JPH0449142Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、沿面放電式オゾン発生管の改良に関
するものである。

（従来の技術） 沿面放電式オゾン発生管は、内周の表面でのみ
放電が行われるので、その放電部に原料ガスを均
等に接触させることがオゾン発生量及び発生効率
を上昇させる上で重要である。従来の沿面放電式
オゾン発生管は、円筒体の内部に何等障害物がな
く、送入された原料ガスを円滑に流して、当該円
筒体の内面に生ずる沿面放電によつてオゾンを生
成されるものであつた。

（考案が解決しようとする問題点） 上記従来のオゾン発生管では、送入された原料
ガスの大部分が円筒体内を素通りしてしまい、オ
ゾンを生成することなくそのまま流出するので、
高濃度の含オゾンガスを得ることができず、オゾ
ン生成効率が低いという欠点を有していた。

本考案は、このような従来の欠点に鑑み、高濃
度の含オゾンガスを得ることができ、オゾン生成
効率が高い沿面放電式オゾン発生管を提供するこ
とを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するために、本考案の要旨とす
るところは内面に放電電極を有する筒体と、該筒
体内に収納され外周と前記筒体の内周面との間に
小間隙を置くとともに前記筒体の長手方向に沿つ
て所定間隔を置いて並設した複数の邪魔板を有す
る中子と、前記筒体の端部を気密に閉塞しかつ原
料ガスの導入通路及び吐出通路を有する蓋体とを
備えたことを特徴とする沿面放電式オゾン発生管
にある。

（作用） 本考案に係る沿面放電式オゾン発生管は、内面
に放電電極を有する筒体内に中子が収納してあ
り、当該筒体の端部を気密に閉塞する蓋体が有し
ている導入通路を通じて原料ガスを内部に送入
し、前記中子が有している所定間隔を置いて並設
した複数の邪魔板の外周と前記筒体の内周面との
間の小間隙のみを通じて当該原料ガスを流して筒
体の内面へ導き、当該内面における沿面放電によ
つて効率良くオゾンを生成させ、前記蓋体が有し
ている吐出通路を通じて含オゾンガスを外部に取
り出し得る。

（実施例） 本考案の実施例について、図面を参照しながら
説明する。

第１図は、本考案の実施例に係る沿面放電式オ
ゾン発生管を示す縦断面図、第２図は、その横断
面図である。

オゾン発生管は、円筒体１の内部に中子２が収
納してあり、この中子２が所定間隔を置いて並設
した複数の邪魔板３を有しており、円筒体１の端
部を気密に閉塞する蓋体４が有している導入通路
４ａを通じて原料ガス５を内部に送入し、邪魔板
３の外周と円筒体１の内面との間の小間隙を通じ
て当該原料ガス５を流して円筒体１の内面へ導
き、当該内面において生ずる沿面放電によつてオ
ゾンを生成させ、蓋体４の中央を貫通する軸管８
を吐出通路としてここを通じて高濃度の含オゾン
ガス６を外部へ取り出せるようになつている。

円筒体１は、セラミツクからなり、一端側の底
板１ａの内面中央にナツト１ｂが内向きに一体に
突設してあり、他端側をフランジ状の蓋体４によ
つて気密に閉塞してある。この蓋体４は、端面に
略直角な方向に沿つた導入通路４ａが中央を避け
た所定位置に穿設してあり、中央に貫通穴４ｂを
有し、また、内面に設けた放電電極７及び内部に
埋設した図示しない誘導電極を備えている。

中子２は、軸管８と、この軸管８の外周を囲繞
する主管９と、この主管９の外周及び端面に固着
した複数の邪魔板３を備えている。軸管８は、外
周に雄ねじ８ａが設けてあり、蓋体４の中央の貫
通穴４ｂに挿通して一端を底板１ａの中央のナツ
ト１ｂに螺合し、他端を蓋体４の外側まで突出さ
せて取付け、貫通穴４ｂの外側において外周に嵌
合する環状パツキン１０によつてシールしてあ
る。そして軸管８は、ナツト１ｂの近傍に複数の
細穴８ｂを有し、この細穴８ｂを通じて内部へガ
スが導かれ、蓋体４の外側の突出端からそのガス
が流出するようになつている。主管９は、軸管８
の外周を間隔を置いて囲繞し、底板１ａ及び蓋体
４のそれぞれの内側端面に対して所定間隙を置い
て配置してあり、複数の邪魔板３が固着してあ
る。複数の邪魔板３は、主管９の両端が端板３
ａ，３ａと、中間部の中間板３ｂとを備え、円筒
体１の長手方向に沿つて互いに所定間隔を置いて
並設してあり、いずれも外周と円筒体１の内面と
の間に小間隙を置いた同一外形の円板状をなして
いる。端板３ａは、中心穴３ｃが軸管８の外周に
嵌合し、主管９の端面に当接固着してあり、中間
板３ｂは、中心穴３ｄが主管９の外周に嵌合し、
主管９に固定してある。そして中子２は、軸管８
の雄ねじ８ａに螺合し両端板３ａ，３ａの外面に
当接するナツト１１，１１をもつて締結し、軸管
８によつて支持して取付けてある。

