JPH0487972A - ガラスロービング巻回体のシュリンク包装体及びそのシュリンク包装法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明はガラスロービング巻回体のシュリンク包装体及
びそのシュリンク包装法に係り、特に、ロービング巻回
体の使用終期における外側層のロービングの巻きくずれ
を防止し、ロービングの繰り出し性能を改善した、ガラ
スロービング巻回体のシュリンク包装体及びそのシュリ
ンク包装法に関する。

［従来の技術］ ガラス単繊維（フィラメント）の紡糸時に接着剤を付着
させてその繊維長さ方向に平行に集合させて得られるガ
ラスストランドの代表的な加工品として、ガラスロービ
ングがある。ガラスロービングは、ガラスストランドを
所定の本数撚らずに引ぎ揃えたものであって、ロービン
グを構成するガラス単繊維の本数は、千木程度から数万
本程度までのものがある。ガラスロービングは撚りをか
けないので長さ方向の強度が大きく、棒、パイプ等の長
尺物をつくるのに適している。また、巻回体として供給
されるため、連続成形装置への装着が簡便であることか
ら、各種成形法のチョツプドストランド供給用に広く利
用されている。また、ＦＲＰの中では機械的性質が最も
高い成形法、フィラメントワインディング法（ＦＷ法）
にも主としてロービングが使用されている。

従来、ガラスロービングは、第３図（ａ）に示す如く、
通常、２０　ｋ　ｇ／ｌロール程度に巻取られて巻回体
１１とされた後、この巻回体１１を第３図（ｂ）に示す
ような厚さ３０μｍ程度の薄いポリ塩化ビニル製熱収縮
フィルム包装袋１２内に挿入しく第３図（Ｃ））、１５
０℃で１０秒程度熱処理することによりシュリンク包装
体１３として供給される。（第３図（ｂ）において、２
点鎖線は熱シール部を示す。）通常の場合、ガラスロー
ビング巻回体１１の大きさは、第３図（ａ）において、
直径２ｒ＝２５０〜８５０ｍｍ、高さＪ２．＝４５０〜
１２００ｍｍ程度である。また、シュリンク包装用の熱
収縮フィルム包装袋１２のフィルムとしては、ポリ塩化
ビニルの他、ポリエチレン、ポリプロピレン等も使用す
ることができる。

［発明が解決しようとする課題］ このようにして包装されたガラスロービングシュリンク
包装体１３は、内側から、即ち、巻回体の巻き初め端か
ら順次包装フィルムより繰り出しながら使用されるが、
巻回体の最外層付近までくると、ガラスロービングが包
装フィルム内で落ち易く、しばしばもつれたまま引き出
されるという不具合がある。

即ち、ガラスロービングはガラスロービング巻回体の内
層から繰り出して使用されるため、使用後期においては
、包装フィルム内面に、数層のガラスロービング巻回層
が残された状態となるが、包装フィルム内のガラスロー
ビング巻回層が１〜２層と少なくなってくると、ガラス
ロービング巻回層が包装フィルム内でずれて巻回層の上
部がフィルム下部に崩落するようになる。このため、ガ
ラスロービングを順調に繰り出すことができなくなり、
ガラスロービングがもつれた状態て引き上げられ包装フ
ィルム内から繰り出されるようになる。もつれたまま弓
き出されたガラスロービングは、ＦＲＰ等の最終製品中
にロービング塊として存在するなど、製品品質に悪影響
をもたらすおそれがある。

特に、８０〜３００ｋｇ／ｌロールといった大きなロー
ビング巻回体では、２０ｋｇ／ｌロール程度のロービン
グ巻回体と比較して、巻回体の巻き直径や高さも２〜４
倍と非常に大きくなるため、巻回体最外層の崩落が頻繁
に起こり易く、繰り出し性、作業性、生産性の低下を招
いていた。

本発明は上記従来の問題点を解決し、ロービングの縁り
出し性に優れたガラスロービング巻回体のシュリンク包
装体及びそのシュリンク包装法を提供することを目的と
する。

［課題を解決するための手段］ 請求項（１）のガラスロービング巻回体のシュリンク包
装体は、ガラスロービング巻回体を、無収縮フィルムを
介して熱収縮性フィルムでシュリンク包装してなる包装
体であって、該無収縮フィルムは加熱処理により延伸さ
れて前記ガラスロービング巻回体の最外層のロービング
同志の隙間に入り込んで該最外層の内側のロービングに
接し、かつ、無収縮フィルムと前記熱収縮性フィルムと
は接着されていることを特徴とする 請求項（２）のガラスロービング巻回体のシュリンク包
装体のシュリンク包装法は、上記請求項（１）のシュリ
ンク包装体の包装法であって、ガラスロービング巻回体
を無収縮フィルムで包装した後、該無収縮フィルムの延
伸温度で加熱処理し、次いで熱収縮性フィルムでシュリ
ンク包装することを特徴とする。

