JPH0438398B2 - - Google Patents

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JPH0438398B2
JPH0438398B2 JP1291584A JP1291584A JPH0438398B2 JP H0438398 B2 JPH0438398 B2 JP H0438398B2 JP 1291584 A JP1291584 A JP 1291584A JP 1291584 A JP1291584 A JP 1291584A JP H0438398 B2 JPH0438398 B2 JP H0438398B2
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明はL−2−アミノ−4−フエニル酪酸の
製法に関する。 本発明の目的化合物L−2−アミノ−4−フエ
ニル酪酸は医薬品原料として重要な物質であり、
又必須アミノ酸L−フエニルアラニンの類似化合
物として生化学分野で種々の用途を有する有用な
物質である。 従来、L−2−アミノ−4−フエニル酪酸の製
法としては、化合的に合成されたDL−2−アミ
ノ−4−フエニル酪酸を光学分割する方法(V.
Du Vigneaud and O.J.Irish.J.Biol.Chem.122349
(1938))等が知られているが、これらの方法は収
率や操作の点で問題があり、工業的に有利な方法
とは言い難い。一方、α−ケト酸を生化学的に直
接α−アミノ酸に変換する代表的な方法として
は、例えば酵素を利用して還元的にアミノ化する
方法或は他のα−アミノ酸のアミノ基を転移させ
る方法等があるが、かかる生化学反応を利用する
場合には、例えばピルピン酸をL−アラニンに変
換させる酵素はオキサル酢酸を殆んどの場合L−
アスパラギン酸へ変化させない等、使用酵素に通
常高い基質特異性が認められる。それ故、生体内
物質の化学変化にはその反応を触媒する酵素が存
在するとしても、生体内物質ではない2−オキソ
−4−フエニル酪酸を処理するに際し、かかる生
化学的手法を利用しうるか否かは、同化合物をL
−2−アミノ−4−フエニル酪酸の転換せしめる
酵素がこれまで発見されていないことからも、従
来全く予測しえなかつた。 かかる状況に鑑み鋭意研究を重ねた結果、本発
明者らはある種の微生物に2−オキソ−4−フエ
ニル酪酸をL−2−アミノ−4−フエニル酪酸へ
転換せしめる酵素の存在することを見出し、本発
明を完成するに至つた。 即ち、本発明によれば、L−2−アミノ−4−
フエニル酪酸はアクロモバクター
(Achromobacter)属、アシネトバクター
(Acinetobacter)属、バチルス(Bacillus)属、
パラコツカス(Paracoccus)属に属し、2−オ
キソ−4−フエニル酪酸からL−2−アミノ−4
−フエニル酪酸を生成せしめる能力を有する微生
物の培養液、該培養液から得た菌体又は菌体処理
物をL−アミノ酸存在下2−オキソ−4−フエニ
ル酪酸に作用させることにより製造することがで
きる。 本発明に使用する微生物としてはアクロモバク
ター属、アシネトバクター属、バチルス属、パラ
コツカス属に属し、2−オキソ−4−フエニル酪
酸からL−2−アミノ−4−フエニル酪酸を生成
せしめる能力を有するものであればいずれも使用
でき、例えばアクロモバクター、リキダム
(Achrombacter liquidum)OUT 8012(微工研
菌寄第12684号)、アシネトバクター、カルコアセ
チカス(Acinetobacter calcoacetics)IFO
12552、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)
IFO 3001、パラコツカス・デニトリフイカンス
(Paracoccus denitrificans)IFO 12442等が好適
に挙げられる。 上記微生物の培養は通常の条件下で行うことが
できる。即ち、栄養培地の炭素源としては、上記
微生物の利用可能なものであればいずれも使用で
き、例えば、グルコース、フルクトース、シユク
ロース、マルトース、デキストリン等の糖類、グ
リセロース、ソルビトール等の糖アルコール、フ
マール酸、クエン酸等の有機酸を使用することが
できる。培地への添加量は通常、0.1〜10%程度
とするのが好ましい。窒素源としては、例えば塩
化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アン
