JPH047907Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は測長あるいはけがき作業を行なうハイ
トゲージ用スクライバに関する。

〔従来の技術〕

従来のハイトゲージ用スクライバはスクライバ
本体（以下本体と略称）の刃先部分に高速度鋼製
チツプをロー付していた。

〔考案が解決すべき問題点〕

ところが本体の刃先部分に公知の高速度鋼製チ
ツプをロー付した従来形のハイトゲージ用スクラ
イバでは、刃先が欠落あるいは摩耗すると本体ご
と交換しなければならず高価であり、又スクライ
バを再生する場合には刃先が１ケ所しかないため
交換や摩耗補修を度々やらねばならない欠点があ
つた。

本考案の目的は前記従来装置の欠点を解消し、
長期間の使用に耐えられる経済的なハイトゲージ
用スクライバを提供するにある。

〔問題点を解決するための手段、作用〕

(1) 超硬合金製奇数辺正多角形チツプをビス固定
できるものとし１個のチツプで刃先修正なしで
複数回使用できるようにするとともにチツプの
交換も容易とした。

(2) チツプ形状はけがきや測定作業に使用できる
ように底面が平らで奇数辺正多角形の各頂点に
対向する稜線に平行な底面にまで達する平面で
鋭角状にカツトされ細線のけがき作業を可能と
した。

(3) スクライバ本体にチツプを固定する際止めね
じをチツプ底面より突出させることができない
ため、止めねじのねじ部とピン部のセンタを僅
かにオフセツトさせ、止めねじを回すことによ
つてチツプを本体の段付部に押圧し固定するよ
うにした。このため止めねじをわずかに回すだ
けでチツプを固定したり解放することが可能と
なり、止めねじを抜きとることなくチツプの交
換ができるため止めねじを紛失するおそれがな
い。

〔実施例〕

以下第１〜１１図を参照し本考案の一実施例に
つて説明する。

第１図ａはスクライバ本体の正面図、第１図ｂ
は同平面図、第２図はチツプ止めねじの正面図、
第３図はチツプの図面、第４図は第１実施例のチ
ツプ固定方法の説明図、第５図は第１図で本体の
段付端面の切込角θを鋭角とした場合の第３図応
当図、第６図は第２実施例のチツプ固定方法の説
明図、第７図は第３実施例の第６図応当図、第８
図はハイトゲージの概要図、第９図はスクライバ
用として不適当なチツプの説明図、第１０〜１１
図はそれぞれ超硬チツプの固定に不適当な方法を
あらわす説明図である。

本考案のスクライバはスクライバ本体１とチツ
プ２と止めねじ３より構成されている。

このスクライバはチツプ２が取り付けられた部
分以外は従来形と異らない。本考案のスクライバ
本体１は先端部に三角形超硬チツプ２が装着され
るスペースと止めねじ用の雌ねじ穴１ａとチツプ
２の圧着面１ｂが設けられている。この圧着面の
第１図ａに示す切込角θは直角とするか、又はチ
ツプ２の固定を強固とするため鋭角とするのが好
ましい。

本考案の超硬チツプ２の平面図は第３図ｂに示
す如く正三角形状をなし、その底面及び上面は平
滑面に形成され、第３図ｂに示すように、上記正
三角形の底面の各頂点から上面に向かつてカツト
されたカツト面を有し、該カツト面はこれと底面
とのなす角を鋭角状に形成されている。そして、
このチツプ２を金属表面に押し付けて横にすべら
した時線巾0.1mm程度の１本線がけがかれるよう
に形成されている。

第５図のチツプ４ａは第１図に示すスクライバ
本体１の段付端面の切込角θを点線のように鋭角
とした場合のチツプ形状を表わしたものである。

次にチツプ２を本体１に固着する止めねじ３の
ねじ部３ａは第２図に示すように本体１のねじ穴
と同寸法に形成され、その先端部にはチツプ穴２
ａに差し込むことができるようにしたピン部３ｂ
と六角レンチによつて止めねじ３を回転させるた
めの反ピン部側に設けられた六角穴部３ｃよりな
り、ピン部３ｂの長さはチツプ２の厚さより短か
い寸法とし、組付時ピン部３ｂの先端がチツプ底
面より突出しないように考慮されている。またね
じ部３ａとピン部３ｂの両センタは寸法ｅだけオ
フセツトされている。

