JPH0474687B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は観察に適した照明強度に調光可能にす
る内視鏡用自動調光装置に関する。

〔発明の技術的背景とその問題点〕 近年、内視鏡においても固体撮像素子を用いて
ブラウン管等の表示装置に被写体の映像を表示可
能とするものが実現化される状況にある。

上記固体撮像素子を用いた電子式の内視鏡は、
イメージガイドフアイバに光学像を結像するもの
に比べ、映像を記録することも容易であるし、高
集積化技術の進展と共に、今後ますます小型にで
きるという利点を有する。

しかしながら上記固体撮像素子を用いた場合、
撮像面の受光素子に入射される光量が大きすぎる
と、過大な電荷が周辺に漏れ、再生画面上におい
てはにじんでブルーミング現象が生じ、その部分
は像を忠実に再生できなくなると共に、正規の状
態に復帰するまで撮像不能になるという問題があ
る。

上記ブルーミング現象が生じないように照明光
の強度を光源装置側で機械的に調節できるように
したものがあるが、内視鏡に用いて体腔内で使用
する場合には被写体までの距離に応じて調節しな
ければならないため、あるいは挿入部の先端側を
湾曲した場合、体腔壁面との距離は複雑に変化す
るため、適当な照明強度にすることを短時間で行
うことは殆んど不可能になる。

又、体腔内において使用する場合には、患部が
体液等で湿つている場合には反射強度が大きくな
り、患部の状態によつても適切な照明強度が異
る。逆に、照明強度が小さすぎると、患部を鮮明
に撮像することができなくなり、診断に支障を来
たすことになる。

さらに、従来から用いられているような絞り装
置を内視鏡先端部に組み込もうとした場合大形化
してしまう。

〔発明の目的〕

本発明は上述した点にかんがみてなされたもの
で撮像に適した照明強度に自動的に調光可能と
し、小形化に非常に適した内視鏡用撮像用自動調
光装置を提供することを目的とする。

〔発明の概要〕

本発明は固体撮像素子で受光された光量に応じ
て出力される電気信号でスリツトを用いて形成し
た透光部を通過する光量を内視鏡の挿入部の先端
部において可変調節することによつて、自動的に
観察に適した光量にできるようになつている。

〔発明の実施例〕

以下、図面を参照して本発明を具体的に説明す
る。

第１図及び第２図は本発明を説明するために補
助として用いるものであり、第１図はその内視鏡
を示し、第２図は照明光の透過光量を制御するの
に用いられる光量調節部材としての遮光部材であ
る遮光板及びはえの目レンズの一部を拡大して示
す。

内視鏡１は、細径の挿入部２の先端部に結像用
の対物レンズ３が配設され、該対物レンズ３の結
像位置にその撮像面が臨むようにCCD（電荷結合
素子）等の固体撮像素子４が配設されている。こ
の固体撮像素子４の撮像面には各受光素子を３原
色の各波長の光のみをそれぞれ透過する図示しな
いモザイク状の３原色フイルタが取付けてあり、
該固体撮像素子４に印加されるクロツク信号によ
つて、それぞれ赤、緑、青の透過フイルタを通し
た各画素に対応した信号が順次出力されるように
なつており、該信号は低雑音指数の前置増幅器
（プリアンプ）５で増幅され、信号ケーブル６を
経てビデオプロセス部７内のサンプルホールド回
路によつて、各色信号Ｒ、Ｇ、Ｂに分離されて取
り込まれ、それぞれ増幅された後、周期信号が重
畳されて、モニタ用カラーテレビジヨン８に入力
され、カラー画像として表示可能とする撮像手段
が形成されている。

上記挿入部２内には、対物レンズ３と隣接する
ように配光レンズ９が配設され、該配光レンズ９
内側にその出射端が臨むようにしてライトガイド
１０が挿通されている。

上記ライトガイド１０の手元側後端は光源装置
１１に着脱自在で装着できるようになつている。

上記ライトガイド１０の照明光の入射端となる
後端には、照明ランプ１２の照明光が反射鏡１３
で反射され、コンデンサレンズ１４で集光されて
照射されるようになつている。

