JPH049407Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は建物内に固定した窓枠内に、水平軸
を中心として回動する窓障子を取付けた回転窓の
操作装置に関するものである。

〔従来の技術〕

回転窓において、傾斜角度の小さい換気状態と
傾斜角度の大きい排煙状態とに保持できるように
する場合、換気のみをリンケージロツクとか別の
ものを取付けるという手段、あるいはストツパー
により２段ストツプできるようにしたものもあ
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記のように換気のみをリンケージロツクとか
別のものを取付けるようにした場合、金物が露出
するため金物が目立ち、コストも高くなる。ま
た、２段ストツプできるものは、一度換気状態で
ストツプし、さらに排煙状態まで回さなければな
らないので操作が不便である。また、巾が大きい
ものではストツプ開錠のため、両手を用いるか、
人が移動しなければならないため非常に不便であ
る。

また、回転式の窓障子を有する窓枠の一側に一
端を回動自在に取付けたアオリ止めレバーの他端
に設けたローラを窓障子の縦框に設けたガイドレ
ールに摺動自在に係合させ、このガイドレール内
にローラの固定手段を設けたものもあるが、操作
が面倒なものや作動が不確実なものが多いという
問題があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の問題点を解決するために、この考案は回
転窓の一側縦框内の下部寄りに固定した下部ガイ
ド枠の下部寄りに、上記窓障子が小角度に傾斜し
たとき、上記アオリ止めレバーのローラの前後を
係止するように、バネにより上記ガイドレール内
に出没自在に突出する一対の係止からなる小角度
用係止手段を設け、上記下部ガイド枠の上部寄に
も、上記窓障子が大角度に傾斜したとき、上記ア
オリ止めレバーのローラの前後を係止するよう
に、バネにより上記ガイドレール内に出没自在に
突出する一対の係止片からなる大角度用係止手段
を設け、さらに、上記一側縦枠内の上部寄りに固
定した上部ガイド枠には上記窓障子がほぼ水平の
全開状態となつたとき、上記アオリ止めレバーの
ローラの前後を係止するように、バネにより上記
ガイドレール内に出没自在に突出する一対の係止
片からなる全開用係止手段を設け、上記一側縦框
内の上記小角度用係止手段と大角度用係止手段の
各係止片を、下降時にバネに抗して同時に上記ガ
イドレール内から引込める作用を行う昇降自在の
下部作動枠を前記一側縦框内に設け、この下部作
動枠と上記一側縦框内の前記操作棒とをこの操作
棒が一定以上下降したとき共に下降するように連
結し、上記全開用係止手段の係止片を、上昇時に
バネに抗して同時に上記ガイドレール内から引込
める作用を行う昇降自在の上部作動枠を前記一側
縦框内に設け、この上部作動枠を昇降させるサム
ターンを上記一側縦框の外側に回動自在に取付け
た回転窓の操作装置を提供するものである。

〔作用〕

この考案は上記の構成であるから、操作ハンド
ルを操作してロツク手段を解除したのち、窓障子
を小角度に傾斜させるとアオリ止めレバーのロー
ラが小角度用係止手段に係止されて窓障子が小角
度に開いた換気状態に保持される。

つぎに、操作ハンドルの操作により操作棒を動
かし、これに連結した下部作動枠を下降させると
上記小角度用係止手段の各係止片がガイドレール
内から引込むので、窓障子を、さらに大角度まで
回動しつつ操作棒を元に戻すとアオリ止めレバー
のローラが大角度用係止手段により係止される。

さらに、操作ハンドルを上記と同様に操作して
大角度用係止手段の各係止片をガイドレール内に
引込め、窓障子をほぼ水平の全開状態とすると、
アオリ止めレバーのローラは全開用係止手段に係
止されて全開位置に保持される。

そののち、サムターンを操作して上部作動枠を
上昇させると全開用係止手段の各係止片が引込
み、窓障子を元に戻すことができる。

〔実施例〕

第１図ないし第３図において、Ａは建物に固定
した窓枠、Ｂは窓障子である。この窓障子Ｂは水
平の軸１を中心に回動するように窓枠Ａの両側の
縦枠２に取付けたものである。

３はアオリ止めレバーで、その一端が窓枠Ａの
縦枠２に固定した取付枠５に第５図に示す軸６に
より回動自在に取付けてある。

このアオリ止めレバー３の他端には第６図ない
し第９図のようにローラ７が軸８により取付けて
ある。このローラ７は窓障子Ｂの縦框１０に固定
したガイドレール１１に摺動自在に係合してい
る。ガイドレール１１の側部には小角度用係止手
段ａ、大角度用係止手段ｂ、全開用係止手段ｃが
設けられ、ローラ７が係止手段ａに係止されたと
き窓障子Ｂが第１７図の一点鎖線a₁のように窓障
子Ｂが約25°に傾斜し、ローラ７が係止手段ｂに
係止されると窓障子Ｂが二点鎖線b₁のように約
50°開き、ローラ７が係止手段ｃに係止されると
第１８図の実線のように窓障子Ｂが90°に開く。

