JPH05106607A - 油圧アクチユエータの速度・推力制御装置 - Google Patents

油圧アクチユエータの速度・推力制御装置

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Publication number
JPH05106607A
JPH05106607A JP3272416A JP27241691A JPH05106607A JP H05106607 A JPH05106607 A JP H05106607A JP 3272416 A JP3272416 A JP 3272416A JP 27241691 A JP27241691 A JP 27241691A JP H05106607 A JPH05106607 A JP H05106607A
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speed
thrust
control
deviation
amplifier
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Application number
JP3272416A
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English (en)
Inventor
Hirotoshi Nakao
裕利 中尾
Yasuo Shimomura
康雄 下村
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Tokimec Inc
Original Assignee
Tokimec Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 制御切換時にハンチング現象が発生せず、各
補償要素のゲインも最適に選択できるようにし、動特性
を損なうことなく静的な制御精度も向上させる。 【構成】 油圧シリンダ21を増幅器23の出力電流に
よって駆動される三方弁(制御弁)22によって油圧制
御する。その油圧シリンダ21の動作速度と推力(圧
力)を検出し、速度指令値Vcと速度検出値Vf/b との
偏差ΔVを第1の補償要素33を介して増幅器23に入
力させて速度制御を行なう第1の閉ループ系と、推力指
令値Fcと推力検出値Ff/b との偏差ΔFを第2の補償
要素34を介して増幅器23に入力させて推力制御を行
なう第2の閉ループ系とを形成すると共に、制御系切換
回路35によって、第1の補償要素33の出力Vsと第
2の補償要素34の出力Fsのうち値が小さい方の出力
を増幅器23に入力させるようにして速度制御と推力制
御を切り換える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、油圧シリンダ,油圧
モータ等の油圧アクチュエータの動作速度を速度指令値
に保つ速度制御系と、その推力を推力指令値に保つ推力
制御系とを備えた油圧アクチュエータの速度・推力制御
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】このような油圧アクチュエータの速度・
推力制御装置に類似した従来の装置として、例えば特開
昭64−32082号公報に記載されているような流体
ポンプの流量・圧力制御装置がある。
【0003】その基本的なものは図16に示すように構
成され、通常の流量制御のときにはスイッチ4がA側に
切り換わっており、可変容量形油圧ポンプ部(流体ポン
プである可変容量形油圧ポンプとその斜板等の容量可変
機構を制御する手段及びそれを駆動する増幅器等を含
む)1の例えば斜板に取付けた角度センサにより斜板角
度θすなわち吐出流量Qを検出し、流量指示値Qcとの
偏差を補正要素であるサーボ増幅器2に入力させ、その
出力によって吐出流量Qが流量指示値Qcと一致するよ
うに可変容量形油圧ポンプ部1の斜板角度をフィードバ
ック制御する。その結果、シリンダ6は一定の移動速度
で駆動される。
【0004】そして、シリンダ6がストロークエンドに
達するか対象物10に当って機械的に停止すると、シリ
ンダ6内の圧力が急激に上昇し始める。その圧力検出値
Pが圧力指令値Pcと所定値αとの差(Pc−α;Pc
より僅かに低い値)に達すると、比較器5の出力が反転
