JPH0442284Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、例えばプラスチツクフイルム製造装
置のプラスチツクフイルムを引取る引取装置に用
いるニツプロールの補助駆動装置に関する。

〔従来の技術〕

フイルム製造装置の縦延伸装置や成形装置等に
於いてフイルムを把持して搬送するためにピンチ
ロール等のニツプロールが使用されている。

上記ニツプロールが使用されるフイルム成形装
置は第３図および第４図に示すように、ダイ１よ
り溶融連続流として押出されたシート２は、冷却
機３に装備された冷却ロールＡ，Ｂ，Ｃと、ロー
ル表面へのシートの密着を補助するエアナイフ４
により冷却固化され、引取ロールＤとピンチロー
ルＥによつて引取られ巻取機５に巻取られる。

上記の冷却ロールＡは可変速モータ６からチエ
ーン７により駆動され、同モータ６の回転数の変
速によりその速度が設定されるようになつてい
る。又シート２が接触する冷却ロールＢは冷却ロ
ールＡの駆動系より歯車８、チエーン７を介して
駆動され、かつその速度は冷却ロールＡと同速に
設定されているが、鎖車９の交換により冷却ロー
ルＡとの速度差の設定が段階的に可能となるよう
考慮されている。

一方冷却ロールＣは無段変速機１０を介して駆
動されると共に、冷却ロールＡの速度に対し増減
速の調整が可能である。又引取ロールＤの駆動も
無段変速機１１を介して冷却ロールＣと同様な調
整が可能であり、これにピンチロールＥを圧接し
てシートを引取るようになつている。

上記において、従来のニツプロールの補助駆動
装置を包含するシートの引取装置の構成及び作用
を詳細に説明する。

上記シートの引取装置は、引取ロールＤ、ピン
チロールＥ、アーム１２、エアシリンダ１３、モ
ータ１４、ベルト１５、プーリ１６、カムクラツ
チ１７により構成されている。

上記ピンチロールＥは、アーム１２に回転自在
に支持されエアシリンダ１３の作用によりアーム
１２の支点１８を中心に円弧状の動きをして引取
ロールＤへの圧接又は退避をする。ピンチロール
Ｅを引取ロールＤへ圧接する際には、走行中のシ
ート２が静止中のピンチロールＥを圧接したこと
による摩擦シヨツクによつて破断されることを防
ぐため、ピンチロールＥはモータ１４、ベルト１
５、プーリ１６、カムクラツチ１７より成る駆動
装置によりあらかじめ駆動し、シートの速度より
若干遅い速度まで回転を上昇させたところで引取
ロールＤに圧接させている。なお上記カムクラツ
チ１７はピンチロールＥが圧接後は引取ロールに
より回転させられるため、上記の駆動装置をピン
チロールＥより切り離す作用を行つている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従来のピンチロール駆動装置は、モータ、ベル
ト、プーリ、カムクラツチ等構成部品が多く高価
であつた。またタイマーによりモータ１４を一定
時間回転させピンチロールＥをシート速度に近い
速度まで加速しているが、シートの速度が変更さ
れるとタイマーの設定時間を変更する必要があり
操作が煩雑であつた。

本考案は上記の問題点を解決しようとするもの
である。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、駆動ロールと進退駆動手段により上
記駆動ロールに圧接可能に設けられたピンチロー
ルとの間にシート等を把持し搬送させる引取装置
において、他の進退駆動手段の可動部に固定され
たブラケツト、および同ブラケツトに回転可能に
支持されそれぞれ円周面が上記の駆動ロールおよ
びピンチロールに接触し更にそれぞれの円周面が
互に接触するように設けられた２つのロールを備
えた。

〔作用〕

上記において、ピンチロールを駆動ロールに圧
接する場合、まず他の進退駆動手段の可動部を駆
動して２つのロールをそれぞれピンチロールと駆
動ロールに接触させる。２つのロールの接触によ
り駆動ロールの回転は徐々にピンチロールに伝え
られ、ピンチロールの周速が駆動ロールの周速と
ほゞ等しくなつたところで２つのロールを退避さ
せ、ピンチロールを駆動ロールに圧接する。

