JPH0447141Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、一対の保持具で容器の搬送方向前後
を挟持して搬送する容器搬送装置に関する。

「従来の技術」 従来、この種の容器搬送装置として、駆動軸に
設けた第１スプロケツトと第２スプロケツトと、
上記第１スプロケツトに掛渡されて循環走行され
る第１無端チエンと、上記第２スプロケツトに掛
渡されて上記第１無端チエンと平行にそれと同一
速度で循環走行される第２無端チエンと、上記第
１無端チエンに設けられ、容器の搬送方向前面側
を保持する第１保持具と、上記第２無端チエンに
設けられ、容器の搬送方向後面側を保持する第２
保持具と、さらに上記第１保持具と第２保持具と
の搬送方向における間隔を調整する間隔調整機構
とを備えたものが知られている（実公昭49−
14861号公報、特公昭52−49629号公報）。

「考案が解決しようとする課題」 しかるに、上記構成を有する従来の容器搬送装
置では、容器の大きさに適合するように上記一対
の保持具の間隔を調整するに当つて、一方の保持
具だけを搬送方向に移動させる構成となつてお
り、したがつて、変更した大きさに適合するよう
に保持具の間隔を調整した後では、その保持具に
挟持される容器の中心位置がずれる結果となつて
いた。

そのため、例えば上記容器搬送装置が容器内に
充填液を充填するライン式充填装置に容器を搬送
する搬送装置である場合には、充填装置の充填ノ
ズルは所定のピツチで配設されているので、上述
したように保持具の間隔調整の際に容器の中心位
置がずれると、充填ノズルを容器内に挿入できな
くなる虞がある。

「課題を解決するための手段」 本考案はそのような事情に鑑み、上記間隔調整
機構を、上記駆動軸にそれぞれ回転可能に取付け
た上記第１スプロケツトと第２スプロケツトと、
上記第１スプロケツトに固定した第１歯車と、上
記第２スプロケツトに固定した第２歯車と、上記
駆動軸の軸部に回転自在に軸支した回転軸と、こ
の回転軸を上記第１歯車および第２歯車に連動さ
せ、該回転軸の回転に応じて上記第１スプロケツ
トと第２スプロケツトとを互いに逆方向に同一量
だけ回転させる歯車機構と、上記回転軸に連結し
たウオームホイールと、上記駆動軸に回転自在に
軸支して上記ウオームホイールに噛合させたウオ
ームギヤとから構成し、かつ上記ウオームギヤと
ウオームホイールは、ウオームギヤの回転をウオ
ームホイールに伝達し、ウオームホイールの回転
はウオームギヤに伝達しないようにしたものであ
る。

「作用」 上記構成によれば、間隔調整機構のウオームギ
ヤを回転させることにより、ウオームホイール、
回転軸、歯車機構および第１歯車と第２歯車とを
介して第１スプロケツトと第２スプロケツトとを
互いに逆方向に同一量だけ回転させることがで
き、したがつてきわめて容易に第１保持具と第２
保持具とを相互に逆方向に同一量だけ移動させて
物品の中心位置がずれないようにして両保持具間
の間隔を変更することができる。

しかもその際、ウオームホイールの回転がウオ
ームギヤに伝達されることがないので、ウオーム
ギヤを回転させて第１保持具と第２保持具との間
隔を仮決めした後に、ウオームギヤが回転しない
ように保持しておかなくても第１保持具と第２保
持具との間隔が変動することがなく、したがつて
その調整作業をきわめて円滑に行うことができ
る。

「実施例」 以下図示実施例につて本考案を説明すると、第
１図ないし第３図において、１，１′は相互に平
行に配設した無端チエンで、両無端チエン１，
１′を同一位相を保つて同一速度で走行するよう
にしている。

そして両無端チエン１，１′間に所要の等間隔
毎に多数のベースプレート２を取付けるととも
に、各ベースプレート２上に容器３の搬送方向後
面側を保持する第１保持具４を取付けてあり、上
記ベースプレート２上に容器３を載置し、かつ上
記第１保持具４で容器３の後面を保持した状態
で、容器３を搬送することができるようにしてい
る。

上記一対の無端チエン１，１′の中央位置には、
それら無端チエン１，１′と平行かつ同一速度で
走行する無端チエン５を設けてあり、この無端チ
エン５に上記各ベースプレート２と同一の間隔で
ブラケツト６を取付けている。