してスイッチ4をB側に切り換え、圧力指示値Pcと圧
力検出値Pの偏差をサーボ増幅器3に入力させ、その出
力によって圧力検出値Pが圧力指示値Pcと一致するよ
うに可変容量形油圧ポンプ部1の斜板角度をフィードバ
ック制御する圧力制御が行なわれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この場合、流量制御状
態と圧力制御状態の切換は、(Pc−α)−Pによって
のみ下記のように行なわれる。なお、Gp,Gqはそれ
ぞれサーボ増幅器3,2の増幅率である。 (Pc−α)−P SW4 油圧ポンプ操作量 ≦0 B (Pc−P)Gp >0 A (Qc−Q)Gq
【0006】ここで、制御状態が切り換わるとき、すな
わち(Pc−α)−P=0のとき、(Pc−P)Gpと
(Qc−Q)Gqは通常等しくない(等しくなることも
あり得るが、状態によって変化するため一般には等しく
ない)。したがって、吐出負荷回路圧が上昇して(Pc
−α)−P=0になったとき、油圧ポンプ操作量に飛躍
が起きる。すなわち、(Qc−Q)Gqから(Pc−
P)Gpへ信号が低下する、それによって瞬間的に負荷
圧力が降下して(Pc−α)−P>0になり、操作量が
再度飛躍する。これを繰り返してハンチング状態とな
る。
【0007】このような問題を改善するために、特開昭
64−32082号公報には図17の(A)及び(B)に示
すように構成した流量・圧力制御装置が提案されてい
る。これらの図において、図16と対応する部分には同
一の符号を付してある。なお、11は方向切換弁、12
は出力電圧上限リミット回路である。
【0008】これらの構成によれば、サーボ増幅器2,
3の増幅率をGq,Gpとしたとき、流量制御のゲイン
はGqで決定され、圧力制御のゲインはGp×Gqで決
定され、流量制御/圧力制御切換特性(カットオフ幅)
はGpによって決定される。これらによれば、前述の場
合のような制御切換時における油圧ポンプ操作量の飛躍
は起こらず、切換点におけるハンチング現象は改善され
る。
【0009】しかし、一般に圧力制御は流量制御に比べ
てフィードバックゲインが高いため、制御ゲインを低く
おさえなければならない。そこで、Gp×Gqを低くし
たいが、Gqが高いためGpを非常に低くしなければな
らず、その結果カットオフ幅が大きくなり、ポンプの最
大動力点を使えなくなる等の問題が生じる。これを改善
する目的でGpを高くするとGqを低くせざるを得ず、
そうすると流量制御時の応答性が低下するという問題が
生じる。このような問題は、上述の油圧ポンプを油圧ア
クチュエータに置き換え、その動作速度及び推力を検出
してフィードバック制御を行なうようにした油圧アクチ
ュエータの速度・推力制御装置においても同様に生じ
る。
【0010】この発明はこのような問題に鑑みてなされ
たものであり、油圧アクチュエータの速度・推力制御装
置において、制御切換時にハンチング現象が発生するこ
となくなめらかに切り換えがなされ、且つ各補償要素の
ゲインを最適に選択できるようにして効率をよくし、動
特性を損なうことなく静的な制御精度も向上させること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明による油圧アク
チュエータの速度・推力制御装置は、上記の目的を達成
するため、油圧シリンダ,油圧モータ等の油圧アクチュ
エータと、該油圧アクチュエータに圧油を供給してその
動作速度と推力を制御する制御弁と、該制御弁を駆動す
る増幅器と、上記油圧アクチュエータの動作速度を検出
する速度検出手段と、その推力を検出する推力検出手段
とを備え、速度指令値と上記速度検出手段による速度検
出値との偏差を第1の補償要素を介して上記増幅器に入
力させて速度制御を行なう第1の閉ループ系と、推力指
令値と上記推力検出手段による推力検出値との偏差を第
2の補償要素を介して上記増幅器に入力させて推力制御
を行なう第2の閉ループ系とを形成すると共に、上記第
1の補償要素の出力と第2の補償要素の出力のうち値が
小さい方の出力を上記増幅器に入力させるようにして上
記第1の閉ループ系と第2の閉ループ系とを切り換える
制御系切換手段を設けたものである。
【0012】
【作用】この発明によれば、速度指令値をVc,速度検
出値をV,推力指令値をFc,圧力検出値をF,第1の
