JPH05109368A - インライン形電子銃 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インライン形電子銃の部品点数を減少させ
る。レンズを構成する複数の電極のうち最終電極とこれ
に対向する電極との対向面積を大きくし、それらの面に
構成する電子レンズ口径を大きくする。 【構成】 最終電極（バイポテンシャル型電子銃の場合
は第４格子電極）とコンバーゼンスカップとを一体化す
る。レンズを構成する複数の電極のうち最終電極とこれ
に対向する電極（バイポテンシャル型電子銃の場合は第
４格子電極と第３格子電極）の形状を電極支持用ガラス
の取付けられる部分以外は対向面積となる様にし、その
面に構成する電子レンズ口径を大きくする。 【効果】 部品点数の減少による原価低減と精度向上。
電子レンズ口径の拡大によるフォーカス性能改善。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、陰極線管用特にシャ
ドウマスク形カラー受像管用の改良されたインライン形
電子銃に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図３は例えば特開昭５２−１３２６７０
号公報に示された従来のインライン形電子銃を示す断面
図であり、図において、１はカソード・ヒータ部、２は
第１格子電極、３は第２格子電極、４は第３格子電極、
４Ａは第３格子電極４の主レンズ構成部、４Ｂは第３格
子電極４のプリレンズ構成部、５は第４格子電極、６は
これら電極支持用のガラス棒、７はコンバーゼンスカッ
プ、８はシャント、９はエンハンサーである。

【０００３】次に動作について説明する。カソード・ヒ
ータ部１から電子が放射され、第１格子電極２及び第２
格子電極３の電位によって形成される電界により、放散
された前記電子は加速され電子ビームとなされる。電子
ビームは第２格子電極３と第３格子電極４のプリレンズ
構成部４Ｂとの間でプリフォーカスされ、更に第３格子
電極４の主レンズ構成部４Ａと第４格子電極５との間で
絞られ蛍光面（図示せず）上で電子ビーム径が最小にな
る様に集束する。コンバーゼンスカップ７は第４格子電
極５に取付けられ、このコンバーゼンスカップ７に取付
けられたシャント８、エンハンサー９により、三つの電
子ビーム間で発生するコンバーゼンスのコマ収差を補正
する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来のインライン形電
子銃は以上のように構成されているので、第４格子電極
５にコンバーゼンスカップ７を取付けなければならず、
又第４格子電極５の第３格子電極４と対向する面１７の
面積の大きさが制約され、この面１７に設ける電子レン
ズ用口径の大きさが、それによって制限されるという問
題点があった。

【０００５】この発明は上記のような問題点を解消もし
くは緩和するためになされたもので、かつ部品数を減少
出来ると共に、フォーカス性能の良いインライン形電子
銃を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明に係るインライ
ン形電子銃は第４格子電極５とコンバーゼンスカップ７
とを一体成形したものである。

【０００７】また更に第３格子電極の主レンズ構成部の
形状を、ガラス棒への取付箇所以外は第４格子電極と対
向する面を有するように、構成したものである。

【０００８】

【作用】この発明におけるインライン形電子銃では第４
格子電極がコンバーゼンスカップの役割も同時に果すこ
とが出来るので、別個のコンバーゼンスカップが不要に
なる。

【０００９】また本発明による第４および第３格子電極
は従来よりも対向する面の面積を大きく出来るので、こ
の面に構成する電子レンズの口径を大きくすることが可
能になる。

【００１０】

【実施例】以下、この発明の一実施例を図１について説
明する。図１の（ａ）はこの発明の一実施例を示す断面
図であり、１〜４，４Ａ，４Ｂは上記従来装置と全く同
一のものである。５７は従来の第４格子電極とコンバー
ゼンスカップとを一体成形した本発明の第４格子電極で
ある。この第４格子電極５７はその側面に取付けたＵ針
１１によってガラス棒６に取付けられている。

【００１１】シャント８およびエンハンサー９は新たに
設けた取付板１０に取付け、これを第４格子電極に取付
ける。

【００１２】前記のように構成されたインライン形電子
銃では第４格子電極５７がコンバーゼンスカップの作用
もなすので部品を減少出来る。また最近の方式ではシャ
ント８、エンハンサー９を必要としない方式があり、こ
の場合は取付板１０も不要である。

【００１３】更に図１の（ｃ）に示す様に前記の第４格
子電極５７は第３格子電極４と対向する面１２を大きく
することが出来、その面に構成する電子レンズ用口径１
３を大きくすることが可能である。

【００１４】図２は本発明の他の実施例を示し、図中１
〜３，４Ｂは前記従来装置と全く同一のものである。し
かし第３格子電極４の主レンズ構成部４Ａの形状を第４
格子電極５７の形状と同じ様にガラス棒６への取付箇所
以外は第４格子電極５７への対向面１４とする。これに
より対向面１４の面積を大きくすることが出来、その面
に構成する電子レンズ用口径１５を大きくすることが可
能である。

【００１５】なお、上記実施例ではバイポテンシャル型
インライン形電子銃について説明したが、本発明はこれ
に限らず各種方式の電子銃の最終段電子レンズを構成す
る電極に適用することが可能である。

【００１６】

【発明の効果】以上のように、この発明によればインラ
イン形電子銃のコンバーゼンスカップと最終電極とを一
体成形して構成したので、部品を減少出来る。

【００１７】またレンズを構成する複数の電極のうち最
終電極とこれに対向する電極の対向面積が従来よりも大
きく出来るので、その面に構成する電子レンズ用口径を
大きくすることが可能で、フォーカス性能の良好なイン
ライン形電子銃が得られる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１の（ａ）はこの発明によるインライン形電
子銃の一実施例の断面図、図１の（ｂ）は図１の（ａ）
におけるｂ−ｂ′線から見た図、図１の（ｃ）は図１の
（ａ）におけるｃ−ｃ′線から見た図である。

【図２】図２の（ａ）はこの発明によるインライン形電
子銃の他の実施例の断面図、図２の（ｂ）は図２の
（ａ）におけるｂ−ｂ′線から見た図である。

【図３】図３の（ａ）は従来のインライン形電子銃の断
面図、図３の（ｂ）は図３の（ａ）におけるｂ−ｂ′線
から見た図、図３の（ｃ）は図３の（ａ）におけるｃ−
ｃ′線から見た図、図３の（ｄ）は図３の（ａ）におけ
るｄ−ｄ′線から見た図である。

【符号の説明】

４ 第３格子電極 ４Ａ 第３格子電極の主レンズ構成部 ４Ｂ 第３格子電極のプリレンズ構成部 ５ 第４格子電極 ６ 電極支持用のガラス棒 ７ コンバーゼンスカップ １２ 第４格子電極の第３格子電極４と対向する面 １３ 第４格子電極の第３格子電極と対向する面に設け
た電子レンズの口径 １４ 第３格子電極の第４格子電極と対向する面 １５ 第３格子電極の第４格子電極と対向する面に設け
た電子レンズの口径

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数電子ビームがインライン状に配列さ
   れ、カソード・ヒータ部、第１格子電極、第２格子電
   極、レンズを構成する複数の電極、およびコンバーゼン
   スカップが順に配置され、それ等が２本以上のガラス棒
   にて固定されたインライン形電子銃に於て、 レンズを構成する複数の電極のうち最終電極とコンバー
   ゼンスカップとを一体化したことを特徴とするインライ
   ン形電子銃。
2. 【請求項２】 コンバーゼンスカップと一体化された最
   終電極に相対する電極に、ガラス棒の取付箇所以外は前
   記最終電極と相対する面を設けたことを特徴とする請求
   項１に記載のインライン形電子銃。