JPH0454394Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、特にガスや水の配管に使用されるフ
レキシブル管（以下、フレキ管と言う。）の管継
手の改良に関するものである。

（従来の技術） 従来のこの種管継手として、特開昭60−第
73193号公報に示すものが存する。

該従来の管継手は、第４図に示す如く、継手本
体１と袋ナツト２とリテーナ３とガスケツト４を
備え、継手本体１に袋ナツト２の雌螺子部６と螺
合する雄螺子部５を形成すると共に、リテーナ３
の内周面にフレキ管９の外周波形形状に係合する
波形形状７を形成し、且つ該リテーナ３の後端側
に厚肉のフランジ部８を一体に形成する構成とな
つている。

そして、実際にフレキ管９を接続する場合に
は、フレキ管９の端部に袋ナツト２を外嵌すると
同時に、リテーナ３の内周波形形状７とフレキ管
９の外周波形形状の係合を得て、該リテーナ３を
同様にフレキ管９に外嵌した後、フレキ管９の端
面と継手本体１の管受壁部１ａに上記ガスケツト
４を介在させて、継手本体１の雄螺子部５と袋ナ
ツト２の雌螺子部６を螺合させながら、袋ナツト
２を所定方向に回動すると、該袋ナツト２は自身
の基部２ａでリテーナ３の後端フランジ部８を押
圧しながら、継手本体１に順次締め付けられてい
く。

すると、この袋ナツト２の回動に伴い、フレキ
管９もリテーナ３を介して同方向に押圧されて、
端部９ａを図示する如く圧縮して、ガスケツト４
に密着させるので、これによりフレキ管９が継手
本体１に接続されることとなる。

（考案が解決しようとする問題点） 然し乍ら、従来の管継手にあつては、継手本体
１側に雄螺子部５を形成し、該雄螺子部５の内側
にリテーナ３を挿通して、袋ナツト２の基部２ａ
で、該リテーナ３の後端フランジ部８を押圧する
構成となつているので、袋ナツト２を回動してフ
レキ管９を継手本体１に接続しようとすると、袋
ナツト２の回動に伴い後端フランジ部８が袋ナツ
ト２の基部２ａに強く押圧されて、該フランジ部
８から続くリテーナ３の薄肉部に変形等の歪みを
発生して、特にリテーナ３の内周とフレキ管９の
外周との接面、及びリテーナ３の後端フランジ部
８と袋ナツト２の基部２ａの接面間で、徒に摩擦
抵抗が増大するので、袋ナツト２の回動により、
フレキ管９がリテーナ３を伴つて共回りしてしま
い、シール性が低下する問題点を有していた。

更に、上記した従来の管継手にあつては、リテ
ーナ３及びガスケツト４を電気的絶縁材料で成形
していないので、鉄道等の重直流電気装置の接地
により発生する迷走電流や、地中埋設配管の電池
作用により発生する電流等により、管継手自体が
電気的腐食を起こして、配管寿命を著しく損なう
という大きな問題点をも有していた。

また、特開昭60−129583号公報には、スリーブ
とパツキンを電気的絶縁部材で形成した事項が開
示されているが、上記した共回りの防止構造につ
いては解消されていない。

（問題点を解決するための手段） 而して、本考案は斯る従来管継手の問題点を有
効に解決するために開発されたもので、少なくと
も継手主体とブツシユとリテーナとガスケツトを
備えて、継手主体にフレキシブル管を接続する構
造の管継手において、上記継手主体に雌螺子部を
形成し、ブツシユに該雌螺子部と螺合する雄螺子
部を形成すると共に、内周に波形形状を有するリ
テーナの継手主体側端部にブツシユの雄螺子部先
端面で押圧されるフレンジ部を形成し、更に、ブ
ツシユの雄螺子部の内周面とリテーナの外周面を
離間させ、且つ該リテーナとガスケツトを電気的
絶縁材料で成形する構成を採用した。

（作用） 依つて、本考案にあつては、継手主体側に雌螺
子部を形成し、ブツシユ側に雄螺子部を形成する
一方、リテーナの継手主体側端部にフランジ部を
形成して、該フランジ部をブツシユの雄螺子部先
端面で押圧する構成となつているので、継手主体
とブツシユの締付時には、リテーナのフランジ部
は、ブツシユの雄螺子部先端面で押圧されると共
に、該フランジ部から続くリテーナの薄肉部は、
雄螺子部の内壁面に直接接触していないので、リ
テーナが従来の如き変形等による歪みを発生させ
ることがなくなる。

