JPH04368339A - 有機化合物の接触転化方法 - Google Patents

有機化合物の接触転化方法

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JPH04368339A
JPH04368339A JP3166153A JP16615391A JPH04368339A JP H04368339 A JPH04368339 A JP H04368339A JP 3166153 A JP3166153 A JP 3166153A JP 16615391 A JP16615391 A JP 16615391A JP H04368339 A JPH04368339 A JP H04368339A
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catalyst
catalytic conversion
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organic compounds
reaction
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JP3166153A
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English (en)
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Kozo Takatsu
幸三 高津
Kyoji Wakushima
涌嶋 恭司
Hiroji Masunaga
増永 博治
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機化合物の接触転化
方法に関し、より詳しく言うと、触媒反応時、触媒再生
時等のいずれかの工程で触媒が水蒸気雰囲気下に曝らさ
れるタイプの種々の有機化合物の接触転化方法を水蒸気
に接しても活性低下の少ない触媒を用いて効率よく実施
し、種々の有用な有機化合物を有利に製造するための方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】ゼオライト触媒は、種々の有機化合物の
接触転化反応に活性を示すことから、工業上極めて重要
な触媒である。ゼオライトには、その構造及び組成によ
って種々のものがあり、これらは触媒若しくは触媒成分
として、多様な有機化合物の接触転化方法に広く用いら
れている。これら種々の構造及び組成のゼオライトの中
でも、最近、ZSM−5ゼオライト等で代表される高シ
リカのMFI型ゼオライトが、A型、X型、Y型、モル
デナイト等の他の型のゼオライトと比較して、多くの有
機化合物の反応に対して、活性、選択性及び寿命の点で
優れていることが多いことから特に注目されている。
【0003】しかしながら、従来のゼオライトは、耐水
熱性が不十分である場合が多く、これを触媒反応時、触
媒再生時等において高温でスチーム雰囲気に曝すとその
触媒活性が低下しやすいという重大な欠点がある。ZS
M−5ゼオライト等の比較的高シリカのMFI型ゼオラ
イトも従来使用又は報告されているものを見る限り、上
記同様の欠点を有している。このため、反応時や触媒再
生時等にゼオライト触媒が高温で水蒸気と接触すること
を余儀なくされる多くの有機化合物の接触転化方法にお
いては、従来、そのスチームの接触による触媒活性の低
下が深刻な問題となっている。ここで、触媒が高温でス
チームと接触する場合として、例えば、アルコールの脱
水反応や転化反応(例えば、MTGプロセスなど)、C
O/H2系反応等の水が生成する反応、オレフィンの水
和反応の水を反応原料成分とする反応、あるいは水や水
を生成する成分を添加して行う反応等の反応時にスチー
ム雰囲気が生じる反応等が挙げられるが、更にこのよう
な場合だけでなく、触媒再生時や触媒前処理時にスチー
ム雰囲気が生じる場合がある点にも注意すべきである。 例えば、石油の接触分解、パラフィンやオレフィンの転
化反応など反応時にはスチーム雰囲気にならない反応の
場合にも、反応によって触媒上に蓄積した炭素質を除去
するのにスチームを含有した再生ガスによって触媒再生
を行うのが一般的であるという事情によって、触媒はそ
の再生時に高温スチーム雰囲気に接することを余儀なく
されるのである。それ故、極めて多くの有機化合物の接
触転化方法、上記のような水蒸気の作用による触媒活性
の低下の問題を抱えていることになる。
【0004】この問題を抱えた有機化合物の接触変換プ
ロセスの代表的な例を、以下に例示する。例えば、ガス
油の接触分解において、7オングストロームよりも大き
い孔径を有するゼオライト(FCC触媒)にMFI型ゼ
オライトの一種であるZSM−5を添加した触媒を用い
ると、これを添加しない場合と比べて、得られるガソリ
ンのオクタン価と収率が共に改善された結果が得られる
ことが示されている[特開昭47−8074号公報(特
公昭54−37162号公報)]。しかしながら、該公
報に記載された方法で合成したZSM−5は、耐水熱性
に劣り、触媒再生時にスチーム雰囲気に接する度に活性
が著しく低下し、その添加効果は急激に失われていく。 このため、上記の接触分解プロセスではZSM−5の添
加を連続的に行う必要があり、多量のZSM−5を必要
とする。
【0005】また、FCC触媒に大結晶のZSM−5を
添加した場合には、小結晶のZSM−5を添加した場合
に比較してスチーム処理による活性低下が少ないという
結果も報告されている(特開昭60−208395号公
報)。しかしながら、この場合にも、スチーム処理によ
る活性の低下の問題は十分に解決されていない。
【0006】ところで、こうしたプロセスでは、もし添
加するZSM−5の耐水熱性が改善できれば、そのゼオ
ライトの添加量を低減することができるはずである。Z
SM−5の耐水熱性の改善を試みた例もいくつか報告さ