上記により、走行中のシート等にシヨツクを与
え破断させることなく簡単な操作でピンチロール
を駆動ロールに圧接できる装置が、少ない部品点
数で実現できた。

〔実施例〕

本考案の一実施例を第１図および第２図に示
す。

第１図および第２図に示す本実施例は、モータ
２６によつて駆動される引取ロールＤ、およびア
ーム２５を介してエアシリンダ２７により上記引
取ロールＤに圧接されたり退避されるピンチロー
ルＥより構成される引取装置において、別のエア
シリンダ２９のピストンロツドに固定されたブラ
ケツト３０、および同ブラケツト３０に回転可能
に支持されそれぞれ円周面が引取ロールＤおよび
ピンチロールＥに接触し更にそれぞれの円周面が
互いに接触するゴムロール２８，２８ａを備えて
いる。

上記において、ピンチロールＥを引取ロールＤ
に圧接させ上記２つのロールの間にフイルム２２
を把持しようとする場合には、まず別のエアシリ
ンダ２９のピストンロツドをのばしゴムロール２
８，２８ａを図中に実線で示す位置としてそれぞ
れ引取ロールＤおよびピンチロールＥに接触させ
る。引取ロールＤに接触したゴムロール２８は摩
擦力により回転し、ゴムロール２８はゴムロール
２８ａを回転させ、更にゴムロール２８ａはピン
チロールＥを回転させる。上記ゴムロール２８ａ
がピンチロールＥを回転させる場合、ゴムロール
２８ａに対してピンチロールＥは円周が大きく慣
性も大きいため初期段階ではスリツプして回転が
遅いが徐々に加速されやがて引取ロールＤと同一
周速となるまで加速される。

上記ピンチロールＥの周速が引取ロールＤの周
速とほゞ等しくなつた後に別のエアシリンダ２９
のピストンロツドを縮めゴムロール２８，２８ａ
を図中に２点鎖線で示す位置まで退避させ、次に
エアシリンダ２７を駆動しピンチロールＥを図中
に２点鎖線で示す位置まで下降させてシート２２
を引取ロールＤとピンチロールＥの間に把持す
る。

上記により、ピンチロールを引取ロールに圧接
させる場合、ゴムロールを介してピンチロールの
回転を徐々に上昇させた後圧接するために走行中
のシートにシヨツクを与え破断させることなく簡
単な操作で圧接できる装置が少ない部品点数で実
現できた。

なお、上記ゴムロール２８，２８ａは端部を面
取り加工しピンチロールと引取ロールの軸方向に
前進後退する方式としてもよい。

〔考案の効果〕

本考案は、進退駆動手段の可動部に固定された
ブラケツトおよび同ブラケツトに支持され駆動ロ
ールとピンチロールに接触し更にそれぞれ互に接
触して回転する２つのロールを備えたことによ
り、走行中のシート等にシヨツクを与え破断させ
ることなく簡単な操作でピンチロールを駆動ロー
ルに圧接できる装置が、少ない部品点数で実現で
きた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の説明図、第２図は
第１図の−矢視図、第３図は従来の装置の説
明図、第４図は第３図の−矢視図である。 １……ダイ、２，２２……シート、３……冷却
機、４……エアナイフ、５……巻取機、６……可
変速モータ、７……チエーン、８……歯車、９…
…鎖車、１０，１１……無段変速機、１２，２５
……アーム、１４……モータ、１５……ベルト、
１６……プーリ、１７……カムクラツチ、１８…
…支点、２６……モータ、２７，２９……エアシ
リンダ、２８，２８ａ……ゴムローラ、３０……
ブラケツト、Ａ，Ｂ，Ｃ……冷却ロール、Ｄ……
引取ロール、Ｅ……ピンチロール。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 駆動ロールと進退駆動手段により上記駆動ロー
   ルに圧接可能に設けられたピンチロールとの間に
   シート等を把持し搬送させる引取装置において、
   他の進退駆動手段の可動部に固定されたブラケツ
   ト、および同ブラケツトに回転可能に支持されそ
   れぞれ円周面が上記の駆動ロールおよびピンチロ
   ールに接触し更にそれぞれの円周面が互に接触す
   るように設けられた２つのロールを備えたことを
   特徴とするニツプロールの補助駆動装置。