次に前記実施例でチツプ２を本１に固定する方
法について説明する。

第４図ａに示すように止めねじ３を本体のねじ
穴１ａにねじ込み止めねじ３のピン部３ｂが本体
１の段付部１ｂより離れた方向においてチツプ２
のピン穴２ａにピン部３ｂを挿入しセツトする。
次に六角レンチで止めねじ３を回すとピン部３ｂ
が本体の段付部１ｂ側に近づきピン部３ｂに挿入
されてチツプ２は本体１に押圧された本体に固定
される。

チツプの固定方法としては第６〜７図のような
方法によることもできる。

第６図はチツプ４ｂ側にねじ穴を設け、本体側
には穴のみとし止めねじ５ｂで締付固定する方法
である。しかし超硬チツプ４ｂにねじ切りを行な
う必要があり困難が予想される。

第７図はチツプ４ｃ側を段付穴とし止めねじ５
ｃは比較的小さいつばをもつたビス状とし、チツ
プ、本体を貫通させて上部よりナツトをかけて固
定する方法であるが、チツプの厚さ寸法の大きい
ものは六角穴付きねじを用いて本体側にねじ穴を
設けて下方より締め付け固定する方法も考えられ
る。

なお超硬チツプの形状及び同チツプの固定方法
としては第９〜１１図のようなものがあるが、こ
れらはすべて切削用のものでスクライバ用として
は不適当である。

第９図のように逃し角φのある切削用チツプは
チツプ刃先の再生時けがき線位置が変りスクライ
バ用チツプとしては不適当である。第１０図はチ
ツプ４ｅを直接止めねじ５ｅで本体１に固定する
方法であり、第１１図はチツプ４ｆをグランバ６
と止めねじ５ｆを介して本体１に固定する方法で
あるが、第１０〜１１図はともにチツプ面より突
出部があるため、スクライバチツプの固定方法と
しては不適当である。

〔考案の効果〕

本考案のハイトゲージ用スクライバは以上のよ
うに構成したので、超硬合金製のため耐摩耗性が
極めて大きく又けがきに使用される刃先部分が摩
耗したときには、多角形チツプを旋回させて取り
付けることにより未使用の刃先が得られるととも
に新チツプの取り換えも極めて容易なため、長期
間の使用に耐えられ良好な性能が維持できる利点
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ａはスクライバ本体の正面図、第１図ｂ
は同平面図、第２図はチツプ止めねじの正面図、
第３図はチツプの両面図、第４図は第１実施例の
チツプ固定方法の説明図、第５図は第１図で本体
の段付端面のθを鋭角とした場合の第３図応当
図、第６図は第２実施例のチツプ固定方法の説明
図、第７図は第３実施例の第６図応当図、第８図
はハイトゲージの概要図、第９図はスクライバ用
として不適当なチツプの説明図、第１０〜１１図
は夫々超硬チツプの固定に不適当な方法を表わす
説明図である。 １０……スクライバ、２，４ａ，４ｂ，４ｃ…
…実施例のチツプ、３，５ｂ，５ｃ……実施例の
止めねじ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 測長、けがき等を行うハイトゲージのスクライ
   バにおいて、上面及び底面が平滑面に形成される
   とともに平面形状が奇数辺でなる正多角形に形成
   され、前記底面における多角形のそれぞれの頂点
   から前記上面に向かつてかつ前記底面とのなす角
   度を鋭角状にカツトされてなるカツト面を形成し
   た多角形チツプ前記スクライバの先端部分にねじ
   止めしたことを特徴とするハイトゲージ用のスク
   ライバ。