［作用］ 本発明者らは従来のガラスロービング包装体について、
ロービングが崩落してもつれ上がる原因について検討し
た結果、次のようなことを知見した。

ガラスロービングには一般に約１％程度のサイジング剤
が付着されており、通常の場合、ガラスロービング巻回
体を内側から繰り出して使用する際に、巻回体がくずれ
落ちないように熱処理して該サイジング剤を軟化させ、
巻回体の隣接するロービング同志を軽く接着させる。ま
た、巻回体の最外層のロービングはシュリンク包装の熱
収縮性フィルムと軽く接着した状態となっている。

ところで、第２図に示す如く、従来のガラスロービング
巻回体のシュリンク包装体１０Ａでは、最外層のロービ
ング２は前述の如く、シュリンク包装の熱収縮性フィル
ム１と軽く接着しているため落下し難い。また、この最
外層のロービング２と、最外層のすぐ内側のＮ（以下、
「第２層」と称す。）のロービングのうち、最外層のロ
ービング２と接触しているロービング３は、フィルム１
と接触して落下し難い最外層のロービング２と、前述の
如く、サイジング剤により軽く接着している。従って、
このロービング３も使用終期において落下し難い。しか
しながら、該第２層のロービングのうち、最外層のロー
ビング２と全く接していないか、或いはわずかじか接し
ていないロービング４は、フィルム１とも接しておらず
、また、最外層のロービング２との接着力も殆どないた
め、落下し易い。即ち、従来のシュリンク包装体１０に
おいては、この第２層の、最外層のロービング２に極め
て小さい接着力のみで接しているロービング４の、巻回
体の使用終期における落下が、ロービングの崩落の主な
原因となっていた。

これに対して、本発明のカラスロービング巻回体のシュ
リンク包装体１０は、第１図に示す如く、ガラスロービ
ング巻回体８を無収縮フィルム５を介して熱収縮性フィ
ルム１でシュリンク包装してなる包装体であって、該無
収縮フィルム５は加熱処理により延伸してガラスロービ
ング各回体８の最外層のロービング２同志の隙間に入り
込んで、内側の第２層のロービング４に接している。

また、この無収縮フィルム５は熱収縮性フィルム１と接
着している。

従って、最外層のロービング２はシュリンク包装フィル
ムの熱収縮性フィルムに接着した無収縮フィルム５と接
着し、また、第２層のロービングのうち、ロービング３
は最外層のロービング２と接着し、ロービング４は無収
縮フィルムと接着したものとなる。即ち、内層のロービ
ングは外層のロービングと無収縮フィルム５とのいずれ
か少なくとも一方に接着したものとなるため、巻きくず
れは防止される。

このようなシュリンク包装体は本発明のシュリンク包装
法により容易に得られる。

［実施例］ 以下に図面を参照して本発明の実施例について説明する
。

まず、本発明のシュリンク包装法について説明する。

第１図は本発明の一実施例に係るガラスロービング巻回
体のシュリンク包装体の外層部の拡大断面図である。第
１図に示す如く、本実施例のガラスロービング巻回体の
シュリンク包装体１０は、本発明方法に従って、ガラス
ロービング各回体８を無収縮フィルム５で包装した後、
この無収縮フィルム５の延伸温度で加熱処理し、次いで
、熱収縮性フィルム１でシュリンク包装することにより
得られたものである。

本発明で使用される無収縮フィルム５は、加熱延伸処理
により延伸されて最外層のロービング２同志の隙間に入
り込んで第２層のロービング４に接着するに十分な延伸
性を有するフィルムであることが必要である。なお、加
熱延伸温度は、前述のロービングのサイジング剤の軟化
処理温度とほぼ等しい温度、即ち７０〜１４０ｔ、特に
１００℃前後であることが好ましい。このような温度範
囲であれば、サイジング剤の軟化処理と無収縮フィルム
の延伸処理とを一回の加熱処理で行なうことができる。

また、無収縮フィルムの厚さは、前述の如く、最外層の
ロービング２同志の隙間に良好に入り込むように、その
厚さが比較的薄いものであることが好ましい。

このようなことから、本発明においては、無収縮フィル
ムとしては、１００℃における伸びが５％以上、好まし
くは１０〜２０％で、厚さか１５〜１１００ｐ、特に１
５〜４０μｍの、無延仲ないし無収縮ナイロン系、無延
伸ないし無収縮ポリ塩化ビニリデン系、無延伸ないし無
収縮ポリ塩化ビニル系フィルムが好適である。

このような、無収縮フィルムでガラスロービング巻回体
を包装した後、該無収縮フィルムの延伸温度、例えば前
述の如く、７０〜１４０℃、好ましくは１００℃前後で
１０〜６０秒程度加程度理する。この加熱処理により、
第１図に示す如く、無収縮フィルム５は延伸して最外層
のロービング２と接着し、また、該ロービング２同志の
隙間に入り込んで第２層のロービング４等と接着する。

