JPH05105757A - アミノ基含有ポリアリ−レンスルフイドの製造方法 - Google Patents

アミノ基含有ポリアリ−レンスルフイドの製造方法

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JPH05105757A
JPH05105757A JP3293851A JP29385191A JPH05105757A JP H05105757 A JPH05105757 A JP H05105757A JP 3293851 A JP3293851 A JP 3293851A JP 29385191 A JP29385191 A JP 29385191A JP H05105757 A JPH05105757 A JP H05105757A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アミノ基が導入され、分子量分布が狭い種々
の分子量のポリアリ−レンスルフィドの新規製造方法を
提供する。 【構成】 環状アリ−レンスルフィドオリゴマ−をアミ
ノ基含有開環重合触媒存在下、加熱開環重合することを
特徴とするアミノ基含有ポリアリ−レンスルフィドの製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアミノ基を有する反応性
に富んだポリアリ−レンスルフィドの製造方法に関する
ものであり、さらに詳しくは環状アリ−レンスルフィド
オリゴマ−の開環重合をアミノ基含有開環重合触媒を用
いて行うことを特徴とするアミノ基含有ポリアリ−レン
スルフィドの製造方法に関するものである。
【0002】ポリアリ−レンスルフィドは、その優れた
耐熱性、耐薬品性を生かして電気・電子機器部材、自動
車機器部材として注目を集めている。また、射出成形、
押出成形等により各種成形部品、フィルム、シ−ト、繊
維等に成形可能であり、耐熱性、耐薬品性の要求される
分野に幅広く用いられている。
【0003】
【従来の技術】ポリアリ−レンスルフィドの製造方法と
しては、特公昭45−3368号公報に開示されている
ように、N−メチルピロリドン等の有機アミド溶媒中で
ジハロ芳香族化合物と硫化ナトリウム等のアルカリ金属
化合物との求核置換反応による脱塩重縮合が一般的であ
る。
【0004】しかし、この製造方法は反応性の低い芳香
族求核置換反応を用いるため、高温、高圧下の反応を必
要とするうえに、N−メチルピロリドンのような高価な
高沸点極性溶媒を必要とし、溶媒回収に多大なコストが
かかるエネルギ−多消費型で、多大なプロセスコストを
必要とする。さらに、塩化ナトリウム等の副生塩が多量
に生成するため副生塩の洗浄、除去工程を必要とし、プ
ロセスが煩雑となるとともに、生成ポリマ−中にアルカ
リ金属塩が残存し、電気特性等の物性低下を招くといっ
た問題を有している。
【0005】さらに上記特許中には2,5−ジクロルア
ニリンや2−クロルアニリンとの共重合により、ポリフ
ェニレンスルフィドにアミノ基を導入できることが記載
されている。しかしながら、2,5−ジクロルアニリン
や2−クロルアニリンは、塩素のオルト位に電子供与性
のアミノ基を有しているためジクロロベンゼンに比べ反
応性に劣り、その結果ポリフェニレンスルフィドへのア
ミノ基導入量が少なすぎたり、重合終了後も上記クロル
アニリン類が系中に多量に残存し、溶媒回収時に回収溶
媒を汚染する等の問題を有していた。
【0006】一方、末端に官能基を有するポリフェニレ
ンスルフィドの製造方法は、特開昭61−7248号公
報、特開昭61−7249号公報に開示されている。し
かしながらこの方法ではジスルフィドを含むポリマ−を
製造した後、ジスルフィド結合を切断し官能基を導入す
るため、低分子量のポリフェニレンスルフィドしか得ら
れなかった。
【0007】また、両末端に官能基を有するポリフェニ
レンスルフィドの製造法は、Polymer Bull
etin,4 459(1981)に開示されている
が、この場合得られるのはポリフェニレンスルフィドの