補償要素のゲインをGv,第2の補償要素のゲインをG
fとすると、 (Vc−V)Gv<(Fc−F)Gf のときは操作量(Vc−V)Gvが上記増幅器に入力さ
れて、第1の閉ループ系による速度制御が行なわれ、 (Vc−V)Gv≧(Fc−F)Gfのときは操作量
(Fc−F)Gfが上記増幅器に入力されて、第2の閉
ループ系による推力制御が行なわれる。
【0013】したがって、制御の切換点では(Vc−
V)Gv=(Fc−F)Gfであり、操作量が(Vc−
V)Gvから(Fc−F)Gfになっても飛躍は起こら
ず、制御系切換時にハンチング現象が発生するようなこ
とはない。また、各補償要素のゲインGv,Gfを各々
単独に最適値に設定できるため、各制御の特性も良好で
効率のよいものとし、動特性を損なうことなく静的な制
御精度も向上することができ、Gfに積分補償などをす
れば非常にシャープなカットオフ特性を実現することが
できる。
【0014】
【実施例】以下、この発明の実実施例を図面に基づいて
具体的に説明する。図1はこの発明の一実施例の油圧ア
クチュエータの速度・推力制御装置の構成を示すブロッ
ク図であり、図2はその具体的な機構及び回路例を示す
図である。
【0015】まず図1によってこの実施例の構成を説明
すると、20は油圧アクチュエータ部であり、油圧アク
チュエータである油圧シリンダ21と、この油圧シリン
ダ21に圧油を供給してその動作速度と推力を制御する
制御弁である三方弁22と、この三方弁22を駆動する
増幅器23と、油圧シリンダ21の動作速度を検出する
速度センサ24(速度検出手段)と、油圧シリンダ21
の推力を検出する圧力センサ25(推力検出手段)とか
らなる。
【0016】一方、30は速度・推力補償部であり、偏
差検出部31,32とサーボ増幅器等による第1の補償
要素33及び第2の補償要素34と制御系切換回路35
(制御系切換手段)とからなる。
【0017】そして、偏差検出部31によって速度指令
値Vcと速度センサ24による速度検出値Vf/b との偏
差ΔVを検出し、それを第1の補償要素33を介して増
幅器23に入力させて速度制御を行なう第1の閉ループ
系と、偏差検出部32によって推力指令値Fcと圧力セ
ンサ25による推力検出値Ff/b との偏差ΔFを検出
し、それを第2の補償要素34を介して増幅器23に入
力させて推力制御を行なう第2の閉ループ系とを形成
し、制御系切換回路35が第1の補償要素33の出力と
第2の補償要素34の出力のうち値が小さい方の出力を
増幅器23に入力させるようにして、第1の閉ループ系
と第2の閉ループ系とを切り換える。
【0018】図2の(A)によってさらに具体的に説明
すると、三方弁22はスプリングオフセット形の電磁三
方弁であり、シリンダ22a内で摺動自在なスプール2
2bがスプリング22cによって図で右方へ付勢されて
おり、ソレノイド22dが増幅器23の出力電流Isに
よって付勢されると、その電磁力により作動するプッシ
ュロッド22eによって左方へ押し戻される。
【0019】そして、図示の中立状態では方向切換弁2
7を介してシリンダ21に接続されたポートCを閉鎖し
ているが、増幅器23の出力電流Isが増加すると、ソ
レノイド22dの電磁力が強まるのでスプール22bが
スプリング22cの付勢力に抗して左行し、ポートCを
油圧ポンプ28からの圧油供給ラインに接続されたポー
トPに接続する。それによって、シリンダ21へ圧油が
供給されてそのピストンを作動させる。その動作速度
は、増幅器23の出力電流Isが増加する程供給される
油量が多くなるので速くなる。
【0020】これと逆に、増幅器23の出力電流Isが
減少すると、ソレノイド22dの電磁力が弱まるのでス
プール22bがスプリング22cの付勢力によって右行
し、ポートCをタンク26に接続されたポートTに接続
する。それによって、シリンダ21内の油圧が低下して
そのピストンの作動が停止する。そして、増幅器23の
出力電流Isが減少する程圧油のタンクへの流出量が増
加するため、ピストンの推力が減少する。方向切換弁2
7を切り換えると、油圧シリンダ21のピストンの移動
方向が逆になる。
【0021】速度センサ24は、例えば油圧シリンダ2
1のピストンロッド21aに取付けたエンコーダと、ピ
ストンロッド21aの移動に応じてそのエンコーダが発
生するパルスの周波数を電圧信号に変換するF/V変換
