JPH0444031Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は原動機により回転軸を介して回転駆
動されるケースの半径方向に延出された刈ひもに
より草等の刈り払い作業を行なうための刈払機の
ロータリカツタに関するものである。

（従来の技術） 従来、このような分野の技術としては、リテー
ナにコード（刈ひも）を収納する方式のもので、
コードが摩耗した時、これを引出す構造としてエ
ンジンを停止させ、カツタ部を一部分解したり、
ねじを緩めるか、又は特開昭57−5608号に示すよ
うにカツタの取付軸先端にリールを軸方向に移動
させるための押圧体を設けて、これを回転中に押
込むことによりリールが移動し、コードの遠心力
によりリールとハウジングの位相がずれてコード
が引出されるよう構成されている。

しかし上記構成のロータリカツタでは、前者は
コードを引出すための操作がわずらわしく、後者
は回転中に押圧体を叩きつけて押込むため、コー
ドの先端が下がりコードにより小石等を飛散させ
危険であつたり、押圧体があるため地面からコー
ドまでの高さが高くなるため、刈高さが高くなつ
た。

そこで出願人は先に特願昭61−93144号明細書
記載のロータリカツタを提案した。

この慣性式ロータリカツタは軸方向に移動可能
なスライダがばねにより常時押圧され、スライダ
に設けてあるストツパがリテーナのリブに係止し
てリールの回転を止めており、衝撃力を加えるこ
とによりスライダがばねに抗して軸回転に移動
し、リテーナとスライダの噛合が外れ、コードの
遠心力によりリールが所定量回転し、コードが繰
出されていた。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、回転中にコードを引出そうとす
ると、前記機構のロータリカツタではコードにか
かる遠心力により、その張力がリールからスライ
ダにかかり、さらにスライダのストツパがリテー
ナリブの係止部に圧着するようになると、ハウジ
ングに加える衝撃力の大小によりスライダの作動
を不確実にしてしまうという問題点を有してい
た。

本考案は、従来の技術の有するこのような問題
点に鑑みてなされたものであり、その目的とする
ところはカツタが停止中は勿論、回転中でもカツ
タ部を軽く地面に叩きつけるか押し付けるだけで
確実に所定量のコードを出すことができる刈払機
用ロータリカツタを提供しようとするものであ
る。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために、本考案における刈
払機用ロータリカツタは、コードを収納するリー
ルが、その下部を覆うハウジングと回転自在に挾
持するようにしたリテーナで保持され、一方リー
ルの凹部には押圧ばねによりリテーナ側に弾圧さ
れかつ軸方向にのみ揺動するスライダを配置し、
このスライダに設けられたストツパと前記リテー
ナに設けたリブとが係合可能に構成した刈払機用
のロータリカツタにおいて、前記リテーナの中心
部には刈払機本体の回転軸に螺着するシヤフトを
挿通し、かつシヤフトには一体に突起を設けてリ
テーナに設けた孔を貫通し前記スライダのストツ
パを押すようにしたものである。

（作用） 刈払機本体の回転軸に取付けられたロータリカ
ツタは通常は適度の長さに引出されたコードによ
り芝生や雑草を刈取るが、コードが損耗して短か
くなると、ハウジングを地面に叩きつけると刈払
機の回転軸に固定されたシヤフトの突起がスライ
ダのストツパを押してリテーナの放射状のリブと
の係合を解除し易いように働く、またスライダは
ハウジングを地面に叩き付けるタツプ動作により
慣性でリテーナのリブよりばねに抗して係合が外
れ、ハウジングとリテーナとの位相がずれてコー
ドが引出し可能な状態になり、ロータリカツタを
回転させると遠心力でコードが引張られリールが
所定量（１ピツチ分）だけ回転し、コードが引出
されて再びスライダとリテーナのリブが係合し、
リールは一体で回転する。

