JPH0443143A - 異形袋織エアーバッグ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はドライバーシート用エアーバッグに関する。よ
り詳しくは自動車の乗員保護用に用いられるエアーバッ
グにおいて、信頼性の高い優れた耐圧強度を有するドラ
イバーシート用の異形袋織エアーバッグに関する。

〔従来の技術〕

近年、自動車の衝突事故に伴う人身障害防止のための乗
員保護用安全装置としてエアーバッグシステムが実用化
され、搭載されつつある。エアーバッグシステムは自動
車の衝突を検知するセンサー、センサーからの信号に基
づいてバッグを膨脹させるガス発生器（インフレータ−
）及び衝突時にガスによって膨脹して乗員の衝撃を吸収
するエアーバッグから構成されている。

したがってエアーバッグはガスを収容する中空部を有す
ると共に、ガス発生器を取付けるための取付口および膨
張機のエアーバッグからガスを排出させるための機構（
例えばベントホール、エアーバッグの基布の通気性を利
用して排出してもよい）が設けられている。又エアーバ
ッグの基布の通気性の抑制右よび各部処の縫製部分の補
強のためにエアーバッグの基布にはコーティングが施さ
れている。

かかるエアーバッグは、従来ナイロン６６マルチフィラ
メント等の高強度合成繊維糸を用いて織物を作り、ドラ
イバーシート用エアーバッグの場合、この織物から２枚
のほぼ円形の布帛片を裁断し、２枚の布帛片の周辺部を
縫製によって接合することによって形成され、その後ガ
ス発生器取付口およびガス排出機構が設けられている。

なお縫製に先立って、通常布帛にコーティングが施され
ている。

前記従来公知の縫製によるエアーバッグは縫製に伴う種
々の問題点、例えば縫製による接合の信頼性および縫製
作業によるコストの上昇等の問題を有する。そこで前記
縫製によって接合された周辺部を有するエアーバッグの
問題点を解決するために周辺部の接合を接結一重組織帯
によって行う袋織エアーバッグが提案されている。

〔発明が解決しようとする課題〕 前記袋織エアーバッグの構造および問題点を第３図およ
び第４図を参照して以下説明する。

第３図（Ａ）は従来公知の袋織エアーバッグの一例を示
す平面図であり、第３図（Ｂ）はその断面図である。第
３図（Ａ）および第３図（Ｂ）に示すように従来公知の
袋織エアーバッグ１１は表側布帛１３（使用時にドライ
バー側）と裏側布帛１２（使用時にハンドル側）から成
り、表側布帛１３と裏側布帛１２０周辺部１４が接結一
重組織帯によって形成され、その結果表側布帛１３と裏
側布帛１２の間に中空部１６が形成されている。裏側布
帛１２の中央にはガス発生器取付口１５が設けられる。

第３図（Ｂ）に示す袋織エアーバッグ１１では周辺部１
４が中空部１６の外周に形成されているが、エアーバッ
グ１１の使用時にはガス発生器取付口１６を介してエア
ーバッグ１１を裏返して周辺部１４がエアーバッグ１１
の内側に収容される形態で用いられることが多い（図示
せず）。中空部１６の内側ははゾ円形に作られる。すな
わち第３図（Ａ）でＤｗで示す経糸方向の直径、Ｄｆで
示す緯糸方向の直径、および互いに直交する２本のバイ
ヤス方向の直径Ｄｂ、　。

Ｄｂ、の値ははヌ゛等しい。

このような構造を有する袋織エアーバッグはジャカード
機構を装備した織機を用いることによって製造すること
ができる。

前記第３図（Ａ）および第３図（Ｂ）に示す袋織エアー
バッグを膨脹した時の状態を第４図（Ａ）（平面図）お
よび第４図（Ｂ）（断面図）に示す。

第４図（Ａ）および第４図（Ｂ）から明らかなように、
膨張前にははり円形であった中空部１６の形状がバイヤ
ス方向の長い変形四辺形になる。これは布帛の一定張力
下でのバイヤス方向での伸びが縦糸方向および緯糸方向
の伸びより大きいために生ずるものと考えられる。この
ように膨脹後のエアーバッグの中空部１６が円形から歪
んだ形状すなわち変形四辺形になると、エアーバッグの
耐圧強度が低下するという現象が見られる。

