JPH0444356Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、柔軟で、羽毛、羊毛、綿またはポリ
エステル繊維等の詰物の吹き出しのないふとん側
地に関する。

（従来の技術） 従来より、羽毛、羊毛、綿、またはポリエステ
ル繊維等がふとんの詰物として用いられている。
これらの中綿は、すべりやすいものであるので、
ふとん側地から吹き出しやすい。そのため、ふと
ん側地に多くの工夫がこらされている。具体的に
は、高密度の織物をカレンダーにより目つぶし加
工を行ない詰物の吹き出しを防止する方法、浸漬
法によつて製造された不織布またはスパンボンド
法による不織布で一旦中綿を包み、更にそれを柔
軟な側地でカバーする方法が知られている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、上記の方法はかならずしも満足
しうるものではなかつた。例えば、高密度織物を
カレンダー加工した側地は、風合いが硬く、詰物
の柔らかさを損なう憾みがある。また、不織布の
内包材を用いる方法は、縫製工程が２工程になる
という欠点と、不織布の目が粗いため詰物が濡れ
るという欠点がある。

本考案の目的は、１工程で縫製ができ、柔軟で
羽毛、羊毛、綿、またはポリエステル繊維等の吹
き出しのない側地を提供することにある。

（問題を解決するための手段） 本考案は、メルトブローン法によつて製造され
た合成繊維からなる不織布を貼り合せた布帛から
なるふとん側地にある。

本考案のふとん側地を構成する不織布は、合成
線状重合体を例えば特開昭49−48921号公報に開
示の方法によつてメルトブローさせることによつ
て得られるものである。この方法によつて得られ
る繊維は0.5デニール以下の極細のものであり、
その不織布は空隙の大きさが20〜50μ程度にな
り、浸漬法による不織布またはスパンボンド法に
よる不織布の空隙の大きさに比して極めて小さ
く、そのため、詰物が通過しにくいものとなる。

上記合成重合体としては、通常、繊維として用
いられている重合体であれば、何であつてもよい
が、ポリウレタンなどのエラストマーが好まし
い。すなわち、ポリウレタンからのメルトブロー
ン法不織布は非常に伸縮性が大きく、例えば目付
が34g／m²の不織布は、切断伸度が約240％にな
り、布帛の伸縮に十分追随することができ、その
ため、布帛の柔軟性を損なわせることがない。

本考案のふとん側地を構成する布帛としては、
木綿、絹、ウール、またはポリエステル繊維、ポ
リアミド繊維等の合成繊維を用いて得られた織物
または編物が用いられる。

本考案のふとん側地は、上記布帛を表面材と
し、該布帛に上記メルトブローン法による不織布
を裏地とするものである。布帛と不織布との接着
は、布帛の柔軟性や風合いを損なわせない方法を
採用することが望ましく、熱接着やホツトメルト
樹脂（粉末、フイルム、テープ状）による接着が
好ましい。

（実施例） 本考案のふとん側地を図面によつて説明する。

第１図は、本考案のふとん側地を用いた（掛）
ふとんの一部切欠部を有する斜視図の例であり、
第２図は第１図のＡの部分の拡大図である。図
中、１はポリエステル／綿混スパン糸のタフタか
らなる側地表面材であり、図中、２はポリウレタ
ンのメルトブローン法による、目付34g／m²の不
織布である。

上記積層布をふとん側地表面材とし、シリコン
加工した６デニールのポリエステル繊維中綿を詰
物とし、掛けふとんをつくつた。

このふとんは柔軟性に富み、すぐれた風合いを
有していた。また、中綿の吹き出しについてみて
みたが、吹き出しは認められなかつた。

（考案の効果） 本考案のふとん側地は、柔軟性にすぐれ、風合
いの良好なものであり、中綿の吹き出しのないも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案のふとん側地を用いてふとん
の一部切欠図の例であり、第２図は第１図Ａの拡
大図である。図中、１は表面材（表地）であり、
２はメルトブローン法による不織布、３は綿を示
す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ メルトブローン法によつて製造された合成繊
   維からなる不織布を貼り合せた布帛からなるふ
   とん側地。 ２ 合成繊維がポリウレタン繊維である実用新案
   登録請求の範囲第１項記載のふとん側地。