したがつて本考案はカツタが停止中は勿論回転
中でもカツタ部を軽く地面に叩きつけるか、押し
付けるだけで確実にコードを引き出すことができ
前記問題点を除去できる。

（実施例） 第１図、第２図において、１は刈ひも（コー
ド）２の収納部を有するリールでその下部を覆う
ハウジング５とリテーナ４によつて回転自在に挾
持されリール１の凹部には押ばね９によりリテー
ナ４側に弾圧され、かつ軸方向にのみ揺動するス
ライダ７を配置し、スライダ７に設けられたスト
ツパ７ａと前記リテーナ４に設けた放射状リブ４
ｂが係合可能に構成されている。即ち、スライダ
７は常時リテーナ４のリブ４ｂとスライダ７のス
トツパ７ａが係合するようばね９で弾圧してい
る。また、スライダ７はリール１とは突部７ｂに
より軸方向には移動できるが、回転方向には位相
がずれないようになつている。更にリテーナ４と
ハウジング５は位置関係が常に一定して固定され
るよう、例えば星形嵌合（第４図参照）され、リ
テーナ４には中心部に刈払機本体の回転軸（図示
せず）に取付けられる取付ねじ３を有する別体の
シヤフト８が、位置関係が一定になるより嵌合さ
れていて、シヤフト８はボルト６にてハウジング
５と固定される。

次に、シヤフト８とリテーナ４との間には両者
が反発するばね１０が収納されており、リテーナ
４は軸方向のみ移動可能になつていて、シヤフト
８に設けた突起８ａがリテーナ４に設けた孔４ｃ
を貫通し、スライダ７のストツパ７ａを押圧する
ようになつている。なお、シヤフト８に設けた突
起８ａに対しリテーナ４には対応位置に弾性を有
するフツク４ａを一体に設ける。ハウジング５に
は一対のコード２の出口とスライダ７の凸部７ｂ
に対応する位置に円形で、かつ斜面を持つリブ５
ａを有している。なおコード２は回転方向に対し
反対方向に巻かれている。

次にその動作を説明する。

コード２が摩耗等で短かくなると、切味が低下
するために収納されているコード２をリール１か
ら引出す必要がある。

このためハウジング５を地面に叩きつけると第
４図、第５図ａに示すように刈払機の回転軸に固
定されたシヤフト８の突起８ａが、第３図、第５
図ｂに示すようにスライダ７のストツパ７ａを押
してリテーナ４の放射状のリブ４ｂとの係合を解
除し易いように働く、又スライダ７はハウジング
５を地面に叩き付けるタツプ動作により慣性でリ
テーナ４のリブ４ｂよりばね９に抗して係合が外
れ、ハウジング５とリテーナ４との位相がずれて
コード２が引出し可能な状態になりロータリカツ
タを回転させると、遠心力でコード２が引張られ
リール１が所定量（１ピツチ分）だけ回転しコー
ド２が引出される。そして再びスライダ７とリテ
ーナ４のリブ４ｂが係合しリール１は一体で回転
する。

（考案の効果） 以上詳細に説明したように本考案によれば、従
来品はハウジング底部（カツタ底部）を地面に叩
きつける時に前記問題点発生によつてコードの出
が不確実になる場合があつた。

しかし、本考案によればカツタが回転中でもシ
ヤフト８の突起８ａでスライダ７のストツパ７ａ
を押して圧着によるスライダ軸方向移動を助長す
ることにより確実に所定量コードを送り出すこと
ができ又、シヤフト８に突起８ａを設けることに
より部品を余り増やすことなく、又リテーナ４と
シヤフト８を分解せずにコード交換が可能であ
る。なお、本考案はカツタが停止中は勿論、回転
中でもカツタ部を軽く地面に叩きつけるか、押し
付けるだけで確実にコードを出すことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案ロータリカツタの一実施例を示
す断面図、第２図は同じくその平面図、第３図は
同じく作動時の断面図、第４図は第１図のＡ−Ａ
断面拡大図、第５図ａ，ｂは第４図のＢ−Ｂ断面
図による動作説明図である。 １……リール、２……コード、３……取付ね
じ、４……リテーナ、４ｂ……リブ、５……ハウ
ジング、７……スライダ、７ａ……ストツパ、８
……シヤフト、９，１０……ばね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コードを収納するリールがその下部を覆うハウ
   ジングと回転自在に挾持するようにしたリテーナ
   で保持され、一方、リールの凹部には押圧ばねに
   よりリテーナ側に弾圧され、かつ軸方向にのみ揺
   動するスライダを配置し、このスライダに設けら
   れたストツパと前記リテーナに設けたリブとが係
   合可能に構成した刈払機用のロータリカツタにお
   いて、前記リテーナの中心部に刈払機本体の回転
   軸に螺着するシヤフトを挿通し、かつシヤフトに
   は一体に突起を設けてリテーナに設けた孔を貫通
   し前記スライダのストツパを押すようにしたこと
   を特徴とする刈払機用ロータリカツタ。