オリゴマ−であり、比較的高分子量のポリフェニレンス
ルフィドに官能基を導入することには成功していない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリアリ−
レンスルフィドにアミノ基を導入する際、特別な共重合
操作や反応条件のコントロ−ルを行うことなく、アミノ
基が導入され、分子量分布が狭い種々の分子量のポリア
リ−レンスルフィドの新規製造方法を提供するものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は一般
式(1)
【0010】
【化3】 (Sは硫黄原子を表し、Arは炭素数6〜24のアリ−
レン基であり、Rは炭素数1〜12のアルキル基、炭素
数1〜12のアルコキシ基を表す。また、nは2〜50
の整数、mは0〜15の整数である。)で示される環状
アリ−レンスルフィドオリゴマ−を開環重合させる際
に、一般式(2)
【0011】
【化4】 (Sは硫黄原子、Nは窒素原子、Xはアルカリ金属を表
し、Aは炭素数1〜24の有機基または炭素数6〜24
のアリ−レン基、R’は炭素数1〜6の炭化水素基また
は水素、pは1〜6の整数、qは1〜15の整数であ
る。)で示されるアミノ基含有開環重合触媒存在下、開
環重合することを特徴とするアミノ基含有ポリアリ−レ
ンスルフィドの製造方法である。
【0012】以下にその詳細について説明する。
【0013】本発明に用いられる前記(1)式の環状ア
リ−レンスルフィドオリゴマ−中のArは、6〜24個
の炭素原子および1個以上の芳香環を有するアリ−レン
基であり、フェニレン、ビフェニレン、ナフタレン環、
ベンズイミダゾ−ル環、ベンゾチアゾ−ル環、ベンズオ
キサゾ−ル環、ベンゾトリアゾ−ル環、フタルイミド環
等が挙げられる。なかでも好ましいアリ−レン基はフェ
ニレン、ビフェニレン、ナフタレン環あるいはベンズイ
ミダゾ−ル環である。
【0014】前記(1)式中のRは、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜12のアルキ
ル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプ
ロポキシ基、ブトキシ基、sec−ブトキシ基、ter
t−ブトキシ基等の炭素数1〜12のアルコキシ基等が
挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基等の
さらに低級のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の
さらに低級のアルコキシ基を有する環状アリ−レンスル
フィドオリゴマ−や無置換の環状アリ−レンスルフィド
オリゴマ−が好ましく用いられる。
【0015】前記(1)式中のnは2〜50の整数であ
るが、溶媒への溶解性あるいは低融点化のために、3以
上35以下、さらには3以上25以下であることが好ま
しい。
【0016】この重合性環状アリ−レンスルフィドオリ
ゴマ−は、単一の重合度を有する単独化合物あるいは異
なる重合度を有する環状オリゴマ−の混合物のいずれで
もよく、また、異なる繰り返し単位を有する環状オリゴ
マ−の混合物であってもよいが、種々の重合度を有する
オリゴマ−混合物の方が、単一重合度を有する単独化合
物に比べ低い融点を有するため、環状オリゴマ−の混合
物を用いることが好ましい。
【0017】前記環状オリゴマ−混合物は、小量の線状
オリゴマ−あるいは極小量のアリ−レンスルフィドユニ
ットを有する化合物を含んでいてもよい。また、これら
のオリゴマ−が液体である温度で、低粘度を有するよう
な線状あるいは環状のポリマ−を含んでいてもよい。
【0018】本発明で使用できる開環重合触媒は前記式
(2)で示される化合物である。
【0019】一般式(2)中のAは炭素数1〜24の有
機基または炭素数6〜24のアリ−レン基であるが、こ
れは重合時に不活性なケトン、アミド、スルホンなどを