しかして、上記照明ランプ１２によるライトガ
イド１０の入射端に照射される照明光の調節手段
が以下のように形成してある。

上記コンデンサレンズ１４と照明ランプ１２と
の間の光路上で、例えばコンデンサレンズ１４の
瞳位置には、第２図に示すように横長（紙面垂直
方向）に開口部及び遮光部とを設けた遮光板１５
と、該遮光板１５に隣接してはえの目レンズ１６
とが配設されている。このはえの目レンズ１６に
おける上記遮光板１５に対向する側には該遮光板
１５と略同形状の遮光板を貼着、又は遮光塗料の
塗布等によつて遮光部１７Ａ及び遮光部１７Ｂと
を設け、上記遮光板１５とはえの目レンズ１６と
で光量調節部材が形成されている。

上記はえの目レンズ１６は、照明ランプ１２側
から入謝される略平行の光束照明光を各凸面状部
分で屈折させ、各他面側の凹面部に集光して遮光
板１５側（の開口部側）に出射できるようにして
ある。このはえの目レンズ１６は固定されてい
る。

一方、上記遮光板１５の上下の両端は、駆動手
段としてのバイモルフ振動子１８，１９の各前端
に取付けられ、該バイモルフ振動子１８，１９の
後端は台座２０等を介して光源装置１１の内壁等
に固定してある。

これら、バイモルフ振動子１８，１９にはリー
ド線２１を介して（バイモルフ）振動子駆動回路
２２から駆動用の制御信号が供給されるようにな
つている。この駆動用信号のレベルが大きくなる
のに応じて、バイモルフ振動子１８，１９は、固
定された後端側に対し、前端側が同位相で下方に
変位するように（矢符Ａで示す）形成してあり、
この変位に伴つて、上記遮光板１５も下方に移動
し、遮光板１５の開口部を通過する照明光量を少
くできるようにしてある。

上記振動子駆動回路２２の制御入力端には、ビ
デオプロセス部７から出力される各色信号Ｒ，
Ｇ，Ｂを加算器２３で加算した加算信号をさらに
積分回路２４で積分した信号が印加され、この信
号のレベルが大きくなるにつれ、振動子駆動回路
２２の出力信号のレベルが大きくなるようにして
ある。尚、上記加算器２３は、色のバランスを保
持して調光用信号とするものであり、又、積分回
路２４は、各受光素子から出力される信号の受光
期間に対応させるためのもので、該積分回路２４
は、１フレーム程度以上の積分時定数に設定して
あり、この積分した信号レベルの大きさで、遮光
板１５の開口部をそのまま通過できる最大の透過
面積状態から変位させてはえの目レンズ１６を経
た照明光量を（そのレベルが大きくなるのに応じ
て）小さくできるようにしてある。

このように構成されたものによれば、内視鏡１
を被写体に近づけたり、遠ざけたりした場合に、
その距離に応じて照明された被写体から入射され
る光量が変化し、従つて最適となる照明強度が変
化する。この状態での固体撮像素子４から出力さ
れる各画素に対応する信号を取り込み、カラー表
示のために分離された各色信号Ｒ，Ｇ，Ｂを加算
し、さらに積分回路２４で積分し、１フレーム期
間における被写体から反射されて入射される入射
光量を反映するレベルの調光用信号によつて、振
動子駆動回路２２を駆動させ、バイモルフ振動子
１８，１９に駆動用の制御信号を印加して上記調
光用信号又は制御信号のレベルに応じて遮光板１
５を変位させ、その状態での適切な照明強度に１
フレーム程度の時間毎に保持される。従つて、術
者は照明強度をその都度適切なものとなるように
調整する手間を省け、診断あるいは治療処置に専
心でき、非常に便利である。

又、照明強度が適切な値に自動調光されるの
で、暗すぎた場合のようなことなく、患部等を詳
しく診断することができ、的確な診断あるいは治
療処置できる。

第３図はさらに本発明を説明するために用いら
れる補助例を示すものである。

この例においては、照明を３原色の各色で行う
と共に、これら各色での照明強度をそれぞれの色
について色のバランスを適切な値に保持して自動
調光できるようにしてある。

即ち、この内視鏡３１においては、ビデオプロ
セス部７を経て出力される各色信号Ｒ，Ｇ，Ｂ
は、加算器２３及び積分回路２４を介し、半固定
増幅器３２Ｒ，３２Ｇ，３２Ｂでそれぞれ増幅さ
れ、さらにマルチプレクサ３３を経て振動子駆動
回路２２に入力されるようになつている。

上記半固定増幅器３２Ｒ，３２Ｇ，３２Ｂはラ
ンプ１２による透明光のスペクトル強度分布と
か、ライトガイド１０の波長に対する伝達特性と
か、固体撮像素子４の感光特性等を補正するため
のものである。