れている。例えば、ZSM−5にIB族金属(Cu、A
g)、IIB族金属(Zn)やVIII族金属をイオン
交換して導入することによって、その耐水熱性が向上す
ることが主張されている(特開昭55−51440号公
報、同59−117584号公報)。しかし、その向上
効果は十分ではなく、また、例えば、Ag+ 等の交換
したカチオンが還元されるとその効果は失われてしまう
という問題もある。
【0007】また、ZSM−5含有触媒によりパラフィ
ンやオレフィン等の炭化水素(特にC5+炭化水素)か
ら芳香族炭化水素を製造する方法も知られている(特開
昭49−41322号公報)。このプロセスにおいては
、触媒上への炭素質の析出が激しいため頻繁に触媒再生
を行う必要があるが、該公報の実施例に示されているZ
SM−5を合成し、これを用いて実際に上記反応を行い
、スチーム処理による再生を繰り返すと活性が著しく低
下する。また、Gaを沈着又はイオン交換したゼオライ
トが、上記の芳香族化反応に高い活性を示すことも報告
されている(特開昭53−92717号公報)。しかし
、このゼオライトが実際どのような方法で合成されたも
のかは不明である。
【0008】また、ガス油をクラッキング触媒と接触さ
せてクラッキングしてガソリン留分を製造し、クラッキ
ングにより生成したパラフィン、オレフィンを含む炭素
数4以下の成分をZSM−5と接触させて芳香族含量す
なわちオクタン価を高める方法において、ZSM−5は
再生による水熱劣化が大きいため新鮮なものだけを用い
、再生したZSM−5はFCC触媒と共にクラッキング
反応に使用することが知られている(特公昭58−34
517号公報)。
【0009】なお、上記従来のZSM−5はMFI型ゼ
オライトの一種である。しかし、以上の例に見るように
、従来のZSM−5で代表される従来のMFI型ゼオラ
イトは、多くの有機化合物の接触変換プロセスにおける
触媒又は触媒成分として有効な場合が多いものの、耐水
熱性に劣り、スチーム処理やスチーム雰囲気での反応に
よってその活性や添加触媒としての機能が著しく低下し
やすいという問題点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
を鑑みてなされたものである。本発明の目的は、触媒が
水蒸気と接触することがある種々の有機化合物の接触変
換プロセスを、反応時や触媒再生時等に高温下で水蒸気
に接しても活性低下の少ないゼオライトを触媒もしくは
触媒成分として用いて、少なくとも触媒の水蒸気との接
触による活性及び機能低下を十分に抑制してプロセス効
率を著しく向上させた有機化合物の転化方法を提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、反応時や
触媒再生時等に触媒が水蒸気と接触することがある種々
の有機化合物の接触変換プロセスについて、高温下で水
蒸気に接しても活性低下の少ないゼオライトを触媒もし
くは触媒成分として使用することができたならば、その
プロセスの効率を著しく改善することができるものと考
え、従来のZSM−5等のMFI型ゼオライトの耐水熱
性を改善すべく鋭意研究を行った。その結果、特定の組
成(SiO2 /Al2 O3 比)及び特性(NMR
によるSiOH/酸性OH比)を有するMFI型ゼオラ
イトがその条件を満足し、種々の水蒸気が触媒と接触す
るタイプの有機化合物の接触変換プロセスにおけるその
接触転化反応の触媒もしくは触媒成分として極めて有効
であることを見出した。
【0012】本発明者らは、こうした知見に基づいて本
発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、触媒が
水蒸気に接する工程を含む有機化合物の接触転化方法に
おいて、該触媒として、SiO2 /Al2 O3 比
が20〜80であり、イオン交換によりH型とした場合
に、 1H−NMRによるSiOHの強度ISiOHと
酸性OH強度IH+の比(ISiOH/IH+)が0〜
0.5であるMFI型ゼオライトを含有する触媒を用い
ることを特徴とする有機化合物の接触転化方法を提供す
るものである。
【0013】本発明の方法において、有機化合物の転化
反応の触媒又は触媒成分として使用する前記MFI型ゼ
オライトは、単にMFI型であるだけでなく、SiO2
 /Al2 O3 比が20〜80の範囲にあり、かつ
、該ゼオライトをイオン交換により実質的に完全にH型
とした場合に1H−NMRによるSiOHの強度ISi
OHと酸性OH強度IH+の比(ISiOH/IH+)
が0〜0.5の範囲にあることが重要である。このよう
な条件を満足するMFI型ゼオライトは、耐水熱性に優
れ、反応時や触媒再生時等において高温下でスチーム雰
囲気に接しても、その活性低下が著しく小さく、触媒が
水蒸気と接触する工程を含む各種の有機化合物の接触変
換プロセスにおける有機化合物の接触転化反応用の触媒
又は触媒成分として極めて有効である。すなわち、水が
生成したり、水を添加して行う反応等のスチーム雰囲気
下での反応においてその活性低下が少なく、また、スチ
ーム処理等の水蒸気雰囲気による触媒再生を繰り返して
もその活性は低下しにくい。
【0014】ここで、前記ISiOH/IH+比は、1
H−NMRによる測定を次のようにして行った際に得ら
れるものとする。すなわち、種々の方法で調製したゼオ
ライトを、例えば塩酸等の鉱酸あるいはアンモニウム塩
で実質的に完全にイオン交換し、これを焼成することに
よって得られるH型ゼオライトを、400℃で1時間真
空排気した後、室温で常法に従って 1H−NMRスペ
クトルを測定する。その際得られるNMRスペクトルに
おいて、1.8ppm付近に出現するシラノール基(S
iOH)のOHのピーク強度(ピーク面積)をISiO
Hとし、一方、4.5ppm付近に出現する酸性OHの
ピーク強度(ピーク面積)をIH+とし、その比ISi
OH/IH+を前記ISiOH/IH+と定義するもの
とする。
【0015】なお、前記ISiOH/IH+が0〜0.
