JPH0472017A - 高加工性焼付硬化型溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

高加工性焼付硬化型溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法

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JPH0472017A
JPH0472017A JP18216790A JP18216790A JPH0472017A JP H0472017 A JPH0472017 A JP H0472017A JP 18216790 A JP18216790 A JP 18216790A JP 18216790 A JP18216790 A JP 18216790A JP H0472017 A JPH0472017 A JP H0472017A
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less
steel
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JP18216790A
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Kenji Kikuchi
健司 菊池
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、加工性と時効性とに優れ、かつ2.5〜3.
9kg/*m”という適度の焼付硬化性を有する溶融亜
鉛めっき鋼板あるいは合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造
方法に関するものである。
(従来の技術) 近年、めっき鋼板、特に合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、
耐食性、塗装性が良好なことから自動車用材料として急
速に需要が拡大しつつあり、それに伴って特に加工性に
ついてより一層の特性改善が求められている。
ところで、自動車用材料では複雑な形状にプレス成形で
きるような優れた加工性を有すると共に、省エネルギー
のための車体軽量化を考慮して、強度が高いqとが要求
される。
すなわち、優れた加工性を有するものとするためには降
伏点が低く、f値が高いことが必要であり、一方、高強
度であるためには、降伏点が高いことが必要である。
(発明が解決しようとする諜B) ところで、強度が高い材料では一般に伸びやt値が低く
加工性が悪くなる傾向がある。
そこでこれらの相反する要求特性を両立させる手法とし
て焼付硬化性鋼板と称されるものが開発されてきた(特
開昭62−112731号公報、特開昭6115763
9号公報、特開昭61−26757号公報、特開昭59
−31827号公報、特開昭57−70258号公報)
この焼付硬化性とは鋼板の歪時効を利用したもので、塗
料の焼付時の熱によって鋼板が時効硬化し、降伏点が上
昇する特性のことで、成形時には降伏点が低くて加工し
易く、成形後の焼付塗装によって降伏点が上昇して強度
が高くなるので、前述した相反する要求特性を同時に満
たすことが可能である。
しかし、焼付硬化性を付与する際には注意が必要である
。つまり、焼付硬化性を大きくすることは鋼板を時効し
昌くすることであり、常温での時効硬化性が劣化して常
温時効を引き起こすことになる。そのため製造してから
成形するまでの間に時効硬化して降伏点が上昇し加工性
が低下するとともに、降伏点伸び(YPE)が発生して
成形時にストレッチャーストレインと呼ばれる自動車用
の外板にとっては修復不可能な致命的なシワ状欠陥を生
じることになる。一般には焼付硬化量、つまり焼付後の
降伏点上昇が5 kg/ms”を越えると明確な常温時
効が生しるとされているが、本発明者の詳細な調査によ
れば、焼付硬化量が4 kg/mm”以上になると常温
時効性は無視できなくなると考えられる。
今までの焼付硬化性鋼板は冷延鋼板が主体であったので
、焼付硬化量を制御するには中低炭材を箱焼鈍してNを