又、本考案にあつては、上記リテーナとガスケ
ツトを電気的絶縁材料で成形しているので、従来
の如く、迷送走電流や埋設配管の電池作用等に起
因する電気的腐食を有効に防止することが可能と
なる。

（実施例） 以下、本考案を図示する実施例に基づいて詳述
する。

第１実施例に係る管継手も、第１図に示す如
く、継手主体１１とブツシユ１２とリテーナ１３
とガスケツト１４を備えるものであるが、特徴と
するところは、以下の構成に存する。

即ち、本実施例にあつては、従来と異なり、継
手主体１１側に雌螺子部１６を形成し、ブツシユ
１２側に該雌螺子部１６と螺合する雄螺子部１５
を形成して、両者１１，１２の締付時には、ブツ
シユ１２の雄螺子部１５が継手主体１１の内側に
螺合する構成となしたものである。

又、リテーナ１３は、内周面にフレキ管１９の
外周波形形状に係合する波形形状１７を形成する
点については従来と同様であるが、本実施例にあ
つては、長手方向に２分割した割型式に構成する
と共に、厚肉フランジ部１８をリテーナ１３の先
端部、即ち継手主体１１側端部に形成して、ブツ
シユ１２の回動時には、該フランジ部１８をブツ
シユ１２の雄螺子部１５先端面で押圧するように
構成したものである。

そして、本実施例にあつては、斯る構成に加え
て、上記割型式のリテーナ１３とガスケツト１４
を、合成樹脂やセラミツクス等の電気的絶縁材料
で形成したことを特徴とするものである。

依つて、第１実施例の管継手を用いて、フレキ
管１９を継手主体１１に接続する場合には、まず
フレキ管１９の端部にブツシユ１２を外嵌すると
同時に、絶縁材料製リテーナ１３の波形形状１７
とフレキ管１９の外周波形形状の係合を得て、該
割型式リテーナ１３を同時にフレキ管１９に外嵌
した後、フレキ管１９の端面と継手主体１１の管
受壁部１１ａに、絶縁材料製ガスケツト１４を介
在させて、継手主体１１の雌螺子部１６とブツシ
ユ１２の雄螺子部１５を螺合させながら、ブツシ
ユ１２を所定方向に回動すると、該ブツシユ１２
は雄螺子部１５先端面でリテーナ１３の先端フラ
ンジ部１８を押圧しながら、継手主体１１に順次
締め付けられていく。

すると、このブツシユ１２の回動に伴い、第２
図に示す如く、フレキ管１９もリテーナ１３を介
して同方向に押圧されて、端部１９ａを図示する
如く圧縮して、ガスケツト１４を密着させるの
で、これによりフレキ管１９が継手主体１１に簡
単に接続されることとなる。

然し、本実施例にあつては、従来と異なり、継
手主体１１側に雌螺子部１６を形成し、ブツシユ
１２側に雄螺子部１５を形成する一方、リテーナ
１３の先端部に厚肉フランジ部１８を形成して、
該フランジ部１８をブツシユ１２の雄螺子部１５
先端面で押圧する構成となつているので、継手主
体１１とブツシユ１２の締付時には、リテーナ１
３の先端フランジ部１８は、ブツシユ１２の雄螺
子部１５先端で押圧されると共に、該フランジ部
１８から続くリテーナ１３の薄肉部は、雄螺子部
１５の内壁面に直接接触していないので従来の如
く変形等により歪む恐れがほとんどない。

従つて、例えリテーナ１３の内周とフレキ管１
９の外周との接面、リテーナ１３の外周と雄螺子
部１５の内壁との接面、及びフランジ部１８と雄
螺子部１５の接面間に、摩擦抵抗が発生したとし
ても、これらの摩擦抵抗の総和は、継手主体１１
とガスケツト１４の接面及びガスケツト１４とフ
レキ管１９の接面間に発生する摩擦抵抗よりも必
然的に小さくなるので、ブツシユ１２の回動によ
りフレキ管１９が共回りすることが完全に阻止さ
れることとなる。

しかも、本実施例にあつては、リテーナ１３と
ガスケツト１４を電気的絶縁材料で成形している
ので、迷走電流や埋設配管の電池作用等に起因す
る電気的腐食を確実に防止することが可能となつ
て、管継手の長寿命化を保障できることとなる。

