JPH0451428B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0451428B2
JPH0451428B2 JP60108379A JP10837985A JPH0451428B2 JP H0451428 B2 JPH0451428 B2 JP H0451428B2 JP 60108379 A JP60108379 A JP 60108379A JP 10837985 A JP10837985 A JP 10837985A JP H0451428 B2 JPH0451428 B2 JP H0451428B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lid
chromate
score
opening
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP60108379A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS61273344A (ja
Inventor
Hiroshi Matsubayashi
Naohito Watanabe
Seishichi Kobayashi
Toshio Sue
Kazuo Taira
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Seikan Group Holdings Ltd
Original Assignee
Toyo Seikan Kaisha Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Seikan Kaisha Ltd filed Critical Toyo Seikan Kaisha Ltd
Priority to JP60108379A priority Critical patent/JPS61273344A/ja
Priority to DK389885A priority patent/DK163352C/da
Priority to AU46691/85A priority patent/AU586184B2/en
Priority to CA000489480A priority patent/CA1266013A/en
Priority to DE8585306097T priority patent/DE3580546D1/de
Priority to EP85306097A priority patent/EP0173562B1/en
Priority to KR1019850006201A priority patent/KR920000720B1/ko
Publication of JPS61273344A publication Critical patent/JPS61273344A/ja
Priority to US07/028,014 priority patent/US4762245A/en
Publication of JPH0451428B2 publication Critical patent/JPH0451428B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Containers Opened By Tearing Frangible Portions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
発明の分野 本発明は開口性及び耐腐食性に優れたイージイ
オープン蓋即ち易開封性罐蓋に関するもので、よ
り詳細には、蓋材がクロメート表面処理鋼板から
形成され、優れた易開口性、耐腐食性、耐圧変形
性の組合せを有し且つ製造も容易で資源の再利用
も容易な易開封性罐蓋に関する。 従来の技術及び発明の解決しようとする問題 従来、コーラ、ビール、ジユース等の飲料等を
収容する罐に用いる易開封性(イージイ・オープ
ン)蓋としては、スコア(部分切断線)により区
画された開口用部分を備え、この開口用部分にリ
ベツトを形成し、このリベツトにより引張りタブ
を固着し、このタブを引張ることにより、スコア
が破断されて開口用部分が取外されるようにした
ものが広く使用されている。 このスコア破断型の易開封性容器蓋は、密封信
頼性と易開封性との組合せに優れたものではある
が、解決すべき幾つかの問題を有している。即
ち、このタイプの容器蓋の製造においては、スコ
ア加工及びリベツト加工のような苛酷な加工を行
なわなければならないため、用いる金属素材はア
ルミニウムのように加工性に優れた素材に限定さ
れることになる。例えば、テンパー度T6なるテ
イン・フリー・スチール(TFS)はイージイオ
ープン罐でビール缶の天地に使用されてきたが、
スコア加工の際にクラツクが発生するなどイージ
イオープン罐蓋の加工性に問題がある。かくし
て、罐胴本体がTFSのような表面処理鋼板から
成る場合にも、易開封性容器蓋はアルミニウムで
構成せねばならないとい制約がある。一方、使用
済みの罐体を回収し、再利用することは、罐公害
防止の点でも、また資源節約の点でも望ましいこ
とであるが、罐胴本体と蓋とが異なつた素材から
成ることは、使用済み罐体の再利用を著しく困難
なものとしている。 更に、リベツト加工等の苛酷な加工により、罐
蓋の内面塗膜が損傷を受け易く、食用罐詰のよう
に、腐食性の内容物を充填し、しかも加熱殺菌等
の苛酷な処理を行う用途には、耐腐食性の点で満
足すべき結果は到底得られない。この傾向は、ア
ルミを用いた易開封性罐蓋において特に顕著であ
る。更に、食塩濃度の高い内容物では孔食が生
じ、貫通孔から内容物の漏洩や細菌による汚染の
問題を生じる。 このようなアルミ製罐蓋の問題を解消するもの
として、鋼板製のイージイオープン蓋も既に提案
されているが、アルミ製蓋に比して開口に必要な
力が高く、開口が概して困難な傾向がある。鋼製
蓋における開口力を低下させるために、例えば特
公昭57−61815号公報には、鋼板中に平均粒径2.0
乃至8.0μmの炭化物を析出させて、地鉄と炭化物
