分を実質的に膨張させた膨張形消音室を形成した
ことを特徴とする。

【０００８】また、本発明の設計方法は、膨張形消音室
の奥行き方向長さを変えることにより、消音効果の高い
周波数を変化させ、ヘッド駆動周波数やモーター駆動周
波数の違う、多数のプリンタに対応させて設計すること
を特徴とする。

【０００９】

【実施例】図１は本発明によるシートガイドカバーの実
施例を示す概略断面図である。２ａ〜２ｄが膨張形消音
室Ａを形成する横方向のリブで、３は排紙を妨げないた
めの縦方向の排紙補強用リブである。

【００１０】シートガイドカバー１は、図１のようにプ
リンタの上ケース７に取り付けられ、排紙用開口部１２
を覆い、排紙開口部１２より放射される音がプリンタ前
方へ向かうのを阻止する役割を持つ。シートガイドカバ
ー１で遮られた音は、プリンタ後方へと導かれ、シート
ガイドカバー１の後部より放射される。この際、本実施
例によるシートガイドカバーでは、膨張させた部屋（す
なわち膨張形消音室）Ａの中で音波の干渉を行わせるリ
アクタンス形消音室が用いられており、音源からの放射
音が後方へ導かれる途中の膨張形消音室Ａにおいて一旦
溜められ、相互の干渉により減衰された後、後方へと放
射される。

【００１１】また図２のように、膨張形消音室Ａ内のい
ずれかの箇所、あるいはシートガイド６の一部を利用し
て吸音材５等による吸音処理を施すことにより、消音効
果はさらに向上させることが可能である。この場合に
は、シートガイド１に彫り込み部分を作り、そこへ吸音
材５を添付するが、その彫り込み部分は、シートガイド
６としての機能を損なわなければ、必ずしも図の位置や
寸法と一致しなくてもよい。

【００１２】図３はシートガイドカバー１を、プリンタ
のに取り付けたときの部分斜視図で、シートガイドカバ
ー１、シートガイド６に吸音処理を施す場合を想定した
シートガイドを示している。

【００１３】膨張形消音室Ａは、特定の周波数とその整
数倍の周波数において最大の効果を発揮するが、その周
波数は、膨張形消音室Ａの長さを変えることで設定でき
るため、本実施例のシートガイドカバーでは前方・後方
のリブの位置を変えることで対処可能である。

【００１４】以上のように、本実施例のシートガイドカ
バー１は、リブ形状を工夫することにより、排紙能力を
損なうことなくシートガイドカバーの騒音軽減効果を向
上させることができ、効果を向上させる周波数を従来の
ものに比し自由度を持って設定できるため、シートガイ
ドカバーを適用できるプリンタであれば、機種を問わず
使用できる利点がある。

【００１５】

【発明の効果】本発明のシートガイドカバーは、従来の
シートカバーに比較して、騒音低減効果を引き上げられ
るとともに、膨張形消音室の容積を変えることで消音ピ
ーク周波数とそのレベルを或る範囲内で任意に設定可能
である、という利点がある。これにより、個々のプリン
タに合わせてシートガイドカバーを設計することがで
き、最も適切な効果を有する騒音対策が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に基づく膨張形消音室つきシートガイド
カバーを、プリンタに取り付けたときの断面図である。

【図２】本発明のシートガイドカバーを用い、膨張室に
おける消音効果を向上させる場合に、吸音材を添付可能
な場所を示した図である。

【図３】シートガイドカバーをプリンタに取り付けた状
態の部分斜視図である。

【図４】従来タイプのシートガイドカバーを、プリンタ
に取り付けたときの断面図である。

【符号の説明】 １ シートガイドカバー ２ａ 膨張形消音室形成リブ ２ｂ 膨張形消音室形成リブ ２ｃ 膨張形消音室形成リブ ２ｄ 膨張形消音室形成リブ ３ 排紙補助用リブ ４ プリンタカバー ５ 吸音材 ６ シートガイド ７ プリンタ上ケース ８ プラテン ９ 排紙ローラー １０ 印字ヘッド １１ 排紙経路

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 排紙開口部に設置してあるシートガイド
   カバーにおいて、その前端・後端部分の空間を高さ方向
   に絞り、高さ部分を実質的に膨張させた膨張形消音室を
   形成したことを特徴とするシートガイドカバー。
2. 【請求項２】 前記膨張形消音室内に紙案内と補強とを
   兼ねた複数の排紙補強用リブを設けたことを特徴とする
   請求項１記載のシートガイドカバー。
3. 【請求項３】 前記膨張形消音室内に吸音処理を施した
   ことを特徴とする請求項１記載のシートガイドカバー。
4. 【請求項４】 膨張形消音室の奥行き方向長さを変える
   ことにより、消音効果の高い周波数を変化させ、ヘッド
   駆動周波数やモーター駆動周波数の違う、多数のプリン
   タに対応させて設計することを特徴とする請求項１また
   は２または３記載のシートガイドカバーの設計方法。