AQNとして固定し、余分のCを析出させて固溶C量を
コントロールするのが常法であった。しかし、めっき鋼
板を製造する場合には、めっき処理の際の熱によって析
出したCが再固溶し、めっき後に過時効処理を行っても
固溶C量のコントロールが難しいといった欠点がある。
さらに最近では生産性の向上のために連続焼鈍が主流と
なりつつあり、中低炭材を使ったのでは固溶C量を十分
コントロールするのが困難であるといわれている。
そこで連続焼鈍用の焼付硬化性鋼板として極低C材を使
用するといった技術が開発されている。
これは製鋼時に、真空脱ガス処理によりC,Nなどを十
分に低下させて、Nは熱間圧延後の巻取り時にAQNと
して析出させ、またCは、鋼中Cをすべて固溶Cとする
かあるいはTi、 Nbといった炭窒化物を少量添加し
て一部のCをTicあるいはNbCとしで析出させると
いった方法によって固溶C量をコントロールするといっ
たものである。しかし、焼付硬化量を特定範囲(例えば
2.5〜3.9kg/++v+”)に適中させようとす
ると固溶C量をある程度狭い範囲内に納める必要がある
が、これらの方法では鋼中の固溶C量はC,N、 Ti
、 Nb、 Sなどの量によって変動するので、固溶C
量を十分にコントロールすることは困難で、また固溶C
量は鋳込み時にほとんど決定されてしまうために歩留り
が悪くなりコストも高くなる。唯一、Nbを一部のCを
NbCとして析出させた場合のみ、焼鈍温度によっては
NbCが再溶解することを利用して固溶C量を若干調整
することが可能であるが、これにはかなりの高温焼鈍が
必要であり、コストアンプは避けられないし炉の寿命も
縮む上、固溶C量の調整幅もわずかでそのメリットは小
さい。
本発明は、これらの問題点を解消し、加工性に優れた溶
融亜鉛めっき鋼板または合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製
造方法を提供することを目的としている。
(課題を解決するための手段) そこで、本発明者は前述された問題点を改善し加工性お
よび時効性に優れ、かつ適度の焼付硬化性を有する(合
金化)溶融亜鉛めっき鋼板を製造するために多くの実験
と試作を行った。
その結果、真空脱ガス処理によっである程度C量を低下
させた極低炭素鋼に、Nを完全に固定させかつ深絞り性
を向上させるべく少量のTiを添加した鋼板を、連続焼
鈍中に露点を調整して鋼板中の固溶Cを脱炭することに
よって固溶C量をかなり正確にコントロールでき、それ
によって適度の焼付硬化性を持たせ得ること、およびめ
っき時のぬれ性を良好にするためにSi、 Mnの添加
量を押さえ、かつ、加工性を考慮してMn、、Pの添加
範囲を限定することにより、目的とする特性を有する(
合金化)溶融亜鉛めっき鋼板を比較的安価で確実に製造
できることを知見し、本発明を完成させたものである。
本発明に近い従来技術としては、前述したような極低炭
素材に少量のTiやNbを添加するといったものがあり
、その最適添加範囲については多く公表されているが(
特開昭53−114717号公報、同57−70258
号公報、同57−79161号公報、同59−3182
7号公報、同61 26757号公報、同61−157
639号公報および同62−112731号公報)その
ほとんどについては固78Cは鋳込み時に決まってしま
い、鋳込み後の再調整については何も述べておらず、ま
たは、NbCの再溶解を利用しているだけであり、これ
らの従来技術では固溶Cのコントロールは難しく、歩留
りが悪くなると思われる。
また、極低炭素材を連続焼鈍によって脱炭するといった
技術については電磁鋼板を脱炭するといったものが多く
公表されているが、これらは脱炭して可能な限りCを抜
き粒成長性を上げて、電磁特性の向上を図るためのもの
で、Cは少なければ少ない程良く、Cを調整するといっ
た思想はないし、脱炭によって著しく粒が成長して強度
低下を起こすなど、本発明の連続焼鈍脱炭とは目的や程
度かまった(異なる。
すなわち、本発明は、鋳込み時の組成割合が、重量%に
て、 (1,: 0.0050%以下、  Si: 0.04
%以下、Mn: 0.10−0.60%、  P:0.