相粒子との間に応力集中源となるボイドを形成さ
せることが提案されている。この提案によれば、
確かに開口力が低下するが、鋼板自体脆くなるた
め、開口時に、開口すべき部分が一度に蓋から離
脱し、そのカツトエツジにより手を傷つけるとい
う問題を生じる。また特公昭51−5333号公報に
は、炭素含有量が0.02%以下で圧下率3〜15%の
スキンパス圧延を行つた伸びの大きい鋼板をプル
オープン型イージイオープン罐蓋に使用すること
が提案されている。この提案によればスコア加
工、リベツト加工を可能にし、開口力を低下させ
ているが、プルオープン型に比べ遥かに大きい開
口力を要するフルオープン型のイージイオープン
罐蓋では、開口力が高く、開口が困難になる傾向
がある。 発明の目的 本発明者等は、易開封性罐蓋の金属素材とし
て、クロメート表面処理鋼板、例えば電解クロム
酸処理鋼板、クロメート処理ニツケルめつき鋼
板、クロメート処理鉄・錫合金めつき鋼板、クロ
メート処理錫・ニツケル合金めつき鋼板、クロメ
ート処理鉄・錫ニツケル合金めつき鋼板、クロメ
ート処理アルミニウムめつき鋼板、クロメート処
理錫めつき鋼板等の内でも、炭素含有量が比較的
小さくしかも伸びが一定の範囲にあるものを選
び、この蓋材に特定の残留厚み比のスコアを設
け、しかも蓋材と開封用タブとを特定の接着剤で
接合するときには、優れた易開口性、耐腐食性及
び耐圧変形性の組合せを有し、しかも製造も容易
で、資源の再利用も容易な易開封性罐蓋が得られ
ることを見出した。 即ち、本発明の目的は、従来の易開封性の前述
した諸欠点が解消された表面処理鋼板製の易開封
製蓋を提供するにある。 本発明の他の目的は、初期開口力が比較的小さ
く、しかも開口開始後の開口力も或る程度大き
く、従つてタブの離脱が防止されると共に、開口
すべき部分全体の蓋からの一挙な離脱が防止され
る表面処理鋼板製易開封性蓋を提供するにある。 本発明の更に他の目的は、レトルト殺菌や熱間
充填の如き殺菌処理にも耐え、また食塩水や他の
腐食性成分をも含有する食用罐詰用の罐蓋として
有用な易開封性蓋を提供するにある。 発明の構成 本発明によれば、プライマー塗装したクロメー
ト表面処理鋼板から成る蓋材に、開口すべき部分
を区画するスコアを該鋼板の厚み方向の途中に達
するように設け、 開封用タブを、その開封用先端がほぼスコアの
初期開口部に位置するように、蓋材の開口すべき
部分に結合させて成るイージイオープン蓋におい
て、該クロメート表面処理鋼板が炭素含有量が
0.03重量%以下で伸びが1乃至20%のクロメート
表面処理鋼板であり、初期開口部におけるスコア
残厚/クロメート表面処理鋼板厚の比が0.1乃至
0.4の範囲にあり且つ該クロメート表面処理鋼板
と開封用タブとをアミド反復単位及び/又はエス
テル反復単位から成る熱可塑性接着剤による接着
支点を介して熱接着させて成ることを特徴とする
開口性及び耐腐食性に優れた巻締用イージイオー
プン蓋が提供される。 尚、本明細書において、%は特記しない限り重
量基準とする。 発明の好適態様 本発明を添付図面に示す好適態様に基づいて以
下に詳細に説明する。 蓋の構造 第1,2及び3図に示す通り、本発明の易開封
性罐蓋1は、プライマー塗膜2を備えた表面処理
鋼板3から成つていることが一つの特徴である。
この表面処理鋼板3は、種々の表面処理鋼板の内
でクロメート表面処理鋼板、特に電解クロム酸処
理鋼板、クロメート処理ニツケルめつき鋼板、ク
ロメート処理鉄・錫合金めつき鋼板、クロメート
処理錫ニツケル合金めつき鋼板、クロメート処理
鉄・錫ニツケル合金めつき鋼板、クロメート処理
アルミニウムめつき鋼板であつて、炭素含有量が
0.03%以下、一層好適には0.02%未満であつて、
その伸びが1乃至20%好適には1乃至15%の範囲
のものを使用する。ここで伸びとは、引張り試験
により得られる破断伸びのことで、鋼板の方向に
より伸びが異る場合は、鋼板の圧延方向、45°方
向、圧延と直角方向の伸びの平均値を用いる。 この蓋1は、外周に周状の溝部4と溝部に環状
リム部5を介して連なるパネル部6とを備えてお
り、溝部4には罐胴フランジ(図示せず)との二
重巻締に際して、これと密封係合されるシーリン
グコンパウンド層7が設けられている。環状リム
部5の内方には、スコア8で区画される開口され
るべき部分9がある。この開口用部分9はパネル
部6の大部分と実質上一致していてもよいし、パ
ネル部6の一部が開口用部分であつてもよい。ス
コア8は、第3図の拡大断面図に示す通り、表面
処理鋼板3の厚み方向の途中に達するように設け
られており、初期開口部(後述するタブ先端が重
ねられる部分)における表面処理鋼板の厚みを
t0、スコア残留厚みをt1とすると、t1/t0の比は
0.10乃至0.40、特に0.12乃至0.30更に望ましくは
0.15乃至0.25の範囲内にある。 本発明によればまた、この開口用部分9に開封
用タブ10を以下に述べる特定の仕組みで設け
る。この開封用タブ10は、一端にスコア押裂き
用先端11、他端に把持部(リング)12及びこ
れらの間に位置し且つ蓋に対して接合される支点
部分13を有している。この具体例において、支
点部分13は、先端11とリング12との間でタ
ブに、形状がほぼU字形の切目14を、支点部分
13と先端11との間に接続部15が存在するよ
うに設けて舌片状とすることにより形成されてい
る。開封用タブ10の押裂き用先端11は、蓋体
のスコア8とその位置がほぼ一致するように、舌
片状の支点部分13において、蓋体の開口用部分
9と、熱可塑性樹脂接着剤層16を介して熱接着
される。 本発明においては、この接着剤層16としてア
ミド反復単位及び/又はエステル反復単位から成
る熱可塑性接着剤を用いることが、開口力に耐え
且つレトルト殺菌処理にも耐える高強度で耐熱水
性や経時性に優れた接合部を形成する上で重要で
ある。 本発明の罐蓋において、開封用タブ10のリン
グ12を指で撮み、これを上方に持上げると、こ
の力が支点部分13を介して押裂用先端11に下
向きの力として伝達され、スコア8に下向きの押
裂力が加わり、これによりスコア8の開口開始部
に切目が入る。開封用タブ10を更に持上げるこ