器によって構成し、油圧シリンダ21の動作速度を検出
して、その検出値Vf/b を速度・推力補償部30へフイ
ードバックする。
【0022】圧力センサ25は、三方弁22から油圧シ
リンダ21への圧油供給ラインの圧力を検出して電圧信
号に変換し、油圧シリンダ21の推力検出値Ff/b とし
て速度・推力補償部30へフイードバックする。この推
力検出手段としては、ロードセルを使用してもよい。
【0023】速度・推力補償部30の第1の補償要素3
3は、比例増幅部33a,積分増幅部33b,及び微分
増幅部33cの並列回路で構成されており、場合によっ
てはこれらの1つあるいは2つを組み合わせて用いても
よい。第2の補償要素34も、比例増幅部34a,積分
増幅部34b,及び微分増幅部34cの並列回路で構成
されており、場合によってはこれらの1つあるいは2つ
を組み合わせて用いてもよい。
【0024】制御系切換回路35は、第1の補償要素3
3の出力値Vs(速度操作量)と第2の補償要素34の
出力値Fs(推力操作量)の値を比較する比較器36
と、その出力によって切換制御されるスイッチ回路37
とからなり、Vs<Fsのときは、比較器36の出力が
ローレベル“L”になっていてスイッチ回路37をA側
にして、第1の補償要素33の出力値Vsを操作量Sと
して増幅器23に入力させ、Vs≧Fsになると、比較
器36の出力がハイレベル“H”になってスイッチ回路
37をB側に切り換えて、第2の補償要素34の出力値
Fsを操作量Sとして増幅器23に入力させる。
【0025】あるいは、この制御系切換回路35に代え
て、図2の(B)に示すように、第1の補償要素33の
出力値Vsと第2の補償要素34の出力値Fsをそれぞ
れ反転入力とする2個のオペアンプ39a,39bと、
その各出力端子にカソード側を非反転入力端子にアノー
ド側をそれぞれ接続した2個のダイオードDa,Dbを
組合わせ、入力VsとFsのうち値が小さい方の信号を
操作量Sとして増幅器23に入力させるようにしてもよ
い。
【0026】なお、この実施例では三方弁22として、
スプリングオフセット形の電磁三方弁を用いているの
で、制御系切換回路35からの出力がゼロのときに、こ
の三方弁22が図2の(A)に示す中立位置となるよう
に、加算回路38によって制御系切換回路35からの出
力にバイアス電圧Ebを加えて増幅器23に入力させる
ようにしている。
【0027】次に、この実施例の作用を図3乃至図8の
線図によって説明する。図3乃至図5はこの実施例の静
特性を示す線図であり、図3は油圧シリンダ21を速度
制御するシリンダストローク時における速度指令値Vc
とシリンダ速度V(Vf/b として検出)との関係を示
す。
【0028】図4は、油圧シリンダ21を推力制御する
シリンダストップ時(ピストンロット21aに大負荷が
かかったり、シリンダエンドに至った時)における推力
指令値Fcとシリンダ推力F(Ff/b として検出)との
関係を示す。図5は、速度/推力切換時のシリンダ速度
と推力指令値との関係を示し、従来のこの種の装置の静
特性は破線で示すようになっていたが、この実施例によ
れば実線で示すように静特性が向上する。
【0029】図6乃至図8はそれぞれ動特性(過渡特
性)を示す線図であり、図6はシリンダストローク時、
図7はシリンダストップ時、図8は速度/推力切換時に
おける速度指令Vcと検出速度Vf/b 及び推力指令Fc
と検出推力Ff/b の関係をそれぞれ示す。
【0030】図9は図2の(A)の各部の出力特性を示
す線図であり、(イ)はシリンダ速度の誤差である偏差
ΔV=Vc−Vf/b と、推力の誤差である偏差ΔF=F
c−Ff/b の各変化を示す。シリンダエンドに至ると、
推力Fは急激に上昇して指令値Fcに近づくため偏差Δ
Fは急激に減少して、第2の補償要素34の出力Fsが
減少する。そして、この値がこれ迄速度Vを制御してい
た第1の補償要素33の出力Vsを下回るため、速度は
減少してゼロに近づく。このとき、増幅器23にはFs
が受け渡されて、三方弁22は検出推力Ff/b が推力指
令Fcの値を保つように供給油圧を調整する。
【0031】(ロ)は第2の補償要素34内の比例増幅
部34a,積分増幅部34b,及び微分増幅部34cの
各出力値Pf(比例分),If(積分分),Df(微分
分)を示し、それらの合計である推力操作量Fsを
