JPH0470379B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えば金属溶湯を固液共存状態で攪
拌してセラミツク等の粒子を分散させることによ
り粒子分散型複合合金を製造する為の合金製造装
置に関するものである。

〔従来技術とその問題点〕

金属溶湯を固液共存状態で攪拌してセラミツク
等の粒子を分散させることにより粒子分散型複合
合金を製造する装置は、第２図のように構成され
ている。

同図中、１はるつぼ、２は溶解保持用電気炉、
３はるつぼ１を支持する支持台、４は支持台３回
転用の軸、５は軸４回転用のモータ、６ａ，６ｂ
はるつぼ１内の金属溶湯を攪拌する為の耐熱性の
パドル、７ａ，７ｂはパドル６ａ，６ｂの軸、８
はパドル６ａの回転軸７ａ駆動用のモータ、９
ａ，９ｂは軸７ａ，７ｂに取り付けられたギヤで
あつて、モータ８の駆動により軸７ａが回転する
とギヤ９ａ，９ｂの噛合関係により軸７ｂも回転
してパドル６ａ，６ｂは同時に回転し、又、モー
タ５の駆動によりるつぼ１が回転するように構成
されたものである。

尚、パドル６ａ，６ｂ等の部分の機構は、図示
していないが所定の昇降機構によつて昇降可能に
なつている。

このような装置によつて粒子分散型複合材を製
造するには、パドル６ａ，６ｂ上昇状態でまずる
つぼ１内に所定成分の合金材料を投入し、そして
溶解保持用電気炉２のスイツチをオンにして前記
合金材料を溶融させ、この溶融後にパドル６ａ，
６ｂを溶融した金属溶湯内に入れ、そしてモータ
８のスイツチをオンにしてパドル６ａ，６ｂを回
転させると共に、モータ５のスイツチをオンにし
て支持台３、つまりるつぼ１を回転させ、るつぼ
１内全体の攪拌を行ない、このような状態で温度
を降下させて金属溶湯を固液共存状態とした後、
所定の固相率で温度を保持したまま分散粒子をる
つぼ１上部から投入し、固液共存状態の金属溶湯
中に均一に分散させて行なうのである。

ところが、るつぼ１内の金属溶湯の均一攪拌を
行なう為に、又、るつぼ１内壁とパドル６ａ，６
ｂとの間で固液共存状態における合金に対して効
果的な剪断攪拌を行なう為に、るつぼ１を回転さ
せている上記装置では、このるつぼ１回転の為に
装置が大型化し、又、溶湯量が多くなると安全性
の面からるつぼ１を回転させることは極めて困難
であり、特にるつぼ１を比較的速く回転させるこ
とは事実上不可能であり、さらにはモータ５駆動
の為のエネルギーも大きく要り、ランニングコス
トも高くつく等の欠点がある。

尚、安全性等の面からるつぼ１の回転速度が遅
すぎると、金属溶湯の攪拌が効果的に行なえず、
従つて優れた粒子分散型複合合金を得ることが出
来ないものとなる。

又、溶湯の入つたるつぼ１とモータ５とが直結
していることより、モータ５に対する冷却装置も
必要である等の欠点もある。

又、るつぼ１を回転させる為の支持台３や軸４
が存在することにより、金属の溶解保持炉には炎
の出るガス炉や重油炉は使用できず、電気炉しか
用いられないものでもある。

〔問題点を解決する為の手段〕

本発明は前記の問題点に鑑みて成されたもので
あり、容器と、この容器内に介在せしめられた第
１のパドルと、この第１のパドルが取り付けられ
た第１の回転軸と、この第１の回転軸に取り付け
られた第１のギアと、前記第１の回転軸を回転さ
せる第１の駆動手段と、前記容器内に介在せしめ
られた第２のパドルと、この第２のパドルが取り
付けられた第２の回転軸と、この第２の回転軸に
取り付けられ、かつ、前記第１のギアと噛合する
第２のギアと、回転中心から離れた位置に前記第
２の回転軸が回転自在に配設され、かつ、回転中
心から離れた位置に前記第１の駆動手段が配設さ
れた回転体と、この回転体を回転させる第２の駆
動手段とを具備することを特徴とする合金製造装
置を提供するものである。