とにより開口すべき部分9が上方に持上げられ、
スコア8に沿つてスコア8の破断が行われ、開口
が終了する。 尚、添付図面に示した具体例では、この罐蓋は
罐胴部材との巻締により罐胴に固定されるものと
して示されているが、罐胴部材等の容器に対し
て、ヒートシールにより取付けられる蓋に本発明
を適用し得ることは勿論である。また、スコアは
外表面側から刻設されているが、内表面側から刻
設してもよい。 蓋の作用効果 本発明に使用する表面処理鋼板は、前述した如
く、鋼板基質中の炭素分が0.03%以下、特に0.02
%未満と低いにもかかわらず、その伸びが1乃至
20%、特に1乃至15%と低いという特徴を有して
いる。即ち、本発明の表面処理鋼板は鋼中の炭素
分がかなり少ない量で含有されているにもかかわ
らず、伸びが小さい範囲に抑制されているという
特徴を有するものであり、この特徴の故に優れた
開口性が得られるものである。また、本発明の鋼
板の結晶組織は、圧延集合組織(展伸粒)であ
り、この結晶組織では、限界スコア残留厚みを小
さくすることが可能であり、従来より小さいスコ
ア残留厚みを得ることが出来る。 添付図面第4図は、第1乃至3図に示す形状及
び構造のフルオープン型イージイオープン罐蓋に
ついて、開封用タブの先端の押込みにより切目を
設けた後、開封用タブの変位量を横軸、開口力を
縦軸としてプロツトした結果を示す。第4図中、
曲線Aは本発明に従い炭素分が0.01%及び伸びが
8%の範囲内にある表面処理鋼板を用いた場合、
曲線Bは、前述した特公昭57−61815号公報にみ
られる通り、炭素含有量を0.07重量%でしかも炭
化物粒子を粗大化させた表面処理鋼板を用いた場
合、及び曲線Cは、特公昭51−5333号公報等にみ
られる通り、炭素含有量を0.01%の少ないレベル
とし、低度のスキンパス圧延処理を行つた鋼を基
質とする表面処理鋼板を用いた場合を夫夫示す。
但し、この表面処理鋼板の伸びは35%であつた。
第4図において、開封用タブの変位量(上方への
持上変位量)を増大させるとき、2点のスコア剪
断位置が横方向に広がる割合いが大きい引張初期
に最も大きな開口力が必要となり、次いで開口力
は急激に減少して一定値に漸近し、最後に完全剪
断前に開口力の幾分の上昇があつて、開口操作が
終了する。 第4図から明らかな通り、本発明によれば、従
来この種の蓋用に提案されている表面処理鋼板B
及びCの何れに対しても、初期開口力PIを著しく
小さい値に抑制し得ると共に、漸近開口力PG
従来の表面処理鋼板Bよりも大きい値とすること
ができる。このことは、開口に際して次の事実を
意味する。即ち、従来の罐蓋用表面処理鋼板B及
びCでは著しく大きい開口力を有し、開口操作そ
のものが困難であつたのに対して、本発明によれ
ば初期の開口力を小さくして、開口操作を容易に
なし得ることになる。また、表面処理鋼板Bで
は、初期開口力PIが著しく大でしかも漸近開口力
PGがかなり小さいことから、開口すべき部分が
一挙に罐蓋から離脱され、カツトエツジによる指
の損傷等を生ずるのに対して、本発明の蓋Aで
は、初期開口力PIが比較的小さく、しかも漸近開
口力PIも或る程度大きいことから開口すべき部分
がねばく、徐々に剪断を行うことが可能であるこ
とがわかる。尚、従来の罐蓋Cでは漸近開口力
PGが大きすぎるために、実際の開口操作では開
口しにくいという感じを与えることになる。罐の
寸法及びスコアの寸法及び形状によつても相違す
るが初期開口力PIが2.5乃至7.5Kg及び漸近開口力
PGが0.5乃至2.0Kgの範囲内にあることが、開封性
の点で望ましいことが実験的に確められている。 本発明において、鋼基質の炭素含有量が0.03%
以下、特に0.02%未満であることは、炭化物の生
成が実質的に抑制されていることを意味してお
り、炭素含有量が上記範囲よりも大きいと、従来
の罐蓋Bと同様の欠点を生じるようになる。ま
た、表面処理鋼板の伸びが1%よりも小さくなる
と、安定したスコア加工が困難となり、スコア部
にクラツクが発生する傾向がある。また、伸びが
20%を越えると、従来の罐蓋Cのように初期開口
力及び漸近開口力共に高くなる傾向がある。 次に、本発明においては、スコア残厚/表面処
理鋼板厚の比(t1/t0)を0.10乃至0.40の範囲と
することも、密封性、耐腐食性及び易開口性の点
で重要であり、この比(t1/t0)が上記範囲より
も小さい場合には、安定したスコア残留厚が得ら
れず、スコア加工部にクラツクが発生したり、或
いはスコアが罐内面側に迄突き抜ける傾向があ
る。また、上記範囲よりも大きくなると開口力が
高くなり、開口性が損われる傾向がある。 本発明においては、プライマー塗装された表面
処理鋼板を蓋材とすることにより、高濃度の食塩
を含有する内容物に対しても十分な耐腐食性が得
られ、更に罐体の内外の圧力差にもかかわらず、
十分な耐圧変形性が得られる。 更に、前述した表面処理鋼板は伸びが小さいこ
とに関連して、蓋材をリベツト加工し、このリベ
ツトにより開封用タブを固定することは到底困難
であるが、本発明においては、アミド基及び/又
はエステル基を反復単位を主体とする熱可塑性接
着剤を用い、しかもこれをプライマー塗装表面処
理鋼板と組合せることにより、強度、耐熱水性及
び耐経時劣化に優れた接着固定を行うことが可能
となる。事実、本発明の組合せによれば3Kg/5
mm巾以上の接着強度を得ることが容易である。 タブの固定方法として、接着以外に、半田付
け、電気抵抗溶接、超音波溶接等があるが、これ
らはいずれもタブ固定時に、タブ固定部に対応す
る位置の蓋内面側塗料及び表面処理皮膜に熱的、
機械的損傷を与えることになり、耐内容物性の優
れた蓋とすることができない。 本発明において用いるアミド基及び/又はエス
テル基を反復単位を主体とする熱可塑性接着剤
は、通常の蓋内面側塗料に熱損傷を与える温度以
下でタブ接着が可能であり、優れた耐内容物性の
蓋とすることができる。 各構成素材 表面処理鋼板としては既に述べた通り、クロメ
ート表面処理鋼板、特に電解クロム酸処理鋼板、
クロメート処理ニツケルめつき鋼板、クロメート
処理鉄・錫合金めつき鋼板、クロメート処理錫・