080%以下、ただし Mn(%i + 10 P m
≦1.20S:  0.002〜O,O1,O%、AQ
:  0.030−0.100%、N: 0.0030
%以下、 Ti: −N(ト)〜(移N〜十−3〜)、残部:Fe
および不可避的不純物 よりなる鋼片を、熱間圧延後50%以上の冷間圧延率に
て冷間圧延を行い、次いで、6点−30℃以上+15’
C以下の雰囲気下で再結晶温度以上900℃以下の温度
で40秒以上の脱炭焼鈍を行い、該脱炭焼鈍後のCを0
.0010%以上0.0030%未満とした上で、溶融
亜鉛めっきを施し、さらに伸率1.0%以上2.0%以
下の1!譬圧延を施すことを特徴とする、加工性および
時効性が良好で、かつ適度の焼付硬化性を有する溶融亜
鉛めっき鋼板の製造方法である。
ここで、本発明における「加工性良好」とは、本発明の
製造方法にて製造された溶融亜鉛めっき鋼板または合金
化溶融亜鉛めっき鋼板における時効前の機械的特性にお
いて、yp≦24kgf/Mm” 、好ましくはYP≦
22kgf/ms”、 E42≧37.5%(0,75
t)、好ましくLfEl≧40%(0,75t)、ト≧
1.55(0,75t)好ましくはf≧1.70(0,
75t) 、が−’)YPE=Oを満足していることで
あり、また、「時効性が良好」とは、100℃X60分
間の加速時効熱処理による時効後の機械的特性において
、YPの劣化化ΔYP≦+”kg/am”、かつYPE
 = O(降伏点伸び発生せず)を満足していることで
ある。
(作用) 本発明にあって上述のようにめっき鋼板の成分組成およ
び製造条件を限定する理由は次のとおりである。
C: Cは、極低炭素−丁1添加鋼では固溶CまたはTtCと
して存在するが、このうちの固溶Cが焼付硬化性を有す
るようにする作用や耐二次加工跪性を向上させる作用が
あり、そのためには固溶Cは最低0.0010%以上の
存在を必要とする。
一方、Cは過度に存在すると時効硬化性が劣化して時効
し易くなり、加工性が悪化すると共に、加工時にストレ
ッチャーストレインを生じ易くなるので0.0030%
未満であることが必要であるが、好ましくは0.002
0%以下である。
現在の真空脱ガス処理技術ではCを上述した範囲内に常
時適中させることは極めて困難であるが本発明では露点
と焼鈍温度をコントロールすることにより再結晶焼鈍時
に同時に脱炭処理を行うので、C量は鋳込み時には0.
0050%以下であればよい。しかし、鋳込み時のCが
高い程、短時間で十分な脱炭を行うのが困難となってい
くので、0.0040%以下であることが望ましい。
Si: Siは、高張力鋼板等においては強度を高めるために添
加する元素であるが、本発明のようなめっき綱板製造の
場合には、連続焼鈍中にSiが表面濃化を起こして、溶
融亜鉛との付着張力が著しく低下し、めっき付着性が悪
化して不めっきを起こし易くなる。
本発明のように、良好なめっき鋼板を製造するためには
Siは0.04%以下であることが必要である。
好ましくは、0.02%以下である。
Mn: Mnは、一般に溶鋼中に不純物元素として混入するSを
固定してその有害な作用を低減させるとともにSiと同
様に鋼板の強度を高めるために有効な元素である。通常
の極低C,Ti添加鋼ではかなりのSはTjと結合する
のでS固定のためのMn添加はあまり必要ないが、本発
明のようにTi添加量が少量の場合、ある程度の添加は
必要である。また強度の面からもSiの添加量が少ない
分はMnとPで強度を出す必要がある。しかしMnの添
加量が増加すると強度上昇とともに伸びが低下し、特に
f値の低下する傾向が大きいし、さらにSiと同様表面
濃化によるめっき性への悪影響も若干ある。
以上のような理由により−nは0.10〜0.60%と
する。
P: PもSi、 Mnと同様に鋼板の強度を高める作用が大
きい元素であり、しかも伸びやf値に対してはMnと比
較してそれを低下させる作用が小さい、しかし、その影
響力が少ないとはいえ、やはり伸び、Y′値を低下させ
る傾向はあり、特に0.1%以上のPを添加した場合に
は伸びの劣化が著しく、また粒界に偏析することで粒界
脆化を引き起こし、耐−次加工脆性が悪化する。しかも
、Pが多いと表面に部分的に濃化した部分で合金化処理
速度差を生じることによるスジ状の模様が発生し易くな
り、この傾向は鋳込み条件やスラブ加熱条件にもよるが
Pが0.08%を越えると起こり易くなる。以上のよう