係止手段ａ，ｂ，ｃは第８図、第９図、第１１
図のように一対の係止片１３，１４からなつてい
る。係止手段ａ，ｂの各片１３，１４は下部ガイ
ド枠１５にそれぞれ軸１６，１７によつて回動自
在に取付けられている。

ガイド枠１５はガイドレール１１の側部に固定
された外向きコ字形の横断面を有するもので、こ
のガイド枠１５とガイドレール１１には係止片１
３，１４の先端が出没する開口を設ける。

また、各係止片１３，１４の後部には連動片１
８，１９を設け、この片１８，１９により両係止
片１３，１４の先端がガイドレール１１内に同時
に出没するようにし、かつ、この両係止片１３，
１４にはその先端部をガイドレール１１内に突出
させるように働くバネ２０，２１を取付ける。

第８図、第９図の２４はガイド枠１５の外側
に、ピン２２と長孔２３の範囲内で、摺動自在に
被され内向きコ字形横断面の下部作動枠であり、
この枠２４に設けた２個所の係合口２５に前記係
止手段ａ，ｂの係止片１３の後部の突片２６を係
合させて作動枠２４の摺動により係止手段ａ，ｂ
の係止片１３，１４をガイドレール１１内に出没
させるように構成する。

係止手段ｃの係止片１３，１４は第１１図のよ
うに上部ガイド枠２７に軸１６，１７により取付
けられ、かつ、他の係止手段ａ，ｂと逆向きにな
つている。このガイド枠２７も第７図のように外
向コ字形でガイドレール１１の側部に固定され、
その外側に上部作動枠２８がピン３３と長孔３４
の範囲内で摺動自在に被さつている。

また、この作動枠２８には１個所の係合口２９
を設け、この係合口２９に係止手段ｃの係止片１
３の後部の突片２６を係合させて作動枠２８の摺
動によつて係止手段ｃの係止片１３，１４をガイ
ドレール１１内に出没させるように構成する。

また、各作動枠２４，２８には係止片１３，１
４がガイドレール１１内から引込んだとき、係止
片１３，１４の後部の連動片１８，１９がはまる
適宜の開口を設けておく。

前記各作動枠２４，２８にはそれぞれ操作棒３
１，３２を連結する。作動枠２４と操作棒３１と
は第８図、第９図のように長孔３６とピン３７に
より若干の遊びをもつて連結され、作動枠２８と
操作棒３２は第１１図のようにネジ３５等の固定
手段で一体に固定されている。

操作棒３１は第１図のように下方へ向かい、窓
障子Ｂの縦框１０と下框９が係合したコーナ部内
に設けたコーナ金具３８に連結される。

このコーナ金具３８は下框９内に設けた摺動自
在の操作棒３９に連結されるもので可撓性であ
り、操作棒３９の左右の動きを操作棒３１の上下
運動に変換する働きをする。

下框９の中央には第１図ないし第４図のよう
に、回動式の操作ハンドル４０を有するギヤボツ
クス４１を固定し、このギヤボツクス４１内には
ハンドル４０の軸に固定したギヤ４２に噛合する
ラツクギヤ４３を設け、このラツクギヤ４３に一
体に設けた２叉の係合片４４を前記操作棒３９の
上側に固定したピン４５に係合させて、ハンドル
４０の回動により操作棒３９が左右に動くように
構成する。

第１図の窓障子Ｂの右側の縦框１０と上框１２
内にもそれぞれ操作棒４８，４９を摺動自在に取
付け、これらの操作棒４８，４９と前記操作棒３
９の右端をコーナ金具３８によりそれぞれ連結す
る。

操作棒３９の下側と操作棒４９の上側には第１
図のように、ロツク手段としての複数のロツクピ
ン５１を設け、窓枠Ａの下枠４６の上側と、上枠
４７の下側には窓障子Ｂの全閉時において、ロツ
クピン５１を係止する係止金具５２を設ける。

第１図の５５はサムターンで、第１２図、第１
３図のように縦框１０に軸５６を中心に回動する
ように取付けてある。この軸５６に設けた片５７
にはピン５８を設け、このピン５８を前記操作棒
３２の上端に固定した片５９の切欠６０に係合さ
せて、サムターン５５の回動により操作棒３２が
昇降するように構成する。

第２図、第１５図、第１７図、第１８図の各図
の右側が室内側であるが、窓枠Ａの下枠４６の室
内側には第１５図のように室内側へ張り出す棚６
１を設け、その上に逆転防止手段Ｃを設ける。