含んでいても差支えなく、またピリジン環、ピリミジン
環、イミダゾ−ル環、ベンズイミダゾ−ル環、ベンズオ
キサゾ−ル環、ベンゾチアゾ−ル環等、Aが複素環式化
合物であっても差支えないことを意味するものである。
また、これら開環重合触媒は、メルカプト基含有アミン
化合物とアルカリ金属水酸化物から反応系内で生成され
るものであってもよい。
【0020】本発明で使用される開環重合触媒の例とし
ては、β−ジエチルアミノエチルメルカプタン、γ−ジ
エチルアミノプロピルメルカプタン、2−アミノチオフ
ェノ−ル、3−アミノチオフェノ−ル、4−アミノチオ
フェノ−ル、3−メルカプト−4−アミノトルエン、2
−メルカプト−4−アミノトルエン、2,5−ジアミノ
チオフェノ−ル、4−メルカプト−2,6−ジメチルピ
リジン、6−アミノ−2−メルカプトベンゾチアゾ−
ル、4−アミノ−6−ヒドロキシ−2−メルカプトピリ
ミジンなどのアルカリ金属塩などが挙げられる。
【0021】これら開環重合触媒は、1種単独で用いて
もよいし2種以上混合あるいは組み合わせて用いてもよ
い。
【0022】使用する開環重合触媒の濃度は、目的とす
るポリアリ−レンスルフィドの分子量ならびに開環重合
触媒の種類により異なるが、通常、環状オリゴマ−(ポ
リアリ−レンスルフィド1ユニット当りのモル数)に対
して0.001〜20モル%、好ましくは0.005〜
15モル%、さらに好ましくは0.01〜10モル%で
ある。
【0023】前記開環重合触媒の添加に際しては、その
まま添加してもよく、また、環状オリゴマ−を適宜な溶
媒、好ましくは塩化メチレンに溶解し、これに開環重合
触媒を所定量加えた後、溶媒を除去する方法をとっても
よい。
【0024】本発明の開環重合に使用する温度は、環状
オリゴマ−混合物が溶融することならびに使用する開環
重合触媒、環状オリゴマ−の分解温度以下であることが
必須である。さらに、重合温度が高すぎると環状オリゴ
マ−の硬化反応等の副反応の可能性も高くなる。通常1
50〜400℃の範囲であり、180〜370℃の範囲
が好ましく、さらに好ましくは200〜350℃の範囲
である。
【0025】反応時間は、使用する開環重合触媒の種
類、重合温度等の条件により異なるが、なるべく硬化反
応を抑えるような条件に設定しなければならない。通常
0.1〜100時間の範囲が好ましい。
【0026】前記重合は、通常の重合反応槽中で行うこ
とはもちろんのこと、成形品を製造するための型内で行
ってもよいし、あるいは押出物としてポリアリ−レンス
ルフィドを製造するための押出機内で重合を行ってもよ
い。
【0027】この重合は、通常、溶媒の非存在下で行わ
れるが、溶媒の存在下で行うことも可能である。溶媒と
しては、重合活性を消失させないものであればよいが、
通常環状オリゴマ−および開環重合触媒を溶解し、開環
重合触媒を失活させないものが好ましい。
【0028】前記式(2)で示された開環重合触媒を使
用する際に好適な溶媒として、1,3−ジメチル−2−
イミダゾリジノン、ヘキサメチルホスホリックトリアミ
ド、ジフェニルスルホン、ジフェニルエ−テル、ベンゾ
フェノン、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピ
ロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、m−
クレゾ−ル、N−メチル−ε−カプロラクタム等が挙げ
られる。この他一般にアニオン重合で用いられる溶媒も
使用できる。
【0029】なお、これらの溶媒は1種単独で用いて
も、2種以上を混合して使用してもよい。
【0030】これらの溶媒を使用する際の重合温度は、
用いる溶媒により異なるが、−78〜400℃の範囲で
あり、環状オリゴマ−の溶解性等の面から−20〜35
0℃の範囲であることが好ましい。
【0031】本発明で得られたアミノ基含有ポリアリ−
レンスルフィドは耐熱性、耐薬品性、種々の機械的特
性、電気的特性に優れる。特に、従来問題となっていた
アルカリ金属塩存在量が従来法と比較して非常に少ない