そして各ブラケツト６に無端チエン５の搬送方
向と直交させて水平方向に軸７を軸支し、この軸
７の両端に固定した一対のアーム８の間に容器３
の搬送方向前面側を保持する第２保持具９を設け
ている。また、上記ブラケツト６とアーム８との
間にトルクスプリング１０を設け、このトルクス
プリング１０により上記第２保持具９を第１保持
具４に向けて付勢して、第２保持具９と第１保持
具４とで容器３を挟持することができるようにし
ている。

他方、上記一対のアーム８のうちの一方に、そ
の下方端部にカムフオロワ１１を取付け、このカ
ムフオロワ１１を機枠１２に固定したカム部材１
３に係合させることにより、上記トルクスプリン
グ１０に抗して第２保持具９を第１保持具４から
離隔する方向に揺動させることができるようにし
ている。

次に、第４図は、上記一対の無端チエン１，
１′と無端チエン５との位相を変更して、挟持す
る容器３の大きさに合せて一対の保持具４，９の
間隔を調整する間隔調整機構１４を示したもので
ある。

同図において、１５は機枠１２に回転自在に軸
支した中空の駆動軸で、この駆動軸１５の左端に
歯車１６を固定し、これを図示しないモータによ
つて回転駆動される駆動歯車１７に噛合させてい
る。

上記駆動軸１５の外周には所要の間隔をあけて
３つのスプロケツト１８，１８′，１９をそれぞ
れ回転自在に軸支し、外側の一対のスプロケツト
１８，１８′に上記一対の無端チエン１，１′を、
中間のスプロケツト１９に中間の無端チエン５を
それぞれ掛渡している。

上記中空の駆動軸１５の軸部には回転軸２０を
回転自在に軸支し、その一端を駆動軸１５の左端
外部に突出させてその突出端にウオームホイール
２１を固定し、そのウオームホイール２１を上記
歯車１６の左端面に回転自在に軸支したウオーム
ギヤ２２に噛合させている。このときウオームギ
ヤ２２を回転させた際にはウオームホイール２１
を回転させることができるが、ウオームホイール
２１を回転させようとしてもウオームギヤ２２が
回転しないようにしている。

そして通常の状態では、歯車１６の回転により
ウオームギヤ２２をその歯車１６と一体に回転さ
せ、これと同時にウオームギヤ２２に噛合してい
るウオームホイール２１も一体に回転させて、上
記駆動軸１５と回転軸２０とが一体に回転するよ
うにしている。

さらに、上記駆動軸１５には上記スプロケツト
１８と１９との間およびスプロケツト１８′と１
９との間のそれぞれに半径方向外方に向けた筒状
部２３，２３′を一体に設けてあり、各筒状部２
３，２３′の軸部に回転軸２４，２４′を回転自在
に軸支している。そして各回転軸２４，２４′の
半径方向内方端にそれぞれ傘歯車２５，２５′を
取付けてこれを上記回転軸２０に取付けた傘歯車
２６，２６′に噛合させている。

また、上記各回転軸２４，２４′の半径方向外
方端にも傘歯車２７，２７′を取付けてあり、一
方の傘歯車２７をスプロケツト１８に設けた傘歯
車２８に噛合させるとともに、他方の傘歯車２
７′はスプロケツト１８′に設けた傘歯車２８′お
よびスプロケツト１９に設けた傘歯車２９に噛合
させている。

以上の構成において、カム部材１３にカムフオ
ロワ１１が係合している状態では、一対の保持具
４，９の間隔が拡げられているので、この状態で
その保持具４，９間に容器３を供給し、或いは排
出することができることは明らかである。

そして保持具４，９間に容器３が供給された状
態で上記カムフオロワ１１がカム部材１３を越え
てその係合が解除されると、上記第２保持具９は
トルクスプリング１０の弾撥力により第１保持具
４に向けて揺動され、それら保持具４，９間で容
器３を挟持するようになる。したがつて容器３
は、上記ベースプレート２上に載置され、かつ一
対の保持具４，９で保持された安定した状態で搬
送されるようになる。