この防止手段Ｃは第１４図ないし第１６図のよ
うに棚６１を設け、この棚６１に固定した箱６２
内に横軸６３によつて２個の揺動片６４，６５を
設けこの両揺動片にバネ６６により上方への回動
力を附与し、さらに両揺動片６４，６５の上方回
動範囲を限定するストツパ６７を設ける。

また、一方の揺動片６４には窓障子Ｂの室外側
への回動を阻止する受片６８を一体に設け、他方
の揺動片６５には室内側から室外側へと回動する
窓障子Ｂにより箱６２内に押し込められる弧状面
を有し、受片６８に当つた窓障子Ｂの室内側への
逆回動を止める逆止部６９を一体に形成する。

また、箱６２の上部開口を開閉する蓋７０の後
端を横軸７１により起伏自在に取付け、この蓋７
０の前端に軸７２とともに回動する係止片７３を
設けてこの係止片７３が係脱する係合片７４を箱
６２に設ける。

つぎに作用を説明すれば、第１図の窓の全閉状
態において、操作ハンドル４０は横向きとなり、
このとき、各操作棒３９，４９に固定したロツク
ピン５１は窓枠Ａに設けた係止金具５２に係止し
て窓障子Ｂをロツクしている。

つぎにハンドル４０を第３図の矢印方向に約
90°回して一点鎖線の位置にすると、操作棒３９，
４８，４９が第１図の矢印方向へ一定長さ移動す
る。

このため各ロツクピン５１が各係止金具５２か
ら外れて窓障子Ｂを回動し得る状態とする。

この状態で窓障子Ｂの下部を室外側へ押すと、
この窓障子Ｂは軸１を中心に第１７図の矢印方向
へ回動し、これに伴いアオリ止めレバー３も回動
し、そのローラ７がガイドレール１１内を第８図
の矢印方向へ移動し、第９図の実線のように小角
度用係止手段ａの係止片１３，１４を押し込んで
係止片１３，１４間に入ると、第９図鎖線のよう
にバネ２０，２１によつて係止片１３，１４が復
元してローラ７を挾み、第１７図の１点鎖線a₁の
ように窓障子Ｂを全閉時から約25°開いた小角度
の換気状態に固定する。

また、前記のようにハンドル４０を90°回した
場合、操作棒３１は第８図の実線の位置から鎖線
の位置に動くが、この間の動きは長孔３６により
ピン３７には伝わらない。

つぎに、前記ハンドル４０をさらに回動して第
３図の２点鎖線の位置、すなわち最初から約115°
の位置まで回すと、このときは操作棒３１の長孔
３６は作動枠２４と一体のピン３７に当つている
から、作動枠２４が第９図のように操作棒３１と
ともに下降して作動枠の２４のピン２２が長孔２
３の下端に当るまで動き、作動枠２４の係合口２
５が第９図のように係止手段ａ，ｂの係止片１３
の突片２６を押動するので、この部分の係止片１
３，１４がガイドレール１１内から引込む。従つ
て窓障子Ｂを回すと、ローラ７が係止手段ａの部
分を通過していくので、窓障子Ｂを第１７図の２
点鎖線b₁で示す50°附近にして、前記ハンドル４
０を第３図の１点鎖線の90°に戻すと係止手段ａ，
ｂの各係止片１３，１４が第８図のような元の状
態に戻り、大角度用係止手段ｂの位置でローラ７
を固定する。

また、前記のようにハンドル４０を２点鎖線の
位置まで回した状態で窓障子Ｂを第１８図のよう
に90°、すなわち水平になるまで回すと、ローラ
７は第１１図に示す全開用係止手段ｃの係止片１
３，１４間に入つて止る。

こうして窓障子Ｂを90°回し、水平にした状態
において、サムターン５５を第１３図の実線の位
置から鎖線の位置へ回すと、これに連動する操作
棒３２が上昇してこれと一体の作動枠２８が上昇
し、その係合口２９が係止手段ｃの係止片１３の
突片２６を動かして係止片１３，１４がガイドレ
ール１１内から引込めるので、ローラ７は自由に
移動する状態となり、窓障子Ｂを元の閉鎖位置へ
戻すことができる。

しかし、この状態でさらに窓障子Ｂを同方向に
回していくと、第１８図の鎖線のように窓障子Ｂ
が最初から約180°回動した状態になる。

この状態では窓障子Ｂの閉鎖時に室外になつて
いた側が室内側となるので窓障子Ｂの室外側の清
掃が安全に行える。

しかもこのとき、棚６１の蓋７０を開いておく
と、下側になつた窓障子Ｂの上框１２が第１５
図、第１８図のように逆転防止手段Ｃにより固定
されて、窓障子Ｂにもたれても窓障子は逆転しな
い。