ニツケル合金めつき鋼板、クロメート処理鉄・
錫・ニツケル合金めつき鋼板、クロメート処理ア
ルミニウムめつき鋼板、クロメート処理錫めつき
鋼板が好適に使用される。 これら表面処理鋼板において、炭素含有量及び
伸びが本発明の規定範囲内にある鋼基質は、これ
に限定されるものではないが、例えば次のように
製造される。 即ち、真空脱ガス装置により溶鋼時に脱炭する
か、又は、常法に従い造塊、熱延を行い、1次冷
間圧延前に脱炭するか、又は、1次冷間圧延後、
箱型脱炭焼鈍により脱炭するかして、炭素含有量
を0.03%以下に調整した鋼板を20〜70%の2次冷
間圧延を施すことにより伸びが1〜20%の本発明
の鋼板を製造することができる。2次冷間圧延が
20%未満では、鋼板の結晶組織は十分な圧延集合
組織になつていず、限界スコア残留厚みを十分に
小さくすることができない。 電解クロム酸処理鋼板は、冷間圧延鋼板基質の
上に金属クロム層とその上の非金属クロム層から
成る。鋼板基質の厚みは、耐圧変形性と加工性及
び易開封性との兼合いにより決定され、一般に
0.10乃至0.40mm特に0.12乃至0.35mmの範囲にある
のが望ましい。金属クロム層の厚みは、耐腐食性
と加工性との兼合いにより決定され、その量は30
乃至300mg/m2、特に50乃至250mg/m2の範囲にあ
ることが望ましい。また非金属クロム層の厚み
は、塗膜密着性や接着剥離強度に関連するもので
あり、クロム量として表わして4乃至40mg/m2
特に7乃至30mg/m2の範囲にあることが望まし
い。 クロメート処理ニツケルめつき鋼板は、冷間圧
延鋼板基質の上にニツケル層とその上のクロメー
ト層から成る。ニツケル層の厚みは耐腐食性に関
連するものであり、その量は、30乃至3000mg/
m2、特に100乃至1000mg/m2の範囲にあることが
望ましい。またクロメート層は非金属クロム層単
層又は金属クロム層を含んでいてもよい。クロメ
ート層の厚みは塗膜密着性や接着剥離強度に関連
するものであり、クロム量として3乃至200mg/
m2、特に5乃至150mg/m2の範囲にあることが望
ましい。 クロメート処理鉄・錫合金めつき鋼板は、冷間
圧延鋼板基質の上に鉄・錫合金層とその上のクロ
メート層から成る。鉄・錫合金層の厚みは耐腐食
性に関連するものであり、その量は錫量として30
乃至800mg/m2、特に200乃至700mg/m2の範囲に
あることが望ましい。またクロメート層は非金属
クロム層単層又は金属クロム層を含んでいてもよ
い。クロメート層の厚みは、塗膜密着性や接着剥
離強度に関連するものでありクロム量として3乃
至200mg/m2、特に5乃至150mg/m2の範囲にある
ことが望ましい。 クロメート処理錫・ニツケル合金めつき鋼板
は、冷間圧延鋼板基質上に錫・ニツケル合金層と
その上のクロメート層から成る。錫・ニツケル合
金層の厚みは耐腐食性に関連するものであり、そ
の量は、錫量として30乃至800mg/m2、特に50乃
至500mg/m2にあることが望ましい。クロメート
層は非金属クロム単層又は金属クロム層を含んで
いてもよい。クロメート層の厚みは塗膜密着性や
接着剥離強度に関連するものであり、クロム量と
して3乃至200mg/m2、特に5乃至150mg/m2の範
囲にあることが望ましい。又、錫・ニツケル合金
層に少量の鉄、マンガン、亜鉛、モリブデン、銅
等を耐食性向上の為に添加することもできる。
錫・ニツケル合金層と鋼板の間にニツケル層又は
錫層を設けることもできる。 クロメート処理鉄・錫・ニツケル合金めつき鋼
板は、冷間圧延鋼板基質上に鉄・錫・ニツケル合
金めつき層とその上のクロメート層から成る。
鉄・錫・ニツケル合金めつきの厚みは、耐腐食性
に関連するものであり、その量は錫量として10乃
至800mg/m2、特に30乃至400mg/m2にあることが
望ましい。又、クロメート層は非金属クロム単層
又は金属クロム層を含んでいてもよい。クロメー
ト層の厚みは塗膜密着性や接着剥離強度に関連す
るものであり、クロム量として3乃至200mg/m2
特に5乃至150mg/m2の範囲にあることが望まし
い。又、鉄・錫・ニツケル合金層に少量のマンガ
ン、亜鉛、モリブデン、銅等を耐食性向上の為に
添加することもできる。 クロメート処理アルミニウムめつき鋼板は、冷
間圧延鋼板基質上にアルミニウム層とその上にク
ロメート層から成り、鋼板とアルミニウム層の間
に鉄・アルミニウム合金層を設ける場合もある。
アルミニウム層の厚みは耐食性に関連するもので
あり、その量は30乃至3000mg/m2であり、特に
100乃至2500mg/m2にあることが望ましい。又、
クロメート層は非金属クロム単層又は金属クロム
層を含んでいても良い。又、クロメート層がリン
酸クロメート層であつてもよい。クロメート層の
厚みは塗料密着性や接着剥離強度に関連するもの
であり、クロム量として3乃至200mg/m2、特に
5乃至150mg/m2の範囲にあることが望ましい。
クロメート処理錫めつき鋼板は、冷間圧延鋼板基
質上に錫めつき層とその上のクロメート層から成
る。錫めつき層と鋼板の間に鉄・錫合金層を設け
てもよい。錫めつき層は耐腐食性に関連するもの
であり、その量は錫量として0.5乃至15g/m2、特
に0.8乃至12g/m2にあることが望ましい。 又、クロメート層は、非金属クロム単層よりは
金属クロム層を含むほうが望ましい。クロメート
層の厚みは、塗料密着性や接着剤剥離強度に関連
するものであり、クロム量として3乃至200mg/
m2、特に5乃至150mg/m2の範囲にあることが望
ましい。 表面処理鋼板の強度は、一般に32乃至63Kg/
mm2、望ましくは35乃至60Kg/mm2更に40乃至55Kg/
mm2の範囲内にあることがより望ましい。 プライマー塗膜としては、前述した表面処理鋼
板に対して優れた密着性を示すと共にアミド及
び/又はエステル反復単位から成る熱可塑性接着
剤にも優れた接着性を示すそれ自体公知の任意の
プライマー塗料が使用される。この塗料として
は、熱硬化性或いは熱可塑性の樹脂塗料、例えば
フエノール・エポキシ塗料、アミノ・エポキシ塗
