JPH0444609Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、くん炭窯の自動的な消火装置に関
する。

（従来の技術） くん炭の製造に当たり、従来の窯による場合に
は、内容物の炭化状態を見極めた後、空気取入口
を遮蔽するなどして燃焼を中止させる作業を入力
でする必要があつた。したがつて常にくん燃状態
を監視していなければならなかつた。

（考案の目的） しかるにこの考案は内容物が炭化されると自動
的に空気取入口を遮蔽し、もつて窯内の燃焼を中
止して、あたかも消壷のようにほど好いくん炭を
製造することができるくん炭窯自動消火装置を提
供することを目的とする。

（考案の構成） 上記目的を達成するため、この考案のくん炭窯
自動消火装置は、下方側壁内側に火格子が張設さ
れ、投入したくん炭材の上面に点火して下方に燃
焼してゆかせる構造のくん炭窯において、火格子
の下側でくん炭窯本体の下方側壁に開口形成した
空気取入口と、該空気取入口に連続しくん炭窯本
体の下方側壁であつて火格子の上側に開口形成さ
れた棒通口と、該棒通口に一端を連接し他端を火
格子上面に置き、かつ、この他端近傍に火通孔が
穿設されたトンネル体と、該トンネル体の上記他
端に連接する衝止立壁と、該衝止立壁に一端を当
接し他端を保持竿によつて保持され、かつ、上記
トンネル体内に遊挿される可燃棒と、該可燃棒を
一端で保持し、他端が座台に係止され、かつ、上
記トンネル体内に遊挿される保持竿と、該保持竿
の上記他端を係止する座台を備え遮蔽方向に付勢
され、かつ、上記棒通孔および空気取入口を遮蔽
することができる蓋体とからなることを特徴とし
ている。

（作用） この考案のくん炭窯自動消火装置の作用を説明
すると次のとおりである。

くん炭窯にくん炭材、例えば籾殻を入れ、その
上面に灯油等を噴霧器で散布してから天蓋を閉じ
て着火すると、くん炭材は上方より下方にくん燃
して行き火気が最下層のくん炭材に到達してトン
ネル体の壁面の火通孔を通してトンネル体内の可
燃棒を燃焼させ、可燃棒を焼き落す。すると可燃
棒および保持竿に突支えされて遮蔽方向へ付勢さ
れていた蓋体が突支棒がなくなつたために作動し
て空気取入口を遮蔽する。このようにして、くん
炭材が全部炭化された時点でくん炭窯は空気から
遮断され、くん燃を中止して、あたかも消壷のよ
うにほど好いくん炭を窯内に製造することにな
る。

（実施例） 以下本考案の構成について１実施例を示す図面
参照の上、詳細に説明する。

第１図は本考案の実施例全体を示す縦断面図、
第２図は同実施例の要部を示す斜視図、第３図は
同実施例の一部を示す斜視図である。１はくん炭
窯の本体であつて筒体から成り、その下端には底
板２が形成され、上端３は開口されている。

くん炭窯本体１の上端３は煙突４を有する天蓋
５で遮蔽され、さらにクリツプ６，６……で天蓋
５をくん炭窯本体１の上端３上に固定されてい
る。煙突４は窯本体１から上昇してくる煙の逆流
を防止するに十分な長さを有して設けられてい
る。くん炭窯本体１の上方側壁適宜箇所、および
下方側壁適宜箇所にはそれぞれ着火口７および空
気取入口８が穿設されている。着火口７には小筒
９が突設され、この小筒９の筒周にネジが切ら
れ、そこにはこのネジに螺合するキヤツプ１０が
着火口７を密封可能に装着されている。なおキヤ
ツプ１０は着火後１，２分後に閉められる。

空気取入口８の上部には、同じくくん炭窯本体
１の下方側壁を開口して棒通口１１が設けられ、
くん炭窯本体１の内側にはこれら空気取入口８と
棒通口１１との境に側部を接して、火格子１２が
くん炭窯本体１の内側に水平に張設されている。
火格子１２の上面中央部には壁面を上記棒通口１
１に向けて衡止立壁１３が突設されている。この
衡止立壁１３壁面に一端を当接し、他端を保持竿
１４の受け口１５に受け止められて可燃棒１６が
保持竿１４の先端に保持されている。保持竿１４
は受け口１５のある端と反対の端で前記棒通口１
１を遊挿してくん炭窯本体１の側壁外方に延びて
いる。