5の範囲にあるMFI型ゼオライトという意味は、前記
のようにH型とした時に 1H−NMR測定によるIS
iOH/IH+比が0〜0.5の範囲にあればよいとい
う意味であり、該ゼオライトの使用時におけるISiO
H/IH+が必ずしもこの範囲になければならないとい
う意味ではない。すなわち、本発明においては、前記M
FI型ゼオライトは、後述のように、H型としてだけで
なく、各種の金属イオン等のイオンで交換したり、各種
の成分を担持したり、各種の処理をしたり、他の成分と
混合したり、種々の形態で使用することができるが、こ
のような場合には、もはや前記ISiOH/IH+の値
は必ずしも上記の範囲にあるとは限らないことに留意す
べきである。
【0016】SiO2 /Al2 O3 比が20〜8
0の範囲にあっても、前記ISiOH/IH+が0.5
より大きいMFI型ゼオライトでは、耐水熱性が不十分
であり、スチームによる活性低下が大きく、また、場合
によっては活性(もしくは活性の向上効果)自体も小さ
いことがあり、一方、前記ISiOH/IH+が0〜0
.5の範囲にあっても、SiO2 /Al2 O3 比
が20未満であったり80より大きいものは、同様にや
はり、スチームによる活性低下が大きく、中でも、Si
O2 /Al2 O3比が20未満で小さい低シリカの
ものは炭素質の析出が顕著となることもあり、いずれに
しても本発明の目的を達成することができない。SiO
2 /Al2 O3 比の好ましい範囲は、25〜75
であり、一方、前記ISiOH/IH+の好ましい範囲
は、0〜0.4である。
【0017】本発明において使用する前記MFI型ゼオ
ライトとしては、SiO2 /Al2O3 比が20〜
80の範囲にあるMFI型ゼオライトである、例えば、
ZSM−5、ZSM−8、ゼータ1、ゼータ3、Nu−
4、Nu−5、ISI−3、ISI−5等のうちの前記
ISiOH/IH+が0〜0.5の範囲あるものを挙げ
ることができる。これらのMFI型ゼオライトは、1種
単独で使用してもよいし、2種以上を混合するなどして
併用してもよく、あるいは、後述のように他の成分と混
合して用いることもできる。
【0018】本発明の方法において使用する前記MFI
型ゼオライトの合成方法としては、特に制限はないが、
通常、その好ましい合成法として、例えば、■調製原料
中にアルコール類、アミン類やアミノアルコール類を添
加して行う合成法、■調製原料中に有機化合物を添加し
ないで無機化合物のみを原料として用いる合成法などを
挙げることができる。これらの合成方法において、モル
デナイト等の他のゼオライトを種結晶として添加して合
成する方法も好適に採用できる。また、前記MFI型ゼ
オライトの合成に際して、シリカ源及びアルミナ源とし
て、それぞれ各種のものが使用可能であるが、シリカ源
としては、通常、水ガラスが特に好適に使用される。さ
らに、その合成に際して、合成原料中に例えば塩化ナト
リウム等の他の塩類を含有させることが好ましい。
【0019】なお、従来のZSM−5等のMFI型ゼオ
ライトは、多くの場合、テトラプロピルアンモニウムブ
ロミド等の4級アンモニウム塩を結晶化剤として添加し
て合成されているが、この場合、SiO2 /Al2 
O3 比の方は容易に調節できるがISiOH/IH+
を前記特定の範囲に調節することは困難であり、実際、
こうした従来法では、インターナルSiOH基を多く含
有するZSM−5等のゼオライトが得られ、その 1H
−NMRスペクトルにおけるISiOH強度は大きく、
H型としてもISiOH/IH+は0.5より大きい。 このような従来型のゼオライトは、耐水熱性が低く、高
温で水蒸気に接すると活性が容易に低下する。これに対
して、テトラプロピルアンモニウム等の4級アンモニウ
ム化合物を用いずに、前記のようにn−プロピルアルコ
ール、n−ブチルアルコール等のアルコール類、アミン
類、アミノアルコール類を用いたり、あるいは、有機化
合物を全く用いずに合成した場合には、前記ISiOH
/IH+を低い値まで広い範囲に容易に制御することが
でき、このうち、H型とした際にISiOH/IH+が
0〜0.5の範囲にあるMFI型ゼオライトは、耐水熱
性が高く、高温で水蒸気が存在する雰囲気で用いても活
性の低下が少ないことが見出されたのである。このよう
な点から、本発明で使用する前記MFI型ゼオライトの
合成には上記■及び■の合成法が好適に使用されるので
ある。
【0020】本発明の方法において、前記MFI型ゼオ
ライトは、必要に応じて、他のゼオライトと混合した触
媒として用いてもよい。また、必要に応じて、前記MF
I型ゼオライトあるいは他のゼオライトに、所望の金属
元素(例えば、Pt、Ni、Ga、Zn、Cu、Co、
Fe、あるいは他の金属元素)をイオン交換、含浸等に
よって担持したり、あるいは、これらの金属成分を該ゼ
オライトと物理的に混合して使用してもよい。さらには
、前記ゼオライトを、酸、アルカリ、熱、水蒸気、アン
モニア、ハロゲン、又は他の非金属化合物等の物質で適
