JPH0446776Y2

JPH0446776Y2 -

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Publication number: JPH0446776Y2
Application number: JP1986106338U
Authority: JP
Priority date: 1986-07-11
Filing date: 1986-07-11
Publication date: 1992-11-04
Also published as: JPS6313172U; US4795159A

Description

【考案の詳細な説明】［考案の目的］（産業上の利用分野）この考案は、繊維強化プラスチツクス（以下、
FRPと略記する）を外殻としたゴルフ用ウツド
クラブのヘツドの構造に関するものである。

（従来の技術）従来、この種のウツドクラブヘツドにおいて
は、外殻をFRPで形成したヘツド本体のソール
面に、真鍮あるいはアルミニウム合金等の金属材
料からなるソールプレートを取付ける際、ビス止
めしたり、あるいはFRP外殻に形成した凹部内
に嵌め込み固定したりして取付け、これにより、
ヘツド全体の重量調整のほかに、外力からソール
面を保護し得るような構成となつている。

（考案が解決しようとする問題点）しかしながら、このような従来のソールプレー
トの取付構造のものでは、打球時の衝撃による慣
性により、ソールプレートに横方向（打球方向）
の力が作用すると、ヘツド本体の外殻を形成する
FRPの厚さが薄肉構造であることから、例えば
ビスの長さを長くしても、FRPによるビス保持
効果を多く望めず、長期使用によつてソールプレ
ートが脱落し易くなる。また、FRP外殻のソー
ル面に成形上の都合などにより、大きな径を有す
る穴を形成してなるものにあつては、ソールプレ
ートを添設して補強する必要があるが、単に穴を
隠蔽するように添着しただけでは、FRP外殻と
ソールプレートの接合面に剪断力が働く状態にな
り、ソールプレートによるFRP外殻の補強効果
をあまり期待することができない。

さらに、ヘツド外殻に形成した凹部内にソール
プレートを嵌め込み固定してなるものにあつて
は、ソールプレートにより、打球時の衝撃による
横方向（打球方向）の力に対するFRP外殻の補
強効果は期待することができるが、FRP外殻へ
の取付状態が嵌め込み式であるため、ソール全面
周囲を保護することができず、これによつて、ヘ
ツド本体ソール面の外周端縁の保護効果を期待す
ることができない。

そして、ソールプレートを構成する基板全体が
金属材料からなるものをヘツド本体ソール面の全
周面に亘つて添設した場合、ヘツド全体重量が過
大になり、必然的に重量の調整範囲が制約され、
これによつて、ヘツド設計上の自由度が小さくな
るなど、といつた種々の問題があつた。

この考案は、上記の事情のもとになされたもの
で、その目的とするところは、ヘツド本体のソー
ル面に固定されるソールプレートの取付強度及び
耐衝撃性の向上を図り、かつソールプレートの脱
落を確実に防止するとともに、ソールプレートへ
の質量体の取付けを容易に行なうことができるよ
うにしたゴルフ用ウツドクラブのヘツド構造を提
供することにある。

（問題点を解決するための手段）上記した問題点を解決するために、この考案
は、FRP外殻からなるヘツド本体のソール面に
形成された穴に、ソールプレートの裏面に形成さ
れた凸部を嵌合させ、互いに固着してなる取付構
造を備えたヘツドにおいて、該ソールプレート
は、金属材料からなる基板の裏面に、合成樹脂素
材からなる凸部形成体を突出形成し、かつこの凸
部形成体の一部を前記基板に跨がせて係合させる
とともに、前記凸部形成体内にナツトを埋設し、
このナツトに質量体を螺着してなる構成としたも
のである。

（作用）すなわち、この考案は、金属材料の基板の裏面
に、合成樹脂素材の凸部形成体を突出形成してソ
ールプレートを構成し、このソールプレートの凸
部形成体の一部を基板に跨がせて係合させるとと
もに、この凸部形成体をヘツド本体のソール面に
形成した穴に嵌合させて互いに固着するようにし
てなるために、打球時の衝撃でソールプレートを
構成する基板が、その慣性によつてずれようとす
る横方向の動きに対して凸部形成体を追従させる
ことが可能になり、基板と凸部形成部との接合面
間にずれ等による剪断力の発生に伴う破壊が確実
に防止される。