したがって膨脹後の中空部の形状変化に伴って耐圧強度
が下るようであると、折角の袋織エアーバッグの特徴が
阻害されることになり好ましくない。

本発明は従来公知の袋織エアーバッグにおいて新たに見
出された前述の問題点を解決して膨張時の耐圧強度を一
段と向上させることができる構造を有する袋織エアーバ
ッグを提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本発明の前述の目的は、上下２枚の布帛から成り、該２
枚の布帛の内側にほぼ円形の中空部が形成されるように
、２枚の布帛のそれぞれの周辺部が接結一重組織帯で接
合されている袋織エアーバッグであって、該エアーバッ
グの中空部の中心を通る経糸方向、緯糸方向および互い
に直交する２本のバイヤス方向のそれぞれの長さが、エ
アーバッグを内圧０．３ｋｇ／ｃ＋ｆで膨脹させた時の
平面視の長さで前記経糸方向、緯糸方向および２本のバ
イヤス方向のそれぞれの長さが実質的に等しくなるよう
に、定められており、それによって膨張前の中空部の２
本のバイヤス方向の長さが、経糸方向および緯糸方向の
長さより短いことを特徴とする異形袋織エアーバッグに
よって達成される。

本発明による異形袋織エアーバッグにおけるほぼ円形の
中空部とは真円の中空部だけに限定せず、８角形以上の
多角形の中空部を含むことを意味する。これは複数本の
経糸と複数本の緯糸をジャカード機構を用いた織組織で
中空部を作る際に、厳密な意味の真円を形成することは
不可能である点と、可撓性の布帛で作られるエアーバッ
グは例え中空部が８角形以上の多角形であっても膨脹す
る際にははゾロ形の中空部を形成する点からである。

又エアーバッグを内圧０．３ｋｇ／ｃｕｔで膨脹させた
時の平面視の長さで経糸方向、緯糸方向および２本のバ
イヤス方向のそれぞれの長さが実質的に等しくなる場合
における実質的に等しいとはそれぞれの長さが５％以内
、より好ましくは３％以内に収まることを意味する。経
糸方向、緯糸方向および２本のバイヤス方向のそれぞれ
の長さが５％を越えて差を有する場合には耐圧強度の改
善はほとんど達成されない。

以下、本発明の異形袋織エアーバッグの一例を示す第１
図および第２図を参照して本発明を説明する。

第１図（Ａ）は本発明の異形袋織エアーバッグの一例を
示す平面図であり、第１図（Ｂ）はその断面図である。

第２図（Ａ）は第１図（Ａ）に示す袋織エアーバッグを
内圧０．３ｋｇ／ｃｉで膨脹させた時の平面図であり、
第２図（Ｂ）はその断面図である。

第１図（Ａ）に示すように本発明の異形袋織エアーバッ
グ１は表側布帛３と裏側布帛２から成り、表側布帛３と
裏側布帛３の周辺部４が接結一重組織帯によって形成さ
れ、その結果表側布帛３と裏側布帛２の間に中空部６が
形成されている。裏側布帛２の中央にはガス発生器取付
孔１５が設けられる。第１図（Ａ）に明らかに示すよう
に本発明の異形袋織エアーバッグ１でははゾ等しい経糸
方向の直径Ｄｗと緯糸方向の直径Ｄｆに対して短いバイ
ヤス方向の直径Ｄｂ、、Ｄｂ２が採用されている。