一方、バイモルフ振動子１８，１９で駆動され
る遮光板１５に近接してさらに３原色フイルタ３
４が配設され、該３原色フイルタ３４は振動子駆
動回路３５の駆動用信号で駆動されるバイモルフ
振動子３６，３７にて迅速に変位されるようにな
つている。

上記３原色フイルタ３４は、第４図に示すよう
に赤，緑及び青の各色透過フイルタ３４Ｒ，３４
Ｇ，３４Ｂがストライプ状に形成され、各透過フ
イルタの間隔は隣接する遮光板１５の開口部に臨
ませることができるように形成されており、（バ
イモルフ）振動子駆動回路３５の出力信号で上下
に振動的に変位されるようになつている。上記振
動子駆動回路３５は、マルチプレクサ３８によつ
てそれぞれ各色専用の電源３９Ｒ，３９Ｇ，３９
Ｂと順次導通できるようになつており、これらマ
ルチプレクサ３８，３３は色フレーム切換回路４
０の切換信号によつて、各色での１フレームごと
に順次切換えられるようになつている。しかして
各電源３９Ｒ，３９Ｇ，３９Ｂと順次導通される
ことによつて、変位量が段階的に異り、はえの目
レンズ１６の投光部１７Ｂに対向する３原色フイ
ルタ３４における透過フイルタ部分が３４Ｒ，３
４Ｇ，３４Ｂ，３４Ｒ，……と順次切換えられ、
これに応じてライトガイド１０を経て被写体に照
射される照明光の色が赤，緑，青，赤……と順次
切換えられるようになつている。

尚、この例においては白黒の固体撮像素子４′
が用いてあり、ビデオプロセス部７は該固体撮像
素子４′の出力信号を各１フレームごとに上記色
フレーム切換回路４０の切換信号でマルチプレク
サ等を介して切換えることによつて（図示略）、
各色信号Ｒ，Ｇ，Ｂに分離し、モニタ用カラーテ
レビジヨン８に出力して時分割的に各色で表示す
るようにしてある。

このように構成された例に係る内視鏡３１を用
いると、マルチプレクサ３３，３８は同期して切
換えられ、３原色フイルタ３４の各色透過フイル
タ３４Ｒ，３４Ｇ，３４Ｂを通して被写体は３原
色の各色で順次照明される。しかして各色で照明
された被写体は撮像面に結像され、電気信号に変
換されて各受光素子から各クロツク信号の印加と
共に、電荷転送であるいはXYアドレス信号の印
加と共に順次出力され、増幅後ビデオプロセス部
７に取込まれる。このビデオプロセス部７で各色
信号Ｒ，Ｇ，Ｂに分離されてカラーテレビジヨン
８に各色で順次表示されることになる。これと共
に、各色信号Ｒ，Ｇ，Ｂの各出力レベルに応じ
て、加算器２３及び積分回路２４を経て色のバラ
ンスをくずすことのない調光用信号にし、さらに
色補正した後振動子駆動回路２２を経て遮光板１
５の変位量を各各フレームごとに自動的に調整す
る。従つて、各色での照明においてもそれぞれ適
切な照明強度に自動調光できる。

この補助例は、各色ごとに色補正して自動調光
できるのでより忠実な撮像あるいは再生ができる
と共に、白黒の固体撮像素子４′は各色での照明
ごとにその受光素子を全て用いることができるの
で解像力を向上できるという特徴を有する。

第５図は本発明の第１実施例を備えた内視鏡の
挿入部先端周辺を示す。

この実施例においては、補助例である第１図に
示すようなスリツト１５と、該遮光板１５に対向
した遮光板４１とがライトガイド１０の前端と配
光レンズ９との間で、例えば配光レンズ９の瞳位
置に配設されている。尚、一方の遮光板４１は固
定され、他方の遮光板１５はバイモルフ振動子１
８，１９を介して固定され、第１図に示したよう
に振動子駆動回路２２の制御信号で駆動されこれ
ら遮光板１５，４１の遮光部を経て通る被写体側
に出射される照明光の光量を制御できるようにし
てある。