料、エポキシ・エステル塗料等の変性エポキシ塗
料;例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体部分ケン化物、塩
化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合
体、エポキシ変性−、エポキシアミノ変性−或い
はエポキシフエノール変性−ビニル樹脂塗料等の
ビニル又は変性ビニル塗料;アクリル樹脂系塗
料;油性塗料;アルキツド塗料;ポリエステル塗
料;スチレン−ブタジエン系共重合体等の合成ゴ
ム系塗料等が使用される。 密着性と耐腐食性とに優れたプライマー塗料の
代表的なものは、種々のフエノール類とホルムア
ルデヒドから誘導されるレゾール型フエノール−
アルデヒド樹脂と、ビスフエノール型エポキシ樹
脂とから成るフエノール−エポキシ系塗料であ
り、特にフエノール樹脂とエポキシ樹脂とを90:
10乃至5:95の重量比で含有する塗料である。こ
の塗料は更に加工性にも優れており、スコア加工
に付した場合にも、スコア加工部の耐腐食性が良
好であるという利点を有している。このタイプの
塗料は、ポリアミド系接着剤の使用に特に適して
いる。 密着性及び耐腐食性に優れたプライマー塗料の
他の代表例は、極性基を有する塩化ビニル共重合
樹脂塗料である。この塗料は、カルボキシル基、
酸無水物基、エポキシ基等の極性基を、樹脂
100g当り50乃至2000ミリモルの濃度で含有する
ものであり、アクリル酸、メタクリル酸、無水マ
レイン酸、アクリル酸又はメタクリル酸のヒドロ
キシ−プロピル又はエチルエステル、グリシジル
アクリレート(メタクリレート)等を、必要に応
じ酢酸ビニル等の他のコモノマーと共に、塩化ビ
ニルと共重合させることにより得られる樹脂を含
有する塗料である。水酸基は共重合体中の酢酸ビ
ニル単位をケン化することによつても供給されう
るし、またエポキシ基はエポキシ樹脂やエポキシ
フエノール塗料で共重合体を変性することによつ
ても供給し得る。 勿論、これらのプライマー塗膜は、単層構成で
もよく、またベースコートとトツプコートとの組
合せのように複層構成であつても何等差支えな
い。 プライマー塗膜の厚みは、前述した目的が達成
される限り、特に制限はないが、一般的に言つ
て、0.2乃至30μm、特に1乃至20μmの範囲にあ
るのが望ましい。 開封用タブは、罐蓋を構成するクロメート表面
処理鋼板から形成されていてもよいし、またアル
ミニウム或いはアルミニウム合金のような軽金属
板から形成されていてもよい。アルミニウム或い
はアルミニウム合金のような軽金属板を使用する
場合は、リン酸クロメート系又はポリアクリル酸
系の表面処理がしてあることが望ましい。開封用
タブを構成する金属素材に対しても罐蓋に設けた
のと同様なプライマーを塗布することが重要であ
る。また十分な剛性を有するものであれば、プラ
スチツク材料から形成されたものであつてもよ
い。 熱可塑性接着剤として用いるアミド反復単位及
び/又はエステル反復単位含有樹脂としては、融
点或いは軟化点が50乃至300℃、特に80乃至270℃
の範囲にあるホモ乃至コポリアミド、コポリエス
テル或いはこれらの2種以上のブレンド物が使用
される。 ホモ−乃至コポリアミドとしては、炭素数100
当りのアミド反復単位の数が4乃至17、特に5乃
至17の範囲にあるようなホモ−乃至コポリアミド
が適当であり、特にコポリアミドの場合アミド反
復単位の少なくとも3モル%以上が主たるアミド
反復単位と異なるアミド反復単位から成ることが
好適である。その適当なものの例は、これに限定
されないが、ナイロン13、ナイロン12、ナイロン
11、ナイロン6−12、ナイロン6、ナイロン6−
6、ナイロン6−10、ナイロン12/ナイロン6、
ナイロン12/ナイロン10/ナイロン6−12、ナイ
ロン6/ナイロン6−6あるいはダイマー酸ベー
スのポリアミド類等である。 コポリエステルとしては、全エステル単位中の
3乃至70モル%が主たるエステル反復単位と異な
るエステル反復単位から成るコポリエステルであ
り、例えば、これに限定されないが、ポリエチレ
ン・テレフタレート/イソフタレート、ポリテト
ラメチレン・テレフタレート/イソフタレート、
ポリエチレン・テレフタレート/アジペート、ポ
リテトラメチレン・テレフタレート/アジペー
ト、ポリテトラメチレン/エチレン・テレフタレ
ート/ドデカノエート等を挙げることができる。 勿論、これらの接着剤は、フイルムを形成する
に足る分子量を有するべきであり、ポリアミド同
志、コポリエステル同志、或いはポリアミドとコ
ポリエステルとのブレンド物であつてよく、更に
改質等の目的で、他の樹脂例えばアイオノマー、
キシレン樹脂、エポキシ樹脂等がブレンドされて
いても何等差支えない。また更にこれらの接着剤
には充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、造核剤、顔
料、可塑剤、滑剤等のそれ自体周知の配合剤を公
知の処方に従つて配合することができる。 製造方法 本発明の易開封性罐蓋を製造するに当つては、
先ず前述した表面鋼板に、プライマー塗料を有機
溶媒溶液、水性分散液又は水溶液の形で、スプレ
ー塗料、ローラコート、浸漬塗装、静電塗装、電
気泳動塗装等の手段で施こし、塗膜を乾燥乃至は
焼付により形成させる。 この塗装板を、所定の罐蓋のサイズに打抜き、
プレス成形により所定の形状の罐蓋に成形し、こ
れと同時に或いは別工程で、スコア加工を行う。
スコア加工は、スコア部における残留厚みが、素
板厚の0.1乃至0.4倍、特に0.12乃至0.30倍、更に
望ましくは0.15乃至0.25倍で且つ絶対的厚みが20
乃至80μm、特に25乃至70μmの範囲となるような
ものであることが望ましい。 このスコア加工に先立つて、或いはスコア加工
後に、罐蓋の周状溝部に、スチレン−ブタジエン
ゴムラテツクスのような合成ゴムラテツクス、粘
着付与剤及び充填剤からシーリングコンパウンド
組成物を施こし、乾燥してコンパウンド層とす
る。 別に製造された開封用タブの支点部分に、前述
した熱可塑性接着剤の層を設けるか、或いは罐蓋