また、ソールプレートの凸部成形体でヘツド本
体ソール面に形成した穴がほぼ全周面において塞
がれるために、ヘツド本体のFRP外殻に穴を開
口しても、全体的に連続している状態とほぼ同様
になり、FRP外殻の補強効果が向上し、たとえ
ヘツドFRP外殻が薄肉構造であつても、ソール
プレートとの間の取付強度が高まり、これによつ
て、ソールプレートの脱落が防止可能になる。

さらに、ソールプレートの凸部形成体内にナツ
トを埋設し、このナツトに質量体を螺着してなる
ために、質量体の取付けが容易に行なえ、重量調
整が簡便に行なえる。

（実施例）以下、この考案を図示の実施例を参照しながら
詳細に説明する。

第１図及び第２図に示すように、図中１はこの
考案に係るゴルフ用ウツドクラブのヘツド本体で
ある。

このヘツド本体１は、芯部が例えば発泡合成樹
脂等の芯材または図示の実施例のように中空で形
成され、その外殻がFRP２からなる殻構造を有
している。

そして、上記ヘツド本体１のソール面１ａの中
央部には、例えば円形などの穴３が前記FRP外
殻２に刻設または貫通させて形成されているとと
もに、このソール面１ａの全面に亘つてソールプ
レート４が添設されている。

すなわち、上記ソールプレート４は、第３図及
び第４図に示すように、真鍮あるいはアルミニウ
ム合金等の金属材料からなる基板５と、この基板
５の前記ヘツド本体１のソール面１ａ側のFRP
外殻２に対面する内側面に相当する裏面５ａに添
着して突出形成される合成樹脂素材からなる凸部
形成体６との複合構造を有する。

前記基板５は、ヘツド本体１のソール面１ａの
保護や重量の調整等としても用いられる機能上の
要求を満たすために必要な部分を構成し、一方、
前記凸部形成体６は、前記ヘツド本体１のソール
面１ａの中央部に形成された穴３と対応する位置
に一体的に突出形成された凸部７を有し、この凸
部７の形状を、前記穴３の形状に対応させて円柱
状に形成してなるとともに、前記基板５によるヘ
ツド本体１のソール面１ａの保護や重量の調整等
としても用いられる機能上の要求を満たすために
必要な部分以外の残余の部分を構成している。

さらに、上記基板５の前後打球方向に対する左
右両側部には、そのほぼ中央部５１を間に挟ん
で、係合部としての例えば半円弧状の切欠き部５
２，５２が左右対称的に形成されている。

この各々の切欠き部５２，５２には、前記凸部
形成体６の下面、つまり、前記基板５の裏面５ａ
に添着されるように対面する添着面に相当する下
面６ａの前記切欠き部５２，５２と対応する位置
に膨出形成した係着部６１，６１が係合し、かつ
この各々の係着部６１，６１の形状を前記切欠き
部５２，５２の形状に対応させて半円弧状に形成
してなるとともに、これによつて、前記凸部形成
体６の一部が、前記基板５の前後打球方向に対す
る左右に跨がせるような添設構造となつている。

また、上記ソールプレート４には、前記凸部形
成体６の凸部７に対応する位置に前記基板５と凸
部形成体６の凸部７とを貫通させて透孔８が設け
られ、この透孔８の貫通位置に対応する前記凸部
形成体６内には、取付けナツト９が埋設一体化さ
れているとともに、この取付けナツト９には、ヘ
ツド重量を調整するために用いられるボルト状の
質量体１０が螺着されるようになつている。

しかして、上記したヘツド本体１側のソール面
１ａにソールプレート４を取付けるには、ソール
プレート４の基板５の裏面５ａに添設した凸部形
成体６の凸部７を、前記ヘツド本体ソール面１ａ
の穴３に密接させて凹凸嵌合させ、かつ接着また
は図示の実施例のように、ビス孔４１……にビス
１１……を挿入して締結することにより固着し得
るようになつているものである。

ところで、上記ヘツド本体１の外殻を構成する
FRP２は、プリプレグまたは未硬化液状合成樹
脂を複数層からなる補強繊維に含浸させた状態の
ものを用いて硬化成形されているもので、特に、
外側層の補強繊維としてサーフエスマツトあるい
は朱子織りクロスを単独または袋織り体と重ね合
わせ用いることにより、表面平滑性及び形状追従
性を高め得るようにする一方、内側層の補強繊維
としてマツトまたは袋織り体のカーボン繊維を用
いることにより、弾性率の向上を図り得るように
するのが好適である。