(ハ)に示す。これが第2の補償要素34の出力値とし
てスイツチ回路37の固定端子Bへ送られる。
【0032】(ニ)は第1の補償要素33内の比例増幅
部33a,積分増幅部33b,及び微分増幅部33cの
各出力値Pv(比例分),Iv(積分分),Dv(微分
分)を示し、それらの合計である速度操作量Vsを
(ホ)に示す。これが第1の補償要素33の出力値とし
てスイツチ回路37の固定端子Aへ送られる。この操作
量VsとFsのうちの値が小さい方が制御系切換回路3
5によって選択されて、(ヘ)に示す操作量Sとして増
幅器23に入力される。
【0033】このようにして、操作量がVs<Fsのと
きは速度操作量Vsによる速度制御を行ない、Vs≧F
sになると推力操作量Fsによる推力制御を行なうの
で、その切換点ではVs=Fsであり、操作量SがVs
からFsに切り換わっても飛躍は起こらず、切換時にハ
ンチング現象が発生するようなことはない。
【0034】なお、,第1の補償要素33の総合ゲイン
をGv,第2の補償要素34の総合ゲインをGfとする
と、操作量Vs及びFsは次式により求められる。 Vs=Pv+Iv+Dv=(Vc−Vf/b)Gv Fs=Pf+If+Df=(Fc−Ff/b)Gf そして、(Vc−Vf/b)Gv<(Fc−Ff/b)Gf
のときは第1の閉ループ系による速度制御が行なわれ、
(Vc−Vf/b)Gv≧(Fc−Ff/b)Gfのときは第
2の閉ループ系による推力制御が行なわれる。
【0035】さて、第1,第2の補償要素33,34の
形態は様々なものがあり、また本構成によればそれらに
対応することが容易である。ここでは、代表的なものと
してPID補償を用いて説明した。この場合、各補償要
素のゲインGv(比例増幅部33a,積分増幅部33
b,及び微分増幅部33cの各ゲイン),Gf(比例増
幅部34a,積分増幅部34b,及び微分増幅部34c
の各ゲイン)を各々単独に最適値に設定できるため、各
制御の特性も良好で効率のよいものとすることができ、
Gfに積分補償などを用いているので、非常にシャープ
なカットオフ特性を実現することができる。
【0036】次に、この実施例によって射出成形機の射
出シリンダの工程を制御する場合の作用について、図1
0乃至図12によって説明する。図10乃至図12にお
いて、図1及び図2の(A)と対応する部分には同一の
符号を付してある。40は固定型40aと移動型40b
からなる金型で、内部に成形すべき品物の形状に応じた
キャビティ40cとそこへ通じるゲート40dを形成し
ている。
【0037】41は先端にノズル41aを備えた加熱シ
リンダで、内部に回転及び摺動可能なスクリュ42を有
し、図示しないホッパから樹脂材料が供給されると、図
示しないヒータによって加熱して溶融させる。そして、
スクリュ42が図示しない油圧モータによって回転さ
れ、射出シリンダ21によって矢示方向へ押し込まれる
と、溶融した樹脂43が押し出されてノズル41aから
金型40のゲート40d内に射出される。これらは公知
の射出成形機の構成である。
【0038】この射出シリンダ21の後部室21a又は
前部室21bに方向切換弁27及び三方弁22を介して
油圧ポンプ28からの圧油を導入して、射出成形工程を
制御する。この射出シリンダ21の動きは、始めは加熱
シリンダ41の先頭部のノズル41aから樹脂43が射
出され、金型40のゲート40dに至るまで軽負荷で速
く動き、次に金型40のキャビティ40cに樹脂43を
注入するとき、ゲート通過の圧力損失分だけ加熱シリン
ダ41内の樹脂圧が上昇する。同時に、射出シリンダ2
1の後部室21aの油圧力すなわち推力が上昇する。こ
の値が推力指令値Fcに近づくことにより速度Vを減少
し、樹脂43のゲート部圧力損失を補償する“圧力射
出”となり、低速行程となる。
【0039】次に、推力指令値Fcを上昇させることに
より再度高速射出が行なわれ、金型40のキャビティ4
0cが充填されると樹脂圧力は更に上昇し、再度推力指
定値Pcに近づくため、速度Vは減少し、推力制御をす
る“保圧行程”に移行する。図10は、加熱シリンダ4
1のノズル41aが金型40に到達して、樹脂43がゲ
ート40d内に注入され始めるまでの工程を示す。この
工程では、射出シリンダ21がスクリュ42を高速で押
すので負荷圧は軽く、射出シリンダ21への供給流量は