モニウム等の無機酸のアンモニウム塩、フマール
酸アンモニウム等の有機酸のアンモニウム塩、肉
エキス、酵母エキス、コーンステープリカー、カ
ゼイン加水分解物等の天然有機窒素源等を使用す
ることができ、このうち有機窒素源は多くの場
合、炭素源として兼用することもできる。窒素源
の添加量は通常、0.1〜10%の範囲が好適である。
また、無機塩類としては例えば、リン酸カリウ
ム、リン酸ナトリウムの如きリン酸アルカリ金
属、塩化カリウム、塩化ナトリウムの如き塩化ア
ルカリ金属、硫酸マグネシウム、硫酸第一鉄の如
き、金属硫酸塩等を好適に使用することができ、
その使用量は通常、0.001〜1%の範囲が好適で
ある。微生物の培養にはPH約5〜8、20〜40℃
で、とりわけPH約6〜7、30〜37℃で好気的条件
下に実施するのが好ましい。 次いで、上記の如くして得られた培養液、該培
養液より得た菌体又は該菌体の処理物を酵素源と
し、これをL−アミノ酸の存在下基質である2−
オキソ−4−フエニル酪酸に作用させることによ
りL−2−アミノ−4−フエニル酪酸を製するこ
とができる。培養液より得た菌体としては例え
ば、遠心分離、過等により分離された菌体が挙
げられ、菌体の処理物としては凍結乾燥菌体、ア
セトン乾燥菌体、洗浄菌体、菌体磨砕物、菌体の
自己消化物、菌体の超音波処理物、菌体抽出物又
はこれらをゲル抱括法や吸着法等のそれ自体公知
の固定化方法により固定化したものが挙げられ
る。固定化したものの具体例としては培養液、菌
体ないし菌体処理物を例えばポリアクリルアミド
ゲル、含硫多糖類ゲル(カラギーナン、フアーセ
レラン等)、コラーゲンゲル、アルギン酸ゲル、
ポリビニルアルコールゲル、寒天ゲル等で固定し
たものが挙げられる。さらに本発明の酵素源たる
菌体処理物としては菌体抽出物から公知の方法を
組合せて精製・採取した酵素をそれ自体も使用す
ることができる。 該反応は培養液の菌体を含む培養液に基質を加
えて実施してもよく、又該培養液より得た菌体又
は該菌体処理物を基質の水溶液に加えて反応させ
てもよい。上記本反応に用いるL−アミノ酸とし
ては例えば、L−アスパラギン酸、L−グルタミ
ン酸又はL−アラニン等があげられ、基質に対し
て当モル以上用いるのが好ましい。 また、反応時間の短縮或いはL−2−アミノ−
4−フエニル酪酸の蓄積量の増加をはかるために
は界面活性剤及び/又は補酵素等の存在下に実施
するのが好ましい。この目的に用いうる界面活性
剤としては例えば、臭化セチルトリメチルアンモ
ニウム、ポリエチレングリコール、p−イソオク
チルフエニルエーテル(ローム アンド ハース
社製 商品名:トリトン X−100)等を用いる
ことができ、その使用量は反応液に対し0.0001〜
0.1%程度とするのが好ましい。又、上記目的に
用いうる補酵素としては例えば、ピリドキサール
リン酸を挙げることができ、概ね反応液に対して
0.001〜1mM程度の濃度で用いるのが好ましい。 このようにして反応液中に蓄積したL−2−ア
ミノ−4−フエニル酪酸はそれ自体は水に殆ど不
溶であり、過又は遠心分離等通常の手段を用い
て容易に反応液から分離・採取することができ
る。また、L−2−アミノ−4−フエニル酪酸は
酸又はアルカリ性塩にすると水に可溶性となるた
め、反応液に酸又はアルカリを加え過して不純
物を除き、液を中和してL−2−アミノ−4−
フエニル酪酸結晶を析出させた後、過、遠心分
離等の常法で反応液から分離・採取することもで
きる。 以下、実施例を挙げて本発明を具体例に説明す
る。 尚、実施例中の2−オキソ−4−フエニル酪酸
及びL−2−アミノ−4−フエニル酪酸の定量は
液体クロマトグラフイー法により行ない、L−2
−アミノ−4−フエニル酪酸の確認は取得結晶の
元素分析値並びに予め合成したN−アセチル−
DL−2−アミノ−4−フエニル酪酸に市販のア
ミノアシラーゼを作用させて製したL−2−アミ
ノ−4−フエニル酪酸と比旋光度、NMR及びIR
スペクトルを比較する等して行なつた。本明細書
中”%”はいずれも”重量/容量(g/ml)”を
意味するものとする。 実施例 1 (1) グルコース1%、カゼイン加水分解物1%、
酵母エキス1%、リン酸水素2アンモニウム
0.2%、リン酸2水素カリウム0.1%、硫酸マグ
ネシウム0.05%、硫酸第1鉄0.001%、塩化カ
ルシウム0.01%及びカラリン102(三洋化成工業
株式会社製商品名)0.003%から成る培地50ml