宜処理して使用することもできる。
【0021】また、前記MFI型ゼオライトは、例えば
、アルミナ、シリカアルミナ、ジルコニア、マグネシア
、粘土鉱物等のバインダーを用いて成形して用いてもよ
い。通常、適当なバインダーを用いて成形して用いるこ
とが好ましい。すなわち、前記MFI型ゼオライトは、
従来のゼオライト触媒同様に、必要に応じて、種々の処
理を施したり、あるいは他の成分と混合したりして、種
々の形態で使用することができる。
【0022】本発明の方法において使用する前記MFI
型ゼオライトは、各種の有機化合物の接触転化反応の触
媒もしくは触媒成分として用いた際に、そのゼオライト
特有の優れた触媒活性もしくは触媒機能を発揮する上に
、耐水熱性に優れ、反応時や触媒再生時等において高温
下でスチーム雰囲気に接しても、活性低下が著しく小さ
く、その本来の触媒機能が長期間持続する。したがって
、該MFI型ゼオライトを触媒もしくは触媒成分として
用いることによって、触媒が水蒸気に接する工程を含む
各種の有機化合物の接触変換プロセスを、少なくとも従
来のMFI型ゼオライトを用いた場合に比べて、著しく
効率よく行うことができる。
【0023】すなわち、本発明の方法においては、実施
する有機化合物の接触転化反応としては、触媒が触媒反
応時、触媒再生時等のいずれかの工程で水蒸気と接触す
るタイプのプロセスを用いるものであれば、特に制限は
なく、少なくとも従来のMFI型ゼオライトを触媒又は
触媒成分として用いて行われる各種の反応はもとより種
々の反応を対象とすることができる。ここで、使用する
触媒と水蒸気の接触が反応時に起こる場合だけでなく、
たとえ反応時には触媒と水蒸気の接触が起こらなくても
触媒の再生時や前処理時等の反応時以外に触媒と水蒸気
が接触する場合も本発明の対象となることに注意すべき
である。
【0024】すなわち、本発明においては、例えば、(
1)水が生成したり、水を原料または添加物として反応
系に添加して行う反応等の反応時に水蒸気と触媒が接触
するタイプのプロセス、(2)必ずしも触媒反応時には
触媒が水蒸気に接触しないでも、触媒再生時に触媒が水
蒸気に接するタイプのプロセスなど、各種のタイプのプ
ロセスが採用可能である。もちろん、反応時および触媒
再生時共に触媒が水蒸気に接したり、あるいは、触媒が
前処理時に水蒸気と接触するタイプのプロセスを用いる
こともできる。
【0025】上記(1)のタイプのプロセスの場合、対
象とする接触反応としては、例えば、アルコールの脱水
反応等の各種の脱水反応、アルコール等の含酸素化合物
からガソリンへの転化反応等の水の副生を伴う各種の反
応、オレフィンの水和反応等の水を反応原料として用い
る反応などを挙げることができる。これらの中でも、特
に、メタノールのガソリンへの転化反応(MTG反応)
、アルコールの脱水反応、オレフィンの水和反応などが
好ましい。
【0026】また、前記(2)のタイプのプロセスの場
合、種々の有機化合物の接触分解、芳香族化、アルキル
化、不均化、重合、異性化等の極めて多様な接触反応を
対象とすることができ、より具体的には、例えば、各種
炭化水素のクラッキング反応、パラフィンやオレフィン
の芳香族化反応、芳香族化合物、パラフィン、オレフィ
ン等の炭化水素のオレフィンによるアルキル化反応、芳
香族化合物やパラフィンやオレフィンの不均化反応、異
性化反応あるいは重合反応などを挙げることができる。 また、この反応は、単純反応に限定されるものではなく
、例えば、石油留分の改質反応等の上記反応等の複合反
応であってもよい。
【0027】こうした炭化水素の転化反応等おいては、
一般に、触媒上に炭素および水素からなる炭素質(コー
ク)が次第に析出し、触媒活性が低下するので、適当な
間隔で触媒の再生を行う。この触媒再生は、通常、スチ
ーム及び/又は酸素を含有するガスによって好適に行わ
れる。ここで、再生ガス中にスチームを含有させない場
合にも、触媒再生時に酸素によるコークの燃焼等により
生じる水蒸気に触媒が接する点に留意すべきである。
【0028】前記(2)のタイプのプロセスを場合、少
なくとも、触媒が水蒸気に接するように触媒再生を行う
。その際の再生条件は、使用する触媒や対象とする反応
、あるいは反応条件、反応時間、プロセスの選定条件等
の他の種々の条件に依存するので一律に規定することが
できないが、この触媒再生は、通常、次の条件で好適に
行うことができる。
【0029】すなわち、前記触媒再生は、通常、400
〜850℃、好ましくは、500〜650℃の温度範囲
で好適に行うことができる。この再生温度が400℃未
満では、コークの除去を十分に行うことができないこと
があり、一方、再生温度が850℃を超えると、触媒の
シンタリングやゼオライト骨格の分解などを生じること
がある。
【0030】前記触媒再生の際使用する再生ガスの酸素
濃度は、通常、0〜21容量%の範囲に選定するのが好
ましい。一方、該再生ガス中の水蒸気濃度としては、通
常、0〜30容量%、好ましくは、1〜10容量%の範