ため電気的特性に著しく優れている。また、架橋ポリマ
−の存在割合がきわめて低く、本質的に直鎖状であるこ
とから、加工性にも優れるといった利点を有している。
また、本発明において、使用する開環重合触媒量を調整
することにより、ポリアリ−レンスルフィドの分子量を
調節することが可能となり、通常、重縮合で得られるポ
リアリ−レンスルフィドより高分子量でかつ分子量分布
の狭いポリアリ−レンスルフィドが簡便に得られる。
【0032】以上のようにして得られたポリアリ−レン
スルフィドは反応性に富むアミノ基を有しており、種々
のポリマ−と溶融混合することにより、相溶化剤として
働くブロックグラフトポリマ−を生成させることができ
る。それを用いることにより、ポリマ−アロイとしての
相溶性の改善が期待される。
【0033】ブレンド可能なポリマ−の具体例として
は、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、
ポリクロロプレン、ポリスチレン、ポリブテン、ポリα
−メチルスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、
ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、
ポリアクリロニトリル、ナイロン6,ナイロン66,ナ
イロン610,ナイロン12,ナイロン11,ナイロン
46などのポリアミド、ポリエチレンテレフタレ−ト,
ポリブチレンテレフタレ−ト,ポリアリレ−トなどのポ
リエステル、ポリウレタン、ポリアセタ−ル、ポリカ−
ボネ−ト、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポ
リエ−テルスルホン、ポリアリルスルホン、ポリフェニ
レンスルフィドスルホン、ポリエ−テルケトン、ポリエ
−テルエ−テルケトン、ポリフェニレンスルフィドケト
ン、ポリイミド、ポリアミドイミド、シリコ−ン樹脂、
フェノキシ樹脂、フッ素樹脂などの単独重合体、ランダ
ムまたはブロック、グラフト共重合体およびそれらの混
合物などが挙げられる。
【0034】また、必要に応じてガラス繊維、炭素繊
維、アルミナ繊維などのセラミック繊維、アラミド繊
維、全芳香族ポリエステル繊維、金属繊維、チタン酸カ
リウムウィスカ−などの補強用充填剤や炭酸カルシウ
ム、マイカ、タルク、シリカ、硫酸バリウム、硫酸カル
シウム、カオリン、クレ−、パイロフェライト、ベント
ナイト、セリサイト、ゼオライト、ネフェリンシナイ
ト、アタパルジャイト、ウォラストナイト、フェライ
ト、ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイ
ト、三酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マ
グネシウム、酸化鉄、二硫化モリブデン、黒鉛、石こ
う、ガラスビ−ズ、ガラスパウダ−、ガラスバル−ン、
石英、石英ガラスなどの無機充填剤や有機,無機顔料を
配合することもできる。
【0035】また、芳香族ヒドロキシ誘導体などの可塑
剤や離型剤、シラン系,チタネ−ト系のカップリング
剤、滑剤、耐熱安定剤、耐候性安定剤、結晶核剤、発泡
剤、防錆剤、イオントラップ剤、難燃剤、難燃助剤等を
必要に応じて添加してもよい。
【0036】このようにして得られたアミノ基含有ポリ
フェニレンスルフィドは単独または前述のポリマ−、補
強用充填剤、無機充填剤等と配合されて射出成形、押出
成形により各種成形品、フィルム、シ−ト、パイプ、繊
維などに成形可能である。
【0037】
【実施例】以下に、例をあげて本発明を説明する。これ
らの例は例示的なものであって、限定的なものではな
い。
【0038】各実施例で用いた環状オリゴマ−混合物
は、主として7〜15の重合度を有し、実質上線状フェ
ニレンスルフィドオリゴマ−を含まない環状フェニレン
スルフィドオリゴマ−であった。分子量はゲルパ−ミエ
−ションクロマトグラフィ−(GPC)により、ポリス