一方、棒通口１１および空気取入口８の双方を
遮蔽することができる蓋体１７が、その端部を棒
通口１１の上端に取り付け蝶番１８を介して回動
自在に懸下されている。この蓋体１７はその自重
により空気取入口８に当接して空気の流入を遮蔽
することができるようにされている。もつともか
かる遮蔽を確実にし、かつ後述するように可燃棒
１６の消失に伴う蓋体１７の遮蔽動作を確実にす
るため、蓋体１７はコイルバネ１９で空気取入口
８と連結されていてもよい。この蓋体１７の外側
の下端近傍に取つ手２０が突設され、また内側の
棒通口１１対面部に前記保持竿１４の端部に当接
する座台２１が突設されている。

そこで保持竿１４の先端に可燃棒１６を保持さ
せ、取つ手２０を引いて蓋体１７を開け、棒通口
１１から可燃棒１６を頭にして保持竿１４をくん
炭窯本体１内に水平に遊挿し、衡止立壁１３の壁
面に可燃棒１６の先端を当接させた後、蓋体１７
を降ろし、蓋体１７の内側に突設されている座台
２１に保持竿１４の端部を当接させる。こうする
と蓋体１７は衡止立壁１３に当接する可燃棒１６
および保持竿１４により座台２１を介して棒通口
１１および空気取入口８の外方に持ち上げられた
状態で静止する。そして蓋体１７の上端は回動自
在に懸下されており蓋体１７の下端はその自重お
よびコイルバネ１９により常に空気取入口８を遮
蔽する方向に付勢された状態となつているから、
可燃棒１６が焼け落ちれば、突支棒がとれた状態
になつて、蓋体１７は空気取入口８および棒通口
１１を即座に遮蔽する。可燃棒１６の材質は例え
ば割り箸など、突支棒として十分な堅さを持ち、
かつ、少量の火気で焼け落ちるに十分な脆さのも
のであればよく、またその長さは保持竿１４と相
まつて衡止立壁１３および蓋体１７の座台２１間
にほぼ水平に突支えたときに蓋体１７を空気取入
口８および棒通口１１から十分に離して空気を流
入させることができる程度であればよい。なお、
蓋体１７の内側周縁には耐熱パツキン２２が添設
され、蓋体１７による空気取入口８の遮蔽をより
確実なものにしている。

次に、くん炭窯本体１内であつて火格子１２上
に充填したくん炭材２５を可燃棒１６と保持竿１
４から隔離して可燃棒１６が焼け落ちた時に蓋体
１７が閉まることができるようにするため、火格
子１２上に衡止立壁１３から棒通口１１までトン
ネル体２３を設け、このトンネル体２３内に、可
燃棒１６および保持竿１４を遊挿する。トンネル
体２３の可燃棒１６が来る箇所の壁面には火通孔
２４，２４……が穿設され、トンネル体２３の上
方でくん然するくん炭材２５の火気がこれら火通
孔２４，２４……を通過してトンネル体２３内の
可燃棒１６に付着し可燃棒１６を燃焼させること
ができるようにされている。

（効果） この考案の構成は上記のとおりであるから、部
品数の少ない簡単な構造で故障のない、かつ、維
持費のかからない効果的な自動消火装置を提供す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例に係るくん炭窯自動
消火装置の全体を示す縦断面図、第２図は同実施
例の要部を示す斜視図、第３図は同実施例の一部
を示す斜視図である。 １……くん炭窯本体、２……底板、３……上端
（くん炭窯本体の）、４……煙突、５……天蓋、６
……クリツプ、７……着火口、８……空気取入
口、９……小筒、１０……キヤツプ、１１……棒
通口、１２……火格子、１３……衝止立壁、１４
……保持竿、１５……受け口、１６……可燃棒、
１７……蓋体、１８……蝶番、１９……コイルバ
ネ、２０……取つ手、２１……座台、２２……耐
熱パツキン、２３……トンネル体、２４……火通
孔、２５……くん炭材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下方側壁内側に火格子が張設され、投入したく
   ん炭材の上面に点火して下方に燃焼してゆかせる
   構造のくん炭窯において、火格子の下側でくん炭
   窯本体の下方側壁に開口形成した空気取入口と、
   該空気取入口に連続しくん炭窯本体の下方側壁で
   あつて火格子の上側に開口形成された棒通口と、
   該棒通口に一端を連接し他端を火格子上面に置
   き、かつ、この他端近傍に火通孔が穿設されたト
   ンネル体と、該トンネル体の上記他端に連接する
   衝止立壁と、該衝止立壁に一端を当接し他端を保
   持竿によつて保持され、かつ、上記トンネル体内
   に遊挿される可燃棒と、該可燃棒を一端で保持
   し、他端が座台に係止され、かつ、上記トンネル
   体内に遊挿される保持竿と、該保持竿の上記他端
   を係止する座台を備え遮蔽方向に付勢され、か
   つ、上記棒通孔および空気取入口を遮蔽すること
   ができる蓋体とからなるくん炭窯自動消火装置。