な理由により、Pは0.080%以下とするが、好まし
くは0.070%以下である。
MnとPの複合添加: MnおよびPは強度を高める元素であり、添加量が多い
と強度上昇に伴って伸び、f値の低下が起こる。このた
め、Mn、 Pの双方の添加量が同時に多くなると本発
明のような加工性良好な綱板が得られなくなる。
従って、−船釣にはMn(ト)+l0P(ト)≦1.2
0とする。
ただし、強度35.5 kgf/m+*”以上を確保す
るためにはある程度以上の添加は必要である。この場合
、0.95<Mn+%J+10P m≦1.20とする
。したがって、通常はMn〜+IOP〜<0.95であ
れば十分である。
E2、P値を好ましい範囲に保つことを重視する場合に
はむしろ、この範囲に納めることが必要である。
S: Sは、鋼中に不可避的不純物として含有され、鋼板の延
性やt値を低下させるし、熱間加工時の脆化の原因にも
なる。また通常の極低炭素−Ti添加鋼では熱間圧延前
の例えばスラブ加熱中にTiと結合するので合金コスト
を上昇させるとともにTiSによる粗大析出物に起因す
るヘゲ欠陥の原因となる0本発明では、TiはSを全部
固定する程多量には添加しないので合金コストは上昇し
ないが、Siが多くなると必要Mn量が増加するので0
.01%以下であることが必要である。しかし、Siが
極端に少なくなるとTiをN/14≦Ti/48≦N/
14+S/32の範囲に添加することが難しくなってく
るので下限を0.002%とする。これによりSはTi
がNを固定はするがCまでは固定しないようなりッショ
ンのような役目を果たす。
AQ: AQは、鋼の脱酸のために添加され、Tiが酸化されて
失われ添加歩留を低下させたりあるいは延性を悪化さす
る鋼中非金属介在物(酸化物)が生成するのを抑制する
働きがあり、また、常温時効を起こす原因となり、延性
にも悪影響を及ぼすNをAQNとして固定する作用もあ
る元素である。
しかし、本発明のような極低炭素−Ti添加鋼の場合に
は、N量を下げているし、Nの大部分はTiで固定され
るので、Nの固定のためには特に添加をする必要はない
。しかも、添加量が多くなると合金コストが上昇すると
ともに、AQzOsなどの介在物が増加し、延性の劣化
やヘゲ、フクレと呼ばれる表面欠陥の原因となる。
このような理由により、本発明ではAQは0.03〜0
.10%とする。
Nは、Sと同様に鋼中に不可避的不純物として含有され
、固溶していれば鋼板の延性やt値を低下させるととも
に、常温時効を起こしてストレッチャーストレインが住
しる原因になる元素である。
また、本発明のような極低炭素−Ti添加鋼の場合には
、Sと同様に、かつ、Sよりも優先的に熱間圧延前に大
部分がTiNとして固定されるので、その含有量が多く
なるとそれを固定するにa・要なTi量が増加して合金
コストの上昇を招くとともに、析出したTiNが全伸び
やF値に悪影響を与え、析出物が粗大な場合にはヘゲ欠
陥の原因となることもある。
このような理由により、Nは0.0030%以下とする
が、好ましくは0.0020%以下である。
Ti: Tiは通常の極低炭素−Ti添加鋼においては延性、f
(!!、時効性などに悪影響を及ぼす鋼中の固溶N、S
、Cを析出物として固定することによって除去するとと
もに、成形性を向上させることを目的としで添加する。
しかし、固?8Cをすべて固定してしまうと、焼付硬化
性は消失してしまうことになるので、Cがすべて固定さ
れてしまう程多量にTiを添加してはいけない。さいわ
いTiはA(!= Nb、 Mnなどに先立って熱間圧
延前にNやSを固定し、しかる後にCを固定するので、
Cと結合する前に優先的にN、Sと結合してTiN、T
iSとして消費される。このためTi/48≦N/14
 + S/32であれば、Cと結合するTiはほとんど
ない。つまり、全C量が多ければ一部のCがTiと結合
してもかまわないが、そうすると固溶Cのコントロール
が難しくなって、安定製造性が低下する。
一方、わずかでもNが固定されていないと、これらのN
が前述したように特性に対して悪影響を与えるのでN/
14≦Ti/48であることが必要である。
以上のような理由により、Ti添加量はN/14≦Ti
/48≦N/14 + S/32を満足する範囲とする
その他、付随不純物としては、Cu、 Cr、0等は不
純物量である限り特に制限されないが、E!、?値を確
保するためには、好ましくはCu:0.1%未満、Cr