このＤｗとＤｆに対するＤｂ、　、　Ｄｂ、の値の選定
は第２図（Ａ）に示すように内圧０．３　ｋｇ　／　ｃ
ｎｆで膨脹した時のそれぞれ対応するＤｗ’　、　　Ｄ
ｆ’　　、　Ｄｂ、’およびＤ　ｂ　２　’の値が実質
的に等しくなるように実験を繰返して行えばよい。この
ように膨張前では円弧の連続した変形四辺形の中空部６
を有する異形袋織エアーバッグは膨脹後では実質的に円
形の中空部６を有するようになり、その結果エアーバッ
グの膨張時の内部ガスによる周辺部４へ作用する力がエ
アーバッグ１の中空部６の全方向にわたって均一にする
ことができ、その結果エアーバッグの耐圧強度の向上を
達成することができる。本発明者等の数多くの実験によ
れば、エアーバッグのその他の構成（糸使いその他）に
よって相違はあるが耐圧強度を２０％程度迄改善するこ
とができる。このように耐圧強度を改善できればエアー
バッグの信頼性向上に役立つだけでなく、使用状態から
規定される必要耐圧強度を満足させるための布帛の使用
量（具体的には重量）の削減に役立ち、ひいてはエアー
バッグの製造コストの削減に役立つ。

第１図（Ａ）および第１図（Ｂ）に示す本発明の異形袋
織エアーバッグ１は必要に応じてコーティングが施され
て用いられる。又第１図（Ｃ）のエアーバッグ１ａに示
すようにガス発生器取付孔５を介して裏返して周辺部４
を中空部６内に収めて用いられ、さらに取付孔５の外周
に補強布５ａを縫製によって取付けて用いられる。その
他エアーバッグとして必要な各種の構成を付加して用い
てもよい。たヌ°シこれらの構造は本願の異形袋織エア
ーバッグとは直接関係はないので詳細な説明を省略する
。

〔実施例〕

以下本発明の異形袋織エアーバッグと従来公知の袋織エ
アーバッグの例を示し、併せて性能比較を行う。

前記実験例と比較側の説明に先立ちエアーバッグの耐圧
強度と容量測定法を説明する。

・耐圧強度（ｋｇ／ｃｒｌ） 第５図に示すバースト試験装置でエアーバッグ２１の中
にエアーバッグ２１より膨脹時の容量の大きい風船２２
を入れた上で、エアーバッグ取付板２３に取付具２４を
用いて固定する。圧力調節弁２７によって管２５を介し
て供給される高圧空気２８の供給量を調節しながらエア
ーバッグ２１をゴム風船２２と共に膨らませ、エアーバ
ッグ２１が破裂した時の圧力を圧力計２６により求める
。

・容量測定法 エアーバッグを水槽に沈め、ガス発生器取付孔から内部
に注水し、水柱５００肛時での注水量を求め、エアーバ
ッグの容量とする。

実施例 ナイロン６６マルチフィラメント４２０ｄ／７０ｆを用
いジャカード機構付き織機で第１図（Ａ）および第１図
（Ｂ）に例示する構造の複数の異形袋織エアーバッグを
有する織物を得た。その際織密度は経９０本／吋、緯９
０本／吋であり、周辺部の接結一重組織帯（ななこ織）
の幅は３０ｍｍとした。中空部の形状は第１図（Ａ）の
経糸方向直径ｐｗと緯糸方向直径Ｄｆは７４０ｍｍとし
、２本のバイヤス方向の直径Ｄｂ、　、　Ｄｂ、は７０
０ｍとし、且つ７４０■および７２０　ｒｕｈの円弧を
それぞれ１００　ｍｍを続け、さらに７４０ｍｍと７２
０　ｍｍの円弧の間は緩やかに直径を変えた円弧で接続
した形状にした。なお袋織の二重縁部分の組織は平織と
した。

前言己織物から幅２０肛の接結一重組織帯を有する異形
袋織エアーバッグを切出し、且つ二重縁部分の片側の布
帛の中央に直径１００　ｍｍ中のガス発生器取付孔を設
け、その外周部に補強布を取付けた。

このようにして得た本発明の異形袋織エアーバッグにエ
アーを送り込みエアーバッグの耐圧強度及び所定圧（０
，３ｋｇ／　ｃ＋ｆ）時の中空部の寸法を測定した。得
られた結果を第１表に示す。このエアーバッグの容量は
６３１であった。