〔実施例１〕 第１図は、本発明に係る合金製造装置の一実施
例の概略説明図である。

同図中、２１はるつぼ、２２は溶解保持用の例
えば電気炉、ガス炉あるいは重油炉といつた炉、
２３はるつぼ２１の台、２４ａ，２４ｂは耐熱性
のパドル、２５ａ，２５ｂはパドル２４ａ，２４
ｂの回転軸、２６ａ，２６ｂはギヤ、２７はモー
タであり、これらの部分の構成は第２図に示した
装置においてのるつぼ１回転機構を除去した部分
と略同様に構成されている。

２８はモータ２７及び回転軸２５ｂの配設され
た回転板であり、この回転板２８は回転軸２５
ａ，２５ｂとは異なる位置を中心としてモータ２
９で回転せしめられるよう構成されている。

尚、図示はしていないが、パドル２４ａ，２４
ｂ等の部分は昇降可能なように構成されている。

上記のような装置によつて粒子分散型複合材を
製造するには、パドル２４ａ，２４ｂ上昇状態で
まずるつぼ２１内に所定の成分の合金材料を投入
し、そして炉２２によつて前記合金材料を溶融
し、この溶融後にパドル２４ａ，２４ｂを溶融し
た金属溶湯内に入れ、そしてモータ２７，２９の
スイツチをオンにして回転駆動せしめると、複数
のパドル２４ａ，２４ｂはそれぞれの回転軸２５
ａ，２５ｂを軸芯としてモータ２７の力で回転
（自転）すると共に、モータ２９の軸芯を中心と
してモータ２９の力で回転（公転）するようにな
る。つまり、パドル２４ａ，２４ｂは自転と公転
といつたような二種類の回転モードを同時に行な
うようになつている。そして、このような攪拌状
態で温度を降下させて金属溶湯を固液共存状態と
した後、所定の固相率で温度を保持したまま分散
粒子をるつぼ２１上部から投入し、固液共存状態
の金属溶湯中に均一に分散させて行なうのであ
る。

従つて、このような装置によれば、金属溶湯の
均一攪拌を行なうのにるつぼ２１自体を回転させ
ることは不要であり、よつてるつぼ回転機構がな
いことより装置の小型化が出来、又、均一攪拌の
為のエネルギーも少なくてすみ、ランニングコス
トの低廉なものであり、ひいては粒子分散型複合
金製造コストが低廉なものとなる。

又、るつぼ２１を回転させなくてもよいので、
安全性に富むものであり、又、装置の大型化に対
しても充分に対応できるものである。

特に、上記装置は、自転速度と公転速度を自由
に調整でき、つまり均一攪拌、剪断攪拌に最適な
攪拌が出来るようにすることが極めて簡単であ
り、効果的な攪拌を実施でき、従つて優れた特性
の粒子分散型複合合金が得られるようになる。

〔効果〕

金属溶湯の攪拌具合が良いものであるから、優
れた特性の粒子分散型複合合金を得ることが出来
る。

又、粒子分散型複合合金の製造コストも低廉な
ものとなり、又、製造に際しての安全性にも富
む。

又、例えば電気炉、ガス炉、重油炉等が使え、
装置設計の自由度の高いものであり、かつ装置の
大型化にも対応出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る合金製造装置の実施例の
説明図、第２図は従来の合金製造装置の説明図で
ある。 ２１……るつぼ、２２……炉、２４ａ，２４ｂ
……パドル、２５ａ，２５ｂ……回転軸、２６
ａ，２６ｂ……ギヤ、２７，２９……モータ、２
８……回転板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 容器と、この容器内に介在せしめられた第１
   のパドルと、この第１のパドルが取り付けられた
   第１の回転軸と、この第１の回転軸に取り付けら
   れた第１のギアと、前記第１の回転軸を回転させ
   る第１の駆動手段と、前記容器内に介在せしめら
   れた第２のパドルと、この第２のパドルが取り付
   けられた第２の回転軸と、この第２の回転軸に取
   り付けられ、かつ、前記第１のギアと噛合する第
   ２のギアと、回転中心から離れた位置に前記第２
   の回転軸が回転自在に配設され、かつ、回転中心
   から離れた位置に前記第１の駆動手段が配設され
   た回転体と、この回転体を回転させる第２の駆動
   手段とを具備することを特徴とする合金製造装
   置。