JPH0469491A - 配管のき裂進展抑止方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） この発明は、原子カプラントや化学プラントなどに用い
られる配管のき裂進展抑止方法に関する。

（従来の技術） 原子カプラントや化学プラントなどの配管に主として使
用されているオーステナイト系ステンレス鋼は、その素
地がオーステナイト組織であるため、靭性に富み、き裂
などを起点とする急速不安定な破壊を起こし難い材質で
あり、応力腐食割れなどのき裂が生じても、配管破断が
起こす前に漏えいが先行する傾向がある。しかしながら
、プラントの信頼性を高めその稼働率向上のために、従
来雑種の配管き裂進展抑止方法が開発されている。これ
らの配管き裂進展抑止方法のうち、代表的なものとして
従来広〈実施されてきた方法に、高周波加熱残留応力改
善法がある。この方法は、配管の突合せ溶接継手所在部
のような箇所で内外に貫通しない小さなき裂が配管の内
部に存在する恐れがある配管の外周を、高周波誘導コイ
ルを用いて配管の使用温度を超える所望温度まで加熱し
、同時に管内を通水冷却して、配管の内外周間に大きな
温度差を生ぜしぬ、この温度差に基づく熱応力によって
、前記き裂が存在する恐れがある箇所における残留応力
を圧縮側に変え、それによりき裂の進展を抑止するもの
である。

（発明が解決しようとする課題） 前記従来の高周波加熱残留応力改善法による配管き裂進
展抑止方法は、加熱源としての高周波誘導加熱装置と水
冷装置とを要するため、装置が大掛りとなる欠点があっ
た。

この発明は、従来の配管き裂進展抑止方法の前記問題点
を解決するためになされたもので、内外に貫通しない微
小なき裂が内部にある配管の使用によるき裂の進展を抑
止する簡単な方法を提供することを目的とする。

〔発明の構成〕

（課題を解決するための手段） この発明の方法は、内外に貫通しない微小のき裂がある
配管のき裂存在箇所を中間に挟み配管の外周軸線方向に
所定の間隔を置いた２箇所に形状記憶合金製の固着部材
を取り付け、この固着部材間を形状記憶合金のボルトで
結合したものを所定の温度まで加熱することにより、形
状記憶合金を変態させ、それにより発生する締付力を利
用し固着部材間の配管の圧縮応力を発生させることによ
り前記の目的を達成させるものである。

（実施例） この発明の一実施例を第１図ないし第４図について説明
する。

配管工は、溶接部２において突合わせ溶接されている。

溶接部２には、その内周部りに外側に貫通しない微小の
き裂３がある。配管１の溶接部２から軸線方向はぼ等距
離にして遠くない位置の外周には、軸線に直角に、それ
ぞれ、１条の断面がほぼ半円形の止め軸溝４が、軸線方
向に近付けて凹設されている。２条の止め軸溝４それぞ
れには、断面が円形のＣ形同心の止め輸５の内周部がは
め込まれる。２個が１対をなす形状記憶合金製の固着部
材６，７は、それぞれ、その中心軸線を含む平面で２等
分割されていて、その分割面で組み合わされたとき、外
周が内周と同一軸線上の短円筒形になるように形成され
ている。固着部材６の内周は、それが配管１の外周にと
まりばめできる程度の直円筒にして、その内周には、１
個の止め輸５それぞれのほぼ外側半分がはまり込む、１
条の止め輪溝１１が凹設されている。

円筒６，７には、その環状内部に、中心軸線に平行に、
円周方向等ピッチに、それぞれ８個の通しねじ穴１０が
設けられ、ねじ穴１０、形状記憶合金製ボルト９のねじ
部、棒状部がはめ込まれる。

２個が対をなす固着部材７の外側に出たボルトねじ部に
ナツト８が取付けられ対をなす固着部材６．７をがたの
ない程度に締め付ける。

この後、固着部材６，７、ボルト９を加熱する。

形状記憶合金としては、原子％としてＴ１５０％、Ｎｉ
　５０％のもの、Ｔｉ　５０％、　Ｎｉ　２０％、Ｃｕ
　３０％のもの、Ａｕ　５２．５％、Ｃｄ　４７．５％
のもの等の熱弾性型マルテンサイト変態を行う合金を使
用する。これ等の熱弾性型マルテンサイト変態を行う合
金は、母相からの冷却によりマルテンサイト相となり、
マルテンサイト相からの加熱により母相に戻る性質があ
る。而して、母相状態で合金に任意の形状を記憶させた
後、母相を冷却してマルテンサイト相とし、このマルテ
ンサイト相において合金の形状を変化させるようにする
のが形状記憶合金の使用態様であり、加熱して母相状態
に戻せば形状記憶合金は記憶させたもとの形状に回復す
る。この形状回復に際して発生する応力は、マルテンサ
イト相の合金を変形させるのに十分な大きさを示す。

固着部材６，７の内径は、加熱した母相の状態で配管１
に対する所定の締め付はカ（変形力）かえられるように
記憶設定しておく。次いで、固着部材６，７を冷却して
マルテンサイト変態を行わせ、マルテンサイト相状態で
その内径を配管１が挿入し得るように、配管１外径とほ
ぼ同じ大きさに変形させ記憶させる。

上記のように構成した形状記憶合金による固着材により
固定着部材６，７が加熱され、合金が母相状態に戻ると
固着部材６，７の内径は母相部材で記憶させた大きさに
回復し、固定具１は配管２を締め付けることとなる。ま
たボルト９は対となっている固着材６，７を締め付ける
こととなる。

また、固着部材６，７を配管１がら離脱させるには、配
管工内の高温の流体の流通を停止させるか、又は直接固
着部材６，７及びボルト９を冷却させ、マルテンサイト
変態を生じさせる。この状態では、固定具１の内径は装
着前のマルテンサイト状態で記憶させた配管外径より大
きくなるので、分割片を軸方向にずらせて分離し配管２
から離脱させることができる。

上記のように本発明の方法は一体構成ではなく、容易に
分解、組立のできる分割構成であるから配管の補修、交
換時に配管を切断する必要はない。

〔発明の効果〕

この発明の方法は、内外に貫通しない微小のき裂がある
配管のき裂存在箇所を中間に挟んで配管の外周に固着部
材を取り付け、配管の固着部材及び固着部材間を連結す
るボルトを所定の温度まで加熱することにより、対をな
す固着部材間の配管に圧縮応力を発生させることができ
る。

従って配管のき裂進展を容易に抑止できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図はこの発明の一実施例を示す図にして、
第１図は縦断面図、第２図は側面図、第３図は固着部材
６及び７の組合せ方を示す図である。 １・・・配管、　　　　　　　３・・き裂、６．７・・
固着部材、　　　　８・・・ナツト、９・・ボルト 代理人　弁理士　則　近　憲　佑

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 内外に貫通しない微小のき裂がある配管のき裂存在箇所
   を中間に挟み、配管の外周軸線方向に所定の間隔を置い
   た２箇所に形状記憶合金による固着部材を取付け、さら
   にこれらの固着部材間を形状記憶合金のボルトで結合し
   たものを配管の使用温度まで加熱することにより、固着
   部材間に圧縮応力を作用させることを特徴とする配管の
   き裂進展抑止方法。