(PH7.0)を120℃で10分間滅菌した。該培地に
パラコツカス・デニトリフイカンス
(Paracoccus denitrificans)IFO 12442を1白
金耳接種後、30℃で18時間振盪培養した。培養
後、培養液を遠心分離して集菌した後、菌体を
凍結乾燥することにより、凍結乾燥菌体0.5g
を調製した。 (2) 2−オキソ−4−フエニル酪酸4g、L−ア
スパラギン酸3.2g及びピリドキサールリン酸
0.003gを水に溶解し、アンモニア水でPH8.5と
した後、水を加えて全体を100mlとした基質溶
液に上記(1)で調製した凍結乾燥菌体1gを加え
30℃で2日間反応させた。該反応液に塩酸を加
えて生成物を溶解させ、活性炭2gを加えて吸
引過した。液を水酸化ナトリウムで中和
し、析出した結晶を取することによりL−2
−アミノ−4−フエニル酪酸3.1gを得た。収
率78% 融点:286〜288℃(分解) 〔α〕22 D+47℃(C=1、1N−HCl) 実施例2〜4 実施例1−(1)と同様にして下記第1表に示す微
生物を培養し、その培養液100mlから遠心分離に
よつて集菌した菌体を基質溶液(2−オキソ−4
−フエニル酪酸4g、L−アスパラギン酸3.2g、
臭化セチルトリメチルアンモニウム10mgを100ml
の水に溶解し、水酸化ナトリウム水溶液でPH8.5
として調製)に懸濁した。この懸濁液を30℃で2
日間反応させることにより、L−2−アミノ−4
−フエニル酪酸が得られた。結果は下記表に示す
通りである。
【表】 実施例 5 グルコース100g、カゼイン加水分解物150g、
コーンステープリカー50g、酵母エキス100g、
リン酸水素2アンモニウム20g、リン酸水素2カ
リウム10g、硫酸マグネシウム5g、硫酸第1鉄
0.1g、塩化カシンウム1g、カラリン102(三洋
化成工業株式会社製商品名)0.3g及び水10か
ら成る培地(PH7.0)を丸菱株式会社製MSJ−u
型20容ジヤーフアメンターに仕込み120℃で10
分間滅菌した。該培地に30℃で18時間振盪下フラ
スコ培養したパラコツカス・デニトリフイカンス
(Paracoccus denitrificans)IFO 12442の菌体液
100mlを接種し、1/2vwm、400rpm、30℃で20
時間培養した。次いで、該培養液に2−オキソ−
4−フエニル酪酸400g、L−アスパラギン酸320
g、臭化セチルトリメチルアンモニウム1gを加
え、アンモニア水でPH8.5に調整した後、37℃で
2日間反応させた。2日後培養液中には、2−オ
キソ−4−フエニル酪酸が認められず、L−2−
アミノ−4−フエニル酪酸360gが生成蓄積して
いた。遠心過機で該反応液から菌体及び培養液
等の不純物を除き、残存結晶を純水に懸濁して洗
浄することにより、L−2−アミノ−4−フエニ
ル酪酸の結晶320gを得た。収率79.5%。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 2−オキソ−4−フエニル酪酸からL−2−
    アミノ−4−フエニル酪酸を生成せしめる能力を
    有するアクロモバクター属、アシネトバクター
    属、バチルス属又はパラコツカス属微生物の培養
    液、該培養液から得た菌体又は該菌体の処理物を
    L−アミノ酸の存在下2−オキソ−4−フエニル
    酪酸に作用させ、生成したL−2−アミノ−4−
    フエニル酪酸を採取することを特徴とするL−2
    −アミノ−4−フエニル酪酸の製法。 2 L−アミノ酸がL−アスパラギン酸、L−グ
    ルタミン酸又はL−アラニンである特許請求の範
    囲第1項記載の製法。
JP1291584A 1984-01-26 1984-01-26 L−2−アミノ−4−フエニル酪酸の製法 Granted JPS60156394A (ja)

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US5665508A (en) * 1991-07-23 1997-09-09 Minolta Camera Kabushiki Kaisha Electrophotography carrier having domains dispersed in a matrix resin with a dispersion assistant interposed

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