チレン換算で算出した。GPCの測定条件を以下に示
す。
【0039】溶離液:1−クロロナフタレン 温度 :210℃ 検出器:UV検出器 360nm 流速 :1.0ml/min. 注入量:200μl(スラリ−状:0.2重量%) また、ポリフェニレンスルフィドに導入されたアミノ基
の分析はFT−IRを用い、ベンゼン環のC−H面外変
角振動である1900cm−1の吸収を内部標準とし、
アミノ基のN−H伸縮振動である3387cm−1の吸
収を比較することによりアミノ基導入量の相対評価に用
いた。
【0040】参考例1 (環状フェニレンスルフィドオリゴマ−の回収法)各実
施例で用いた環状フェニレンスルフィドオリゴマ−は以
下の操作により回収した。
【0041】攪拌機、脱水塔およびジャケットを装備し
た15lの反応器に、N−メチル−2−ピロリドン(N
MP)5lおよび硫化ナトリウム(純度:NaS 6
0.4%)1872.5gを仕込み、攪拌下ジャケット
により加熱し、内温が約205℃に達するまで脱水塔を
通じて脱水を行った。この際、420gの主として水か
らなる流出液を留去した。
【0042】次いで、p−ジクロロベンゼン2153g
を添加し、250℃に昇温後、3時間反応させた。反応
終了後、反応混合物を約100℃まで冷却し、反応器内
を減圧後、再加熱することにより、脱水塔を通じて主と
してNMPからなる流出液5200gを留去した。反応
器系内を常圧に戻し、水8lを添加して水スラリ−と
し、80℃で15分間加熱攪拌した後、水スラリ−を反
応器下部の取り出し口から抜き出し、遠心分離してポリ
マ−を回収した。
【0043】さらに、ポリマ−を反応器に戻し、水8l
を添加し、180℃で30分間加熱攪拌を行い、冷却
後、水スラリ−を反応器下部の取り出し口から抜き出
し、遠心分離してポリマ−を回収し、得られたポリマ−
をジャケット付きリボンブレンダ−に移して乾燥を行っ
た。
【0044】得られたポリマ−は1450gであり、溶
融粘度は240ポイズであった。更に、このポリマ−の
FT−IRを測定した。その結果を図1に示すが、33
87cm−1のアミノ基の吸収は認められなかった。
【0045】次いでこのポリフェニレンスルフィド20
0gを塩化メチレンを溶媒とし、ソックスレ−抽出を行
った。その後、飽和塩化メチレン抽出液をメタノ−ルに
投入し、沈澱物を濾過、乾燥し環状フェニレンスルフィ
ドオリゴマ−混合物1.2gを得た。この環状オリゴマ
−混合物はマススペクトル、高速液体クロマトグラフィ
−の結果から、7〜15量体の環状フェニレンスルフィ
ドオリゴマ−であることを確認した。融点は260℃で
あった。
【0046】実施例1 参考例1で得られた環状フェニレンスルフィドオリゴマ
−540mgとp−アミノチオフェノ−ルのナトリウム
塩3.2mgを10mlの重合用試験管に仕込み、窒素
置換後、減圧下で封管し、300℃の溶融塩浴に30分
間浸した。得られた灰白色の生成物を室温まで冷却した
後粉砕し、230℃で1−クロロナフタレン250ml
に再溶解させた。室温に冷却すると白色の沈澱が得られ
た。沈澱を濾過、洗浄(塩化メチレン、メタノ−ル)、
乾燥し、白色粉末(291mg)を得た。収率は54
%、融点282℃であった。得られたポリマ−の重量平
均分子量(Mw)は70000、分子量分布(Mw/数
平均分子量(Mn))は2.3であった。
【0047】元素分析の結果、Na含量は120ppm
であり、従来の重縮合で得たポリフェニレンスルフィド
と比較してNa含量が低下していることがわかる。
【0048】また、得られたポリマ−のFT−IRを測
定した。その結果を図2に示すが、3387cm−1
アミノ基の吸収が現われており、得られたポリマ−にア
ミノ基が導入されたことが確認できる。
【0049】更に、FT−IRから求めた3387cm
−1と1900cm−1の吸光度比(アミノ基導入量と
相関)は0.02であった。
【0050】実施例2,3 実施例1で開環重合触媒として用いたp−アミノチオフ
ェノ−ルのナトリウム塩の量を環状フェニレンスルフィ