次に、本考案の実施例に係るオゾン発生管の動
作について説明する。

放電電極７と誘導電極との間に高周波高電圧を
印加すると、円筒体１の内側表面の放電電極７か
ら強力な沿面放電が生ずる。このような状態で、
導入通路４ａを通じて原料ガス５を円筒体１の内
部へ送入する。送入された原料ガスは、蓋体４と
これに隣接する端板３ａとの間及び各中間板３ｂ
の間で滞留しつつ邪魔板３によつて何回も円筒体
１の内面方向へ導かれて効率良くオゾン生成がな
される。このようにして生成されたオゾンを含む
ガスは、細穴８ｂを通じて軸管８の内部へ導か
れ、軸管８の外端部を通じて取り出される。

前記実施例によれば、中子２は、軸管８で支持
し、ナツト１１をもつて締結して取付け、軸管８
の一端がナツト１ｂに螺合するので、組立てが非
常に容易であり、邪魔板３は、同一外形の円板状
をなしているので低コストで製作でき、軸管８が
吐出通路を兼ねているので構造が簡単である等の
利点がある。

第３図は、本考案の変形例に係るオゾン発生管
を示す縦断面図、第４図は、その横断面図であ
る。

このオゾン発生管は、主管９′が軸管８の外周
を間隔を置くことなく囲繞しており、主管９′の
外周と円筒体１の内面との間が広くなつている点
以外は前述の実施例に係るオゾン発生管と同じで
ある。

この場合、円筒体１の内面と主管９′の外周と
の間が広くなつているので、ガスのここにおける
滞留と円筒体１の内面への接触が十分に行われる
という利点がある。

なお、本考案は、放電電極が原料ガスの流れの
方向と平行に配置されている場合に、邪魔板に切
欠きを入れてガスの良好な流れを形成することが
可能であり、邪魔板の枚数と取付け間隔は適宜変
更して設定することも可能である。

（考案の効果） 本考案は、上述の如く構成され、内面に放電電
極を有する筒体内に収納され外周と当該筒体の内
周面との間に小間隙を置くとともに筒体の長手方
向に沿つて所定間隔を置いて並設した複数の邪魔
板を有する中子を備えることにより、原料ガスを
筒体の内面に導いてオゾン生成を効率良く行い高
濃度の含オゾンガスを得ることができ、筒体の端
部を気密に閉塞しかつ原料ガス導入通路及び吐出
通路を有する蓋体を備えていることにより、構造
が簡単である等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に係るオゾン発生管を
示す縦断面図、第２図はそのＡ−Ａ横断面図、第
３図はその変形例を示す縦断面図、第４図はその
Ｂ−Ｂ横断面図である。 １……円筒体、１ａ……底板、１ｂ……ナツ
ト、２……中子、３……邪魔板、３ａ……端板、
３ｂ……中間板、３ｃ，３ｄ……中心穴、４……
蓋体、４ａ……導入通路、４ｂ……貫通穴、５…
…原料ガス、６……含オゾンガス、７……放電電
極、８……雄ねじ、８ｂ……細穴、９……主管、
１０……パツキン、１１……ナツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内面に放電電極を有する筒体と、該筒体内に収
   納され外周と前記筒体の内周面との間に小間隙を
   置くとともに前記筒体の長手方向に沿つて所定間
   隔を置いて並設した複数の邪魔板を有する中子
   と、前記筒体の端部を気密に閉塞しかつ原料ガス
   の導入通路及び吐出通路を有する蓋体とを備えた
   ことを特徴とする沿面放電式オゾン発生管。