:0.1%未満、o:o、oos%未満に制限する。
次に、本発明によれば熱間圧延後圧下率50%以上の冷
間圧延を行うが、冷間圧延率、つまり圧下率50%未満
では再結晶焼鈍後に好ましい集合組織が得られにくく、
高いY値を得ることが難しくなる。
引き続いて行われる脱炭焼鈍、通常は連続脱炭焼鈍およ
びスキンパスは次のような条件で行う。
本発明においては、この再結晶焼鈍時に雰囲気ガス中に
水蒸気を吹き込むことにより露点を上昇させて同時に脱
炭を行う。このときの脱炭雰囲気はAXガス (アンモ
ニア分解ガス)十N2の混合ガスに水蒸気を吹き込んだ
ものである。
なお、通常の連続焼鈍によるめっき鋼板製造プロセスに
おいては冷間圧延を行った後の再結晶焼鈍は還元性雰囲
気(n点は一50″C以下)で行うのが普通である。
鋳込み組成が本発明の成分範囲に成分を調整され、上述
のようにして冷間圧延された鋼板はこの連続焼鈍脱炭中
に再結晶化すると同時に、鋼中にあるCのうちの固溶C
のみが脱炭されて81(量が低下し時効性が改善される
が、この脱炭量は鋼中の固溶C量が多い程多くなり、逆
にその量が少ない場合は少なくなるので、鋼中の固溶C
量をある特定の範囲内に収束させることは容易である。
また、この脱炭は焼鈍温度が高い程、あるいは露点の高
い程促進されるので、焼鈍前の冷延鋼板のC値に応じた
条件を設定すれば、最終製品である焼鈍材の鋼中固溶C
量を特定の範囲内に収束させることはさらに容易となる
なお、焼鈍温度を高くすれば脱炭と同時に粒成長が進ん
で強度の低下が起こるが、露点調整のみによる脱炭では
結晶粒径はあまり変化せず強度や伸びなどの機械的特性
もほとんど変わらずに焼付硬化量のみが低下する。
そこで本発明における脱炭焼鈍条件であるが、まず、露
点が一30°C未満では脱炭力が乏しくC量が高い場合
に十分な脱炭をすることが困難であり、また露点が+1
5°Cを越えると鋼板表面の酸化が激しくなって、めっ
き密着性が悪化しパウダリング性不良を生じ易くなる。
このような理由により、露点は一30℃以上+15°C
以下とするが、好ましくは一20°C〜−1O°Cであ
る。
次に、焼鈍温度と時間であるが、焼鈍温度は通常の冷延
鋼板の製造の際と同様に再結晶温度以上であれば良い。
ただし、この際の焼鈍温度が高過ぎると結晶粒の著しい
粗大化が起こるので上限を900°Cとする。好ましく
は750〜850°Cである。
焼鈍時間については、再結晶後の適度な粒成長が起こり
、かつ、ある程度の脱炭が進むためには最低40秒程度
は必要であり、好ましくは60秒以上である方が良い。
なお、これらの脱炭焼鈍条件は、できれば焼鈍前のコイ
ルのC値に応じた条件を設定した方が良いことは言うま
でもない。
このように本発明によれば固溶Cの制御はこの脱炭焼鈍
処理を通じて非常に精度良く行うことができそれによる
焼付硬化量も正確にコントロールできるようになる。
そして、その後の溶融亜鉛めっき処理や合金化処理方法
は慣用法で行えばよく、特に制限されない 最後に、スキンパス伸率条件であるが、本発明によれば
、綱板には焼鈍めっき後ではYPEが若干残っており、
その量はB)l量が高い程大きい傾向がある。このため
BH量が高い程、YPEを消滅させるには大きな伸び率
が必要となるわけであるが、完全に消滅させようとする
と最低でも1.0%以上は必要である。しかしスキンパ
スでの伸び率をあまり高くするとYPの上昇や、El、
r値の低下を招くので上限を2.0%とする。
このようにして本発明により製造された溶融亜鉛めっき
鋼板について得られる機械的特性について云えば、合金
化溶融亜鉛めっき鋼板の伸び(El)は、合金化処理さ
れているめっき皮膜が硬質であるためにその影響を受け
て、強度が同レベルの冷延鋼板と比較して2〜3%程度
低くなる傾向があり、同様の理由によりr値も0.2〜
0.3程度低くなる。
次に、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが
、本発明はこれにより限定されるものではない。
実施例1 転炉で溶製し、真空脱ガス処理を施した第1表に組成成
分を示す2種類の溶鋼を常法に従って連続鋳造を行った
後、温度1200°Cに加熱して熱間圧延し、約600
°Cで巻取り、酸洗後、圧下率75%の冷間圧延を施し
て0.75m−の冷延鋼板を製造した。
次に、これらの冷延鋼板を種々の露点のN2+水蒸気雰