また、ロービング巻回体の各層のロービング同志はサイ
ジング剤の軟化により接着する。

この加熱処理後は常法に従って熱収縮性フィルム１を用
いてシュリンク包装する。

ところで、前述の如く、無収縮フィルムは厚さの薄いも
のを用いるため、それ自体では剛性が不足で自立性がな
い。従って、無収縮フィルム５は外側の熱収縮性フィル
ム１に接着させて、無収縮フィルム５自体がシュリンク
包装内で落下しないようにすることが必要とされる。接
着は、接着剤による方法であっても良いが、例えば、シ
ュリンク包装の熱収縮性フィルムとしてポリ塩化ビニル
フィルムを用い、また、無収縮フィルムとして無延伸な
いし無収縮ポリ塩化ビニルフィルムを用いた場合には、
特別な接着剤を用いなくても、両フィルム中の可塑剤が
シュリンク包装処理時に浸み出て両フィルムは自然に接
着するので、極めて有利である。

このようにして、第１図に示す如く、ガラスロービング
巻回体８を無収縮フィルム５及び熱収縮性フィルム１で
包装してなり、無収縮フィルム５が加熱延伸処理により
ガラスロービング巻回体の最外層のロービング２同志の
隙間に入り込んで、第２層のガラスロービング４に接着
し、かつ、無収縮フィルム５と熱収縮性フィルム１とが
接着されている、本発明のシュリンク包装体１０が得ら
れる。

本発明は、ロービングの巻きくずれが起こり易い、第３
図（ａ）における高さｋが４５０ｍｍ以以 上のガラスロービング巻回体のシュリンク包装に極めて
有効であるが、Ａ＜４５０ｍｍのもの、例えば、β＝２
５０ｍｍ程度のガラスロービング巻回体にも有効に適用
できることは言うまでもない。

以下に具体的な実施例について説明する。

実施例１ 直径４２０ｍｍ、高さ１０００ｍｍ、１６５Ｋｇ／ｌロ
ールのガラスロービング巻回体を下記無収縮フィルムで
包装した後、１０５℃で４０秒間加熱してフィルムを延
伸させ、次いで、通常のシュリンク包装に用いられるポ
リ塩化ビニルフィルムで常法に従ってシュリンク包装し
た。

１００℃のおける伸び：２５％ 厚さ＝２０μｍ その結果、ガラスロービング巻回体の最外層のロービン
グ同志の隙間に上記無収縮フィルムが入り込んで、第２
層のロービングと接着し、また、該無収縮フィルムはシ
ュリンクフィルムとも接着したシュリンク包装体が得ら
れた。

この包装体は、ガラスロービングの終端に到るまで包装
フィルム内でロービングが崩落することなく、また、も
つれを生じることなく、円滑かつ順調に縁り出ししよう
することができた。

［発明の効果］ 以上詳述の通り、本発明のガラスロービング巻回体のシ
ュリンク包装体及びそのシュリンク包装法によれば、ガ
ラスロービングの使用終期におけるガラスロービング巻
回体の包装フィルム内での崩落が防止され、ガラスロー
ビングの終端に到るまでもつれを全く生じることなく一
木のロービングとして良好に繰り出すことができる良好
な包装体が提供される。

本発明によれば、１００〜２００Ｋｇ７１０−ルといっ
た巨大なガラスロービング包装体であってもそのガラス
ロービングの繰り出し性、作業性を大幅に改善すること
が可能とされる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のガラスロービング巻回体のシュリンク
包装体の一実施例を示す要部拡大断面図、第２図は従来
例を示す要部拡大断面図、第３図はシュリンク包装の説
明図である。 １・・・熱収縮性フィルム、 ２．３．４・・・ロービング、 ５・・・無収縮フィルム、 １０・・・シュリンク包装体。 代理人　　弁理士　重　　野　　　剛 （Ｃ１） （Ｃ） （ｂ） −二Ｘ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）ガラスロービング巻回体を、無収縮フィルムを介
   して熱収縮性フィルムでシュリンク包装してなる包装体
   であって、該無収縮フィルムは加熱処理により延伸され
   て前記ガラスロービング巻回体の最外層のロービング同
   志の隙間に入り込んで該最外層よりも内側のロービング
   に接し、かつ、無収縮フィルムと前記熱収縮性フィルム
   とは接着されていることを特徴とするガラスロービング
   巻回体のシュリンク包装体。
2. （２）ガラスロービング巻回体を無収縮フィルムで包装
   した後、該無収縮フィルムの延伸温度で加熱処理し、次
   いで熱収縮性フィルムでシュリンク包装することを特徴
   とする請求項（１）のガラスロービング巻回体のシュリ
   ンク包装体のシュリンク包装法。