の開封用タブが設けられるべき部分に熱可塑性接
着剤の層を設ける。勿論、これらの両方を行うこ
ともできる。接着剤層の形成は、所定のサイズに
切断した接着剤フイルムを施こす以外に、接着剤
を粉体、溶融体、懸濁液或いは溶液の形で施こす
等の任意の手法で行うことができる。接着剤樹脂
層の厚みは、3乃至150μm、特に10乃至100μmの
範囲にあることが適当である。 次いで、開封用タブを罐蓋上に位置決めし、タ
ブの支点部分と罐蓋との間に位置する熱可塑性樹
脂を溶融させ、次いで冷却固化させて、両者の接
着を完結させる。 この際接着支点を、下記式 W≧K・d.σB・t2 式中、Kは値4Kg-1の定数であり、dはスコア
から接着支点迄の距離(mm)を表わし、σBは前記
クロメート処理鋼板の引張り強さ(Kg/mm2)を表
わし、tは蓋材のスコア残厚(mm)を表わし、W
はスコアから距離dでの接着剤層の巾(mm)を表
わす、 を満足する巾で設けることにより、開口時におけ
るタブの剥離を有効に防止することができる。前
記式は、この引剥し力が、()スコア8から接
着支点13迄の距離dが大きくなればなる程大に
なり、()表面処理鋼板3の引張り強さσBが大
きくなればなる程大となり、しかも()スコア
8の残厚tの2乗に比例するという事実から誘導
された実験式である。しかして、接着支点におけ
る接着層の巾(W)を、この式を満足するように
定めることにより、円滑な開封操作が可能とな
る。 尚、スコアは、食用罐詰の場合、添付図面に示
すように、環状リム部に近接して全周にわたつて
設けて、所謂フルオープン形式とすることが望ま
しいが、所望によつては、罐蓋の一部に、雨滴
型、半円型等の任意の形状のものとして設けるこ
ともできる。 開封用タブを蓋に接着する前又は後に、蓋の外
面及び又は内面のスコア加工部周辺に、スコア部
の防食及び/又は、スコア切断時のカツトエツジ
による手の損傷を防止する目的で有機樹脂被膜を
設ける場合もある。 用 途 本発明の易開封性罐蓋は、蓋材が剛性のあるク
ロメート表面処理鋼板で形成されていることか
ら、高温での加熱殺菌に賦され、しかもその後の
経時においても内部が真空となる罐詰用食罐の分
野に適用した場合にも、変形が防止されるという
顕著な利点がある。 しかも、この罐蓋においては、リベツト加工の
ような苛酷な加工が不要となることから、アルミ
ニウムに代えて非常に安価な表面処理鋼板の使用
が可能となり、更にこの表面処理鋼板を蓋とする
ことにより、罐胴及び罐蓋が同一素材となり、資
源の再利用が容易となるという利点がある。ま
た、この表面処理鋼板は耐腐食性に優れており、
塩分を含有する内容物に対しても十分な耐腐食性
が得られ、種々の食品類、例えば蓄産品乃至蓄産
加工品、水産品、野菜類、蔬菜汁、各種果実等を
充填するための罐詰用罐蓋として有用である。 以下の実施例は本発明の奏する効果を具体的に
説明するものである。 実施例1〜4、比較例1,2は、プライマー及
び接着剤の種類、スコアから接着支点までの距離
及びその位置の接着剤層の巾、スコア残厚を一定
とし、蓋に用いる表面処理鋼板として、炭素量・
板厚・表面処理は同じであるが、伸びが異なる鋼
板について、試験したものである。 (実施例 1〜4) 溶製した鋼を、真空脱ガス処理により脱炭・脱
酸し、通常のストリツプ工程に従い分塊圧延後、
2.3mmに熱延した。ついで酸洗後、圧下率をかえ
て1次冷間圧延を施こし、640〜670℃で箱型焼鈍
を行つた。これら焼鈍材を、さらにそれぞれ圧下
率43%、35%、25%および20%で2次冷間圧延
し、実施例1,2,3および4として使用した厚
さ0.20mmの鋼板を得た。鋼板の炭素量および伸び
を表1に示す。 これらの鋼板は、通常の電解クロム酸処理ライ
ンにて、非金属クロム量15mg/m2、金属クロム量
100mg/m2のテインフリースチール(TFS)板と
したのち、両面にエポキシ・フエノール系塗料を
乾燥後の厚さが5μmになる用に塗布し、210℃で
10分間焼付を行つた。この塗装TFS板をプレス
を用いて211径用の蓋に成形し、次いでカール部
に常法によりシーリングコンパウンドを塗布乾燥
した。次いで蓋の外面側に直径58mmの円状に、ス
コア残厚/鋼板厚さが0.23となる様にスコア加工
を行つた。この様にして得た蓋材に、厚さ0.36mm
の塗装TFS板から作成したタブを、スコアから
接着支点までの距離が6mm且つ接着支点部におけ
る接着剤層の巾が5mmになる様に、ナイロン12系
のフイルム状接着剤を用いて220℃で接着した。 こうして得た易開封性罐蓋について、インスト
ロン型引張試験機を用い、先に述べた開口力PI
よびPGを測定した。また、スコア部での割れ発
生の有無を、浸透探傷液を用いて調べた。それら
の結果を表1に示す。 (比較例 1,2) 2次冷間圧延の圧下率を、それぞれ5%および
2%とする他は、実施例1〜4と同じようにし
て、比較例1および2に用いた鋼板を得た。鋼板
の炭素量および伸びを表1に示す。 これらの鋼板を、実施例1〜4と同様に、
TFS処理・塗装後、蓋成形、スコア加工、タブ
成形、タブ接着をして易開封性罐蓋を作成し、開
口力測定ならびにスコア部の割れの有無を調べ
た。その結果を表1に示す。 実施例5〜7、比較例3は、プライマーおよび
接着剤の種類、スコアから接着支点までの距離お
よびその位置の接着剤層の巾、スコア残厚を一定
とし、蓋に用いる表面処理鋼板として、板厚・伸
び・表面処理はほぼ同じであるが、炭素量が異な
る鋼板について試験したものである。 (実施例5〜7、比較例3) 脱炭を真空脱ガスによらず1次冷間圧延後の脱
炭焼鈍によつて所定の炭素量とすること、ならび
に2次冷間圧延の圧下率を、それぞれ25%、20%
他は、実施例1〜4と同様にして、実施例5,6
に用いた厚さ0.18mmの鋼板を得た。なお、実施例
6の鋼は、意識的に脱炭を早く中止して炭素レベ
ルを調整した。 また実施例7および比較例3に使用した鋼板
は、通常の溶製、造塊、熱延、1次冷間圧延、箱
型焼鈍により製造した炭素レベルの低い鋼を、さ
らにそれぞれ圧下率20%および15%で2次冷間圧
延して得たものである。鋼板の炭素量および伸び