囲気下にて温度を変えて約60秒の脱炭焼鈍を施した後
、機械的特性とCの分析調査を行った。
なお、本例の試験ではできるだけ特性に誤差のはいる要
因を少なくするために、めっきは付着させず、また引張
試験はスキンパスを施こさずに実施した。ただし、BH
性試験については、約1,5%の調質圧延を行い、陵伏
点伸びを完全に消してから実施した。この際YPも測定
した。これらの調査結果を同じく第1表にまとめて示す
第1表から明らかなように焼鈍中に露点を上昇させて脱
炭を行うと鋼中Cが減少してBH量が低下する。この脱
炭量は鋼中Cが多い程多くまた温度が高い程、露点が高
い程多くなる。
なお、脱炭焼鈍温度を上げるとTSの低下も同時に起こ
るが、これは粒成長によるものと思われる。
また露点上昇のみによる脱炭では結晶粒径はあまり変化
せずTSやEi!、もほとんど変わらずにB)I量のみ
が低下する。
実施例2 各鋼組成を第2表に示す供試鋼を転炉で溶製し、真空脱
ガス処理を施してから、常法に従って連続鋳造を行った
後、温度1200℃に加熱して熱間圧延し、約690°
Cで巻取り、酸洗後、圧下率75%の冷間圧延を施して
0.75mmの冷延鋼板を製造した。
次に、これらの冷延鋼板に対し第3表に示す条件下で8
00°C前後×約60秒程の連続焼鈍を露点を60〜+
20°Cの間に調整したAXガスとN2ガスに水蒸気を
吹き込んだ雰囲気下にて施した後、約460°Cまで冷
却して溶融亜鉛めっきを行い、次に合金化炉にて500
〜600’CXl0秒の合金化処理し、次いで伸び率1
.0〜2.0%のスキンバスを施して、合金化溶融亜鉛
めっき鋼板を製造した。
これらの鋼板の成分組成および調査した機械的特性を再
結晶焼鈍条件およびスキンバス条件とともに第3表にま
とめて示す。なお、成分あるいは製造条件が本発明のそ
れらとは、はずれた材月を比較材として示す。
第3表に示す結果より明らかなように、本発明によるめ
っき鋼板は比較用めっき鋼板に比べて、加工性が優れ、
時効硬化を起こし難い上に、2.5〜3.9kg/ms
”の焼付硬化性を存するので自動車用材料、特ムこ外装
材に対しては非常に適している。
(発明の効果) 本発明は以上説明したように構成されているから、成形
性にすぐれ成形後の焼付硬化によって強度が向上する溶
融亜鉛めっき鋼板を製造することができ、産業上きわめ
て有用である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)鋳込み時の組成割合が、重量%にて、C:0.0
    050%以下、Si:0.04%以下、Mn:0.10
    〜0.60%、P:0.080%以下、ただしMn(%
    )+10P(%)≦1.20S:0.002〜0.01
    0%、Al:0.030〜0.100%、N:0.00
    30%以下、 Ti:48/14N(%)〜{48/14N(%)+4
    8/32S(%)}、残部:Feおよび不可避的不純物 よりなる鋼片を、熱間圧延後50%以上の冷間圧延率に
    て冷間圧延を行い、次いで、露点−30℃以上+15℃
    以下の雰囲気下で再結晶温度以上900℃以下の温度で
    40秒以上の脱炭焼鈍を行い、該脱炭焼鈍後のCを0.
    0010%以上0.0030%未満とした上で、溶融亜
    鉛めっきを施し、さらに伸率1.0%以上2.0%以下
    の調質圧延を施すことを特徴とする、加工性および時効
    性が良好で、かつ適度の焼付硬化性を有する溶融亜鉛め
    っき鋼板の製造方法。
  2. (2)Mn(%)+10P(%)≦0.95である請求
    項1記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  3. (3)0.95<Mn(%)+10P(%)≦1.20
    であり、引張強度が35.5Kgf/mm^2以上であ
    る請求項1記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
JP18216790A 1990-07-10 1990-07-10 高加工性焼付硬化型溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 Pending JPH0472017A (ja)

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