また、第５図は上記第１実施例に係るリテーナ
１３の他例を示す斜視図で、リテーナ１３は、同
図に示すように、両リテーナ片をヒンジ１３ａを
設けて一体に連結するように構成しても良い。

次に、第２実施例に係る管継手を説明すると、
該実施例は上記第１実施例の構成を全て前提とす
るものであるが、異なるところは、第３図に示す
如く、絶縁材料製割型式リテーナ１３のフランジ
部１８の対向する外周面に、２個の係合突起１８
ａを一体に形成すると共に、継手主体１１の雌螺
子部１６面に、該各係合突起１８ａと係合するロ
ツク溝１６ａを同じく対向して形成して、該各ロ
ツク溝１６ａに対する係合突起１８ａの係合によ
り、リテーナ１３を継手主体１１の雌螺子部１６
内に確実にロツクできるように構成したものであ
る。

依つて、第２実施例にあつては、ブツシユ１２
の回動に際しては、フランジ部１８に形成されて
いる各係合突起１８ａが、雌螺子部１６に形成さ
れているロツク溝１６ａに係合しれ、リテーナ１
３を共回りすることなく、直線的に継手主体１１
の内側に案内できるので、フレキ管１９が共回り
してシール性を低下することを、第１実施例より
も一層確実に防止できることが可能となる。

また、第６図は上記第２実施例に係るリテーナ
１３の他例を示す斜視図で、リテーナ１３は、同
図に示すように、両リテーナ片をヒンジ１３ａを
設けて一体に連結するように構成しても良い。

（考案の効果） 以上の如く、本考案は、まずリテーナとガスケ
ツトを電気的絶縁材料で成形したことを特徴とす
るものであるから、鉄道等の重直流電気装置の接
地により発生する迷走電流や、地中埋設配管の電
池作用により発生する電流等により、従来の如く
管継手自体が電気的腐食を起こすことを、確実に
防止することが可能となる。

従つて、極めて簡単な構造をもつて、管継手の
長寿命化が保障されることとなつた。

その上、本考案は、継手主体に雌螺子部を形成
し、ブツシユに該雌螺子部と螺合する雄螺子部を
形成すると共に、リテーナの継手主体側端部にブ
ツシユの雄螺子部先端面で押圧されるフランジ部
を形成したことを特徴とするものであるから、継
手主体とブツシユの締付時には、リテーナのフラ
ンジ部が、ブツシユの雄螺子部先端面で押圧され
ると共に、該フランジ部から続くリテーナの薄肉
部は、雄螺子部の内壁面に直接接触していないの
で、リテーナが従来の如き変形等による歪みを発
生させることがなくなる。

従つて、例えリテーナの内周とフレキ管の外周
との接面、リテーナの外周と雄螺子部の内壁との
接面、及びフランジ部と雄螺子部の接面間に、摩
擦抵抗が発生したとしても、これらの摩擦抵抗の
総和は、ブツシユの回動によりフレキ管が共回り
する抵抗力とはならないので、極めて簡易構造を
もつて、フレキ管の共回りを完全に防止して、シ
ール性の向上にも貢献できることとなつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例に係る管継手を示
す分解斜視図、第２図は第１実施例の管継手を用
いて、フレキ管を接続した状態を示す半断面図、
第３図は第２実施例に係る管継手を示す分解斜視
図、第４図は従来の管継手を用いて、フレキ管を
接続した状態を示す半断面図、第５図及び第６図
はそれぞれ本考案で使用するリテーナの他例を示
す斜視図である。 １１……継手主体、１２……ブツシユ、１３…
…リテーナ、１５……雄螺子部、１６……雌螺子
部、１８……フランジ部、１９……フレキ管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 少なくとも継手主体とブツシユとリテーナとガ
   スケツトを備えて、継手主体にフレキシブル管を
   接続する構造の管継手において、上記継手主体に
   雌螺子部を形成し、ブツシユに該雌螺子部と螺合
   する雄螺子部を形成すると共に、内周に波形形状
   を有するリテーナの継手主体側端部にブツシユの
   雄螺子部先端面で押圧されるフランジ部を形成
   し、更に、ブツシユの雄螺子部の内周面とリテー
   ナの外周面を離間させ、且つ該リテーナと上記ガ
   スケツトを電気的絶縁材料で形成したことを特徴
   とする管継手。