ドオリゴマ−に対し1.23、2.38モル%に変え
て、その他の条件は実施例1と同様の条件で重合を行っ
た。いずれの場合にも収率約55%で白色粉末が得られ
た。結果を表1に示す。
【0051】実施例4 参考例1で得られた環状フェニレンスルフィドオリゴマ
−540mgを1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノ
ン10mlに溶解させた後、p−アミノチオフェノ−ル
のナトリウム塩36.5mgを加え、窒素気流下、25
0℃で6時間反応させた。その後、室温まで冷却し、析
出した沈澱物を濾過、洗浄(塩化メチレン、メタノ−
ル)、乾燥し、白色粉末を得た。収率は41%、融点2
80℃であった。結果を表1に示す。
【0052】実施例5 実施例4で開環重合触媒として用いたp−アミノチオフ
ェノ−ルのナトリウム塩の量を環状フェニレンスルフィ
ドオリゴマ−に対し6.89モル%に変えて、その他の
条件は実施例4と同様の条件で重合を行った。収率は5
2%、融点280℃であった。結果を表1に示す。
【0053】
【表1】 比較例1 参考例1と同様の方法でポリフェニレンスルフィドを得
た。得られたポリフェニレンスルフィドは融点280
℃、重量平均分子量は28000を示したが、分子量分
布が6.8と分布の広いポリマ−であった。また、元素
分析の結果、Na含量が1300ppmと上記実施例と
比較して多量のNaが存在した。また、FT−IRから
アミノ基の吸収は認められなかった。
【0054】比較例2 参考例1で得られた環状フェニレンスルフィドオリゴマ
−540mgを開環重合触媒非存在下で実施例1と同様
の条件下においた。得られた黒色の生成物は230℃で
1−クロロナフタレンに一部不溶の架橋ポリマ−であっ
た。また、FT−IRからアミノ基の吸収は認められな
かった。
【0055】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明によれば、架橋ポリマ−の存在割合が低く、本質的に
直鎖状であり、従来法と比較してアルカリ金属塩存在量
が少量で、分子量分布の狭い種々の分子量のアミノ基含
有ポリアリ−レンスルフィドを得ることができる。さら
に本発明のポリアリ−レンスルフィドは反応性の高いア
ミノ基を多量に含んでいるため、その反応性を利用した
ポリマ−ブレンドなどの様々な用途への展開が期待でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1により得られたポリフェニレンスルフ
ィドのIRスペクトルを示す図である。
【図2】実施例1により得られたポリフェニレンスルフ
ィドのIRスペクトルを示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) 【化1】 (Sは硫黄原子を表し、Arは炭素数6〜24のアリ−
    レン基であり、Rは炭素数1〜12のアルキル基、炭素
    数1〜12のアルコキシ基を表す。また、nは2〜50
    の整数、mは0〜15の整数である。)で示される環状
    アリ−レンスルフィドオリゴマ−を、一般式(2) 【化2】 (Sは硫黄原子、Nは窒素原子、Xはアルカリ金属を表
    し、Aは炭素数1〜24の有機基または炭素数6〜24
    のアリ−レン基、R’は炭素数1〜6の炭化水素基また
    は水素、pは1〜6の整数、qは1〜15の整数であ
    る。)で示されるアミノ基含有開環重合触媒存在下、加
    熱開環重合することを特徴とするアミノ基含有ポリアリ
    −レンスルフィドの製造方法。
  2. 【請求項2】一般式(1)で示される環状アリ−レンス
    ルフィドオリゴマ−の開環重合を重合活性を消失させな
    い溶媒存在下で行うことを特徴とする請求項1に記載の
    アミノ基含有ポリアリ−レンスルフィドの製造方法。
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