多いため図6に示したような速度制御を行なう。これは
図5のA−B部でありシリンダ速度一定の制御領域であ
る。
【0040】すなわち、速度検出値Vf/b は速度指令値
Vcに近づき、推力検出値Ff/b は推力指令値Fcより
かなり小さいので、速度偏差ΔVと推力偏差ΔFとを比
較するとΔV<ΔFなので、第1の補償要素33が出力
する操作量Vsと第2の補償要素34が出力する操作量
FsもVs<Fsになるので、制御系切換回路35は図
10に矢印付き実線で示すように値が小さい方の操作量
Vsを選択して操作量Sとして増幅器23に入力させ
る。それにより、増幅器23はその入力操作量Sに応じ
て出力電流Is即ち三方弁22のソレノイドに流す電流
を増減して油圧ポンプ28から射出シリンダ21への圧
油供給量を制御する。
【0041】図11は、加熱シリンダ41のノズル41
aから射出される樹脂43が金型40のゲート孔を通し
て型室40c内へ注入される工程を示す。この工程で
は、樹脂43がゲート40dを通過するために圧力損失
を生じ、これを補償するために射出シリンダ21への供
給油圧が上昇し、これによってFf/b はFcに近づく。
従ってFsの値が減少し、Vsの値を下回るようになる
ため、ポンプ28は吐出流量を減少し、射出シリンダ2
1の速度が遅くなる。
【0042】そして、Vs=Fsになるまでは、制御系
切換回路35が矢印付き破線で示すように、第1の補償
要素33が出力する操作量Vsを選択して操作量Sとし
て増幅器23に入力させて速度制御を行なっているが、
Vs=Fsになると矢印付き実線で示すように、第2の
補償要素34が出力する操作量Fsを選択して操作量S
として増幅器23に入力させるように制御系を切り換
え、以後Vs≧Fsの間は図7に示したような推力制御
を行なう。これは図5のB−C部でありシリンダ推力一
定の制御領域である。
【0043】図12は、金型40の型室40c内に樹脂
43が充満した後の保圧工程を示す。この工程では、射
出シリンダ21のピストンが停止するのでシリンダ速度
はゼロになるが、一定の圧力を保持する必要があるため
前述の推力制御を継続する。これは図5にBで示すシリ
ンダ速度ゼロで推力一定の制御点である。このように、
この実施例の装置を用いることにより、射出成形機にお
ける速度/推力制御を行なう工程を、単一の油圧ポンプ
と射出シリンダの組合せで実現できる。しかも、そのた
めのコストアップを最小限に抑えることができる。
【0044】さて、上述の実施例においては、速度/推
力制御の切り換え時に、図8の推力特性曲線に見られる
ように多少のオーバシュートが発生するが、これを小さ
くするようにしたこの発明の他の実施例について、図1
3乃至図15によって説明する。図13はこの実施例の
要部のみを示す回路図であり、その他の部分は図2の
(A)に示した前述の実施例と同じである。
【0045】この実施例は、第2の補償要素34′が図
2の(A)の第2の補償要素34と若干異なり、その比
例増幅部34a′の特性を図14に示すような非線形特
性にする。さらに、比例増幅部34a′,積分増幅部3
4b,微分増幅部34cの各出力を合算した後補正増幅
部34dを通して出力するようにし、その補正増幅部3
4dの特性を図15に示すように非線形(必ずしも非線
形でなくてもよい)にすることにより、更にオーバシュ
ートを抑えられるが、この補正増幅部34dを設けず
に、比例増幅部34a′の特性を図14に示すような非
線形特性にするだけでも有効である。
【0046】このように、制御切換時のオーバシュート
(圧力ピーク)を抑制することにより、この装置を使用
する場合の安全性を高め、ショック(騒音や振動)を低
減することができ、制御対象を保護することができる。
例えば、ケーブルの張力制御をするような場合、オーバ
シュートによってケーブルが切断されるような恐れがな
くなる。また、ショック低減は構造振動を抑えるもので
あり、工作機械や射出成形機等の産業機械においては、
公害低減の効果がある他に、製品の寸法精度向上にも寄
与すると思料される。
【0047】なお、上述の各実施例では、この発明を油
圧シリンダの速度・推力制御装置に適用した場合につい
て説明したが、この発明は油圧モータのような他の油圧
アクチュエータの速度・推力制御装置にも同様に適用で
きる。その場合、油圧アクチュエータの動作速度の検出
