JPH0438815Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は義歯に係り、詳しくは、前装材の表面
に貼着されるシエルの構造に関する。

（従来の技術） 虫歯などにより、表面が削除された歯に装着さ
れる義歯として、前装材の表面に、審美性の確保
のためにシエルを貼着したものが知られている。
この種の義歯は、前装材を象牙色と同様の黄色っ
ぽい白色とし、またシエルをエナメル質と同様の
半透明とすることにより、実際の歯と同様の色あ
いや質感を出すようになつている。

（考案が解決しようとする課題） シエルは、前装材が未硬化の状態で、その表面
に貼着されるが、その際、シエルは前装材に確実
に貼着するために強く圧着されがちであり、この
ため従来、この圧着力のために前装材は不要にば
り出してその厚さは所定の厚さよりも薄くなり、
上記色あいや質感が低下する問題があつた。

そこで本考案は、このような問題を解決する義
歯を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） このために本考案は、表面を削除された歯１
０，２０に装着される前装材３，２３と、この前
装材３，２３の表面に貼着されるシエル４，２４
とを構成し、このシエル４，２４の内面に、上記
前装材３，２３の厚さを規定するリブ状の間隔材
５，２５を突設したものである。

（作用） 上記構成によれば、シエル４，２４を前装材
３，２３に強く圧着しても、前装材３，２３がば
り出すことはなく、間隔材５，２５により前装材
３，２３の厚さは一定となり、実際の歯１０，２
０と同様の色あいや質感を出すことができる。

（実施例 １） 次に、図面を参照しながら本考案の実施例を説
明する。

第１図は歯１０に装着される義歯１の断面図、
第２図は同正面図である。この歯１０は前歯であ
り、その表面は虫歯等のために削除されている。
１１は歯ぐきである。

義歯１は、金合金などの金属から成る内装材２
と、その表面に装着された前装材３と、この前装
材３の前表面に貼着されたシエル４から成つてい
る。前装材３とシエル４は、同材質のセラミツク
や合成樹脂により形成されているが、実際の歯と
同様の色あいや質感を確保するために、前装材２
は象牙色と同様の黄色っぽい白色であり、またシ
エル４はエナメル質と同様の半透明色となつてい
る。

シエル４の内面には、リブ状の間隔材５が複数
本突設されている。この間隔材５は、前装材３の
厚さを規定するものであり、その詳細は後述す
る。またシエル４の内面下部には凹部６が形成さ
れており、この凹部６には、象牙色の詰物７が装
着されている。第２図に示すように、この象牙色
の詰物７が、半透明のシエル７の内方に透かして
見えることにより、この義歯１の色あいや質感
を、実際の歯に酷似させている。

この義歯１は、前装材２の表面に、未硬化の前
装材３をコーテイングし、その表面に、審美性の
確保のためにシエル４を貼着して作られる。この
場合、シエル４を前装材３に確実に貼着するため
に、シエル４は前装材３に強く圧着されがちであ
り、上記従来のものは、この圧着力のために、前
装材３の一部３ａが側方へばり出し（第１図鎖線
参照）、このため前装材３が所定の厚さよりも薄
くなつてしまう問題があつた。しかしながらこの
ものは、間隔材５を設けているので、この間隔材
５が内装材２に当るまでシエル４を前装材３に押
し付けることにより、前装材３を所定の厚さに
し、実際の歯と同様の色あいや質感を出すことが
できる。

（実施例 ２） 第３図は、臼歯２０用の義歯２１を示すもので
ある。この義歯２１も、上記第１実施例の義歯１
と同構造であつて、金属製の内装材２２と、前装
材２３と、シエル２４から成つており、シエル２
４の内面には、間隔材２５が複数本突設されてい
る。したがつてこのものも、前装材２３の厚さを
所定の厚さにして、所望の色あいや質感を出すこ
とができる。

（考案の効果） 以上説明したように本考案は、表面を削除され
た歯１０，２０に装着される前装材３，２３と、
この前装材３，２３の表面に貼着されるシエル
４，２４とから成り、このシエル４，２４の内面
に、上記前装材３，２３の厚さを規定するリブ状
の間隔材５，２５を突設しているので、前装材
３，２３の厚さを所定の厚さにして、実際の歯１
０，２０と同様のあいや質感を有する義歯１，２
１を簡単に製造することができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すものであつて、第１
図は義歯の断面図、第２図は正面図、第３図は他
の実施例の断面図である。 １，２１……義歯、３，２３……前装材、４，
２４……シエル、５，２５……間隔材、６……凹
部、７……詰物、１０，２０……歯。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 表面を削除された歯１０，２０に装着される
   前装材３，２３と、この前装材３，２３の表面
   に貼着されるシエル４，２４とから成り、この
   シエル４，２４の内面に、上記前装材３，２３
   の厚さを規定するリブ状の間隔材５，２５を突
   設したことを特徴とする義歯。 (2) 上記シエル４の内面に凹部６を形成し、この
   凹部６に、象牙色の詰物７を装着することを特
   徴とする上記実用新案登録請求の範囲第１項に
   記載の義歯。