第６図は本発明の第２実施例を備えた内視鏡の
挿入部先端周辺を示す。

この実施例においては、上記１実施例における
ライトガイド１０の代りに、挿入部２の先端側に
照明手段としてランプ４２が配設されている。

尚、上記ランプ４２の代りに発光ダイオードを
用いることもできることは明らかである。この場
合３原色の色を単数の発光ダイオードで実現でき
ない場合には、３原色の色で照明できるように複
数にすれば良いことは明らかである。

第７図は本発明の第３実施例を用いた内視鏡の
挿入部先端周辺を示す。

この実施例においては、第５図に示す遮光板１
５及び４１を用いた光量調節部材及びバイモルフ
振動子１８，１９による駆動手段が固体撮像素子
４′の全面に設けてあり、撮像面に入射される受
光量を調節することによつて、自動調節するよう
にしてある。

尚、第５図、第６図あるいは第７図において、
２枚の遮光板１５，４１を用いた遮光部材の代り
に第１図あるいは第３図に示すようにはえの目レ
ンズ１６を用いることもできる。

又、２枚の遮光板１５，４１を共に逆方向に変
位させたり、遮光板１５とはえの目レンズ１６を
共に逆方向に移動させることもできる。さらに、
第１図あるいは第３図において、はえの目レンズ
１６側を変位させて調光することもできる。

又、固体撮像素子としてCCD（電荷結合素子）
等の電荷転送方式のものに限定されるものでな
く、XYアドレス方式のものでも適用できること
は明らかである。

尚、上記第３図に示す例において、加算器２３
及び積分回路２４は、半固定増幅器３２Ｒ，３２
Ｇ，３２Ｂの出力側に設けることもできる。

又、本発明はカラー用のみでなく白黒の場合に
も適用できることは明らかである。

〔発明の効果〕

以上述べたように本発明によれば、固体撮像素
子から出力される信号レベルに応じて被写体側に
照射される照明光量あるいは撮像面に入射される
受光量をバイモルフ振動子等用いた透過光量制御
手段にて制御するように構成してあるので、被写
体との観察距離等を変えた場合においても、観察
に適した適度の照明強度あるいは入射光量強度に
自動調光できる。

又、小スペース内にも収納できるという利点を
有する。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本発明を説明するための補
助例に係り、第１図は内視鏡全体を示す説明図、
第２図は透過光量を調節する光量調節部材周辺部
を拡大して示す概略断面図、第３図及び第４図は
本発明を説明するための他の補助例に係り、第３
図はその内視鏡全体を示す説明図、第４図は３原
色フイルタの構造を示す正面図、第５図は本発明
の第１実施例に係る内視鏡挿入部の先端部周辺を
示す断面図、第６図は本発明の第２実施例に係る
内視鏡挿入部の先端部周辺を示す断面図、第７図
は本発明の第３実施例に係る内視鏡挿入部の先端
部周辺を示す断面図である。 １，３１……内視鏡、２……挿入部、３……対
物レンズ、４，４′……固体撮像素子、５……プ
リアンプ、７……ビデオプロセス部、１０……ラ
イトガイド、１１……光源装置、１２……照明ラ
ンプ、１３……反射鏡、１４……コンデンサレン
ズ、１５，４１……遮光板、１６……はえの目レ
ンズ、１７Ａ……遮光部、１７Ｂ……透光部、１
８，１９，３６，３７……バイモルフ振動子、２
２，４０……バイモルフ振動子駆動回路、２３…
…加算器、２４……積分回路、３３，３８……マ
ルチプレクサ、３４……３原色フイルタ、４０…
…色フレーム切換回路、４２……ランプ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 被写体を内視鏡挿入部の先端部に配設された
   配光レンズを介して照明する照明手段と、照明さ
   れた被写体を前記挿入部の先端部に配設された固
   体撮像素子の撮像面に結像し、撮像面に配列され
   た各受光素子の信号を取り込むことにより画像と
   して表示可能とする撮像手段とを備えた内視鏡装
   置において、前記固体撮像素子の前面又は前記配
   光レンズの直前にスリツト状開口部を設けた一対
   の遮光部材を対向して配置し、少なくとも一方の
   遮光部材を変位可能にしてその変位に応じて透光
   部の面積が可変される光量調節用部材と、この光
   量調節用部材を入力信号のレベルに応じて変位さ
   せるバイモルフ振動子からなる駆動手段とを設
   け、前記受光素子の出力信号に基づいて形成した
   制御信号によつて前記駆動手段を介して前記少な
   くとも一方の遮光部材を変位させることを特徴と
   する内視鏡用自動調光装置。