囲から適宜選定するのがよい。なお、触媒再生を好適に
行うために、上記の濃度範囲で、酸素又は水蒸気のいず
れか一方、あるいは双方を再生ガス中に含有させて行う
のが好ましい。また、酸素及び水蒸気以外のガス成分と
しては、通常、窒素等の不活性ガスが好適に使用される
が、必要に応じて、各種の成分を含有させることもでき
る。もちろん、空気又は空気と水蒸気の混合ガスは、前
記再生ガスとして好適に使用される。なお、上記の再生
条件は、特に前記例示の各種の炭化水素の転化反応を行
う場合に対して特に好適に採用される。
【0031】また、前記触媒再生は、一般には、任意の
間隔で行うことができるが、通常、150時間以内の反
応時間毎に行う方式が好ましくは採用され、特に、前記
例示の各種の炭化水素の転化反応を行う場合には、この
150時間以内の反応時間毎に前記触媒再生を行うこと
が好ましい。
【0032】本発明において、前記反応及び再生は各種
の型式の装置を用いて種々の操作によって行うことがで
きる。例えば、固定床型式、流動床型式、移動床型式、
スイングタイプリアクター型式、懸濁床型式等による連
続操作又は断続操作で行うことができるし、あるいは、
必要に応じて、回分操作あるいは半回分操作等によって
行ってもよい。これらの中でも、前記(2)のタイプの
プロセスを用いる場合、特に前記例示の各種の炭化水素
の転化反応を行う場合には、反応と再生を連続的に、か
つ、より効果的に行うことができる点から、反応器型式
として、通常、流動床型式、移動床型式又はスイングタ
イプリアクター型のいずれかを用いるプロセスを採用す
ることが好ましい。なお、流動床型式の場合、ライザー
方式を採用してもよい。一方、前記(1)のタイプのプ
ロセスを用いる場合には、例えば、固定床型式などが好
ましく採用される場合もある。
【0033】本発明の接触転化方法が好適に用いられる
プロセスとして、炭素数2〜炭素数10のパラフィン、
オレフィン若しくはジエン化合物を含む炭化水素から芳
香族炭化水素を製造するプロセスが挙げられる。このプ
ロセスはコーク析出が多く、触媒の活性劣化が大きい。 このため、頻繁に劣化触媒を反応器から再生器に送り、
コークを燃焼除去して再び反応器に戻す必要があるが、
本発明の触媒を用いると活性の劣化が少なく、新触媒の
供給量が少なくて済み、効率的である。
【0034】反応原料の炭化水素の好ましい混合割合は
、パラフィン40〜85重量%、オレフィン5〜30重
量%、ジエン化合物5〜35重量%である。炭素数1の
化合物は芳香族化しにくいが、反応原料中に含まれてい
ても特に問題はない。また、オレフィン、ジエン化合物
は芳香族化合物の収率が高く好ましい原料であるが、あ
まり入れすぎると反応器ヒートバランスがくずれる。 本発明の反応原料としては、石油精製装置から出てくる
DLN(脱硫ライトナフサ)0〜50重量%、石油化学
装置のエチレン分解副生油のCD5留分50〜100重
量%のものが特に好適に用いられる。
【0035】反応器形式は反応/再生工程を含む流動床
形式が好適に用いられる。反応が進行し、芳香族化合物
が生成するとともに、コークが触媒上に析出して、活性
が劣化する。このため、劣化触媒を反応器から再生器に
連続的に送り、再生器でコーク燃焼除去後、再び反応器
(流動床)に戻す。本反応は吸熱反応であり、再生器で
のコークの燃焼熱によって温度の高められた再生触媒を
反応器に循環させることは反応器の温度を保持する上で
好ましい。
【0036】触媒の循環は流動床反応器中の触媒が1時
間あたり30重量%以上の割合で抜き出されて再び流動
床反応器に戻されるような速度とすることが好ましい。 これより小さい速度では活性劣化及び反応熱供給上不都
合が生ずることがある。再生器でのコーク燃焼に際して
は水が生成する。この水と熱のため、従来の触媒ではそ
の構造が変質して、芳香族化合物の収率低下が大きかっ
たが、本発明の触媒は水熱による劣化が少ないので収率
の低下は小さい。
【0037】上記反応において、平均流動床密度は、好
ましくは300〜500kg/m3とすることが好まし
い。上限を超えると触媒の入れ換えが困難となり、下限
未満であると反応が遅くなる。また、流動床反応器温度
は350〜600℃とすることが好ましい。温度がこれ
より低いと芳香族化合物の収率が低くなり、これより高
いと不都合な分解反応が多くなり、また触媒の劣化や破
壊が起こりやすくなる。再生器温度は特に限定されない
が、400〜650℃とすることが好ましい。温度がこ
れより低いと再生が不十分となり、高いと触媒の破壊が
おこりやすくなる。また、エネルギーコストやそのバラ
ンス上不利になることがある。
【0038】
【実施例】以下に、本発明を実施例及び比較例等によっ
て、より具体的に説明するが、本発明は、これらに規定
されるものではない。 (触媒製造例1)硫酸アルミニウム(18水塩)18.
8g、硫酸(97%)10.9g及び水250mlを溶
液としたものをA液とする。水ガラス(SiO229.
