JPH0510995U - セラミツクフアイバ−でライニングした窯炉壁の補修構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、焼鈍炉等の窯炉の断熱用のセラミ
ックファイバ−ブランケットを長い間使用して、その取
り付け用のスタッドボルトが酸化してその機能を失いか
けても、セラミックファイバ−ブランケットを継続して
使用延長することにある。 【構成】 焼鈍炉等の窯炉１の炉殻２に溶接したスタッ
ドボルトが酸化して保持する機能を失いかけたセラミッ
クファイバ−ブランケット４に、一定の間隔でスタッド
ボルト３の直径の数倍の開孔部８を開孔する。そして、
窯炉１の炉殻２のこの開孔部８に対応する位置に新しい
スタッドボルト３を挿入してその一端を溶接して立設
し、上記スタッドボルト３のまわりの開孔部８にセラミ
ックファイバ−のバルク９をそれぞれ充填して閉塞して
補修し、セラミックファイバ−ブランケット４を炉殻２
に取り付けるようにしている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、加熱炉や焼鈍炉等の工業窯炉のセラミックファイバ−でライニング した窯炉壁の補修構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

近年、加熱炉や焼鈍炉等の工業窯炉は、窯炉の炉殻の内面にスタッドボルト等 を用いてセラミックファイバ−ブランケットを取付けて、その断熱効果を高めて いる。

【０００３】 上記セラミックファイバ−のライニングの施工は、炉殻にスタッドボルトを溶 接で取付け、このスタッドボルトにセラミックファイバ−ブランケットを串刺し て張り付け、セラミックファイバ−ブランケットから突き出たスタッドボルトの 端部にワッシャ−、ナットを取り付けてセラミックファイバ−ブランケットの表 面を固定することによって行なわれている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記セラミックファイバ−ブランケットの断熱効果の寿命を律速するものとし ては、セラミックファイバ−ブランケット自体の劣化と、スタッドボルトの酸化 による劣化が主である。最近、セラミックファイバ−ブランケットは材料の研究 によって材質改善されて寿命が延長されており、セラミックファイバ−ブランケ ットを保持するスタッドボルトの酸化による劣化が寿命を決定する要因となって いる。

【０００５】 すなわち、窯炉を長時間使用すると、セラミックファイバ−ブランケットを保 持しているスタッドボルトが酸化してセラミックファイバ−ブランケットの保持 機能を失い、セラミックファイバ−ブランケットが脱落したり、剥離して寿命と なる。寿命になると、セラミックファイバ−ブランケットおよびスタッドボルト を取り除き、新たにスタッドボルトを炉殻に溶接してセラミックファイバ−ブラ ンケットを張り、ワッシャ−、ナットを取り付けて固定しているもので、まだ使 用できるセラミックファイバ−ブランケットを廃棄するなど経済的でなかった。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記のような点に鑑みたもので、上記の課題を解決するために、セ ラミックファイバ−ブランケットをスタッドボルトで窯炉の炉殻に取り付けたセ ラミックファイバ−でライニングした窯炉壁において、窯炉の炉殻に取り付けた セラミックファイバ−ブランケットに既存のスタッドボルトから一定距離ずらし た位置にスタッドボルトの直径の数倍の開孔部を開孔し、新規なスタッドボルト を上記開孔部に挿入してその一端を炉殻に溶接して立設し、上記スタッドボルト のまわりの開孔部にセラミックファイバ−のバルクを充填してセラミックファイ バ−ブランケットを炉殻に取り付けて補修していることを特徴とするセラミック ファイバ−でライニングした窯炉壁の補修構造を提供するにある。

【０００７】

【作用】

本考案によれば、窯炉の炉殻に溶接したスタッドボルトが酸化してセラミック ファイバ−ブランケットを保持する機能を失いかけも、炉壁に取り付けているセ ラミックファイバ−ブランケットに所定径の開孔部を開孔して、その位置の炉殻 に新しいスタッドボルトを溶接して取り付けることによって、セラミックファイ バ−ブランケットを再び炉殻にしっかりと取り付けられ、セラミックファイバ− ブランケットが炉殻から脱落したり、剥離するのを防止できる。そのため、セラ ミックファイバ−ブランケットを交換することなく、有効に延長して利用できる 。

【０００８】 そして、上記セラミックファイバ−ブランケットの開孔部には、その挿入した スタッドボルトのまわりにセラミックファイバ−のバルクを充填することによっ て、スタッドボルトまわりの開孔部を閉塞でき、炉壁の断熱性を保持できる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案を実施例にもとづいて説明する。図１、第２図は、本考案の一実 施例である。焼鈍炉等の窯炉１の炉殻２には、図１、図２のように炉殻２に所定 長さのスタッドボルト３の一端を溶接して固定し、このスタッドボルト３にセラ ミックファイバ−ブランケット４を挿通して均一状に取り付けている。

