JPH044247Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、エンジンのガバナ機構に関する。第
１図ａ，ｂは従来の燃料噴射ポンプのガバナ装置
で１は燃料噴射ポンプ、２はストツパばね、３は
タイロツド、４はガバナレバー、５はガバナウエ
イトアセンブリー、６はスライデイングシヤフ
ト、７はギヤケース、８はガバナシヤフト、９は
ポンプギヤ、１０はポンプカムシヤフト、１１は
アイドルギヤ、１２はニードルベアリング、１３
はニードルベアリング、１４はガバナばね、１５
はスピードコントロールレバーである。

ポンプギヤ９にはガバナウエイトアセンブリー
がボルト等によつて固定されており、エンジンの
回転数に比例してガバナウエイト５ａ（第２図）
は破線のように外方向に遠心力により開きスライ
デイングシヤフト６を押し出す。この揚程量が噴
射ポンプの噴射量を制御する図示しないコントロ
ールラツクに係合され、エンジンへの供給燃料が
コントロールされ、エンジン回転数が制御され
る。

第２図はガバナウエイトアセンブリを示してお
り、ガバナウエイト５ａはウエイトピン５ｂでウ
エイトサーポート５ｃに指示されている。第３図
ａは板金を打抜き折り曲げ成形したウエイトサポ
ート５ｃでこの場合はウエイトピン５ｂは挿入後
かしめてピンの脱落を防止している。第３図ｂは
ウエイトサポート５ｃの鋳鉄又は鍛造品を機械加
工して成形した例でこの場合ウエイトピン５ｂの
脱落防止はスナツプリング５ｄの組込みを採用し
ている。

次に前記従来例の作用について説明する。

ポンプギヤ９又は回転体に取り付けられたガバ
ナウエイトアセンブリーのガバナウエイト５ａは
ウエイトピン５ｂを固定軸として滑らかに開閉す
る必要がある（第２図中実線はウエイト閉、破線
がウエイト開状態を示す）。

第４図は第２図の矢視図で時計方向に回転す
るガバナウエイトアセンブリーであり、第５図は
第４図の−断面図を示す。図に示す如くガバ
ナウエイト５ａはウエイトサポート５ｃの一側方
に押し付けられながらウエイトピン５ｂを中心に
開閉する。従つて前述のとおりガバナウエイト５
ａはウエイトピン５ｂの周りを滑らかに開閉する
とともにウエイトサポート５ｃの内側面Ａ上を滑
らかに摺動する必要がある。

従つてウエイトサポート５ｃの内側面を滑らか
に作動させるためにウエイトサポート５ｃは鋳鉄
又は鍛造品を機械加工により第３図ｂに示す内側
面Ａを入念に仕上げる必要がありコスト高とな
る。一方ウエイトサポート５ｃを板金製でつくる
場合においては、第６図に示す如く両サポート部
の折り曲げ角度θを直角に精度よく成形する必要
があり又５c′，５c″に示す板金打ち抜き部のかえ
り除去を入念に実施する必要がある。角度θのバ
ラツキ或いは５c′，５c″のかえりが残存している
と、ウエイト５ａの作動が滑らかにならず、エン
ジン回転数のコントロールが充分行えなくなり、
ハンチング等の問題を生ずる場合がある。

本考案の目的は、前記問題点を解消し、ガバナ
ウエイトがガバナサポートの内側面に強く押し付
けた場合にも両者間の摩擦抵抗が少く、しかも加
工コストの低いガバナ機構を提供するにある。

本考案のガバナ機構は、Ｕ字状に形成されたウ
エイトサポートの間にウエイトピン廻りに回動可
能にガバナウエイトを取付け、ウエイトサポート
とウエイトの接合部に中央部挿通孔を有する環状
部材をガバナウエイトの少くとも一側方に挿入す
ることによつて前記目的を達成するよう構成した
ものである。

以下図面を参照して本考案によるエンジンのガ
バナ機構の一実施例について説明する。

ここにおいて、前記従来装置と同一もしくは均
等構成部分には、同一符号を用いて説明する。

第１図ａ，ｂは燃料噴射ポンプのガバナ機構の
要部断面図で図中５はガバナウエイトアセンブリ
ーでカム軸１０で駆動されている。第２図はガバ
ナウエイトアセンブリー５のみの拡大図で第４図
は第２図の矢視図、第５図は第４図の−断
面図、第６図は板金製ガバナサポートの正面図、
第７図は本考案に係るガバナ機構を示し第５図に
対応する断面図である。

カム軸１０（第１図ａ参照）とともに回転する
Ｕ字状のウエイトサポート５ｃの間にガバナウエ
イト５ａがウエイトピン５ｂの廻りに回動可能に
取付けられている。前記ウエイトサポート５ｃと
ウエイト５ａとの両接合面間にピン挿通孔を有す
る環状部材１６が挿入されており、ガバナウエイ
ト５ａが前述の第４図のようにウエイトサポート
５ｃに押し付けられた場合でも、ウエイト５ａの
側面がウエイトサポート５ｃと全面で接触するこ
とを防止している。

なお環状部材１６としてオイライトメタル（含
油軸受メタル）を使用すればさらに大きい効果が
期待できる。

このように構成することによりウエイトサポー
ト５ｃを板金製で成形した場合においても、第６
図に示すサポート部の折り曲げ角度θのバラツキ
及び５c′，５c″部に若干の打抜きかえりが残存し
ていても、これらが直接ガバナウエイト５ａに接
合する心配がなく、ガバナウエイト５ａの滑らか
な摺動の妨げとはならず又ガバナウエイト５ａの
接合面はシム１６の面に限られ、環状部材１６の
外形寸法を小さくすることによりウエイトサポー
ト５ｃに直接接合する場合よりも接合面積を小さ
くする事が可能となり、摩擦抵抗が低減しウエイ
トの作動を滑らかとしウエイトサポートを安価な
板金製とすることができる。

前述のとおり本考案のガバナ機構は、ウエイト
サポートとウエイトの間に中央部にピン挿入孔を
有する環状部材を少くともガバナウエイトの一側
方に挿入するようにしたので、ウエイトサポート
を安価な板金製とした場合でも環状部材の外形寸
法を小さくすることにより、サポート部の折り曲
げ角度θのバラツキ又はウエイトピン５ｂの嵌合
孔に打抜きかえりが残存していても、これらがガ
バナウエイトに直接接合することなくガバナウエ
イトの滑らかな摺動の妨げとならず両者間の摩擦
抵抗を低減でき、ガバナ機構の生産コストを節減
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂはそれぞれ燃料噴射ポンプのガバ
ナ要部断面図、第２図はガバナウエイトアセンブ
リーの正面図、第３図ａは第２図の−断面図
（板金製ウエイトサポートの場合）、第３図ｂは同
−断面図（鋳物又は鍛造製ウエイトサポート
の場合）、第４図は第２図の矢視図、第５図は
第４図の−断面図、第６図は板金製ウエイト
サポートの正面図、第７図は本考案に係るガバナ
ウエイト部の要部断面図である。 ５ａ……ガバナウエイト、５ｃ……サポートす
る部材（ガバナサポート）、１６……環状部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンジンの回転数制御を行うガバナ機構におい
   て、回転軸に取付けられたＵ字状のウエイトサポ
   ートの間にガバナウエイトをウエイトピン廻りに
   回動自在に取付け、前記ウエイトサポートとガバ
   ナウエイトとの間にピン挿通孔を有する環状部材
   をガバナウエイトの少なくとも一側方に挿入した
   ことを特徴としたガバナ機構。