を表1に示す。 これらの鋼板を、実施例1〜4と同様に、
TFS処理・塗装後・蓋成形、スコア加工、タブ
成形、タブ接着をして、易開封性罐蓋を作成し、
開口力測定およびスコア部の割れの有無を調べ
た。その結果を表1に示す。 実施例1〜7、比較例1〜3から、数ある鋼板
の中で、炭素量が0.03%以下で且つ伸びが1〜20
%である表面処理鋼板から成る蓋が、初期開口力
PIが小さく、しかも、漸近開口力PGは或る程度大
きく、易開封性に優れていることが判る。 実施例8〜11比較例4〜6は、プライマー及び
接着剤の種類、スコアから接着支点までの距離及
びその位置の接着剤層の巾、蓋に用いる表面処理
鋼板の炭素量・板厚・伸び・表面処理を一定と
し、スコア残厚/元板厚の比を変えて試験したも
のである。 (実施例8〜11、比較例4〜6) 2次冷間圧延の圧下率を25%とし、スコア残
厚/鋼板厚の比をそれぞれ順に0.15,0.25,0.30,
0.38ならびに0.09,0.42,0.48とすることの他は
実施例1〜4と同様にして、実施例8,9,10,
11ならびに比較例4,5,6の易開封性蓋を作成
し、開口力測定およびスコア部の割れの有無を調
べた。その結果を表1に示す。 実施例8〜11、比較例4〜6から、スコア部に
クラツクを生ぜず密封性に優れ、しかも開口力の
小さい易開封性蓋とするためには、スコア残厚/
表面処理鋼板厚の比を0.10ないし0.40の範囲とす
ることがきわめて重要であることがわかる。 実施例12,13、比較例7〜11は、蓋とタブの接
合様式以外を一定にして試験したものである。 (実施例 12) 蓋材として炭素量0.005%伸び5%のTFSを用
い、接着剤としてフイルム状にしたナイロン6−
10を使用し、接着温度を260℃にする以外は、実
施例1〜4と同様にして易開封性蓋を作成し、開
口性試験を行つた。また、タブを接着後、蓋内外
面にスプレーによりエポキシ・フエノール系塗料
を塗布し200℃で5分間加熱焼付を行なつた易開
封性罐蓋を片巻締した7号罐に、カツオ味付を充
填し蓋を真空巻締し、次いで116℃、90分間の加
熱殺菌を行つた実罐を、常温下で1年間貯蔵した
後、易開封性蓋の内面について腐食状況を実体顕
微鏡で観察した。その結果を表2に示す。 (実施例 13) 接着剤としてテレフタル酸、イソフタル酸、セ
バシン酸、1,4−ブタンジオールを成分とする
コポリエステルを使用し、予めタブ側にギア−ポ
ンプ付きホツトメルトアプリケーターで50μmの
厚みに塗布し、接着温度を120℃にする以外は実
施例12と同様にして易開封性罐蓋を作成し、開口
性試験および実罐貯蔵後の腐食状況を調べた。そ
の結果を表2に示す。 比較例 7 接着剤として無水マレイン酸変性ポリプロピレ
ンのフイルムを使用し接着温度を210℃にする以
外は、実施例12と同様にして易開封性罐蓋を作成
し、開口性試験及び実罐貯蔵後の腐食状況を調べ
た。その結果を表2に示す。 比較例 8 タブと蓋との接合を加熱温度230℃で半田付け
によつて行なうこと以外は実施例12と同様にし
て、易開封性罐蓋を作成し、開口性試験及び実罐
貯蔵後の腐食状況を調べた。その結果を表2に示
す。 比較例 9 タブと蓋との接合を、接合部の鋼板接合面上の
塗膜を削り落としたのち、加圧力30〜60Kg、電流
3000Aの条件で抵抗溶接によつて行なうこと以外
は、実施例12と同様にして易開封性罐蓋を作成し
開口性試験及び実罐貯蔵後の腐食状況を調べた。
その結果を表2に示す。 比較例 10 タブと蓋との接合を加圧力50〜100Kgで超音波
溶接する以外は、実施例12と同様にして、易開封
性罐蓋および実罐貯蔵後の腐食状況を調べた。そ
の結果を表2に示す。 比較例 11 タブと蓋との接合を、従来の易開封性罐蓋にな
らいリベツト加工による機械的なかしめによつて
行なうこと以外は、実施例12と同様にして、易開
封性罐蓋および実罐貯蔵後の腐食状況を調べた。
その結果を表2に示す。 実施例12,13、比較例7〜11から、プライマー
塗装したクロメート表面処理鋼板から成る蓋材へ
の数あるタブの接合様式の中で、アミド反復単位
及び/又はエステル反復単位からなる熱可塑性接
着剤を用いた接着による接合が、優れていること
が判る。
【表】
【表】 比較例 12 市販のテンパー度T6からなるテイン・フリ
ー・スチール(TFS)板(厚さ0.20mm)に、実施
例1と同様に、塗装、蓋成型、スコア加工、タブ
成型、タブ接着を行つて易開封性蓋を作成し、開
口力測定ならびにスコア部の割れの有無を調べ
た。その結果を表3に示す。尚このTFS板の炭
素含有量は0.08%であり、伸びは13%であつた。
【表】
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による易開封性罐蓋の一例の上
面図、第2図は第1図の罐蓋の線A−A′におけ
る側面断面図、第3図は第2図における要部の拡
大断面図、第4図は、種々の易開封性罐蓋につい
て、開封用タブの変位量を横軸、開口力を縦軸と
してプロツトした線図である。 1は易開封性罐蓋、2はプライマー塗膜、3は
表面処理鋼板、8はスコア、9は開口される部
分、10は開封用タブ、13は支点部分、16は
熱可塑性樹脂接着剤層を夫々示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 プライマー塗装したクロメート表面処理鋼板
    から成る蓋材に、開口すべき部分を区画するスコ
    アを該鋼板の厚み方向の途中に達するように設
    け、 開封用タブを、その開封用先端がほぼスコアの
    初期開口部に位置するように、蓋材の開口すべき
    部分に結合させて成るイージイオープン蓋におい
    て、 該クロメート表面処理鋼板が炭素含有量が0.03
    重量%以下で伸びが1乃至20%のクロメート表面
    処理鋼板であり、初期開口部におけるスコア残
    厚/クロメート表面処理鋼板厚の比が0.1乃至0.4
    の範囲にあり且つ該クロメート表面処理鋼板と開
    封用タブとをアミド反復単位及び/又はエステル
    反復単位から成る熱可塑性接着剤による接着支点
