JPH0446591Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は台所等において移動可能に設置でき
る水切置棚に関するものである。

「従来の技術」 従来実施されている台所用水切棚は、パイプ棚
や網棚、線材製格子棚等を吊り枠により流し台上
方の壁部や窓の上部に吊設されたものであつて常
時定位置に固設されたものであつた。

「考案が解決しようとする問題点」 ところで、前記水切棚は定置式であるから一旦
定位置に取付けるとその位置を変更することが困
難であり、又、出窓内に設ける場合などには吊り
枠の適当な取付対象物が得られ難くて吊棚を設け
ることが困難である。

本考案はこのような事情を考慮に入れて発案さ
れたものであり、出窓の床部に載置するのみで設
備される移動可能な水切置棚とし、しかも設置場
所の状態や使用者の都合により適宜随意に棚の高
さを変更したり、又は上下段の各棚の順位を変換
したりできる置棚とすると共に、必要に応じてそ
の置棚を上下逆さに転倒させて天井面等に取付け
ることにより之を吊棚としても使用できるように
し、利用法をも変換できる水切棚を提供しようと
するものである。

「問題点を解決するための手段」 前記問題点を解決するために、相似形状に湾曲
形成した大小両曲杆を互に均等間隙を設けるよう
大曲杆の内側に小曲杆を配置して嵌合し、該嵌合
両曲杆の前後に相対応して平行状に配された前後
双脚間に直交させて適数の連結杆を所定間隔で水
平架設し両曲杆を一体的に連結することにより、
前記均等間隙を摺動溝となし、前後双脚を水平基
台上に植立させた脚体を構成し、該脚体一対を左
右に対立させた両脚体間に水切棚板を一段又は複
数段に架設し、両脚体の摺動溝を経て挿入した締
付螺子を前記水切棚板の両側枠に螺締して棚板を
適宜位置に固定するようにした水切置棚とするも
のである。

「作用」 脚体の前後双脚外方から間隙を介して棚板側枠
に螺締した締付螺子を緩めることにより、棚板を
間隙に沿つて上下方向へ摺動させその上下位（高
さ）を適当に変更して再び固定できるし、又、締
付螺子を抜いて上下段設の各棚板の順位を変換で
きる。そして、水平基台により床面上に安定して
載置できる。

そして又、組立てた状態において両脚体の上端
部を持つて引上げ、手軽に他所へ位置変更するこ
とも容易であり、尚更に、置棚を上下逆さに転倒
させ、水平基台により之を天井面等に取付けれ
ば、吊棚に変換して利用できる。

「実施例」 第１図及び第２図に本考案の一実施例を示す。

図中の符号１は脚体を示し、この脚体１は、下端
部に水平な基台２を設け、基台２上に双脚３を植
立させてあり、該双脚３は、相似形状に湾曲形成
した逆Ｕ字形の大小両曲杆３ａ，３ｂを互に均等
間隙を設けるよう大曲杆３ａの内側に小曲杆３ｂ
を配置して嵌合し、両曲杆の前後部で相対応して
平行状に配された一対宛の両脚杆で構成され、前
後双脚間の上、中、下段部に夫夫連結杆３ｄ…を
水平状に架設して両曲杆を連結することによりそ
の間隙を均等に保持させ該間隙を摺動溝とすると
共に、脚体の強度をも堅持しており、前記前後双
脚を水平基台２上に植立させることにより平行状
の前後双脚を形成した脚体１を構成するものであ
つて、尚水平基台の下面前後部には夫夫脚座２ａ
を下方へ突設し、前後両端には夫夫帽体２ｂを被
着してある。

４は締付螺子であり、この締付螺子４を前記双
脚に設けた間隙（摺動溝）３ｃの外方から後述す
る棚板の側枠５ｄ，６ｄに螺締することにより棚
板を脚体の適宜位置に固定するものである。

５は上段に架設したパイプ棚であつて、前後に
並列させた七本のパイプ５ａ…の中央部を波形連
結帯５ｂとビス５ｃで連結すると共に、左右両側
端部を溝形の側枠５ｄと波形押棧５ｅ及びビス５
ｆとで連結固定することにより一体的な棚板を構
成し、両側枠５ｄの外側面前後部に前記双脚の前
後摺動溝（間隙）の間隔に合致させて螺孔５ｇを
一対設けてある。

６は下段に架設の網棚であつて、網板６ａの前
後両縁を夫夫挟み棧６ｂで挟持させると共に、左
右両縁も押板６ｃで押え、その左右外側から夫夫
被着嵌合した溝形の外枠６ｄの下面にビス６ｆで
螺着し、両側枠の外側面前後部に双脚の前後摺動
溝間隙間隔に合致させて螺孔６ｅを一対設けてあ
る。

前述のパイプ棚５と網棚６とを最初に述べた左
右脚体間に架設するには、両脚体の双脚間に嵌装
した各棚の側枠５ｄ及び６ｄの螺孔５ｇ及び６ｅ
に、双脚外方から摺動溝３ｃを経て挿入した締付
螺子４の内端部をねじこんで締付けるだけの操作
により簡単に各棚が脚体に固定され置棚を組成す
る。

「考案の効果」 双脚に摺動溝を設け之に締付螺子を挿通してこ
の螺子で棚板の側枠を締付け固定するよう構成し
たから、締付螺子を緩めて摺動溝に沿つて棚板を
上下移動でき、棚設置場所の状態と使用者の都合
や又は棚上載置物品の大きさと形に応じて各棚の
高さと間隔を自由に変更し使い勝手のよい置棚を
構成できる。

尚又、締付螺子を外して上下異種の棚の順位を
交換することも容易であり棚の利用価値を高めら
れる。又、棚の設置場所をも自由に変更できるの
で、使用目的に応じて随意に棚を移設できる。

尚更に、この置棚を上下逆さに転倒させ、水平
基台を天井面等に取付けることにより、置棚を吊
棚に変換して利用することができ、用途変換が可
能である。

尚又、置棚として使用した場合には、両脚体の
上端部が円弧状であるので物品の出入れに邪魔に
ならず、吊棚として使用する場合には、両脚体の
下端部が円弧状であるので邪魔にならず、且つ使
用者の体が当つても負傷を免がれる。

又、両脚体に橋架した各連結杆は棚板側枠端部
を載置して支持部とすることができ、棚の横振れ
を防止する。

そして、この棚は組立分解が締付螺子により自
在であるから、取扱いと運搬に至便でる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の置棚を一側部を分
解して示した斜視図、第２図は同置棚の中央縦断
面図である。 １……脚体、２……水平基台、３……双脚、３
ａ……外曲杆、３ｂ……内曲杆、３ｃ……摺動
溝、３ｄ……連結帯、４……締付螺子、５……パ
イプ棚、６……網棚。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 相似形状に湾曲形成した大小両曲杆を互に均等
   間隙を設けるよう大曲杆の内側に小曲杆を配置し
   て嵌合し、該嵌合両曲杆の前後に相対応して平行
   状に配された前後双脚間に直交させて適数の連結
   杆を所定間隔で水平架設し両曲杆を連結すること
   により、前記均等間隙を摺動溝となし、前後双脚
   を水平基台上に植立させた脚体を構成し、該脚体
   一対を左右に対立させた両脚体間に水切棚板を一
   段又は複数段に架設し、両脚体の摺動溝を経て挿
   入した締付螺子を前記水切棚板の両側枠に螺締し
   て棚板を適宜位置に固定するようにした水切置
   棚。