【００１０】 セラミックファイバ−ブランケット４は、既に炉殻２に図１で点線に示してい るように溶着したスタッドボルト５でワッシャ−６、ナット７によって取り付け ているもので、このセラミックファイバ−ブランケット４に既に取り付けたスタ ッドボルト５の取り付け間隔の２分の１位ずらして、図２のように新しくスタッ ドボルト３を挿通する開孔部８を開孔して炉殻２に取り付けているものである。

【００１１】 上記セラミックファイバ−ブランケット４に開孔した開孔部８の大きさは、ピ ストル型のスタッド取付用溶接ガンでスタッドボルト３を炉殻２に溶接できる位 のものでよく、通常スタッドボルト３の外径の２〜４倍位が好ましい。

【００１２】 スタッドボルト３は、既に取り付けたスタッドボルト５と同じSUS304等の材質 の所定長さのものを使用できるのもので、上記したセラミックファイバ−ブラン ケット４の開孔部８の位置にその一端を炉殻２に溶接して固着している。

【００１３】 このスタッドボルト３のまわりのセラミックファイバ−ブランケット４の開孔 部８には、図２のようにセラミックファイバ−のバルク９を充填し、スタッドボ ルト３の他端側に開孔部８よりも大きい径のワッシャ−１０を挿入して、ナット １１を螺着してセラミックファイバ−ブランケット４を取り付けている。セラミ ックファイバ−のバルク９としては不定形状のもののほかに、開孔部８の外径に あった環状のものとすることもできる。

【００１４】

【使用例】

セラミックファイバ−ブランケットを装着し、スタッドボルトが酸化して機能 を失いかけたバッチ式の焼鈍炉に、上記したようにセラミックファイバ−ブラン ケットに開孔部を開孔して、新しいスタッドボルトを溶接ガンで炉壁に溶接し、 スタッドボルトのまわりの開孔部にセラミックファイバ−ブランケットのバルク を充填して施工した。

【００１５】 その結果、新しいスタッドボルトによって、セラミックファイバ−ブランケッ トを新しく交換して炉殻に取り付けたように保持することができ、セラミックフ ァイバ−ブランケットを有効に再使用することができ、その寿命を延長すること ができた。セラミックファイバ−ブランケットが使用できれば、何回でも再使用 可能である。

【００１６】 上記実施例では、焼鈍炉について説明したが、加熱炉、均熱炉等についても同 様に適用することができ、またスタッドボルトのワッシャ−やボルトはセラミッ クファイバ−ブランケット内に埋めるようにして施工することもできる。

【００１７】

【考案の効果】

以上のように本考案にあっては、長い間使用してスタッドボルトが酸化してセ ラミックファイバ−ブランケットを保持する機能を失いかけても、セラミックフ ァイバ−ブランケットに開孔した開孔部を介して新しいスタッドボルトを炉殻に 溶着してセラミックファイバ−ブランケットを新しいスタッドボルトに簡単に取 り付けて保持することができ、セラミックファイバ−ブランケットを経済的に使 用できて、セラミックファイバ−ブランケットが使えなくなるまで、その寿命を 延長することができる。

【００１８】 また、セラミックファイバ−ブランケットにスタッドボルト挿入用の開孔部を 開孔するにもかかわらず、この開孔部にセラミックファイバ−のバルクを充填し て閉塞するので、セラミックファイバ−ブランケットの断熱性を低下することな く、使用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例のセラミックファイバ−ブラ
ンケットの取り付け状態の正面図、

【図２】同上のセラミックファイバ−ブランケットをス
タッドボルトで取り付けた部分の側断面図。

【符号の説明】

１…窯炉 ２…炉殻 ３…スタッ
ドボルト ４…セラミックファイバ−ブランケット ８…開孔
部 ９…バルク

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 セラミックファイバ−ブランケットをス
   タッドボルトで窯炉の炉殻に取り付けたセラミックファ
   イバ−でライニングした窯炉壁において、 窯炉の炉殻に取り付けたセラミックファイバ−ブランケ
   ットに既存のスタッドボルトから一定距離ずらした位置
   にスタッドボルトの直径の数倍の開孔部を開孔し、新規
   なスタッドボルトを上記開孔部に挿入してその一端を炉
   殻に溶接して立設し、 上記スタッドボルトのまわりの開孔部にセラミックファ
   イバ−のバルクを充填してセラミックファイバ−ブラン
   ケットを炉殻に取り付けて補修していることを特徴とす
   るセラミックファイバ−でライニングした窯炉壁の補修
   構造。