0g重量%、Na2O9.4重量%、水61.6重量%
)211g、水250mlを溶液としたものをB液とす
る。塩化ナトリウム79g、水122mlを溶液とした
ものをC液とする。C液を撹拌しながら、これに室温で
A液、B液を徐々に滴下した。この原料混合物にモルデ
ナイトの粉末0.5gを添加した後、50%硫酸を6g
添加して、pHを9.5に調整し、1lのオートクレー
プに入れて回転数300rpmで撹拌しながら170℃
、自己圧力下にて20時間反応させた。反応混合物を冷
却した後、生成物を1.5lの水で5回洗浄した。次い
で濾過した固形分を120℃で6時間乾燥し、更に空気
中で550℃にて6時間焼成した。
【0039】その後ゼオライト1g当たり10mlの1
規定硝酸アンモニウム溶液を用いて80℃にて4時間の
イオン交換を2回行い純水で洗浄し、120℃で乾燥し
た後、550℃で6時間焼成した。
【0040】このゼオライトはSiO2/Al2O3比
29のMFI型ゼオライトであった。以下、このゼオラ
イトを触媒Aと呼ぶ。触媒Aについて1H−NMRスペ
クトルの測定を次のようにして行った。触媒A0.18
gを400℃で1時間真空排気した後室温まで放冷しス
ペクトルを測定した。シラノール基(1.8ppm)と
酸性OH基(4.5ppm)によるピークの面積比IS
iOH/IH+は0.0 7であった。
【0041】(触媒製造例2)硫酸アルミニウム(18
水塩)7.52g、硫酸(97%)17.6g及び水1
00mlからなる溶液をA液とし、水ガラス(SiO2
29.0重量%、Na2O9.4重量%、水61.6重
量%)211g及び水100mlからなる溶液をB液と
した。水100ml中にA液とB液を同時に徐々に滴下
混合し、次いで50%硫酸6.7gを加えてpH9.5
に調整し、更にn−プロピルアルコール180mlを加
えて混合した。続いて得られた水性混合物を1l容のオ
ートクレープに入れ、撹拌しながら150℃、自己圧力
下にて48時間反応を行った。
【0042】生成物を触媒製造例1と同様に処理しH型
ゼオライトを得た。このゼオライトはSiO2/Al2
O3比75のMFI型ゼオライトであった。以下、この
ゼオライトを触媒Bと呼ぶ。触媒製造例1と同様にIS
iOH/IH+を測定したところ、0.06であった。
【0043】(触媒製造例3)硫酸アルミニウム(18
水塩)7.52g、硫酸(97%)17.6g及び水1
00mlからなる溶液をA液とし、水ガラス(SiO2
29.0重量%、Na 2O9.4重量%、水61.6
重量%)211g及び水96mlからなる溶液をB液と
した。水50ml中にA液とB液を同時に徐々に滴下混
合し、次いで50%硫酸6.8gを加えてpH9.5に
調整し、更にn−ブチルアルコール876mlを加えて
混合した。続いて得られた水性混合物を1l容のオート
クレープに入れ、撹拌しながら170℃、自己圧力下に
て20時間反応を行った。生成物を触媒製造例1と同様
に処理しH型ゼオライトを得た。このゼオライトはSi
O2/Al2O3比73のISI−3型ゼオライトであ
った。以下、このゼオライトを触媒Cと呼ぶ。触媒製造
例1と同様にISiOH/IH+を測定したところ、0
.05であっ た。
【0044】(触媒製造例4) 結晶性アルミノシリケート(H−ZSM−5)の調製硫
酸アルミニウム(18水塩)7.52g、硫酸(97%
)17.6g、テトラプロピルアンモニウムブロマイド
26.3g及び水250mlからなる溶液をA液とし、
水ガラス(SiO229.0重量%、Na2O9.4重
量%、水61.6重量%)211g及び水250mlか
らなる溶液をB液とし、塩化ナトリウム79g及び水1
25mlからなる溶液をC液とした。このC液中にA液
とB液を同時に徐々に滴下混合し、次いで50%硫酸6
.0gを加えてpH9.5に調整し、1lのオートクレ
ーブに入れ、撹拌しながら170℃、自己圧力下にて2
0時間反応を行った。
【0045】生成物を触媒製造例1と同様に処理しH型
ZSM−5を得た。また、SiO2/Al2O3比は7
0であった。以下、このゼオライトを触媒Dと呼ぶ。触
媒製造例1と同様にISiOH/IH+を測定したとこ
ろ、1.20であっ た。
【0046】(触媒製造例5)50%硫酸を16.0g
加えてpHを8.2にしたこと以外は触媒製造例4と同
様な操作によりSiO2/Al2O3比77のH型ZS
M−5を得た。以下、このゼオライトを触媒Eと呼ぶ。 触媒製造例1と同様にISiOH/IH+を測定したと
ころ、0.85であっ た。
【0047】実施例1〜3、比較例1、2前記製造例1
〜5で得た触媒A、B、C、D及びEそれぞれを触媒と
して用いて、下記の条件で接触分解反応を行った。 反応条件:原料n−ヘキサン、500℃常圧、WHSV
12hr−1、ヘリウム/n−ヘキサン  モル比2な
お、各触媒は圧縮成型し、粒度16〜32メッシュとし
て用いた。また各触媒とも600℃、常圧2%スチーム
で120時間スチーム処理を行った。スチーム処理前後
のn−ヘキサン分解活性を表1に示す。
【0048】
【表1】 K/K0 =ln(スチーミング後触媒の未反応率)/
ln(スチーミング前触媒の未反応率)
【0049】(触媒製造例6〜16)触媒製造例1と同
様な方法でゼオライトの製造を行った。ただし、各原料
の添加量は表2に示す通りとした。製造したゼオライト
をF〜Pとし、製造例1と同様にISiOH/IH+を
測定した。結果をまとめて表2、表3に示した。