を回転数の検出によって行なうようにしてもよいことは
勿論である。
【0048】
【発明の効果】以上説明してきたように、この発明によ
る油圧アクチュエータの速度・推力制御装置は、制御切
換時にハンチング現象が発生することなくなめらかに切
り換えがなされ、各補償要素のゲインも最適に選択でき
るので効率がよく、動特性を損なうことなく静的な制御
精度も向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の構成を示すブロック図で
ある。
【図2】同じくその具体的な機構及び回路例を示す構成
図である。
【図3】同じくそのシリンダストローク時の静特性を示
す線図である。
【図4】同じくそのシリンダストップ時の静特性を示す
線図である。
【図5】同じくその速度/推力切換時の静特性を示す線
図である。
【図6】同じくそのシリンダストローク時の動特性を示
す線図である。
【図7】同じくそのシリンダストップ時の動特性を示す
線図である。
【図8】同じくその速度/推力切換時の動特性を示す線
図である。
【図9】同じく制御切換時における図2に示した装置の
各部の出力特性を示す線図である。
【図10】図2に示した実施例によって射出成形機の射
出シリンダの工程を制御する場合の金型内への樹脂の注
入が始まるまでの初期工程を示す図である。
【図11】同じく樹脂の注入が開始された後の中期工程
を示す図である。
【図12】同じく金型内に樹脂が充満した後の保圧工程
を示す図である。
【図13】制御切換時に発生するオーバシュートを抑制
するようにしたこの発明の他の実施例の要部のみを示す
回路図である。
【図14】図13における比例増幅部34a′の特性例
を示す線図である。
【図15】同じく図13における補正増幅部34dの特
性例を示す線図である。
【図16】従来の可変容量形油圧ポンプによる流量・圧
力制御装置の一例を示すブロック図である。
【図17】同じくそれを改良した従来の流量・圧力制御
装置の異なる例を示すブロック図である。
【符号の説明】
20 油圧アクチュエータ部 21 油圧シリン
ダ,射出シリンダ 22 三方弁(制御弁) 23 増幅器 24 速度センサ(速度検出手段) 25 圧力セン
サ(推力検出手段) 26 タンク 27 方向切換弁 28 油圧ポンプ 30 速度・推力補
償部 31,32 偏差検出部 33 第1の補償要
素 34,34′ 第2の補償要素 33a,34a,34a′ 比例増幅部 33b,34b 積分増幅部 33c,34c 微
分増幅部 34d 補正増幅部 35 制御系切換回
路 36 比較器 37 スイッチ回路 38 加算回路 40 金型 41 加熱シリンダ 42 スクリュ 43 樹脂 45 方向切換弁 51,52 ウインドコンパレータ回路 Vc 速度指令値 Fc 推力指令値 V シリンダ速度 F シリンダ推力 Vf/b 速度検出値 Ff/b 推力検出値 ΔV 速度の偏差 ΔF 推力の偏差 Vs 速度の操作量 Fs 推力操作量 S 操作量 Is 増幅器23の
出力電流

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧シリンダ,油圧モータ等の油圧アク
    チュエータと、該油圧アクチュエータに圧油を供給して
    その動作速度と推力を制御する制御弁と、該制御弁を駆
    動する増幅器と、前記油圧アクチュエータの動作速度を
    検出する速度検出手段と、前記油圧アクチュエータの推
    力を検出する推力検出手段とを備え、 速度指令値と前記速度検出手段による速度検出値との偏
    差を第1の補償要素を介して前記増幅器に入力させて速
    度制御を行なう第1の閉ループ系と、推力指令値と前記
    推力検出手段による推力検出値との偏差を第2の補償要
    素を介して前記増幅器に入力させて推力制御を行なう第
    2の閉ループ系とを形成すると共に、 前記第1の補償要素の出力と前記第2の補償要素の出力
    のうち値が小さい方の出力を前記増幅器に入力させるよ
    うにして前記第1の閉ループ系と第2の閉ループ系とを
    切り換える制御系切換手段を設けたことを特徴とする油
    圧アクチュエータの速度・推力制御装置。
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