なお、上記したこの考案において、ヘツド本体
１のソール面１ａに形成される穴３を中央部に設
け、かつこれに対応して嵌合する凸部７をソール
プレート４の裏面中央部に設けたが、これには限
定されず、それら各々の凹凸嵌合位置は任意であ
り、また、凹凸嵌合部の形状は、必ずしも円柱形
には限定されないが、円柱形の方が打球時の衝撃
に対する応力の集中を回避するにおいて有効に作
用する。

さらに、この考案の実施例によるソールプレー
トの構造において、基板５の切欠き部５２，５２
と凸部形成体６の係着部６１，６１との係合形状
は、必ずしも半円弧状には限定されないものであ
り、例えば第５図及び第６図に示すように、基板
５の係合部を刳貫孔５３，５３に形成して平面θ
形状にし、これらの刳貫孔５３，５３に凸部形成
体６の係着部６１，６１との係合させるようにし
ても、上述した凹凸嵌合部形状のものと同様に、
打球時の衝撃に対する応力の集中を回避するにお
いて有効に作用する。

その他、この考案は、この考案の要旨を変えな
い範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。

［考案の効果］以上の説明から明らかなように、この考案によ
れば、金属材料の基板の裏面に、合成樹脂素材の
凸部形成体を突出形成してソールプレートを構成
し、このソールプレートの凸部形成体の一部を基
板に跨がせて係合させるとともに、この凸部形成
体をヘツド本体のソール面に形成した穴に嵌合さ
せて互いに固着するようになつていることから、
打球時の衝撃により、ソールプレートを構成する
基板が、その慣性によつてずれようとする横方向
の動きに対して凸部形成体を追従させることがで
き、これによつて、基板と凸部形成部との接合面
間にずれ等による剪断力の発生に伴う破壊を確実
に防止することができる。

また、ソールプレートの凸部形成体でヘツド本
体ソール面に形成した穴をほぼ全周面において塞
がれることから、ヘツド本体のFRP外殻に穴が
開口されても、全体的に連続している状態とほぼ
同様になるために、FRP外殻の補強効果を向上
させることができ、たとえヘツドFRP外殻が薄
肉構造であつても、ソールプレートとの間の取付
強度を高めることができ、これによつて、ソール
プレートの脱落を防止することができる。

さらに、ソールプレートの凸部形成体内にナツ
トを埋設し、このナツトを質量体に螺着してなる
ために、質量体の取付けが容易に行なうことがで
き、これによつて、ヘツド全体重量の調整を簡便
に行なうことができるというすぐれた効果を奏す
るゴルフ用ウツドクラブのヘツド構造を提供する
ことができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るゴルフ用ウツドクラブ
のヘツドの一実施例を示す要部拡大断面図、第２
図は同じくヘツド本体とソールプレートとの分解
斜視図、第３図は第２図−線におけるソール
プレートの拡大断面図、第４図はソールプレート
を構成する基板の斜視図、第５図はソールプレー
トの他の実施例を示す拡大断面図、第６図は同じ
くソールプレートを構成する基板の他の実施例を
示す斜視図である。１……ヘツド本体、１ａ……ソール面、２……
FRP外殻、３……穴、４……ソールプレート、
５……基板、５ａ……裏面、５１……中央部、５
２，５２……係合部（切欠き部）、６……凸部形
成体、６１，６１……係着部、７……凸部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】 (1) FRP外殻からなるヘツド本体のソール面に
形成された穴に、ソールプレートの裏面に形成された凸部を嵌
合させて互いに固着してなる取付構造を備えた
ヘツドにおいて、該ソールプレートは、金属材料からなる基板
の裏面に、合成樹脂素材からなる凸部形成体を
突出形成し、かつこの凸部形成体の一部を前記基板に跨が
せて係合させるとともに、前記凸部形成体内にナツトを埋設し、このナツトに質量体を螺着したことを特徴とするゴルフ用ウツドクラブのヘツ
ド構造。 (2) 実用新案登録請求の範囲の範囲第１項に記載
のゴルフ用ウツドクラブのヘツド構造におい
て、該凸部形成体の一部を基板の前後打球方向に
跨がせたことを特徴とするヘツド構造。 (3) 実用新案登録請求の範囲の範囲第１項もしく
は第２項のいずれかに記載のゴルフ用ウツドク
ラブのヘツド構造において、該基板と凸部形成体に貫通する透孔を設け、
この凸部形成体の透孔内にナツトを埋設一体化
させるとともに、このナツトに質量体を螺着さ
せたことを特徴とするヘツド構造。