比較例 エアーバッグの容量が６３１になるように、７２０闘φ
の直径を有するはり円形の中空部が形成されるようにし
た以外は実施例と同じ条件で複数の袋織エアーバッグを
有する織物をジャカード機構付き織機を用いて製織した
。

この織物から幅２０ｍｍの接結一重組織帯を有する袋織
エアーバッグを切出し、且つ実施例と同様に補強布付き
ガス発生器取付孔を設け、実施例と同様に耐圧強度及び
所定圧（０，３ｋｇ／　ｃｒｌ　）時の中空部の寸法を
測定した。得られた結果を第１表に示す。

第１表 第１表の結果より明らかなように実施例の異形袋織エア
ーバッグでは内圧０．３ｋｇ／ｃｄの膨脹時の中央部の
寸法が経糸方向、緯糸方向および２本のバイヤス方向で
はＸ゛等しく　（寸法の差は約１．４％）、その結果耐
圧強度が約１１％向上した。

〔発明の効果〕

本発明による異形袋織エアーバッグは前述のように構成
されているので、従来公知の袋織エアーバッグに比し耐
圧強度を向上させることができる。

又本発明は従来公知の袋織エアーバッグの製造時の設計
上の変更のみで実施できるものであるので、同一のコス
トで優れたエアーバッグを得ることができるという利点
を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による異形袋織エアーバッグを示し、第
１図（Ａ）は平面図、第１図（Ｂ）はその断面図、第１
図（Ｃ）は第１図（Ａ）および第１図（Ｃ）に示したエ
アーバッグをガス発生器取付孔を介して裏返した状態を
示す断面図であり、第２図は第１図に示したエアーバッ
グを膨脹した時の状態で示し、第２図（Ａ）は平面図、
第２図（Ｂ）は断面図であり、第３図は従来公知の袋織
エアーバッグを示し、第３図＜Ａ）は平面図、第３図（
Ｂ）は断面図であり、第４図は第３図に示したエアーバ
ッグを膨脹した状態で示し、第４図（Ａ）は平面図、第
４図（Ｂ）は断面図であり、第５図は耐圧強度測定用バ
ースト試験装置の説明図である。 １．１′・・・本発明の異形袋織エアーバッグ、２・・
・裏側布帛、　　　　　３・・・表側布帛、４・・・周
辺部（接結一重組織帯）、 ５・・・ガス発生器取付孔、　６・・・中空部、１１　
、１１’・・・従来公知の袋織エアーバッグ、Ｄｗ・・
・経糸方向直径、 Ｄｆ・・・緯糸方向直径、 Ｄｂ、　、　Ｄｂ２・・・バイヤス方向直径、Ｄ賀′・
・・経糸方向直径（膨脹後）、Ｄｆ　’・・・緯糸方向
直径（膨脹後）、Ｄｂ、’　　、　Ｄｂ、’・・・バイ
ヤス方向直径（膨脹後）。 （Ａ） 第 図 （Ａ） （Ｂ） （Ａ） ２］ 第 図 （Ｂ） （自発） 平成２年１０月３１日

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 上下２枚の布帛から成り、該２枚の布帛の内側にほぼ円
   形の中空部が形成されるように、２枚の布帛のそれぞれ
   の周辺部が接結一重組織帯で接合されている袋織エアー
   バッグにおいて、該エアーバッグの中空部の中心を通る
   経糸方向、緯糸方向および互いに直交する２本のバイヤ
   ス方向のそれぞれの長さが、エアーバッグを内圧０．３
   ｋｇ／ｃｍ＾２で膨脹させた時の平面視の長さで前記経
   糸方向、緯糸方向および２本のバイヤス方向のそれぞれ
   の長さが実質的に等しくなるように、定められており、
   それによって膨脹前の中空部の２本のバイヤス方向の長
   さが、経糸方向および緯糸方向の長さより短いことを特
   徴とする異形袋織エアーバッグ。