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】実施例4〜12、比較例3、4前記製造例
6〜16で得た触媒F〜PのH型ゼオライトを各々触媒
として用い、実施例1と同様にしてスチーミング処理前
後においてn−ヘキサンの接触分解反応を行った。結果
を表4及び表5に示した。
【0053】
【表4】
【0054】
【表5】
【0055】(触媒製造例17)水酸化ナトリウム13
.4gを水160mlに溶解した溶液に硝酸アルミニウ
ム(9水塩)20.8gを水160mlに溶解した溶液
を徐々に加えて得られた溶液をA液とした。コロイダル
シリカ(スノーテックスS)200g及び水250ml
からなる液をB液とした。A液とB液を同時に徐々に滴
下混合して得られた混合物を1l容オートクレーブに入
れ撹拌しながら170℃で5日間反応を行った。生成物
を実施例1と同様に処理しH型MFIゼオライトを得た
。このゼオライトのSiO2/Al2O3比は28.3
であった。以下、このゼオライトを触媒Qと呼ぶ。触媒
製造例1と同様にISiOH/IH+を測定したところ
、0.07であった。
【0056】実施例13 製造例17で得た触媒Qを触媒として用いて、下記の条
件に従ってスチーミング処理を行ったものと行わなかっ
たものについてn−ヘキサンの接触分解反応を行った。 結果を表6に示す。 スチーム処理条件:600℃、H2O濃度2%、GHS
V=1600hr−1、処理時間120hrn−ヘキサ
ン接触分解:480℃、3ATM、WHSV=48hr
−1、He/n−ヘキサン=4.0
【0057】
【表6】
【0058】実施例14、15、比較例5触媒A、J、
Oのゼオライトに硝酸ガリウム溶液を含浸し1重量%の
Gaを担持した。乾燥後、550℃で4時間焼成した後
圧縮成型により16−32メッシュとした。これらの触
媒の一部を下記の条件でスチーミング処理した。このス
チーム処理前後の触媒について下記の条件でn−ヘキサ
ンの芳香族化反応を行った。結果を表7に示す。 スチーム処理条件:600℃、H2O濃度2%、GHS
V=1600hr−1、処理時間120hrn−ヘキサ
ン芳香族化反応条件:500℃、常圧、WHSV=2h
r−1
【0059】
【表7】
【0060】(触媒製造例18)硫酸アルミニウム(1
8水塩)18.8g、硫酸(97%)10.9g及び水
250mlを溶液としたものをA液とする。水ガラス(
SiO229.0重量 %、Na2O9.4重量%、水
61.6重量%)211g、水250mlを溶液 とし
たものをB液とする。塩化ナトリウム79g、水122
mlを溶液としたものをC液とする。C液を撹拌しなが
ら、これに室温でA液、B液を徐々に滴下した。この原
料混合物にモルデナイトの粉末0.5gを添加した後、
50%硫酸を6g添加して、pHを9.5に調整し、1
lのオートクレーブに入れて回転数300rpmで撹拌
しながら170℃、自己圧力下にて20時間反応させた
【0061】反応混合物を冷却した後、生成物を1.5
lの水で5回洗浄した。次いで濾過した固形分を120
℃で6時間乾燥し、更に空気中で550℃にて6時間焼
成した。その後ゼオライト1g当たり10mlの1規定
硝酸アンモニウム溶液を用いて80℃にて4時間のイオ
ン交換を2回行い純水で洗浄し、120℃で乾燥した後
、550℃で6時間焼成した。
【0062】このゼオライトはSiO2/Al2O3比
29のMFI型ゼオライトであった。以下、このゼオラ
イトをゼオライトAと呼ぶ。ゼオライトAについて1H
−NMRスペクト ルの測定を次のようにして行った。 ゼオライトA0.18gを400℃で1時間真空排気し
た後室温まで放冷しスペクトルを測定した。シラノール
基(1.8ppm)と酸性OH基(4.5ppm)によ
るピークの面積比ISiOH/IH+は0.0 7であ
った。
【0063】このゼオライトAに硝酸ガリウム溶液を含
浸し、1重量%のガリウムを担持した。乾燥後、550
℃で4時間焼成し、次いでアルミナバインダーと混合し
、バインダー含量35重量%とし、スプレードライヤー
により造粒後、550℃で3時間焼成して流動床用の触
媒A′を製造した。
【0064】(触媒製造例18、19)先に得られたゼ
オライトJ及びPを用いて触媒製造例17と同様にして
流動床用の触媒J′及びP′を製造した。
【0065】実施例16、17、比較例6先記触媒調製
例で調製した触媒A′、J′、P′をそれぞれ用い、反
応器と再生器のそれぞれの触媒量が100ccである流
動床触媒連続再生式反応器を用いて下記条件で反応を実
施した。
【0066】(1)原料油:  DLN(50重量%)
+CD5(50重量%) (合計で、パラフィン74.6重量%、オレフィン11
.3重量%、ジエン化合物13.5重量%、その他0.
6重量%)
【0067】DLN、CD5の組成を下記に示す。 [DLN] i−ペンタン          20.2重量%n−
ペンタン          30.5重量%2,2−
ジメチルブタン  0.5重量%2−メチルペンタン 
   15.1重量%3−メチルペンタン      
7.9重量%n−ヘキサン          19.
5重量%メチルシクロペンタン    6.3重量%[
CD5] 1−ブテン、イソブチレン、1,3−ブタジエン   
   0.2重量%trans−2−ブテン     
                       0.