〔効果〕

この考案は上記のように窓障子を傾斜させてア
オリ止めレバーのローラが窓障子の一側縦框のガ
イドレール内を移動すると、小角度用係止手段、
大角度用係止手段、全開用係止手段の各係止片が
順次上記ローラの前後を係止するので窓障子が確
実に係止される。また、小角度用係止手段と大角
度用係止手段の各係止片は、下部ガイド枠に装着
した下部作動枠を操作ハンドルにより操作する操
作棒により下降させると、ガイドレール内から引
込むので、小角度および大角度からの元の位置へ
の復帰は容易である。さらに、サムターンにより
上部作動枠を上昇させると全開用係止手段の各係
止片が引込むので、全開状態からの元の位置への
復帰も容易に行える。さらに、各係止手段や操作
棒等は全て窓障子の各框内に設けられるので体裁
がよい等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を実施した回転窓の正面図、
第２図は同上の操作ハンドル取付け部の拡大縦断
側面図、第３図は同じく操作ハンドル取付け部の
拡大正面図、第４図は同上の拡大横断平面図、第
５図はアオリ止めレバー取付部の縦断正面図、第
６図は第５図−線の縦断側面図、第７図は第
５図−線の拡大横断平面図、第８図、第９図
はアオリ止めレバーの係止手段の各状態の拡大縦
断側面図、第１０図はサムターンと操作棒の関連
機構を示す一部切欠側面図、第１１図は上部の係
止手段を示す一部縦断拡大側面図、第１２図はサ
ムターン取付部の拡大横断平面図、第１３図は同
上の拡大縦断側面図、第１４図、第１５図は逆転
防止手段の各状態の拡大縦断側面図、第１６図は
同上の平面図、第１７図、第１８図は回転窓の各
状態を示す一部切欠側面図である。 １……軸、３……アオリ止めレバー、７……ロ
ーラ、９……下框、１０……縦框、１１……ガイ
ドレール、１２……上框、３１，３２，４８，４
９……操作棒、４０……操作ハンドル、５１……
ロツクピン、５２……係止金具、５５……サムタ
ーン、Ａ……窓枠、Ｂ……窓障子、Ｃ……逆転防
止手段、ａ，ｂ，ｃ……係止手段。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 建物に固定した窓枠内に水平の軸を中心として
   回動する窓障子を取付け、この窓障子の下框に回
   動式の操作ハンドルを設け、この操作ハンドルに
   連動して進退する操作棒を、上記窓障子の下框、
   上框および左右の縦框内に取付け、これらの各框
   の適所には上記窓障子の閉鎖位置において上記窓
   枠に設けた係止金具に係脱するロツク手段を設け
   て、前記操作ハンドルによりこのロツク手段を操
   作するように構成し、上記窓枠の一側に一端を回
   動自在に取付けたアオリ止めレバーの他端に設け
   たローラを上記窓障子の一側縦框に設けたガイド
   レールに摺動自在に係合させた回転窓において、
   上記一側縦框内の下部寄りに固定した下部ガイド
   枠の下部寄りに、上記窓障子が小角度に傾斜した
   とき、上記アオリ止めレバーのローラの前後を係
   止するように、バネにより上記ガイドレール内に
   出没自在に突出する一対の係止片からなる小角度
   用係止手段を設け、上記下部ガイド枠の上部寄に
   も、上記窓障子が大角度に傾斜したとき、上記ア
   オリ止めレバーのローラの前後を係止するよう
   に、バネにより上記ガイドレール内に出没自在に
   突出する一対の係止片からなる大角度用係止手段
   を設け、さらに、上記一側縦枠内の上部寄りに固
   定した上部ガイド枠には上記窓障子がほぼ水平の
   全開状態となつたとき、上記アオリ止めレバーの
   ローラの前後を係止するように、バネにより上記
   ガイドレール内に出没自在に突出する一対の係止
   片からなる全開用係止手段を設け、上記一側縦框
   内の上記小角度用係止手段と大角度用係止手段の
   各係止片を、下降時にバネに抗して同時に上記ガ
   イドレール内から引込める作用を行う昇降自在の
   下部作動枠を前記一側縦框内に設け、この下部作
   動枠と上記一側縦框内の前記操作棒とをこの操作
   棒が一定以上下降したとき共に下降するように連
   結し、上記全開用係止手段の係止片を、上昇時に
   バネに抗して同時に上記ガイドレール内から引込
   める作用を行う昇降自在の上部作動枠を前記一側
   縦框内に設け、この上部作動枠を昇降させるサム
   ターンを上記一側縦框の外側に回動自在に取付け
   た回転窓の操作装置。