JPH045212B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電子計算機システムにおける資源の
共有排他制御方式に関し、特にデツドロツク状態
発生時の排他エラー通知先選択方式に関する。

〔従来の技術〕

従来、電子計算機システムの資源の共有排他制
御処理においては、デツドロツク発生時の排他エ
ラーの通知は、最終的にデツドロツクを発生させ
たタスク、つまり最後に排他ロツクをかけようと
したタスクに対し行なわれていた。そして、排他
エラーの通知を受けたタスクは、デツドロツクを
論理的に矛盾がないように解除するために、資源
を排他ロツクをかける以前の状態まで復旧した後
に、全ての排他ロツクを解除していた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上記の従来の方式では、排他ロツク量の多いタ
スクに対し排他エラーの通知が返ると、資源の復
旧に多くの時間と資源を必要とするため、共有排
他制御の処理能力が低下するという問題があつ
た。また、排他ロツク量の多いタスクは、処理を
開始してから、排他エラーとなり処理を中止する
までに、多くの時間の資源を費やしているが、そ
れらの時間と資源も全て無効となつてしまうとい
う問題があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

電子計算機の資源の共有排他制御処理において
は、デツドロツクが発生した場合、デツドロツク
を構成するタスクは２以上ある。デツドロツクが
発生し、そのデツドロツクを解除させようとする
場合、そのデツドロツクを構成するタスクの内、
適当な１つまたは複数のタスクに排他エラーを通
知し、そのタスクガ排他ロツクしていた資源を排
他ロツクをかける以前の状態に復旧した後、排他
ロツクを解除させると良い。

デツドロツクが発生した場合に損失となる時間
および資源には主として以下の２つがある。

() 排他エラーを通知され、処理を中止するタ
スクがそれまでに使用してきた時間と資源。

() 排他エラーを通知されたタスクが資源を復
旧し、排他ロツクを解除するために必要となる
時間と資源。

デツドロツクをより効果的に解除させるには、
前記（）、（）の合計が小さくなるようにすれ
ばよい。そして前記（）、（）は、排他エラー
とするタスクの排他ロツクの量にほぼ比例する。
従つて、排他エラーの通知先としては、なるべく
ロツク量の少ないタスクを選択することにより、
損失となる時間と資源を最小とすることができ
る。

そこで本発明は、デツドロツク状態を構成する
各タスクの排他ロツクの量を比較し、この量の少
ないタスクまたはタスクの組みを排他エラーの通
知先として選択するロツク量比較部を設けたもの
である。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例について、図面を参照し
ながら説明する。

第１図は、本発明をフアイルの共通排他制御処
理に適用した場合の一実施例を示すブロツク図で
ある。同図には、フアイル１と、フアイル１を共
有する３つのタスク３〜５と、フアイル１の共有
状態を制御する共有排他制御処理部２とが示され
ている。

共有排他制御処理部２は、各タスク３，４，５
の排他ロツクを制御する排他ロツク制御部２ａ、
各タスク３，４，５の排他ロツク状態を登録して
おく排他ロツク一覧表２ｂ、この排他ロツク一覧
表２ｂを検索してデツドロツクを検出するデツド
ロツク検出部２ｃ、排他ロツクをかけている資源
数が最小であるタスクをタスク３〜５の中から選
択する。本実施例の最も特徴とするロツク量比較
部２ｄ、およびロツク量比較部２ｄで選択された
タスクに排他エラーを通知する排他エラー通知部
２ｅからなつている。

以下、本実施例の動作を説明する。

各タスク３，４，５は、排他ロツク制御部２ａ
を介して、フアイル１をアクセスする。フアイル
１のアクセス要求は、ブロツクまたはレコードを
単位として行なわれる。排他ロツク制御部２ａ
は、各タスク３，４，５からアクセスの要求があ
ると、排他ロツク一覧表２ｂを参照し、要求のあ
つたブロツクまたはレコードが他のタスクにより
排他ロツクされていない場合には、排他ロツク一
覧表２ｂに排他ロツクする旨を登録した後、当該
タスクに対しアクセスを許可し、既に他のタスク
により排他ロツクされている場合は、当該タスク
の処理を中断させ、その排他ロツクの解除を待た
せると共にデツドロツク検出部２ｃに通知する。

デツドロツク検出部２ｃは、その通知を受ける
と、その待ちがデツドロツクかどうかを排他ロツ
ク一覧表２ｂを検索して調査しデツドロツクを検
出した場合はその旨をロツク量比較部２ｄへ通知
する。

ロツク量比較部２ｄは、デツドロツクが発生し
た旨の通知を受取ると、デツドロツクを構成する
各タスク３〜５の排他ロツク量を調査し、デツド
ロツクを解除するのに有効なタスクまたはタスク
の組みの内から、排他ロツクの量が最小のものを
選択し、その結果を排他エラー通知部２ｅへ通知
する。

排他エラー通知部２ｅは、通知を受けたタスク
（本実施例ではタスク４）に対し、排他エラーを
通知する。排他エラーの通知を受取つたタスク４
は処理を中止し、そのタスク４が排他ロツクして
いたブロツクまたはレコードを、排他ロツクする
以前の状態に復旧した後、全ての排他ロツクを解
除し、処理を再実行する。

このように本実施例では、排他エラーの通知を
排他ロツク量の少ないタスクに対して行なうた
め、ブロツクまたはレコードの復旧は迅速にかつ
少ない資源および時間で行なわれる。従つて、そ
のタスクの再実行及びデツドロツクの解除は速や
かに行なわれ、かつ損失となる資源および時間も
最小限に抑えられる。

〔発明の効果〕

本発明は以上説明したように、デツドロツク状
態を構成する各タスクの排他ロツク量を比較し、
排他ロツク量の少ないタスクを排他エラーの通知
先として選択するようにしたことにより、資源の
共有排他制御処理におけるデヅドロツク発生の際
の時間と資源の損失を最小とし、かつデツドロツ
ク発生後の後処理に必要な時間と資源をも最小と
する効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明をフアイルの共有排他制御装置
に適用した場合の一実施例を示すブロツク図であ
る。 １……フアイル、２……共有排他制御処理部、
２ａ……排他ロツク制御部、２ｂ……排他ロツク
一覧表、２ｃ……デツドロツク検出部、２ｄ……
ロツク量比較部、２ｅ……排他エラー通知部、
３，４，５……タスク。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 各タスクの排他ロツクを登録しておく排他ロ
   ツク一覧表と、デツドロツク状態を検出するデツ
   ドロツク検出部と、デツドロツクを構成するタス
   ク群の中の任意のタスクにデツドロツクの発生を
   通知する排他エラー通知部と、複数のタスクから
   要求される資源を該排他ロツク一覧表に登録し排
   他ロツクする排他ロツク制御部とを備え、電子計
   算機システムの資源を複数のタスクに同時に使用
   させる共有排他制御方式において、 前記排他エラー通知部が通知するタスクとし
   て、前記タスク群の中から、排他ロツクをかけて
   いる資源数が最小であるタスクを選択するロツク
   量比較部を備えたことを特徴とする排他エラー通
   知先選択方式。