    を介して熱接着させて成ることを特徴とする開口
    性及び耐腐食性に優れた巻締用イージイオープン
    蓋。
JP60108379A 1984-08-28 1985-05-22 開口性及び耐腐食性に優れたイ−ジイオ−プン蓋 Granted JPS61273344A (ja)

Priority Applications (8)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60108379A JPS61273344A (ja) 1985-05-22 1985-05-22 開口性及び耐腐食性に優れたイ−ジイオ−プン蓋
DK389885A DK163352C (da) 1984-08-28 1985-08-27 Beholderlaag
AU46691/85A AU586184B2 (en) 1984-08-28 1985-08-27 Easy-open can lid
CA000489480A CA1266013A (en) 1984-08-28 1985-08-27 Easy-open can lid
DE8585306097T DE3580546D1 (de) 1984-08-28 1985-08-28 Leicht zu oeffnender behaelterverschluss.
EP85306097A EP0173562B1 (en) 1984-08-28 1985-08-28 Easy-open can lid
KR1019850006201A KR920000720B1 (ko) 1984-08-28 1985-08-28 용이 개봉성 캔 뚜껑
US07/028,014 US4762245A (en) 1984-08-28 1987-03-18 Easy-open can lid

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60108379A JPS61273344A (ja) 1985-05-22 1985-05-22 開口性及び耐腐食性に優れたイ−ジイオ−プン蓋

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS61273344A JPS61273344A (ja) 1986-12-03
JPH0451428B2 true JPH0451428B2 (ja) 1992-08-19

Family

ID=14483276

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP60108379A Granted JPS61273344A (ja) 1984-08-28 1985-05-22 開口性及び耐腐食性に優れたイ−ジイオ−プン蓋

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS61273344A (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020132252A (ja) * 2019-02-25 2020-08-31 大和製罐株式会社 缶蓋

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS515333A (ja) * 1974-07-03 1976-01-17 Nihon Cement Sementoyobochoseikonwazaino seizoho
JPS5873541A (ja) * 1981-10-19 1983-05-02 東洋製罐株式会社 易開封性ヒ−トシ−ル蓋

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS515333A (ja) * 1974-07-03 1976-01-17 Nihon Cement Sementoyobochoseikonwazaino seizoho
JPS5873541A (ja) * 1981-10-19 1983-05-02 東洋製罐株式会社 易開封性ヒ−トシ−ル蓋

Also Published As

Publication number Publication date
JPS61273344A (ja) 1986-12-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR940000196B1 (ko) 개방이 용이한 뚜껑이 달린 캔 및 그 제조방법
KR920000720B1 (ko) 용이 개봉성 캔 뚜껑
JPH0780253B2 (ja) ラミネート材から成る容器蓋
US4773558A (en) Easily-openable closure for seamed can
JPH0451428B2 (ja)
JPH0329666B2 (ja)
JPH0536306B2 (ja)
JP3259416B2 (ja) 溶接缶用ラミネート鋼板
JP4293065B2 (ja) 耐硫化変色性、耐食性に優れた溶接缶
JPH0541505B2 (ja)
JPS6326026B2 (ja)
JPH0649497B2 (ja) 易開口性罐蓋
JPH0451425B2 (ja)
JPH057262B2 (ja)
WO2024091251A1 (en) Sealable and peelable lids for stainless steel containers
JPH06227546A (ja) イージーオープン缶用蓋
Matsubayashi Metal containers
JPS62271840A (ja) イ−ジイオ−プン蓋付缶体
JPS6352A (ja) 切断瑞縁の保護可能な易開封性缶蓋
JPS62292229A (ja) 易開口性蓋の製造方法
JPS63115736A (ja) 金属接着構造物
JPH01298141A (ja) 耐食性の優れた缶蓋用溶融アルミニウムめっき鋼板
JPS6023146A (ja) 金属製容器用蓋
JPH01289886A (ja) 金属用接着剤及び接着構造物
JPH0230526A (ja) 缶用及び缶蓋用鋼板と、缶体及び缶蓋