1重量%cis−2−ブテン            
                    0.2重量
%n−ブタン                   
                     0.1重
量%ネオペンタン                 
                     0.2重
量%3−メチル−1−ブテン            
                0.4重量%unk
nown                     
               0.1重量%1,4−
ペンタジエン                   
           2.0重量%イソペンタン  
                         
         14.0重量%1−ペンテン   
                         
          3.0重量%2−メチル−1−ブ
テン                       
     3.9重量%イソプレン         
                         
    12.9重量%n−ペンタン、trans−2
−ペンテン          24.8重量%cis
−2−ペンテン                  
            0.7重量%2−メチル−2
−ブテン、trans−1,3−ペンタジエン    
                         
                     7.0重
量%シクロペンタジエン              
                  8.0重量%c
is−1,3−ペンタジエン            
          3.2重量%2,2−ジメチルブ
タン                       
     0.1重量%unknown       
                         
    0.1重量%シクロペンテン        
                         
   3.1重量%cis−4−メチル−2−ペンテン
                  0.5重量%2
,3−ジメチル−1−ブテン            
          0.3重量%trans−4−メ
チル−2−ペンテン、シクロペンタン        
                         
                 2.8重量%2,
3−ジメチルブタン                
            0.1重量%2−メチルペン
タン                       
         3.0重量%2−メチル−1−ペン
テン                       
   0.4重量%3−メチルペンタン       
                         
1.5重量%unknown            
                        0
.2重量%n−ヘキサン              
                        4
.1重量%unknown             
                       0.
3重量%メチルシクロペンタン           
                   0.5重量%
unknown                  
                  0.0重量%ベ
ンゼン                      
                    1.3重量
%シクロペンタジエン               
                 0.9重量%  
                         
             合計      100重
量%
【0068】(2)反応条件 反応器温度を500℃、再生器温度を580℃とし、再
生器は乾燥空気により流動化させ、反応圧力は0.7k
g/cm2とした。反応器中の触媒の1時間あたりの抜
き出し量/反応器触媒量をQとするとQ=20重量%及
び40重量%とし、原料油供給速度を150g/hr、
流動床密度を400kg/m3とした。 (3)反応成績 先に得られた流動床触媒A′、J′、P′を用いて、上
記反応条件に到達後、それぞれ1、250、500hr
経過後のBTX収率を測定したところ次の結果を得た。
【0069】
【表8】
【0070】表から耐水熱性の高い触媒A′及びJ′は
触媒P′に比べて劣化が少なく、1〜500hr平均の
BTX収率が高いことがわかる。またQはQ=40%の
方がQ=20%に比べ、1〜500hr平均のBTX収
率が高いことがわかる。
【0071】
【発明の効果】本発明によると、触媒又は触媒成分とし
て、反応時や触媒再生時等に高温下で水蒸気に接しても
活性低下の少ない特定の構造、組成及び特性を有する特
定のゼオライトを用いているので、触媒が水蒸気と接触
することがある種々の有機化合物の接触変換プロセスを
、少なくとも触媒の水蒸気との接触による活性及び機能
低下を十分に抑制して行うことができ、したがって、プ
ロセス効率が著しく改善された各種の有機化合物の転化
方法を提供することができる

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  触媒が水蒸気に接する工程を含む有機
    化合物の接触転化方法において、該触媒として、SiO
    2 /Al2 O3 比が20〜80であり、イオン交
    換によりH型とした場合に、 1H−NMRによるSi
    OHの強度ISiOHと酸性OH強度IH+の比(IS
    iOH/IH+)が0〜0.5であるMFI型ゼオライ
    トを含有する触媒を用いることを特徴とする有機化合物
    の接触転化方法。
  2. 【請求項2】  MFI型ゼオライトが、無機化合物の
    みからなる原料混合物を用いて合成したものである請求
    項1記載の有機化合物の接触転化方法。
  3. 【請求項3】  MFI型ゼオライトが、アルコール類
    、アミン類及びアミノアルコール類のうちのいずれかを
    添加して合成したものである請求項1記載の有機化合物
    の接触転化方法。
  4. 【請求項4】  有機化合物の接触転化方法が、触媒の
    再生時に触媒が水蒸気と接触する形式で有機化合物の接
    触分解、芳香族化、不均化、アルキル化、重合及び異性
    化のうちの少なくとも1種からなる反応を行うプロセス
    であり、かつ、該触媒の再生を150時間以内の反応時
    間毎に行うプロセスである請求項1記載の有機化合物の
    接触転化方法。
  5. 【請求項5】  有機化合物の接触転化方法が、オレフ
    ィンの水和反応又は水を生成するアルコールの転化反応
    を行うプロセスである請求項記載1の有機化合物の接触
    転化方法。
  6. 【請求項6】  反応器型式が流動床型式、移動床型式
    及びスイングタイプリアクター型式のうちのいずれかで
    ある請求項1又は4記載の有機化合物の接触転化方法。
  7. 【請求項7】  有機化合物の接触変換プロセスが、炭
    素数2〜炭素数10のパラフィン、オレフィン若しくは
    ジエン化合物を含む炭化水素から芳香族炭化水素を製造
    するプロセスである請求項1記載の有機化合物の接触転
    化方法。
  8. 【請求項8】  芳香族炭化水素を製造するプロセスが
    、反応器形式が流動床形式であり、反応温度が350〜
    600℃であり、平均流動床密度が300〜500kg
    /m3であり、且つ流動床反応器中の触媒が1時間あた
    り30重量%以上の割合で抜き出され、再生搭にて再生
    されて再び流動床反応器に戻されるものである請求項7
    記載の有機化合物の接触転化方法。
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