次に、大型若しくは小型の容器を搬送するため
に一対の保持具４，９間の間隔を変更する必要が
ある場合には、上記ウオームギヤ２２を所要の方
向に回転させると、これに噛合するウオームホイ
ール２１を介し回転軸２０が駆動軸１５に対して
所要の方向に回転され、さらにその回転は傘歯車
２６，２６′、傘歯車２５，２５′および回転軸２
４，２４′を介して傘歯車２７，２７′に伝達され
るようになる。

そして傘歯車２７′が回転されると、これに噛
合するスプロケツト１８′と１９とが相互に逆方
向に所定量回転し、これと同時に傘歯車２７に噛
合するスプロケツト１８が上記スプロケツト１
８′と同方向に同一量だけ回転する。その結果、
無端チエン１，１′と５とが相互に逆方向に変位
されて保持具４，９間の間隔が変化するようにな
る。

この際、両保持具４，９が相互に逆方向に同一
量だけ変位するので、容器３の大きさが変化して
も両保持具４，９で容器３を挟持した際にその容
器の中心位置は一定の位置に維持される。

「考案の効果」 以上のように、本考案によれば、間隔調整機構
を構成するウオームギヤを回転させることによ
り、ウオームホイール、歯車機構および第１歯車
と第２歯車とを介して第１スプロケツトと第２ス
プロケツトとを互いに逆方向に同一量だけ回転さ
せることができるので、きわめて容易に第１保持
具と第２保持具とを相互に逆方向に同一量だけ移
動させることができ、したがつて物品の中心位置
がずれるのを防止しながら両保持具間の間隔を変
更することができる。

しかも変更の際、ウオームホイールの回転がウ
オームギヤに伝達されることがないので、ウオー
ムギヤを回転させて第１保持具と第２保持具との
間隔を仮決めした後に、ウオームギヤが回転しな
いように保持しておかなくても第１保持具と第２
保持具との間隔が変動することがなく、したがつ
てその調整作業をきわめて円滑に行うことができ
るという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す側面図、第２
図は第１図の平面図、第３図は第２図の−線
に沿う断面図、第４図は一対の保持具４，９の間
隔を調整する間隔調整機構１４を示す断面図であ
る。 １，１′……第１無端チエン、３……容器、４
……第１保持具、５……第２無端チエン、９……
第２保持具、１０……トルクスプリング、１１…
…カムフオロワ、１３……カム部材、１４……間
隔調整機構、１５……駆動軸、１８，１８′……
第１スプロケツト、１９……第２スプロケツト、
２１……ウオームホイール、２２……ウオームギ
ヤ、２８，２８′……第１歯車、２９……第２歯
車、２５〜２７，２５′〜２７′……歯車。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 駆動軸に設けた第１スプロケツトを第２スプロ
   ケツトと、上記第１スプロケツトに掛渡されて循
   環走行される第１無端チエンと、上記第２スプロ
   ケツトに掛渡されて上記第１無端チエンと平行に
   それと同一速度で循環走行される第２無端チエン
   と、上記第１無端チエンに設けられ、容器の搬送
   方向前面側を保持する第１保持具と、上記第２無
   端チエンに設けられ、容器の搬送方向後面側を保
   持する第２保持具と、さらに上記第１保持具と第
   ２保持具との搬送方向における間隔を調整する間
   隔調整機構とを備えた容器搬送装置において、 上記間隔調整機構を、上記駆動軸にそれぞれ回
   転可能に取付けた上記第１スプロケツトと第２ス
   プロケツトと、上記第１スプロケツトに固定した
   第１歯車と、上記第２スプロケツトに固定した第
   ２歯車と、上記駆動軸の軸部に回転自在に軸支し
   た回転軸と、この回転軸を上記第１歯車および第
   ２歯車に連動させ、該回転軸の回転に応じて上記
   第１スプロケツトと第２スプロケツトとを互いに
   逆方向に同一量だけ回転させる歯車機構と、上記
   回転軸に連結したウオームホイールと、上記駆動
   軸に回転自在に軸支して上記ウオームホイールに
   噛合させたウオームギヤとから構成し、かつ上記
   ウオームギヤとウオームホイールは、ウオームギ
   ヤの回転をウオームホイールに伝達し、ウオーム
   ホイールの回転はウオームギヤに伝達しないこと
   を特徴とする容器搬送装置。